墨田区女子高生殺害 20代の夫婦を逮捕

朝からテレビのニュースで繰り返し取り上げられていたのが、この東京墨田区の女子高生が連れ去られ、遺体で発見された事件です
犯行に至るまでの詳細な経緯はまだ不明であり、「なぜ、こうも簡単に人を殺してしまうのか」と思うばかりです
報道で伝えられている範囲では、小森章平容疑者は殺害された鷲津花夏さんとツイッターで知り合い、それが妻にバレて殺害に至った…という話です。小森章平容疑者は独身男性であるとでも偽り、女子高生を口説きにかかったのでしょう。妻は夫の浮気を知って逆上し、殺せと命じたのか


東京都内で高校3年の女子生徒が行方不明になる事件があり、警視庁は31日未明、山梨県早川町新倉の県道沿いの小屋の中から、女子生徒の遺体を発見した。警視庁は同日、女子生徒の遺体を捨てたとして、群馬県渋川市渋川、職業不詳の小森章平(27)、妻の和美(28)両容疑者を死体遺棄容疑で逮捕した。和美容疑者は「女子生徒を刺した」という趣旨の供述をしており、殺人容疑も視野に調べる。
警視庁幹部によると、行方不明になっていたのは、墨田区東向島、都内の私立高校3年、鷲野(わしの)花夏(かな)さん(18)。捜査関係者によると、鷲野さんは両容疑者のいずれかと面識があったとみられる。
遺体は、県道沿いの小屋の中から見つかり、家族が本人と確認した。胸や腹の辺りに血のようなものが付いており、今後、司法解剖して詳しい死因を調べる。
鷲野さんは、28日午後3時半頃、母親に「友人に会いに行く。午後5時頃に帰る」と伝えて自宅を出ていた。午後6時半になっても帰宅しなかったため、母親が110番した。
家出をするなどの動機は見当たらず、警視庁は、事件に巻き込まれた可能性があるとみて捜査。墨田区内の駐車場の防犯カメラに28日午後、鷲野さんが自ら乗用車に乗り込む姿が映っていたことがわかった。
この車は章平容疑者が所有しており、警視庁が行方を捜査。30日午後7時20分頃、章平容疑者と和美容疑者が、長野県辰野町の中央道辰野パーキングエリアに車をとめたため、職務質問に踏み切った。
任意の事情聴取に対し、2人は「山梨県で小屋の中に遺体を置いた」などと説明したという。このため、捜査員が現地を確認し、31日未明に遺体を発見した。和美容疑者は殺害についてもほのめかしているが、章平容疑者は「殺害には関与していない」などと話したという。
鷲野さんは発見時、行方不明になった時と同じ服装だった。携帯電話などの所持品は見つかっていない。行方不明になった後、自宅にあったタブレット端末に交際相手を名乗る人物からLINE(ライン)でメッセージが届いていた。母親が「あなた誰ですか」と返信すると、応答はなかったといい、警視庁が関連を調べている。
(読売新聞の記事から引用)


戦後、日本では身代金目的の誘拐事件が多数発生し、そのうち誘拐して被害者を殺害した事件では、被害者が1人の場合であってもほとんどが死刑判決を下され執行されています
それだけ身代金目的の誘拐を重大視し、重い刑罰を科してきたわけです。単なる殺人事件の場合、「被害者が1人なら死刑は回避する」という不可解な決まりがあるのとは対照的です
では本件のような怨恨による誘拐、殺人の場合はどうなのでしょう
現時点で量刑を云々するのは早すぎのですが、死刑判決はないはずです。被害者が1人ですから。おそらく無期懲役ではなく有期懲役(懲役25年くらい)の判決になるのではないか、と予想します。それは「被害者の側にも落ち度があった」との判断が介在し、被告だけを全面的に非難する判決にはしないと考えられるからです。もちろん判決文の中に「女子高生が妻のある男性と不倫関係をもつとはけしからん」とする文言は登場しないのですが、過去の判例を見ると検察や裁判官の間にそんな道徳観が根強く残っているように思われてなりません
今年7月に判決があった沼津市の女子大生殺害事件では、被告が一方的に女子大生にのぼせ、言い寄ったわけですが、裁判官は2人の間に一定の交流があったと判断し、被害者がLINEをブロックしたのが事件の引き金であったかのような解釈を示し、懲役20年という判決を下しています
つまりは被害者の側が原因を作ったとも受け取れる理屈で、求刑(無期懲役)から大幅に割り引き、被告に有利な判決を下しています
すべての裁判官がそうだとは思いませんが、被害者の側に犯行を誘発するかのような行為、事由、事情があれば、バランスを取って被告の刑を減刑する傾向が見られると申し上げておきます

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白金高輪駅硫酸男 ストーカー行為と大失恋

人は誰も知られたくない過去、隠しておきたい苦い体験というものがあります。しかし、事件を起こして注目されるや、メディアが寄ってきて過去の恥ずかしいエピソードなど次々と暴露し、晒し者になる…のが現状です
白金高輪駅で知人に硫酸をかけて逮捕された花森弘卓容疑者の場合も、その不可解な犯行と相まって過去を暴露する必要性あり、と週刊誌の記者たちは感じたのでしょう。花森容疑者の友人知人を探し出しては彼についてのエピソードをできるだけ多く掘り起こそうとしています
こうした力技では週刊文春が抜きん出ているのかもしれません。花森容疑者の恋愛と失恋の話を記事にしています
もし文春オンライン記事を花森容疑者が読んだなら、顔を真赤にして激怒するものと想像します

《白金高輪硫酸事件》花森容疑者が黒髪ロングの女子高生に”ストーカー行為”の過去 誕生日にひざまづいてプレゼントしたのは赤い薔薇とヤドカリの”つがい”
https://bunshun.jp/articles/-/48283
恋愛に奥手だった花森だが、実は19歳だった高校3年生の夏、予備校内で私立女子高に通う1人の女子高生B子さんに好意を持っていたという。しかし花森のB子さんに対する求愛行為の異様さに周囲は驚いていた。
「B子は黒髪ロングが似合う和風美女で、女子校に通う上品なお嬢様タイプでした。一方の花森は当時から巨漢に無精ひげでB子さんから“クマ”と呼ばれていました。高3だった2015年の夏に"陽キャ”な同級生を通じてB子と話したのをきっかけに彼女にドハマリ。周囲の目も気にせず廊下の真ん中で前のめりでB子さんに必死に話しかけていました。B子の第一志望が静岡大だと知ると、花森も同じ静岡大志望と先生に報告していましたね」(予備校の友人)
「2次元しか愛せない」と友人の前で豪語していた花森だが、B子さんの前では「アニメ好き」「昆虫好き」のキャラを封印していたという。
「B子が喉が痛いというと、『自分は医者家系だ』と言って東洋医学のウンチクを披露するわりに、『じゃあクマも医者になるの?』と聞くと『人間の身体は責任が重すぎるから生物の研究をする』と答えたりしていました。B子の家の近くに大きな角のある鹿がでて騒ぎになった時は、『そんな鹿、俺なら素手で倒せる』と言っていました。
B子からよく思われたかったのでしょうが、とにかく距離のとり方が下手。複数人で話していても、B子以外の質問には答えなかったりするような状況で、B子も周囲も徐々に扱いに困るようになっていきました」(同前)
B子さんに対する花森の行為は徐々にエスカレートしていった。
「一度B子が帰宅途中にサラリーマンにナンパされたことがあったんですが、それを聞いた花森は頼まれてもいないのに彼女が予備校を出る際に周囲を巡回したり、店でレジに並ぶB子を商品棚の影から見守っていたり。帰り道も他の女友達をおしのけてB子の隣をキープしていました。好意があるのはわかっていましたが、一歩間違えばストーカーというレベルでした。
9月末のB子の誕生日に皆で寄せ書きのメッセージカードを作った時も、花森は『誕生日おめでとう あなたのクマより』と書いていた。しかも誕生日当日の夜、友達数人でB子の家まで行ったんですが、B子の家の前についたら花森が急に地面に膝をついて赤い薔薇の花を渡したんです。皆がポカーンとしていると、歯が浮くような台詞を並べ、さらに虫かごを取り出して、ヤドカリの”つがい”をプレゼントしました。B子は断るわけにもいかず苦笑いしながら受け取ったんですが、それを花森は『受け入れられた』と勘違いしたんです」(前出)
(以下、略)

省略部分では、予備校が花森容疑者とB子を別のクラスに分けて接触を減らしたとか、入試の成績が振るわず花森容疑者は静岡大学受験を諦め沖縄の大学へ進学した話が書かれています
そして、周囲が花森容疑者とB子を引き離すように努めなければ、B子なり周辺にいた知人が襲われていたかもしれない、との懸念を書いています
花森容疑者の執念深く、思い込みの激しい性格からすれば誰かを逆恨みし、殺害しようとした可能性はあったと考えるのは当然でしょう
先にも書いたように、花森容疑者がこの記事を読んだならネタとして提供した人物をとことん恨むはずです。また、週刊文春を名誉毀損で訴え、記事の削除を要求するかもしれません
ただ、花森容疑者には気の毒ですが、この記事を読んでその人物像が把握しやすくなった気がします。これまでの報道にあったエピソード(大人しくいい子、挨拶をする人、気さくな人物、カブトムシを飼育しているなど)では人物像が見えてこなかったわけで
やはり、その「人となり」が如実に反映されているエピソードというのは大事であり、それを掘り起こすのが週刊誌の記者としての腕、なのだなと感心します
おかげで無味乾燥で味気ないと感じた事件が、彩りのあるものとして映るようになりました
言うまでもなく特定のエピソードだけに目を奪われ、その他の情報を切り捨ててしまっては事件を読み誤るのであり、危険です。ただ、事件なり人物なりを理解する手がかりになるエピソードがあるのとないのとでは、全然違います
個人的な経験を述べると、法務省で少年鑑別所に勤務していたときは家庭裁判所宛てに鑑別結果通知書を書く仕事をしていました。少年がなぜ事件を起こすに至ったのか、生育歴、人格や資質(各種心理テストの所見を含む)、環境など含めて記述し、本件非行での役割、係わり方を分析し、どのような処遇(少年院送致か、保護観察か)が適切かをレポートにまとめます。不備があったり、説得力に欠けると、上司から書き直しを命じられます。機械的に生育歴や資質などダラダラと書いたところで説得力などあるわけもなく、その「人となり」をいかに端的に表現するか、問われるわけです
上記の文春オンラインの記事を読んでいて、鑑別結果通知書を書くために四苦八苦していた経験を思い出しました

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