岡山操山高野球部員自殺 教員のパワハラが原因

2012年7月、岡山県の県立操山高校の野球部マネジャーをしていた男子生徒が自殺した問題を取り上げます。両親は野球部の監督であった教諭の叱責が男子生徒を追い詰め、自殺に至らしめたと訴え続け、岡山県教育委員会に事実関係を調査するよう求めてきました
自殺から9年経って、ようやく県教育委員会は重い腰を上げ、第三者委員会に調査を託しています。その結果、両親が訴え続けてきた通り、野球部監督のパワーハラスメントを認める調査結果が出ました。なぜ、9年もかかったのか、と言いたくなります
(このニュースはすでに取り上げたものと思っていましたが、自分の勘違いでした)


2012年に岡山操山高校の男子高校生が自殺した問題で、岡山県教育委員会が生徒の遺族と面談を行いました。
県教委は第三者調査委員会で報告された自殺の原因や対応の遅れについての指摘を認めました。
(岡山県教育委員会/鍵本芳明 教育長)
「9年間という長きにわたりましてご遺族にもご心労をお掛けをしたということ、この辺が大きな反省をすべきところ」
遺族との面談には、岡山県教委の鍵本芳明教育長と岡山操山高校の武内洋二校長らが出席しました。
2012年7月、岡山市の岡山操山高校に通う野球部のマネジャーだった2年生の男子生徒が、野球部監督から厳しい叱責(しっせき)を受けた後に自殺しました。
遺族からの要望を受け県教委は2018年に第三者調査委員会を設置。2021年3月、調査委員会は監督の叱責が自殺の大きな要因であったと結論付けました。また、学校や県教委の初期の対応は「保身」であり、調査委員会の設置が「あまりにも遅すぎる」と指摘しました。
県教委は3日、遺族に対して監督の激しい叱責が自殺の原因となったことや、県教委が遺族に寄り添った対応をできていなかったことを認めました。そして、こうした問題が起きた原因への県教委としての見解を示しました。
県教委は今後、面談の中で遺族から指摘された不十分な点を改めて説明するとともに、関係者の処分についても検討するとしています。
(岡山県教育委員会/鍵本芳明 教育長)
「今後の再発防止策等をしっかりやっていくことによって、信頼を回復していかなければいけないと考えております」
これを受け男子生徒の両親は会見を開き、「事案発生理由の説明がなく、十分な説明にはほど遠い」と話しました。
(生徒の父親は―)
「現在も遺族の心情に寄り添った対応をいただけていないと感じております。いくら願っても息子が戻ってくることはありませんが、指摘や事実関係などを一点も落とすことなく、無くすことなく岡山の教育に生かしていっていただけたらいいな」
(KSBニュースの記事から引用)


2012年当時の操山高校野球部監督は、保健体育教師である塩尻伸浩と判明しています
自殺から1年後、塩尻教諭は当時の校長に連れられ遺族の元へ足を運んだのですが、話し合いの途中からブチ切れてしまい謝罪はなかったのだとか
経緯については東洋経済のウェッブサイトにまとめ記事がありますので、そちらを参照ください


野球部監督の叱責で16歳少年が自殺、遺族の訴え


さて、岡山県教育委員会の説明には、「関係者の処分についても検討する」とあります。検討するのではなく、処分を実施すると約束しないのでしょうか?
まったくやる気が感じられません。処分しないまま放置、という展開も考えられます
当然ながら、塩尻教諭のハラスメントを有耶無耶にした当時の学校長や県教育委員会の職員も懲戒処分の対象にするべきでしょう
自殺した生徒の両親が9年間も被害を訴え続けなければ教育委員会が動かないという実態に、頭がクラクラします。通常なら教育長が引責辞任してもおかしくないケースだと思うのですが、教育長はどこか他人事のような物の言い方をしています
もちろん、最初から訴訟に持ち込んで決着をつける選択肢もあるわけですが、それは遺族の考え次第です
ただ、上記の記事を読む限り、岡山県の教育が変わるとは思えないのであり、教育長の「今後の再発防止策等をしっかりやっていくことによって、信頼を回復していかなければいけないと考えております」という発言も虚しいだけです
日本は戦前、政治家や軍人が教育に口出ししたのを反省し、戦後は教育委員会制度を採用しました。教育行政を一般行政と切り離し、独立させたのです。結果、知事や市長といえど教育現場に介入できないようになり、教育現場が聖域化してしまったといえます。本件のように教育委員会が教師によるハラスメントを隠蔽するのも、聖域化してしまった弊害でしょう。教育委員会制度そのものを見直す時期に来ていると自分は思います。

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新潟強盗放火殺人 無期懲役判決

強盗事件は刑罰が重い、という話を繰り返し書いてきました。さらに強盗殺人となればより刑罰は重くなり、ほとんどの場合で無期懲役の判決が下されます。強盗殺人でなおかつ強姦があったり、放火ともなれば死刑判決もあり得ます
さて、今日は昨年2月、新潟市で起きた強盗殺人の判決を取り上げます。新潟地方裁判所は強盗殺人と放火、死体損壊の罪で起訴されていた佐藤義春被告に対し、無期懲役判決(求刑も無期懲役)を言い渡しています


新潟市北区太田の住宅で2020年2月に運転代行業、本間則光さん(当時49歳)を殺害して現金を奪い放火したなどとして、強盗殺人と非現住建造物等放火、死体損壊などの罪に問われた住所不定、無職、佐藤義春被告(55)の裁判員裁判で、新潟地裁は2日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。
佐藤英彦裁判長は判決で「身勝手な動機や経緯に酌量の余地はない。被害者は被告にお金を貸すなど便宜を図っていたが、恩をあだで返される形で生命を奪われた。遺族が極刑を求めるのも無理はない」と述べた。
佐藤被告は公判で強盗目的での殺人を否定していたが、判決は、強盗と殺人のいずれも計画性は高くなかったとした上で「売上金を強取する意思で被害者を殺害したことは間違いない」と指摘。「被害者が帰宅した時点で強盗を、もみ合う中で殺害を決意した」と断じた。「本間さんが包丁を持ちだし、怖くなり止めようと殺害した」として弁護側が主張した誤想過剰防衛による減刑を退けた。
判決によると、佐藤被告は20年2月4日、本間さん宅で本間さんの頭部をモンキーレンチで5回ほど殴り、延長コードを三重に巻き付けて絞殺。現金約11万を奪った。さらに火の付いたろうそくを放置し、住宅や遺体を焼損させた。佐藤被告は当時、本間さんが営む代行業の従業員で、借金を抱えていた。
佐藤被告の弁護人は控訴について「本人と協議した上で判断する」としている。
(毎日新聞の記事から引用)


佐藤被告は初公判で、「金を奪うために本間さんを殺害したわけではない」と主張し、「盗みに入ったところを本間さんに見咎められ、本間さんが包丁を持ち出したので怖くなり、身を守ろうとして殺してしまった」という趣旨の弁解をしています。つまり本件はあくまで窃盗事件であり、本間さん殺害は自衛のためであって(過剰防衛だとの言い分)ので有期刑が相当というのが被告・弁護人の言い分でした
しかし、上記の判決のとおり、佐藤被告は執拗に本間さんをモンキーレンチで殴打しており、さらに延長コードを首に巻きつけて絞殺しているのですから過剰防衛ではなく、あくまで殺意に基づく犯行と裁判官が断じたのは当然でしょう
ただ、それでも検察は死刑を求刑せず、無期懲役相当としたのですから多少なりとも情状を汲んだと言えるのかもしれません
もちろん遺族にすれば、金を貸してやった上で(佐藤被告は女に貢いでいた)代行運転で雇っていた佐藤被告に裏切られたとの思いがあり、死刑を求めるのは当然でしょう。しかも裁判では言い訳ばかり並べ、反省しているようには伺えなかったのでは?

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