岡山女児殺害事件を考える 勝田被告が公判で黙秘

これまで曲りなりにも検察官や裁判官と公判廷でやり取りをしてきた勝田州彦被告ですが、11月10日の検察官による被告人質問の途中から黙秘に転じ、「質問に答えません」と宣言しています。翌日の裁判官や裁判員からの質問には応じていますので、検事からの追及を極度に警戒しているのでしょう
公判の展開の中で勝田被告はいよいよ自分が追い詰められてしまったと感じ、検事の質問に弁解してきたものの、矛盾だらけになってきたため黙秘を決め込んだものと思われます。裁判官や裁判員の質問に応じたのは、少しでも自分の印象をよくし有利な判決を得たいという計算なのかもしれません
前回も書いたように、状況は勝田被告に不利です。勝田被告は自分の無罪を証明する証拠も提出できませんし、証人もいません
事件の経緯はこれまでにも書いてきましたので、省略させてもらいます。恐れ入りますが、下記の関連記事の方に目を通してください
公判のやり取りを報じた記事を2本、引用します


捜査段階で一度犯行を認めた際に事件現場の間取りや殺害方法について供述しましたが、「事件後にテレビの特番を見た記憶や捜査員の誘導によるものだ」としています。
被告人質問3日目の10日は検察側が質問しました。
検察側は「取り調べを受けたのはテレビの特番を見てから12~13年も経っているのに覚えていたのか?」など5つの質問をしましたが、勝田被告は無言でした。
そして、倉成章裁判長が「答えるつもりはありませんか」と尋ねると勝田被告は、「どんな質問をされても答えるつもりはありません」などと述べました。
これを受け、倉成裁判長は「これ以上、検察側の質問の必要はない」として10日の公判を約30分で打ち切りました。11日は裁判官と裁判員が被告人に質問します。
(KBS瀬戸内放送の記事から引用)


17年前、岡山県津山市で当時小学3年生の女の子が殺害された事件の裁判で、裁判官と裁判員による被告人質問が行われました。被告の男が逮捕前、母親に犯行をほのめかす手紙を送った理由について質問が相次ぎました。
起訴状などによりますと、勝田州彦被告(42)は2004年9月、津山市の住宅で当時小学3年生の女の子の首を絞めた上、腹や胸を刃物で複数回刺して殺害した罪などに問われています。
勝田被告は逮捕前、自身の母親に宛てて「女の子の家に入って首を絞めた。怖くなって外に出ると別の男が家に入っていった」という内容の手紙を送っていました。これまでの裁判で勝田被告はこの手紙は「作り話」で、「真犯人を目撃したと言って自分が殺人犯ではないと母親を安心させたかった」と話しています。
10日は検察側からの被告人質問が行われましたが勝田被告は黙秘を貫き、11日は裁判所側からの質問が行われました。
裁判員や裁判官は、「母親を安心させたいなら、なぜ自分はやっていないと本当のことを言わなかったのか」「首を絞めたと手紙に書いたら自分も疑われると思わなかったのか」などと問いました。
これに対し勝田被告は、「実家に捜査の手が伸びていると知って怖かった」「殺害はしていないから、そのことを伝えれば大丈夫だろうと思った」などと述べました。
また、質問に対し「どう答えればいいかわかりません」と答える場面が多くありました。
(KBS瀬戸内放送の記事から引用)


最初の記事で問題にされたのは、任意の取り調べ段階で勝田被告は警察官に求められるまま、犯行現場の家の間取り図を描いた件です。現場に行った者でなければ間取り図は描けないのですが、勝田被告は「テレビの特番で事件を扱っており、そこで放映された見取り図を真似て描いただけであり、現場には行ってない」と供述を翻し、無罪を主張しています。本件犯行に関わっていない人間がたまたまテレビの特番を見たとしても、間取りの細部まで記憶しているとは考えられないのであり、勝田被告が嘘をついている可能性が大です
次の記事で問題にされたのは、任意の取り調べ段階で勝田被告が母親宛てに送った手紙に、「女の子の首を絞めた」と書いた件です。手紙の内容を勝田被告は、「自分が女の子の首を絞め(殺害はしていない)て家の外に出ると、別の男が家の中に入って行ったので、その男が殺害したのだろう」との主張です。いかにも取ってつけたような言い草であり、偶然別の男が現れて殺害するなどという展開はありえないでしょう
勝田被告は現時点で、殺害現場には行ってないと主張しているのですから、手紙の内容とは矛盾します。なので、「手紙に書いたことは嘘」だと主張を一転させているわけです
こうして前言を撤回すればするほど、勝田被告の現時点での主張は信憑性を欠いたものになり、真犯人が罪を免れるために嘘に嘘を重ねていると受け取られるわけです。裁判員も勝田被告の無罪主張を疑わしく思うのでしょうし、弁護人もお手上げではないでしょうか?
裁判は今月24日に最終弁論が予定され、判決は来年1月6日に言い渡されます
勝田被告は死刑になると恐れているようですが、過去の判例を踏襲するなら被害者は1人なので死刑判決はありません。無期懲役を検察は求刑するとしても、判決は有期刑になるのではないか、と予想します

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