新居浜一家殺害事件を考える 河野容疑者逮捕

凶悪な事件が相次いで起こるというのは、必ずしも偶然というわけではありません。テレビのニュースや新聞で殺人事件の報道に接すると、事件報道に後押しされるかのように凶行に走る人物が世の中にはいるからです。精神的な病気や過度のストレスの影響で自身を抑制し、コントロールする機能が弱まっている人が、事件報道を何かの啓示であるかのように受け止め、半ば破滅的に犯罪へと駆り立てられるのです
日本だけでなく、欧米ではテロ事件や学校での銃乱射事件がさらなる事件を招く、という事例もあります
さて、前置きはここまでにして愛媛県新居浜市で起きた一家殺害事件を取り上げます
事件の詳細はまだ判明していないものの、殺害された岩田健一さんの元同僚である河野智容疑者は2年も前から岩田さんにつきまとい、殺してやると脅していたのだとか
警察に相談はしたものの、警察官は事件性はないと判断して口頭の注意だけで済ませていたようです


愛媛県新居浜市で親子3人が殺害された事件で、亡くなった岩田健一さん(51)が2年前、無職河野智容疑者(53)(銃刀法違反容疑で現行犯逮捕)とトラブルになっていると、県警に複数回相談していたことがわかった。河野容疑者は今年9月にも健一さん宅に押しかけていたが、健一さんは友人に「警察が十分対応してくれない」と漏らしていたという。県警は対応に問題がなかったか調べる。
死亡したのは、健一さんと父親の友義さん(80)、母親のアイ子さん(80)。13日午後5時40分頃、新居浜市垣生(はぶ)の岩田さん方で、アイ子さんから「前に来た男ともめている」と110番があった。約10分後に警察官が駆けつけた際には3人とも血を流して倒れていた。
河野容疑者は、現場で果物ナイフのような刃物(刃渡り13センチ)を所持しており、「殺すために持っていた」と話したという。県警は河野容疑者が健一さんに恨みを募らせ、両親が巻き添えになった可能性があるとみて、殺人容疑でも調べる。
県警によると、健一さんは河野容疑者と元同僚で、2019年9月と11月の2回、河野容疑者とのトラブルについて県警に相談していた。河野容疑者は今年9月23日にも岩田さん方を訪れ、通報で駆けつけた県警新居浜署員が、河野容疑者に押しかけないよう指導。河野容疑者は「あいつらが悪い」と述べていた。署員は、岩田さん一家に、河野容疑者が来た際は通報するよう要請していた。
健一さんは、友人男性にも「河野という人物から『殺してやる』と脅されている」と話していた。「警察に相談したが、『相手にするな』と言われるだけで対応してくれない」と悩んでいたという。
県警はこれまでの対応について「現時点で問題があったかどうかは言えない」と説明した。
(読売新聞の記事から引用)


逮捕された河野容疑者は過去に、岩田さんに対し「電波で攻撃するのをやめろ」などと申し向けていたと、別の報道では伝えています
この「電波」というのは統合失調症を患っている人がしばしば口にします。「誰かが電波で自分を操ろうとしている」とか、「電波が脳に入り込んでくる」とか、あるいはもっと具体的に「テレビを見ていたらタレントの◯◯がオレの悪口を言っている」、「総理大臣が記者会見でオレの悪口を言っていた」というものあります
岩田さんから相談を受けた警察官がどう対処したのか、上記の記事だけでは判断できないとしても、河野容疑者が2年前から押しかけるようになった時点で、かなり意味不明な発言を繰り返していたと思われます。だとしても、警察官が保健所に連絡し、措置入院(強制入院)を検討するよう打診したりはしなかったのでしょう
精神保健福祉法によれば、措置入院は一般人や警察官の通報によって保健所が検討した上で手続きをするよう定められており、警察官も上司の判断を経て保健所に通報できます
しかし、警察官は河野容疑者が統合失調症を患っている可能性については考えなかったのか、放置されていたように記事からは読み取れます
つまり、刃物を持って一家を殺害しに行くとは考えなかったのでしょう。が、これは想像力の欠如であり、危機察知能力を欠いた判断でしょう
今回の犯行のような最悪の事態を想定し、回避するための対応をする必要があるのですが、単なる近隣トラブルとの見方しかできなかったようです。ストーカー事件も単なる男女の痴話喧嘩扱いをし、殺傷事件に至った例も少なくないのですが、警察は学習しないようです
ストーカー規制法など整備したところで、法を執行する警察官が認識を欠いているのではどうしようもありません
このような事態が起きるたびに警察は、「対応に問題がなかったか検討する」とは言うものの、検討などしていないのでしょうし、対応を改める気もないのでしょう

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