「風立ちぬ」の飛行機の美学が危険?

久しぶりに宮崎駿監督の作品「風立ちぬ」を取り上げます
文春オンラインにあるアニメ評論家藤津亮太の批評を取り上げようと思ったのですが、何度読み返しても論旨が理解できず、腑に落ちませんので後日に回します

なぜ二郎は“苦悩”しないのか 『風立ちぬ』が描いたものの行方

代わりに東洋経済オンラインに掲載されている津上英輔成城大学へのインタビュー記事を取り上げます。津上教授の見解というより、東洋経済編集部の意向に沿ってまとめられたインタビュー記事なのでしょう
詩人高村光太郎が戦中に書いた詩「必死の時」と宮崎駿監督の「風立ちぬ」を比べ、「風立ちぬ」の方が遥かに問題だ(戦争を美化し、煽っている)とする不思議な内容の記事です
元記事からの引用を赤字で、自分のコメントを黒字で表示してあります

あの「風立ちぬ」が戦争讃美詩より問題な理由
多くの人にとって心地よいものであろう美は、人を殺すこともある。彫刻家にして詩人、高村光太郎の戦争賛美詩「必死の時」は、死地に赴く若人の背を押した。そして、スタジオジブリのアニメ『風立ちぬ』には戦争賛美詩よりも問題があると言われたら、驚かずにいられるだろうか。『危険な「美学」』を書いた成城大学の津上英輔教授に聞いた。
(中略)
光太郎の「必死の時」は「いさぎよさ」「未練をすてよ」という表現に戦死の美化がうかがえ、研ぎ澄まされた生き方が「美」と形容され、美しいからこそ追求すべきだとしている。美に眩惑され、その隣にある死は見えなくなっている。しかもこの詩は形式的にも内容の明確さからも美しかった。
──アニメ『風立ちぬ』の問題は?
主人公の技師、堀越二郎が希求する「美しい飛行機」は戦闘機、要は殺戮(さつりく)兵器です。これを二郎の「美しい妻」・菜穂子への愛と並置し、「美しい」という言葉でひとくくりにすると、「美を追求すること」=いいことになり、殺戮兵器の設計という負の部分が覆い隠されてしまう。実際、二郎の設計したゼロ戦は、彼の言う「美しさ」の追求のために防弾鋼板を省いたため、多くの操縦士が命を落としました。

「風立ちぬ」において二郎は戦闘機の設計技術者という設定ですが、ゼロ戦の防弾鋼板を省いた責任まで彼に負わせるのか、と思います
空戦性能(戦闘機相手の格闘戦)を優先する軍の意向により、機体の軽量化が必要だったという事情があったわけで、それが設計者の責任だというのは飛躍のしすぎでしょう。機体に防弾鋼板を貼れば重量が増します。エンジンの馬力があれば問題ないのですが、当時の日本に高出力のエンジンを作る技術はありませんでした。まさかエンジン開発まで設計者二郎のせいだと言いたいのでしょうか?
余談ながら、エンジンの出力が上がらなかったのはエンジンに使うシール材(パッキン)の品質が劣っていたためです。戦後、アメリカが接収した日本の軍用機を調べ、シール材をアメリカ製のものに交換し、オクタン価の高い燃料を使って飛ばす試験をしたところ、最高速度や上昇速度、上昇高度など旧日本軍の測定したデータより改善された、との話があります
したがって日本の工業技術がもう少し高く、オイル漏れがないエンジンを作れたなら、操縦者を覆う防弾鋼板を備えた戦闘機を配備できたかもしれない、という話であって飛行機の設計者の責任だとは考えられません
そして、注文主である海軍が防弾鋼板の採用を求めなかったのをすっとばし、設計者の責任であるがごとく語るのは大間違いでしょう
当時の防弾機能の考えをWikipediaから引用すると、「近い将来、欧米の航空機銃は20mm級が主流になると考えられるが、これに対応した防弾装備と搭載力・航続力を併せ持たせることはエンジン出力から見て不可能なことから、防弾は最小限にして軽量化を図り、速力や高高度性能等の向上によって被弾確率を低下させた方が合理的」と考えがあり、そのため海軍からの要求時点から防弾性能の優先順位は低く、犠牲にされたと書かれています

──光太郎より罪深い面がある。
光太郎は敗戦後、軍国主義への協力を反省し、今の岩手県花巻市郊外の過酷な環境で7年間独居しました。いわば自分を流罪に処した。ただ、戦後も彼は「美は絶対的な帰依の対象」と発言していて、美が内包する危うさに気づいていない。戦争に勝っていたら同じことを繰り返した可能性はあります。
一方で『風立ちぬ』は美の追求自体が美しいという構造です。光太郎の美の追求は敗戦によって反省する余地があったが、美の追求=美となると、失敗しても原因は追求度合いの不足となり、美の追求を繰り返すことになる。無限ループ、眩惑作用の極致です。
──また、眩惑作用は波及する。
花巻市では光太郎の住居が保存され、その隣に記念館があるのですが、パネルの説明を読んでも、自己流謫(るたく)という影の部分に触れていないので、なぜ著名な芸術家が7年間も命懸けの生活をしたのか、ほぼわからない。いかに地元の人々が光太郎を尊敬し、そのすばらしい面を強調したいとしても、これでは光太郎が気の毒です。

こう書いてあるわけですが、そもそも高村光太郎と宮崎駿を並べて論じる意図がさっぱり見えません
高村光太郎は国威発揚と軍隊賛美の詩を書いた己を、戦後になって反省したという話であり、それでよいのでは?
なぜそこに宮崎駿を引き合いに出し、「風立ちぬ」を戦争詩より危険な作品だと言わなければならないのか、自分にはさっぱり理解できません
加えて、ゼロ戦の設計者が多くの操縦士を死に追いやったがごとく間違った決めつけ方をするのも不快です
設計者にできるのは戦闘機を設計し、飛ばすところまででしょう。戦闘機を運用する海軍がどのような使い方をするのか、設計者が口出しできるはずがありませんし、決定権もないのですから
美学を講義する教授でも、軍隊という組織の構造くらいはきちんと調べ、把握した上で発言してもらいたいものです

──歌の影響力も大きいですね。
音楽は人を殺さない、などといいますが、とんでもない。ラジオ体操の音楽は運動を誘発するように作られています。見方を変えれば、音楽が人の体を支配している。けれど、ラジオ体操をしているときに、支配されているなんて思いませんよね。支配されていることに気づかせないのは最強の支配です。「同期の桜」という軍歌がありますが、特攻隊員がこれを歌うと、心の内側から自分の気持ちを表現していると感じられる。死が美しいと歌詞に表象されると、死は美しいと心から思ってしまう。音楽の危険な面です。
──本書を書いたのは、現状を危惧しているからですか。
「散華」は今でも聞いたり、目にしたりします。これは社会全体に働きかけるので影響が大きい。今後、日本が戦争をするようなことになれば、「散華」が復活して、若者を死へ追いやる事態になりかねないと心配しています。
──どう防げばいいのでしょう。
美を追求する人は、時折立ち止まることです。知性や理性を追求しすぎる弊害はすでに言われていますが、感性の追求はいいこととされている。しかし、感性には自己反省能力がないので、放っておくと暴走します。知性、理性によるチェックが必要です。
また、人間は社会に適応するために、自分で感じ、考えることを怠りがち。感じ方、考え方は社会で刷り込まれたものですしね。知識を蓄え、思考力を鍛えて、自らの感じ方、考え方を獲得しなくてはいけません。

と書かれているわけですが、「風立ちぬ」が若者を戦争へと駆り立てる映画のように見えたのでしょうか?
そう見えたというのなら、はっきりと書くべきでしょう
もちろん、宮崎駿にその意図はないのであり(頑固な反戦論者ですから)、余計にこの記事の論旨が掴めなくなってしまいます
「美しい飛行機を作る」という美の探求が、操縦士を犠牲にしたと津上教授は言いたいようですが、上述したとおりそれは言いがかりにも等しい批判です
加えて、津上教授は宮崎駿がこの劇場版アニメーション作品を作るにあたって、美の探求のため知性や理性によるチェックを疎かにし、感性のままに暴走したと受け止め、警鐘を鳴らしているつもりなのでしょう
ですが、半分当たりで半分は外れのように感じます
例によって宮崎駿は脚本から絵コンテまで自分で手掛けるわけで、スタジオジブリの誰だろうとそこに口出しはできなかったと推測します。それゆえ独善的になり、シナリオの辻褄が合わなくても宮崎監督が押し切ってしまう…というのがこれまでのパターンです
ただ、本作品は自身の最後の長編アニメーションであるとの思い入れがあり、脚本を書き絵コンテを描く過程で随分と自己内対話を繰り返し、考え抜いた上で作品化されたものと想像します
なので、感性の暴走に任せたまま完成した、とはのではなく、熟慮の結果できあがった(あくまでもその時点での、ですが)と受け止めた方がよいのでは?
自分には他の宮崎作品よりは破綻、矛盾、齟齬が少ないように映りました

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へずまりゅう 執行猶予判決も反省なし

自分がこの世の中で一番キライなのが「迷惑系You Tuber」です
その代表格でもあるへずまりゅうが起訴された裁判で判決があり、名古屋地裁岡崎支部は懲役1年6月、執行猶予4年(保護観察付き)を言い渡しています。さらに訴訟費用はへずまりゅうの負担とされ、私選弁護士を雇う前に国選弁護人がついていた際の費用も支払うよう判決で言い渡されています
へずまりゅうは無罪判決を獲得するつもりで、国選弁護人を解任した上、私選で弁護士を3人も雇ったのだとか
なので、今回の訴訟には100万円以上費やしているのではないでしょうか?
文春オンラインの記事から以下、引用します


《へずまりゅう判決》判決直後の動画で「反省、ぜろ~」「自分の涙、ヨダレと一緒なんで」と… “迷惑系ユーチューバー”が更生をとく裁判官に見せた“態度”
(前略)
さらに検察側がアメリカ村での事件の動画の音声を流すと号泣し、「自分の黒歴史」「動画は直視できない」と“迷惑系ユーチューバー”だったかつての自分を恥じるかのような発言をしていた。そのうえで「もう(ユーチューバーは)やらない」とYouTubeとの決別を誓っていたが……。
本人は判決をどれほど重く受け止めているのか、法廷で見せた真摯な態度は本物なのか。この判決の日の夜、原田被告と親交のあるコレコレ氏が自身のチャンネルに動画をアップした。判決前である7月6日に、コレコレ氏の故郷・広島で収録した原田被告との対談だ。原田被告はマスクを外し、「早く復活してぇ」「自分の涙、ヨダレと一緒なんで」と大騒ぎ。そして、カラオケボックスでこんなやりとりを繰り広げた。

コレコレ氏「反省してんの?」
原田被告「半分」

半分反省したのは親の存在が大きかったと話す原田被告。その親にYouTubeの世界から離れてほしいと言われ、逮捕後に就職活動を行った原田被告は、この動画収録当時、ラーメン店で働いていたという。ところが「そこのラーメン屋の大将にも悪いけど、親にも悪いけど、裁判終わったら無視して東京戻ります」と、地元との決別宣言をしたのち、「戻ります。もうこの世界にしかないんで」とYouTubeの世界に戻る決意を明かした。
さらに動画では、魚の切り身窃盗についても“有能な弁護士を3人雇った”ことや、“不法領得の意思を欠く”ので事実上無罪である……と説明し「なので、これが覆って有罪懲役とかになっちゃうと、すごい面白いことになるらしいです」と笑顔を見せた。結果的に、主張は退けられ有罪となっている。これからどんな“面白い”ことが起こるのか発表を待ちたい。
終盤では「反省、ぜろ~」とおどけ、最後に滝に打たれて動画は終了。東京に戻り、YouTubeの世界に復帰すると知っていたら裁判官はどんな判決を下しただろうか。
(文春オンラインの記事から引用)


省略した部分では、へずまりゅうが大坂のアメリカ村の衣料品店に「偽物だから交換しろ」といちゃもんをつけた事件で、威力業務妨害と信用毀損の罪に当たるとして起訴されていたものの、店側と150万円で示談が成立し既に128万円が支払い済であると明かされています
執行猶予を付けた判断としては、このように賠償金を払って示談を成立させている点が考慮されたのでしょう
ただし、へずまりゅうは本件の前にも事件を起こして執行猶予付きの有罪判決を受けた前科があり、今回も反省など微塵もなく、同じような犯行を繰り返すものと思われます
実刑判決を受けて刑務所行きになろうとも、それを武勇伝のように思い込んでいる節があり、何も変わらないのでしょう
別のメディアは、「執行猶予を取り消すかもしれない」などと書いていますが、それはありません。執行猶予の取り消しは検事が裁判所に申し立てをし、裁判官の決定を受けて行われるものであり、はずまりゅうが新たな犯罪で逮捕されない限り執行猶予の取り消しはないはずです
であるとしても、このような行動を繰り返せば街頭でチンピラに刺し殺される事態になるかもしれません。そのときは、「刺されてみた」と題した動画をアップするのかもしれません
動画を出して再生回数が伸び、自分が何者かになった快感を味わったがゆえ、そこから抜け出せないのであれば、同じように迷惑行為で有名になろうとする者が今後も登場すると予想されます
あるいはお笑い芸人が再生回数を伸ばしたがゆえ、オピニオンリーダー気取りであれこれ主張する動画を出したりと、You Tubeの弊害をまざまざと感じます

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殺人死体遺棄で懲役20年と無期懲役判決の凶悪(2)

前回記事の訂正を先に書いておきます
後藤明弘受刑者の事件で、岐阜県内で長瀬まゆみさんを殺害した件を懲役20年と記述していましたが、控訴審で減刑され懲役12年で確定しています(検察の求刑は懲役15年)
殺害し、遺体を切り裂いてその写真を撮り、道路脇に埋めたという犯行にもかかわらず、懲役12年とした控訴審判決は、どうにも納得ができない妙な判断です。犯行の態様としては先のベトナム人女性殺害事件と同じなのにかたや無期懲役で、長瀬さん殺害は懲役12年と差がついてしまっています。裁判所が常々口にするところの「法の公平さ」に反しています
控訴審の判決文を探したものの見つからないので憶測になってしまうのですが、思うところを書きます。まずは一審岐阜地裁の判決では、「遺体の写真を撮影するなどし悪質」などと求刑を上回る量刑の理由を説明しています。これはベトナム人女性殺害が無期懲役の求刑で、長瀬さん殺害が懲役15年の求刑であったため、2つの事件でバランスを取るため長瀬さん殺害の判決に5年を上乗せした裁判官の判断、と考えられます
しかし、高裁の判事は求刑を上回る一審判決に否定的であり、これを是正したと考えられます
さらに、被害者と被告の関係です。ベトナム人女性と後藤被告には接点がなく、完全に事件に巻き込まれてしまった格好です。しかし、長瀬さんは後藤被告と同じコンビニエンスストアの店員として働いており、事件当日は後藤被告と高山市内へ車でデートへ行って、その帰りに口論となり殺害されたという経緯があります。長瀬さんは既婚者で、後藤被告と不倫関係にあったのかどうかは不明ですが、そうした男女の関係を織り込んだ上で懲役15年の求刑であり、懲役12年の判決だったとも考えられます(つまり、被害者の側にも殺害される理由・事情があったと、暗に検察や裁判所が考えていた…のかもしれません)
が、以上はあくまで私見です。しかし、そうとでも考えないと無期懲役と懲役12年の差の説明ができません
さて、事件の裁判に触れた週刊実話の記事の続きです


(前回の続き)
もっとも、後藤は「なぜそんなことをしたのか分かりません」「内臓を見たいと思ったこともないし、性的興味を感じたこともありません」と、自身の性癖を否定している。研究が進んだ海外では報告例が多いが、ネクロフィリア(死体性愛者)は幼少期から孤独で、恐ろしい事件を起こして捕らえられても、かつての教師やクラスメートは彼をほとんど覚えていないことが多い。「あまり人と付き合わず、問題を起こしたこともない」という印象だ。
後藤もこれと全く同じなのだ。幼い頃を知る近所の人たちは「大人しくて礼儀正しい子だった」と口をそろえ、中学時代の同級生は「2クラスしかなかったのに、ほとんど印象にない」と話す。
「からかわれても、怒って向かってくるようなタイプじゃない。ひたすら耐えて黙っているような奴だった。年下からも『ガンキン(ばい菌の意味)』と呼ばれ、バカにされていた。高校時代は不良たちのパシリにされていたと聞いている」
その鬱憤を晴らすため、異常な空想を積み重ね、犯行に駆られたのだろうか。
(週刊実話の記事から引用)


表現は角が立たないようになっていますが、後藤受刑者はいじめの標的とされていたのでしょう。下級生からもバイ菌呼ばわりされるくらいで、屈辱を忍びながら中学3年間を過ごし、さらに高校進学後も不良たちのパシリにされ、たかられていたと推測されます
そんな状況を後藤受刑者は何を考え、どう受け止め、生きたのか?
記事の末文にあるように、異常な空想を積み重ね、他者を陵辱したり蹂躙する側としてあれやこれや思い浮かべて過ごしたのかもしれません
想像するに、2つの事件は殺害と遺体を切り裂き、内臓を弄ぶ行為に留まらず、屍姦も含まれていたのではないか、と思います
長瀬さんの場合は白骨化した遺体で発見されていますので、後藤受刑者が遺体に何をしたのかはっきりしません(遺体の性器や内臓を写真に撮っていた、とは報じられていますが)
それでも後藤受刑者は「内臓を見たいと思ったこともないし、性的興味を感じたこともありません」と述べています。自覚がないのか、あるいは己の性癖と向き合うのを拒否しているのか?
ですが、遺体を撮影したデータの保存された携帯電話を捨てずに所持し続けていたのですから、完全に無自覚という可能性はないはずです
まぎれもなくその撮影データは勝利の証であり、大切な戦利品だったわけですから

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山梨の介護施設で強姦殺人 丹沢被告とは

一昨日は岐阜の老人介護施設における小鳥剛被告の5人殺傷事件を取り上げました
今日は山梨県南アルプス市の老人介護施設で起きた殺人事件に言及します。介護施設での殺人、あるいは虐待事件がしばしば起きているのですが、今のところは性善説(介護に携わる職員は善人、という前提)があって、なかなかすんなりとは事件化されないようです
ただ、介護施設に入所している高齢者が自傷行為をしたり、自殺を企てる可能性は極めて低いのでしょうから、介護職員を疑うのは決して理不尽なものではありません
施設側が対面を優先し、事件化を妨げたり、隠蔽するようなことがあってはなりません
それでは本題の、丹沢一貴容疑者の送検と起訴を伝える記事を2つを貼ります


山梨県南アルプス市の老人ホームで入所者の樋口慶子さん(80)が殺害された事件で、山梨県警は7日、死因は首を圧迫されたことによる窒息死と発表した。捜査関係者によると、殺人容疑で逮捕された同施設職員の丹沢一貴容疑者(42)(市川三郷町上野)は、「排せつの介護をする際にトイレで首を絞めた」と供述しているという。
発表によると、丹沢容疑者は5日午後5時半~6日午前0時頃、同市曲輪田の老人ホーム「わたぼうし」で、樋口さんを殺害した疑いが持たれている。丹沢容疑者は夜間、1人で勤務していた。
捜査関係者によると、丹沢容疑者は「入所者に暴言を吐かれ、言うことを聞いてくれないことがある」など、介護の仕事に不満を持っていた旨の供述をしている。司法解剖の結果、ひもなどの道具が使われた形跡はないという。
また、県警は7日朝、丹沢容疑者を殺人の疑いで甲府地検に送検した。
(読売新聞の記事から引用)


山梨県南アルプス市の有料老人ホームで、入所者の80歳女性が死亡しているのが見つかった事件で、甲府地検は26日、殺人容疑で逮捕された同施設の介護士、丹沢一貴容疑者(42)=市川三郷町上野=を強制性交等致死罪で起訴した。
起訴状によると、8月5日午後9時50分ごろから同11時半ごろまでの間、施設内のトイレで女性の首を腕で絞め付けるなどして暴行を加えて強制的に性交し、窒息死させたとしている。
地検は「証拠を総合的に検討した結果、殺意の立証は困難だった」として、罪名を切り替えた。認否は明らかにしていない。
県警によると、丹沢被告は5日、1人で夜勤を担当。女性が亡くなったことを自ら施設長に知らせ、施設長が110番通報した。遺体は発見時、居室のベットの上であおむけの状態だった。女性は歩くのが難しく、介助なしでは生活できなかったという。丹沢被告は当初、首を絞めたことは認めていたが、殺意については曖昧な供述をしていた。
女性の遺族は26日、「これまでの楽しく過ごした母の人生を、最後の最後に台無しにされた思いです。加害者は裁判の中では本当のことを話してもらいたいと思っています」とのコメントを発表した。
(毎日新聞の記事から引用)


毎日新聞の記事では「首を絞めたことは認めていたが、殺意については曖昧な供述をしていた」と書かれていますが、別の報道では警察官の話として「黙秘している」と伝えています
想像するに、「自分の刑罰がどのくらいになるのか」ばかりを気にし、供述どころではないのでしょう。罪の大きさを認めたくない、との心理が働いているとも解釈できます
前にもブログで書きましたが、強盗致傷という重罪にもかかわらず「どうしたら執行猶予がつくのか」とそればかり考えている被告人も珍しくありません。本件では被害者が死亡していますので執行猶予付き判決などありえず、必ず実刑が科されます(最高刑は無期懲役もあります)
そうした量刑の相場を弁護人から聞いてもなお、「(過去の類似した事件で)一番軽い刑でどれくらいか」などとしつこく尋ねたりします。自分もそうなりたい、とはかない期待にすがるわけです
記事を読む限り、情状を考える理由・事情が丹沢被告にあるとは思えません。被害者女性に認知症の症状があったようにも推測できますが、それが情状として反映されるはずはありません。犯行の場は老人介護施設であり、高齢者には多かれ少なかれ認知症の症状があるわけですし、丹沢被告は介護のプロなのですから
ただし、衝動的な犯行であり計画性がないとなると、裁判官も重い刑罰を科すのをためらうでしょう
あるいは弁護人が、丹沢被告が女性の死亡を施設管理者へ通報した行為を、「自首につながる」ものとして罪一等を減じるよう求めるかもしれません。完全な自首ではありませんので、減刑理由には該当しないと承知していても、「そこを斟酌しろ」と
検察官は本件が、「かっとなって殴ったら死んでしまった」という単純な暴力事件ではなく、強姦までしているのを重視し、懲役18年くらいは求刑するのかもしれません

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「韓国は経済力で日本を追い越した!」と書きたがるメディア

日韓関係が最悪だと言われて久しいわけですが、文在寅大統領の任期が切れるまでは改善は無理でしょう
次期大統領候補として名乗りを挙げている人物が複数いますが、いずれも反日を掲げており、これまた関係改善は無理、だと判断せざるを得ない状況です
さて、韓国のメディアや韓国の与党政治家の中には、「すでに経済力で韓国は日本を追い越した」と発言する者がおり、記事にもなって広まっています。数多の経済指標の内の1つだけを切り取り、「日本を上回っている」、「日本に勝った」と主張するやり方です。いわば幸せ探しみたいなもので無意味なのですが、彼らは大好きのようです
今回は韓国メディアではなく、週刊プレイボーイの記事から引用します。改革派官僚と呼ばれ、今は在野の評論家である古賀茂明の書いている記事なのですが、内容が韓国メディアの主張とそっくりなので思わず笑ってしまいました


8月15日の終戦記念日の数日前、韓国政府のある"知日派"の高官とじっくり話し合う機会を得た。会話はおのずと改善が見られない日韓関係が中心となる。
彼の話を聞いていて感じたのは「韓国の経済力は日本に追いついた」という前提での話が多いことだ。
例えば、日本では2019年夏から安全保障上の理由をもとに、半導体やディスプレイに使用される必須素材3品目の韓国への輸出を規制した。
戦時中に過酷な労働を強いられたとして、元徴用工が韓国内の日本企業を提訴した問題で日韓の政治的対立が深まったこともあり、この措置は今も続くが、高官は「なぜ日本企業の競争力を削(そ)ぐようなバカな政策を採ったのかまったく理解不能だ」と頭をひねる。
この話の前提にあるのは、半導体分野ではすでに日本よりも先行しているという韓国側の認識である。実際、米調査会社・ICインサイツの調査によれば、20年の半導体市場における国別シェアで韓国はアメリカに次ぐ世界2位の21%を占めており、6%の日本を大きく上回っている。
技術力でも、台湾のTSMCに次ぐサムスンと競争できる日本メーカーは皆無だ。輸出規制は日本企業にサムスンやSKハイニックスなど、有力な輸出先を失わせるだけでなく、これらの最先端企業との協力関係により有利な立場に立っていた日本の部材メーカーの競争力を落とす最悪の政策になる。
韓国の経済発展は目覚ましい。日本の停滞を尻目に着々と成長し、ひとり当たりGDPでも日本に迫り、購買力平価基準では日本を超えてしまった。半導体に限らず、液晶、有機EL、さらに今後の自動車産業の命運を左右する車載用電池でも中国と並び、日本メーカーをあっという間に抜き去った。
製造業だけでなく、コンテンツ産業でも世界を驚かせる成長を遂げている。アイドルグループBTSが米国のアルバムヒットチャートで年間3枚も首位となったのは、外国人アーティストでは、ビートルズ以来の快挙である。
(以下、略)


もう、どこから突っ込めばよいのかと言いたくなる、スカスカの内容です。古賀茂明は韓国の要人や韓国メディアの記事をそのまま受け売りするだけで、事実関係を全く確かめようとしないまま書いているのが分かります
また、週刊プレイボーイの編集部も中身を精査しないまま掲載しているのですが、雑誌的には「ちょっと知的な話題も載せてますよ」というイイワケみたいな扱いなので仕方がないのかもしれません
まず、韓国の半導体産業はコンピューター用のメモリに特化しており、それ以外の半導体生産量は必ずしも多くありません。中でも中央演算装置(CPU)の製造は手掛けておらず、インテルやAMDのような半導体メーカーより格下、というのが実際です
そしてサムスンを技術力のある企業、として扱っているのも大間違いです
日本はフッ化水素、フッ化ポリイミドなどの韓国向け輸出を制限しているのではなく、規制しているわけでもありません。申請を受けて輸出許可を厳格に審査しているだけであり、韓国企業の輸出申請はほぼ許可されているのが実態です。なので、本格的な経済制裁を韓国に加えているわけではありません(これから実施する可能性があります)
なので、「日本の輸出規制は効果を挙げていない」と決めつけることこそ間違いです。フッ化水素など、韓国企業はわざわざ日本がヨーロッパ向けに輸出したものをベルギーで買い付け、韓国に輸入しており、不便な思いをしているのは韓国側です。輸送コストも韓国側の負担です。こうした小細工の結果、日本から輸入するフッ化水素が減少しているように映り、韓国が購入先を多国籍化しているかのような報道になるわけです
韓国側はフッ化水素の国産化に成功した、などとさんざん宣伝しているわけですが、ただのブラフにすぎません。
「韓国の経済発展は目覚ましい。日本の停滞を尻目に着々と成長し、ひとり当たりGDPでも日本に迫り、購買力平価基準では日本を超えてしまった。半導体に限らず、液晶、有機EL、さらに今後の自動車産業の命運を左右する車載用電池でも中国と並び、日本メーカーをあっという間に抜き去った」との記述も、韓国メディアの書く記事のテンプレと同じで、韓国の成長が著しいと宣伝するための文句です
韓国のLG化学が製造したリチウムイオンバッテリーを搭載したゼネラルモータースやフォルクスワーゲンの車は頻繁に火災を起こしており、大規模なリコールを余儀なくされています。もちろん、ゼネラルモータースらはリコール費用をLG化学に請求するでしょう
これが日本を追い越したと称する韓国の実態です
BTS(防弾少年団)が米国のヒットチャートを賑わせている話など、冗談みたいなもので、それを根拠に「日本を追い抜いた」などと言われても笑う気にすらなれません。ノーベル賞(科学分野)の1つも取れないでいる国が何を言うのやら
韓国の対日貿易赤字は今年になって赤字幅を拡大させており、韓国の日本への依存度が一段と高くなっているのが実態です。古賀茂明はもっと実態を検証し、吟味してから記事を書くべきでしょう。でないと、笑われるだけです

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殺人死体遺棄で懲役20年と無期懲役判決の凶悪(1)

先日取り上げた今泉成博被告は福岡県内で強姦・強盗事件を繰り返し、懲役16年と懲役25年の判決を受けています。日本の場合、有期刑は30年が上限なので、これを上回る41年の懲役刑の判決は珍しいケースです
ただ、他にも懲役刑が併科されるケースはあります
今回紹介するのはスプラッターホラーのような陰惨な事件なので、こうした話が苦手な方は読まないでください
2013年に岐阜地裁で判決が出された後藤明弘被告の事件で、検察の求刑を上回る懲役20年と求刑通りの無期懲役が言い渡されたものです。通常、検察の求刑に対し、裁判官はなにがしかの情状を汲んで刑をいくらか割り引くわけですが、本件ではまったく情状酌量の余地なしと判断されたのでしょう。まずは判決を伝える記事を引用します


2006年に愛知県音羽町(現豊川市)でベトナム人女性レ・ティー・リーさん=当時(24)=を殺害し、11年には岐阜県高山市のアルバイト店員長瀬まゆみさん=同(44)=を暴行死させたとして、殺人や傷害致死などの罪に問われた無職後藤明弘被告(48)の裁判員裁判で、岐阜地裁は6日、殺人について求刑通り無期懲役、傷害致死は求刑を5年上回る懲役20年の判決を言い渡した。
後藤被告は二つの事件の間に窃盗の有罪判決が確定しているため、併合罪は適用されなかった。
後藤被告はリーさんの殺害は認めたが、長瀬さんの事件では一貫して無罪を主張していた。
(共同通信の記事から引用)


説明すると最初の殺人は2006年で、2件目の殺人は2011年です。その間に後藤被告は別の窃盗事件で懲役刑が確定していますので、2つの殺人事件を別々に扱い、それぞれ独立した事件として求刑し、判決が言い渡されたものです
こうした扱いは被告人にとって不利なのですが、窃盗事件で裁判を受ける前に余罪として最初の殺人を後藤被告が自白していれば、併合罪として一括処理されたわけです。その場合、最初の殺人・死体遺棄と窃盗ですから、懲役25年くらいだったかもしれません
警察官も検事も、取り調べの際には「他にやっていないのか?」と余罪の有無をしつこく問い質します。後でバレて新たに懲役刑が加わるより、そこで自供し併合罪として処理された方が被告にとっては得なのですが、多くの場合、進んで余罪を自供する者はいません
さて問題は後藤被告の殺人事件は、単に殺害して遺体を放置しておくという類ではなく、遺体を切り刻んで弄び、その様子を撮影して残しておくという猟奇殺人だったからです


2011年4月、岐阜県下呂市の山中の道路にこんなメッセージが書かれた三角表示板が置かれていた。それを通勤途中の温泉旅館の仲居が発見したことから、世にも奇怪な事件が幕を開けることになった。
通報を受けた岐阜県警高山署が付近を捜索したところ、ほぼ白骨化した女性の遺体を発見。その遺体は約1カ月前から行方不明になっていた長瀬まゆみさん(44)であることが分かった。
高山署は長瀬さんの交遊関係を捜査するうち、勤務先のコンビニで同僚だった後藤明弘(当時46)を浮上させた。後藤は同署に任意同行を求められたが、その際に契約が切れたもう一台の携帯電話を大事そうにセカンドバッグに入れたところを捜査員は見逃さなかった。
その携帯電話を調べたところ、『死に際』というフォルダがあり、「レ・ティ・リー」というベトナム人女性の名前と共に、遺体を切り開いて内臓を露出させた写真などが見つかった。しかも、その写真には〈寝ている娘の頭めがけて鉄パイプを振り下ろし、首を絞めて殺した〉という犯行の経緯が、小説のように細かく書かれていた。
岐阜県警は2006年7月に発生し、未解決事件になっていた愛知県豊川市のベトナム人女性殺人事件の捜査本部に連絡。後藤はまず、ベトナム人女性のレ・ティ・リーさん(24)に対する殺人容疑で愛知県警豊川署に逮捕された。
死因は首を絞められたことによる窒息死。頭にも鈍器で殴られたような跡があった。だが、問題はここからで、レ・ティ・リーさんの遺体は胸が切り裂かれており、その傷口から血をすすったような跡があった。そこに残されていた唾液のDNAが後藤のものと一致したんです」(捜査関係者)
第一発見者の男性も次のように語る。
「レ・ティ・リーさんは布団に横たわっていたが、何か不自然な感じがした。何で遺体に血がないのか、布団にもシワ一つない。不思議でしょうがなかった」
その後、後藤は長瀬まゆみさんに対する死体遺棄や殺人容疑などでも再逮捕されたが、やはり長瀬さんの遺体についても内臓の写真を撮っているのだ。
「後藤は死体の存在を警察に知らせるどころか、死体の足を開いて性器の写真を撮影したり、裂かれたお腹にも手を差し入れて臓器の写真を撮影している。公判では白黒写真にして開示されましたが、それを見た裁判員の若い女性は気分が悪くなり、自力で立つこともできなくなったため、公判が中止になったこともありました」(岐阜地裁詰め記者)
(週刊実話の記事から引用)


長くなるので記事からの引用はここで区切りとします
後藤被告は殺害自体が目的ではなく、ベトナム人女性の血をすすり、体を切り裂き、臓器を弄び、なおかつそれを勝利の記念として写真に収めるのが目的であったと思われます
そして、遺体を弄んだ快楽が忘れられず2件目の殺人をし、同じように死体をおもちゃにして性的な快楽に浸ったと考えるのが妥当でしょう
非常に稀有なケースですが、ネクロフィリア(屍体愛好者)そのものの事件です
なので、後藤被告は被害者である女性に恨みがあったわけでもなく、憎んでいたのでもなく、ただ死体にして弄びたかったがゆえに殺害したのでしょう
もし、この事件が一括して(2人の殺人と遺体遺棄・損壊)裁かれていたのなら、死刑判決もあり得たはずです
幸か不幸か、別々の事件として扱われたため、後藤被告は死刑を免れたといえます
次回は犯行についての補足と、後藤被告がどのような人間であったのか、取り上げます

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岐阜の老人施設で5人死傷 小鳥被告の初公判は?

山梨県の老人ホームで入居していた80歳の女性が殺害され、同施設職員の丹沢一貴容疑者(42)が強制性交等致死の罪で起訴された、との報道がありました。この事件はまた、別の機会に取り上げます。80歳の女性を強姦して死亡させるという鬼畜の犯行です
報道を見て思い出したのが、2017年夏、岐阜県高山市の老人介護施設で立て続けに5人の入所者が死亡した事件です。同施設の職員だった小鳥剛被告が起訴されているのですが、事件から4年経過してもまだ初公判が開かれないままです
5人の被害者はいずれも小鳥被告が担当していたのですから、小鳥被告の手にかかって殺された(暴行を受け意識不明のところ病院に搬送され、その後亡くなったケースも含む)と考えられます
5人の被害者について、おそらく傷害致死で公判を迎えるのでしょう。逮捕時の容疑は傷害であり、その後、傷害致死で追送検されていますが、最終的に起訴するのは検察の判断です
寝たきりの高齢者に暴行を加えたのですから、死んでも構わないと小鳥被告が思っていたと推測されるのですが、裁判官はすんなりと殺意を認めないと予想されます。また、計画的な殺人であると立証するのもハードルが高く、最終的には傷害致死で、という判断に落ち着くのでしょう
先に、介護施設で3人の入居者を転落死させた今井隼人死刑囚の場合は、3階から転落させれば死亡するという確信を抱いた犯行なので、殺人罪の適用に議論の余地はありませんでした。本件の場合、暴行を加えたとしても確実に死亡するかどうかは小鳥被告に確信はなかったと考えられるので、傷害致死で裁くわけです。遺族は納得できないと思いますが
この事件に絡み、死亡した男性の遺族が介護施設を運営する医療法人を相手取り、慰謝料を求める民事訴訟を提起していたのですが、2020年12月に岐阜地裁は遺族の請求を退ける判決を言い渡しています


岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」で2017年夏、高齢の入所者5人が相次いで死傷した問題で、死亡した男性(当時80)の遺族らが、施設を運営する医療法人「同仁会」に慰謝料など約2800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、岐阜地裁であった。鈴木陽一郎裁判長は、原告側の訴えを棄却した。
原告側は、施設側が男性の食事中の誤嚥(ごえん)を見逃したため窒息死したと主張したが、判決は「死因が施設での食事の介助や食後の見守り中に起きた誤嚥による窒息とは認められない」とした。男性が心筋梗塞を発症していた可能性や、意識を失った後の職員による心臓マッサージが原因だった可能性も否定できないとした。
同仁会の折茂謙一理事長は、「1年半以上の間、監視義務違反というレッテルの下で肩身の狭い思いだった。今後は自信を持って介護の仕事をすることができる」とコメントを出した。
(朝日新聞の記事から引用)


施設側は裁判で勝ったものの、一度失った信用を取り戻すのは大変だろうと思います
この訴訟の時点で、小鳥被告は起訴されたものの公判も始まってはいません。なので、遺族の側からすれば小鳥被告の犯行だと立証するのも困難で、施設側の管理責任(監視義務違反)を問う形の訴訟になったのでしょう
小鳥被告についての報道は見られませんので、延々と公判前の争点整理を続けているものと思われます
ただ、刑事被告人だからといつまでも拘置所で勾留し続けるのは問題があり、迅速な裁判を進めてもらいたいものです

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飲酒運転事故で児童死傷梅沢被告起訴 千葉

6月、仕事の途中で酒を飲みながら運転し、児童をはねて5人を死傷させた梅沢洋容疑者が起訴され、親会社「南部」と経営者である会長も安全運転管理者を選任していなかった道路交通法違反容疑で書類送検されています
安全運転管理者を選任していなかったという件は、本件事故を待つまでもなく警察で把握できたはずであり、なぜ事故が起きるまで放置していたのかと言いたくなります。もちろん、安全運転管理者を選任していたとしても、運転者が平気で酒を飲んでハンドルを握る実態が改善されたとは思えないのですが
梅沢容疑者起訴の報道と、会長の書類送検の記事の2本を貼っておきます


八街市の市道で下校途中だった市立朝陽小児童の列に大型トラックが突っ込み、1~3年生5人が死傷した事故で、千葉地検は19日、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪で運転手の梅沢洋容疑者(60)=同市=を起訴した。被告は千葉市花見川区内のパーキングエリア(PA)で休憩中に飲酒し、事故当時は酒の影響で居眠り状態だったとされる。
起訴状などによると、6月28日午後2時55分ごろ、京葉道路下り線の幕張PAで酒を飲んだ後、大型トラックの運転を再開。同3時25分ごろ、八街市八街はの市道を時速約56キロで走行中、アルコールの影響で居眠り状態に陥り、進行方向左側の電柱に衝突、一列で歩いていた児童5人をはね、死傷させたとされる。
地検は認否を明らかにしていない。被告は東京都内に資材を運んだ後、勤務先に戻る途中だった。
県警は同法違反の過失傷害容疑で現行犯逮捕したが、飲酒の影響で正常な運転ができていなかった疑いがあると判断し、より罰則の重い危険運転致死傷容疑に切り替え送検していた。
死亡した男児の遺族は「裁判では被告に正直に話してもらい、事件の真相が明らかになることを望む」とするコメントを出した。
県警は被告の勤務先についても、安全運転管理者を置いていなかったとして、道交法違反の疑いで捜査している。
(千葉日報の記事から引用)


千葉県八街市で6月、飲酒運転のトラックに下校中の小学生がはねられ児童5人が死傷した事故で、県警は25日、安全運転管理者を選任していなかったとして、事故を起こした運転手の勤務先の親会社「南武」(東京都葛飾区)と同社の男性会長(71)を、道路交通法違反容疑で千葉地検に書類送検し、発表した。
県警は「安全運転管理者を選任していれば事故を防げた可能性もあり、事故の重大性と社会への影響を考慮し書類送検した」と説明。「厳重処分」の意見を付けたという。
交通捜査課によると、2014年2月28日から事故発生の今年6月28日にかけて、事故を起こした運転手に配車指示などをしていた南武の支店の「南武千葉工場」(八街市)で、白ナンバーの車を5台以上使用していながら、安全運転管理者を選任していなかった疑いがある。
道交法は、自社の荷物などを運ぶ「白ナンバー」の車を5台以上か、定員11人以上の車を1台以上使う事業者に、社内での交通安全教育などを担う安全運転管理者を選任して警察に届け出るよう義務づけている。安全運転管理者は、運転者の点呼をし、飲酒などで正常な運転ができないおそれがないか確認して、安全運転に必要な指示をする。
事故当時、千葉工場は白ナンバーを8台、運転手の勤務先の「南武運送」(同市)は5台をそれぞれ使用。ただ、南武運送は、法人としての独立性がないとして立件対象には含めなかったという。
(朝日新聞の記事から引用)


梅沢被告は危険運転致死傷罪で起訴されました
当ブログで何度も取り上げているわけですが、検察も裁判所も危険運転致死傷罪の適用に極めて慎重(臆病と言えるほど)で、よほど事故との因果関係がない限り、業務上過失致死傷罪で起訴し、判決を下しています
本件は梅沢被告の飲酒運転が明らかに事故の原因と認められるため、危険運転致死傷罪で起訴したのでしょう
裁判所がこの新たに設けられた「危険運転致死傷罪」の適用に慎重である理由として、「法の公平」という考えがあるとの話は前にも書きました
つまり、従来は業務上過失致死傷罪で裁かれていた事故が、新たに「危険運転致死傷罪」を適用することでより重く罰せられるようになるというのは、「法の公平」さに問題があるとの考えです
しかし、そんな理屈を並べて「危険運転致死傷罪」の適用を見送っていたのでは、いつまでも立法の趣旨が反映されないのであり問題でしょう
飲酒運転を含む危険な運転による事故の被害を防ぐため、より重く罰する趣旨で法を改正したのですから、裁判に反映させるのが当然です

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経産省キャリア官僚 給付金詐欺で追送検

コロナ感染対策として各種給付金が支給されたのですが、これを悪用した者の摘発が続いています
その中でも目を引いたのが、経済通産省に勤務する現職官僚による詐欺です。桜井真被告と新井雄太郎被告の余罪が追送検されたと報じられています
2人はすでに懲戒免職処分を受けているものの、騙し取った金を返納できないなら実刑が科される可能性があります。返納できたなら、執行猶予付き判決が下されるのでしょう
桜井被告は自慢の千代田区一番町のタワーマンションを売って現金化するしかないのでは?


新型コロナウイルスの影響で業績が悪化した事業者を支援する国の「持続化給付金」計400万円をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は、ともに元経済産業省のキャリア官僚で東京都千代田区一番町、桜井真(28)と、文京区向丘、新井雄太郎(28)の両被告=詐欺罪で起訴=を詐欺容疑で追送検した。捜査関係者への取材で判明した。追送検は23日付。
両被告は2020年12月~21年1月に新型コロナの感染拡大に伴う、別の経済支援策として中小企業庁が所管する「家賃支援給付金」計1150万円を詐取したとして逮捕、起訴されている。同課が立件した不正受給額は計約1550万円となった。
追送検容疑は20年5~6月、2人が設立したペーパーカンパニー「新桜商事」と投資コンサルティング会社「バートゾーデン」の2社が新型コロナの影響で収入が大幅に減少したとする虚偽の申請書などを中小企業庁に提出し、持続化給付金計400万円をだまし取ったとしている。
経済産業省は7月、両被告を懲戒免職処分にした。
(毎日新聞の記事から引用)


新井雄太郎被告は東京大学在学中に司法試験に合格している、と報じられていました。官僚として経歴を積み、どこかの時点で司法修習生となって法曹資格を取得する予定だったのでしょう。ただし、執行猶予期間中は司法修習を受けることはできません。なので、執行猶予付き判決が出ても、その期間が明けるまで待つ必要があります
給付金詐欺で逮捕された学生の判決例を見ると、騙し取った給付金を返納しているのが汲まれて懲役3年執行猶予5年と量刑です
新井被告が騙し取った給付金を返納しても、執行猶予期間が5年(法律上、最長期間とされる執行猶予が5年です)ですから、その期間が終わるのを待たなければなりません
この先開かれる公判で動機をどのように語るのかは分かりませんが、公務員としての給料の安さもその一因だろうと思います
そして残業続きで時には役所に泊まり込むような働き方を強いられても、超過勤務手当は月20時間で打ち切り、それ以上はつかないという状態では儲け話に飛びつく者も出るのは当然、という気がします
今は改善されているとは思いますが、自分が公務員だった頃は本省勤務者の場合、月20時間で打ち切りというのが現実にありました
ただ、予想としてこの2人は公判で多くを語らず、愚痴や恨み言も表に出さずさっさと執行猶予付き判決を手にして次のキャリアを目指す…という生き方をするタイプのように思います

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女児にキスした男性保育士 退職で調査せず

男性保育士による女児や男児へのわいせつ行為が問題になっているわけですが、行政の側も保育園の経営者、管理者の側にも危機感が乏しいのではないか、と疑いたくなる事案が報じられています
男性保育士の方を差別する気はありませんが、現に性犯罪者が資格取得して保育の現場に紛れ込んでいる事実があるわけで、看過するわけにはいきません
複数の女児にキスをした疑いのかかる男性保育士が、勤務先の私立保育園をさっさと退職してしまったため、調査ができないと朝日新聞が記事にしています


県大治町の私立保育園で6月中旬、20代男性保育士が女児にわいせつな行為をした疑いがあることがわかった。7月に依願退職し、名古屋市の放課後等デイサービスに再就職したという。
報告を受けた県は、同園に事実関係などの調査をするが、退職した保育士については「強制的に話を聞く法的根拠がない」としている。
同園によると、男性保育士は6月中旬、担任する女児にキスした疑いが浮上。町によると、同17日に女児の保護者から園に相談があった。
保育士は、園に対して「故意ではない」と話したという。その後、複数の保護者の情報でほかの女児にもキスした疑いがあるとわかった。
保育士は2019年11月からパートで勤務。今年4月から正規職員として女児の担任をしていた。7月に退職後、放課後等デイサービスに再就職したと、同園に伝えてきたという。
県は今月10日、町から報告を受けた。「事案が事実なら許しがたい」として、今後、同園に聞き取り調査を実施する予定だ。
ただ、県は同園の職員には聞き取り調査ができるが、退職した保育士を調査する権限はなく、限界があるとしている。事実関係が認定できなければ、保育士登録の取り消しなどの行政処分はできないという。
(朝日新聞の記事より引用)


対応の拙さ、というのが記事を読んで思い浮かびました。相談を受けた私立保育園はそもそもどう対処しようとしたのでしょうか?
保護者から相談があった時点で、保育園側が男性保育士を問いただすのは当然だとしても、保護者にはその時点で被害届を提出するよう促す必要がありました
被害届を出せば警察が捜査をするわけであり、男性保育士が退職しようとも捜査対象という扱いになります。捜査して嫌疑があれば送検するでしょうし、嫌疑なしとの判断が下れば刑事事件としてはそれで決着します
猥褻行為を繰り返していたとの疑いがある中、なぜ保育園は男性保育士の退職を認めてしまったのか、疑問です。疑わしい人物から退職届が出たのを幸いとして、退職させればそれで一件落着と安易に考えたのではないか、と思われます
被害届がその要件を満たすには、犯罪による被害をできるだけ詳しく申告する必要があり、具体的にはいつ(何月何日の何時頃)、誰が、何をしたのか、その結果どのような被害が生じたのか書き記さなければなりません。被害を受けたのが保育園児ですから、「いつ」が曖昧になり特定できないおそれも出てきます。なので、できるだけ早く被害届を出すのが肝要です。被害届の提出が遅くなれば、それだけ記憶も薄れてしまいます
保育園側がもっと明確に「園児に対する性犯罪を許さない」との考えをもっていたなら、対応は違っていたはずです
さて、問題の男性保育士ですが、放課後デイサービスに就職したという話ですから、今度はそこへ通う小学生の児童相手に性犯罪を繰り返す危険があるわけで、野放しにするのは大間違いでしょう
追記:放課後デイサービスの事業所は本人から退職理由を聞き取った上で採用した、と述べているのだそうです。ただし、事実をそのまま語ったのかは不明であり、園児にわいせつ行為をしたがごとく評判を立てられ辞めざるを得なかった、などと自分が被害者であるがごとく説明していた可能性も考えられます。いずれにせよ、放課後デイサービスを利用している児童に被害が出る危険もあるわけで、このまま放任するのは危険でしょう

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小室圭母 労災で洋菓子店とトラブル

どこまでも世間を敵に回すような対応、トラブルを生み出し続ける小室親子です。あの長文の釈明文発表から4ヶ月立つわけですが、借金問題は未だに解決しておらず、そもそも和解のための交渉をしているのかも不明です
このまま借金問題未解決で、10月に真子内親王と結婚式だけ強引に挙げてしまう腹積もりなのでしょうか?
それこそ、秋篠宮の「国民の理解を得る対応を」との要請を裏切る結果です
さらに週刊誌の報道によれば、小室母佳代さんは洋菓子店での仕事の際、アキレス腱を痛めたと労災を申請する書類を店に弁護士経由で送りつけたのだとか。事前に店の経営者に相談する、といった手順もなしに労災の申請書を送りつけるやり方に驚かされます。が、本人は正当な手続きをしているつもりであり、少しも自身の振る舞いを顧みようとはしないようです
「女性自身」の記事から引用します


小室佳代さんにトラブル絶えないワケ 精神科医は「過ちを認めない自己愛」を指摘
(前略:仕事を終えて靴を履き替えようとした際、アキレス腱を痛めたという佳代子さんの主張)
佳代さんのケースははたして労災として認められるのか。弁護士法人天音総合法律事務所の代表弁護士・正木絢生さんが解説する。
「労災認定を受けるためには『業務上の事由』による傷病等である必要があります。今回のけがの原因が、佳代さんの言い分どおりに靴の履き替えに起因していたと証明できるなら、労災事故として認定される可能性はあります。労災が認められた場合には治療費と、休職期間中の給与の8割に当たる金額を受け取ることができます。仮に月給を20万円とすれば16万円になります」
(中略)
「自分は例外」と特権を求める傾向が
手を差し伸べてくれた人たちに不義理を繰り返す佳代さん――。その言動の真意とはいったい? 精神科医の片田珠美さんは「小室圭さん、そして佳代さんは『例外者』だと思います」と語る。
「例外者というのは、自分は不利益を被ってきたのだから例外的な特権を求めていいと思い込んでしまう人のこと。精神科医のフロイトが名づけた性格類型です。とくに子供のころに苦労した経験があるとこのような思い込みを持ちやすい。佳代さんは母親が病気で裕福な家庭ではなかったといいますから、そうした生い立ちも影響しているのかもしれません」
元婚約者との関係においても、佳代さんは何かと“特権”を求めていたように見える。佳代さんを受取人にして生命保険に加入するよう求めたり、本来なら受給資格を失うはずの夫の遺族年金を受給し続けられるよう口裏合わせを要求したりしたエピソードからも、もらえるものはすべて受け取ろうという意識が感じられる。
それにしても、国民から厳しい視線が注がれている状況にもかかわらず、さらに新たなトラブルを招いてしまうのはなぜなのか。
「佳代さんは、自分の言動が相手にどう受け止められるか、世間から怒りや反感を買うのではないか、といったことが想像できないのでしょう。一方で、自分がいかに苦しんでいるか、いかにつらい状況にあるのかを誇張して同情を引こうとする。これは例外者の心理に密接に結びついています。小室さんの説明文書からも、自分たち母子は被害者で、悪いのは元婚約者だと主張したい欲望が読み取れました。自己愛は誰しも持っているものですが、佳代さんの場合は悪性の自己愛なのでしょう。自分の過ちを認めようとしないため、国民との認識の違いや批判への対応が、ずれていく一方なのです」(片田さん)
ついに15年来の恩人社長にも愛想を尽かされてしまった佳代さん。このままでは手を差し伸べてくれる人は誰もいなくなってしまうが、それでも“自分の生き方”を変えることはないのか――。


小室佳代さんは自分の洋菓子店を持つのが夢だと語っていました
しかし、佳代さんが経営者の立場になった場合、適応障害で1年休職を余儀なくされた従業員が居たなら、給与や見舞金を支払おうとはしないでしょう。また、労災を申請する従業員がいたとしても、労災申請には応じようとはしない人物だろうと推測します(あくまでも推測です)
それどころか、労災申請した従業員を批判しまくり、解雇するかもしれません。あくまでも自分中心で、自分の都合を優先させる思考の持ち主だからです
なので、膝突き合わせて「常識」なるものを説いて聞かせたところで理解しようとはしないのであり、まともな人付き合いのできる人物ではないのは明らかでしょう
その「自己愛型」とも呼べる傾向については、上記の記事で説明されています。片田珠美医師は言葉を慎重に選んでいるわけですが、ぶっちゃけ「自己愛型人格障害」の範疇に入るケースだと考えます。自分は医師ではありませんし、直接面談もしていない人を「人格障害」だと決めつけるのは許されないのであり、禁句ではありますが
皇族の方々も、このような厄介な人物と親戚付き合いなどしたくないはずです
本人の病識がない(人格障害、その他の病名がつく症状を抱えていると自覚していない)以上、治療に取り組もうとする心づもりもないわけで、周囲とのトラブルを繰り返し、絶縁を重ねながら生きていくのでしょう
もっとも、2017年に適応障害で仕事を休んだ際(婚約者との間の金銭トラブルが週刊誌に報じられた頃)医師の診断を受け、「適応障害のため1年の休養、治療を要する」との診断書を得ているのですから、その折に精緻な診察を受けていれば「適応障害」ではなく、本人の人格・資質の問題だと医師も気づいたのではないか、という気もします
いずれにせよ、本人の抱え込んだ根本的な問題(障害)ですから、このまま放置していても症状は解消しませんし、周囲とのトラブルを繰り返すだけです

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「日本は新軍国主義ニダ」と主張する韓国の研究者

韓国には日本研究の専門家を自称する学者がいるのですが、その主張はどこか別の宇宙に存在する「日本」を研究しているのではないか、と言いたくなるほど現実離れしています
極端な例では、「日本がいまだに朝鮮半島を植民地として支配すべく狙っている」と主張していたり
いまどき植民地支配など時代錯誤もはなはだしいのであり、経済的メリットもありません。ただ、「日本が朝鮮半島を狙っている」と言いたいだけなのでしょう。それが日本の長年の野望であるとか、どうとか
そうした独善的な日本研究の本を紹介する記事がありましたので、取り上げます
いつものように元記事が韓国語なので、インターネットの掲示板「5ちゃんねる」に貼られた蚯蚓記者の翻訳から引用させてもらいます


7月末に出版された日本政治の専門家カン・ドンワン博士の『日本新軍国主義』(図書出版ホメロス)は緊迫した国際情勢変化の中で急速に進む日本の新軍国主義的傾向と実体を分析し、これを克服する代案の理論を立てる。その対策として韓半島の平和体制を通じた「力の均衡化」戦略および領域内「安保経済緩衝地帯化」戦略を提示している。
葛藤と反目で綴られた東アジアの共生と平和、韓半島平和体制構築のために二つの案を提案している。第一に東アジアの「力の均衡」を通した安定論、二番目は韓半島をはじめとして沿海州、シベリアなどの北方領土を合わせる巨大な安保経済協力の「緩衝地帯化」戦略だ。
韓半島をはじめとする東アジアには平和を、世界の有数資本には新しい開拓を通した富の獲得を、先進資本主義国家には危機脱出の機会を、未開発地域には安いエネルギーと原料供給の補給地により地域を安保と経済協力の巨大な「平和経済緩衝地帯」に変貌させようということだ。
これを根拠に、日本新軍国主義化の解体あるいは望ましいバイパスは平和体制韓半島になると主張する。
先に日本軍国主義化傾向の根元は日本の地政学的特性と特有の個人主義、そして武士道を基盤とする独特の階級構造に求めることができる。これにまだ神格化された存在としての天皇イデオロギーが加わる。よく日本のナショナリズムに挙げられるのが孤立した個人主義に上塗りされた天皇中心的集団主義だ。多少矛盾している様に見えるが、これが21世紀日本の国家アイデンティティだ。
民主的な人々の相当数が日本の国内政治として民主主義と人権を重視するが、対外政策という外部の政治的側面では強力な帝国主義的見解を堅持した。国益のためになら帝国主義的進出は容認される、という論理であった。このような主張をする人たちが次第に政府の高位職や軍部実力者に登場し、帝国主義日本が軍国主義への転換を成し遂げることになる。
日本は敗戦後、反省の兆し一つなく「戦後レジーム(postwar regime、暴圧的で非合理的な支配体制)」からの脱却だけを夢見た。不断に軍国主義的野望を抱いた保守右翼勢力によって「過去」への回帰の道を模索してきた。普通国家化に象徴されるこの流れは究極的に軍事大国化、すなわち平和憲法廃止を通した戦争可能な普通国家への転換だ。現在、度を越して新軍国主義に駆け上がっているのが日本だ。
最近の日本は19世紀末の日本帝国と同じくらい危険だ。頻繁な自然災害と長びく経済不況、コロナ19防疫失敗、何よりも無価値な過去回帰戦略で沈滞に陥った日本社会に脱出口が必要な時が到来した。
歴史は繰り返される。その野蛮な悪循環を断ち切らなければ。
(中略:この調子で続く)
著者のカン・ドンワンは忠北(チュンブク)忠州(チュンジュ)出身の国際政治学博士で、京畿(キョンギ)大学韓半島戦略問題研究所研究員だ。日本の早稲田大学大学院でメディアを勉強した。日本での長い生活によって自然に韓日両国関係と東北アジア情勢に関心が向いた。その後、韓半島平和体制および東北アジア平和時代に関心を持って研究し平和を念願している。過去20年余りの続けてきた苦悩の所産だ。「日本の良心」と呼ばれる伊藤成彦先生の著書<日本憲法第9条を通じてみたもう一つの日本>を翻訳出版した。
(ブレーキニュースの記事翻訳から引用)


「新軍国主義」とは何とも奇妙な呼称ですし、日本が「国益のためになら帝国主義的進出は容認されるという論理」を有していると決めつけているのも不思議です。別段、日本は植民地獲得に血眼になっていたりはしません。どこを見ているのでしょうか?
記事の中で日本の保守政権が「軍国主義的野望」を抱いていると書いていますが、何を指し示しているのか不明です
その後に続く文章、「普通国家化に象徴されるこの流れは究極的に軍事大国化、すなわち平和憲法廃止を通した戦争可能な普通国家への転換」というのが軍国主義的野望なのでしょうか?
ならば、世界中のほとんどの国が軍隊を保有しているのですから、世界の国々は軍国主義的野望を抱えていると言えます。それらの国は軍隊で戦うことを憲法で禁止していたりはしません
なので、日本の憲法が戦争放棄を規定していること自体、異例であり異常であると認識する必要があります。別段、憲法を改正して侵略戦争を始めろ、などと主張するつもりはありません。が、現実問題として自衛のための戦闘行動は当然容認する必要があります。憲法9条を「自衛のための戦闘も含め、一切を禁止している」などと解釈する9条信者のようなお花畑脳では困ります。自分が小中学生だった頃、学校教育では憲法9条を、「自衛のためでも戦闘は認められない」とする規定であると教え込まれたものです
話を戻して、この本の提言する「北東アジアの平和経済緩衝地帯」なる構想もお花畑思考の末でしょう
ロシアにしろ、中国にしろ、北朝鮮にしろ、己の政治体制を手放す気はないのであり、自国の政治体制を維持するのが最優先です。そのためには経済など二の次であり、ゆえに平和経済緩衝地帯なるものが成立するはずがありません
韓国人研究者は「日本の軍国主義こそがアジアの平和を脅かしている」と決めつけるのですが、現に平和を脅かしているのは北朝鮮の核兵器開発や弾道ミサイルであり、中国の海洋進出と領土拡大の野望でしょう。加えて国内の少数民族弾圧も
ところが韓国人研究者にすれば、「北朝鮮の核兵器は日本やアメリカを狙ったものだからアジアの平和を脅かしてなどいない」という理屈になり、中国の海洋進出や領土拡大(香港を飲み込み、台湾を併合しようという動き)には触れようとしません
まったく現実を検討せず、絵空事のような日本の軍国主義だの帝国主義だのを批判しまくるのが学術的に正しい方向、なのだそうです

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高校野球部コーチが部員にわいせつ逮捕 大阪

夏の高校野球大会で高校生たちが奮闘している折に、残念なニュースです
大阪の私立高野球部コーチが部員14人に対し、マッサージをしてやると称して性器を触ったという強制猥褻容疑で逮捕されたと報じられています
逮捕されたのは水落雄基容疑者(31)であり、東福岡高校在学時には全国大会にも出場していた人物です。高校卒業後は福岡大学に進学、その後は野球のコーチ兼講師として大阪市内の私立高校に勤務していたようです


大阪市内の私立高校の男子野球部員にわいせつな行為をしたとして、大阪府警が強制わいせつの疑いで、同校野球部の元コーチ(31)を逮捕していたことが21日、捜査関係者への取材で分かった。元コーチは同校の元講師。同校によると、他にも男子部員13人が同様の被害を学校側に訴えており、府警が調べている。逮捕は18日。
容疑者はコーチだった2020年度に男子部員と2人きりになった場所で、部員の下半身を触った疑いが持たれている。
同校によると今年1月、保護者から学校側に相談があり発覚した。元コーチは昨年4月に同校に赴任。部員らは学校の調査に、昨年8月以降、「マッサージをする」などと言って学校近くにある野球部の寮の部屋やグラウンドの休憩室に呼び出され、下半身を触られたと証言した。10回ほど被害に遭ったと訴えた部員もいたという。
元コーチは調査に事実関係を認め、「冗談半分でやっていたが、徐々にエスカレートしてしまった」と説明した。今年3月に懲戒解雇された。
(中日新聞の記事から引用)


「冗談半分でやっていたが、徐々にエスカレートしてしまった」と釈明しているあたり、まだ自身の欲望を直視できずごまかしている感がありありです
水落容疑者は「冗談半分」などとごかしていますが、本当は未成熟な少年を同性愛に引き込み、弄び、翻弄して快楽を得たいと欲し、抗えなかったのでしょう
実際は同性愛者として同好の士を求め、ハッテン場に通い詰めていたのかもしれません
同性愛者を否定したり色眼鏡で見るつもりはありませんが、本件のように未成年者に手を出し、同性愛の道に誘い込もうとするのは犯罪であり厳重に罰する必要があります
特に教員の立場にある者がやってはいけないのであり、「冗談半分」などと弁解するのは言語道断です
私立高校が直ちに解雇したのは当然でしょう
水落容疑者がいかに反省しようとも、二度と教職に就くべきではありませんし、野球の指導に携わってほしくありません
被害者が1人や2人なら罰金刑で終わったところですが、14人もいるようでは起訴される可能性があります
その際、公判の場でも「冗談半分でやった」と主張するのでしょうか?

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小田急切りつけ男 女性憎悪犯罪なのか?

走行中の小田急電鉄車両内で牛刀を振り回し、乗客を負傷させた対馬悠介容疑者(36)が逮捕され、取り調べを受けています。死者が出なかったのは幸いですが、切りつけられ負傷した乗客は言いようのない恐怖を味わったはずです
プレジデントオンライン掲載の記事が、この事件を「フェミサイド」(女性を憎悪し、狙う犯罪)だとする見方に一石を投じていますので取り上げます
プレジデントオンラインの記事が言うところの、小田急電鉄事件を「フェミサイト」だとして糾弾している声とは、朝日新聞系のオピニオンサイト「ウェッブRONZA」を指すものと思われます(他にもあるのでしょうが)
以下、ウェッブの記事からの引用部分は赤字で、自分のコメントは黒字で表示します

小田急線「フェミサイド」、女性憎悪は最も差し迫った“テロリズム”だ
殺人未遂容疑で逮捕された対馬悠介容疑者は、動機として「幸せそうな女性を見ると殺したいと思うようになった。誰でもよかった」「ターゲットにしている勝ち組の女性に見えたので狙った」と供述し、「幸せそうな人を見ると殺したい」「ターゲットにしている勝ち組に見えた」とは言っていません。つまり、女性に対する強い憎悪をもつヘイトクライムであり、不特定の女性を狙った無差別「フェミサイド(女性であるという理由で行われる男性による殺人)」だと言えるでしょう。
(中略)
つまり、女性憎悪は現代社会の主要なテロリズムの一つと化していると言っても過言ではないのです。テロリズムというと、アルカイダやIS(イスラム国)のようなイスラム過激思想をイメージする人が多いかもしれません。しかし、男性は実感を持ちにくいでしょうが、今や私たちの身近に迫っているのは、この「女性憎悪のテロリズム」だと思うのです。

と、上記のように女性蔑視から無差別殺人⇒テロと決めつけ、危機感を煽っています
もちろん、對馬容疑者の犯行は理不尽な暴力であり、無関係の人を巻き込もうとする悪意にほかならないわけですが、果たしてテロと呼べるほどの思想的な背景、既存の社会を打ち壊してやろうとする継続的な政治運動という側面があるとは思えません
数年前、インドでバスに乗り合わせた女子大生がならず者である男性らの集団レイプされ殺害される事件がありました。犯人たちは学校も出ていない底辺層に所属し、女子大生を妬み、恨み、そして襲いかかったものと思われます。が、これはテロではなくあきまでも犯罪として扱われる事件でしょう

小田急線刺傷事件を「フェミサイド」と結論づけるのが極めて危険な理由
(前略)
事件発生直後の初報において「勝ち組の女性(幸せそうな女性)を標的に」という文言があったことから、一部界隈ではこれを「フェミサイド」だと断定し、一部の人びとはまるでこうした出来事を「待ってました」といわんばかりに声を荒げ、「フェミサイドだ!」「女性が幸せそうにしているだけで私たちを殺さないで!」「日本は女性が命の危険にさらされる女性差別大国!」などと勢いづいていた。
男性も女性も「無差別に」狙われている
だが、そうした主張は実際には「ファクト」ではないことは付言しておきたい。そもそも本事件でも被害者のうち半分は男性であるし、少なくとも近年における「無差別殺傷事件」の被害者は男性も女性も数としてほとんど同数である(データをいろいろ見てみる「フェミサイドという言葉は男性被害の透明化によって流通するのでは?」)。ツイッターのフェミニストや一部のネット論客が既成事実であるかのように語る「日本では無差別といいながら、実際は女性ばかりが狙われている」「女性ばかりが殺されている」などということはない。男性も女性も、やはり文字どおり「無差別に」狙われ、傷つけられているのである。

指摘の通り、本件は「女性だけ」を狙っているのではありません。車両内居合わせた男性も被害に遭っています。もし、犯行現場が女性専用車両なら「フェミサイド」と言えます
ただ、女性を狙った犯行に着手した結果、車両内にいた男性も巻き込むことになったとの見方も可能でしょう。つまり、男性も巻き込んだという結果を重視するか、「女性を狙った」と主張する對馬容疑者の言い分を重視するかによって違ってきます

現時点での「犯行動機」は真実とは限らない
「だれでもよかった」というありきたりな表現の場合は「だれか特定の人を私的なトラブルや怨恨で狙ったわけではない⇒つまりだれでもよかった」という意味合いで、一般の人が想定する「だれでもよかった」の表現に含まれるニュアンスとは異なっている場合がしばしばある。
「だれでもよかった」「むしゃくしゃしてやった」「いまでは反省している」など、事件発生直後に錯綜するさまざまな犯行動機は、必ずしも真実であるとはかぎらない。多くの人の記憶に刻まれる「秋葉原通り魔事件」がその典型である。初報段階でメディアに流れていた「負け組の怒り」「いわゆる『毒親』による教育の失敗」「非モテの怒り」は真実ではなかった。被告人の口から裁判で語られたのは「自分の大切な居場所だったネット掲示板でなりすましをやめさせたかったから」だった。
犯行の直接の動機としてはさまざまに推測されうる(そしておそらくは複雑な個人的ライフヒストリーにおいて複合的に影響し合っている)が、それは今後の取り調べや裁判で真実が明らかにされるのを待たなければならない。

この当たりは秋葉原通り魔事件と同じで、一部のメディアや識者が「派遣切りされた若者の怒り」による犯行だと決めつけ、宣伝したものの、それ自体を犯人である加藤智大死刑囚に否定され、尻すぼみになってしまったのを思い出します
人は現実に起きた事件であっても、自分に都合よく解釈し、自分の思うがままに語ろうとします。そこでは事件を意味を問うのではなく、事件とは別の何かを語ろうとするからです

「通り魔」たちに共通する「疎外」という背景
凶行に及んだ最終的な個人的動機(トリガー)がなんであったにせよ、具体的な動機の内容にかかわらず、現代社会の「通り魔」的な事件のほとんどに大なり小なり共通している心理社会的背景は「疎外」である。
法務省の「通り魔」についての統計調査資料『無差別殺傷事犯の実態』によれば、こうした「通り魔」的犯行に及ぶ人びとは、住所不定者や施設入所者の割合が高く、また交友関係も狭く交際経験も乏しく、半数以上が無収入者であることが確認されている。相当過大に見積もっても、かれらのほぼ全員は恵まれた社会生活を送っている者ではない。社会的・経済的・人間関係的に厳しい状況にある人びとである。かれらはその厳しい状況のなかで、人間社会そのものに絶望や憎しみを抱くようになっていった。
私たちはこうした「社会的・経済的・人間関係的に厳しい状況にある人」を自分たちの手で助けようとすることは少ない。助けるどころか、可能なかぎりにおいて自分の傍から遠ざけて疎外する。ただし、疎外するときの態度はけっして冷酷なものではない。「自分が相手を拒絶した」というある種の《後ろめたさ》を負わなくてもよいように、とても美しく思いやりのある表現によって丁寧に装飾加工がほどこされている。

銃の乱射による大量殺人事件がしばしば起きているアメリカでは、「通り魔殺人」というのもありますが、多くは「特定の誰か」を狙った犯行であるのが特徴です
職場を解雇されたので銃を持って職場に乗り込み元同僚らを射殺するとか、高校や大学で差別を受けたから学校に乗り込み銃を乱射するとか、ある意味分かりやすい事件が目に付きます。不特定の誰かを狙うより対象を明確に絞り、憎悪をぶつけた方が鬱憤を晴らせるからでしょう(当たり前です)。そこでは社会に対する不満といった漠然とした対象を敵視するのではなく、個別・具体的な誰かを敵だと見定めているわけです
むしろ、日本のような不特定の誰かを狙って鬱憤を晴らそうとする犯行の方が、珍しいのかもしれません

「不快な他人」を遠ざけた社会の代償
社会に対して「反逆」することを選んだ「疎外者」たち――「派遣社員としての絶望(マツダ本社工場連続殺傷事件)」にせよ「インセルとしての憎悪(トロント車暴走連続殺傷事件)」にせよ、あるいは「ジハーディ・ジョン(ISILに参加したムスリム系イギリス人。首狩りの処刑人として知られた。彼はイギリスの名門大学を卒業するが、イギリス社会の人種・宗教差別によって恵まれた仕事ができず、次第に西欧文明の先進社会に憎悪を募らせていくようになった)」にせよ同じことだ。
のちに明らかにされたかれらの直截的な具体的動機は全員異なるが、かれらは自らの希望とは反し「疎外者」として生きることを余儀なくされたという背景を共有している。その対岸で、彼らのような人を疎外することによって、その他大勢の人びとは「不快な他人」とかかわらなくて済む快適な社会を享受した。

こうした括り方には賛同できません。「不快な他人」とかかわらなくて済む快適な社会などというのは筆者の頭の中にだけ存在するのでは?
多くの人は、職場に不快な人物がいたり、近隣に不快な人物が住んでいたりと、何がしかのストレスを感じて生活していると自分は思います。一戸建ての住宅で生活しようと、マンション暮らしだろうと、周辺に多かれ少なかれ問題のある人物が住んでいたりするものです
あるいは職場の上司、同僚、部下の中に話が通じない人物、疎ましく感じる人物がいたりするのでは?
なので、上記の記事のように、不快な他人とかかわらなくて済む快適な社会に自分たちは生きている、などと自覚している人は極めて少数派でしょう
この部分で筆者の言う前提は崩れるのであり、「不快な他人」を遠ざけた社会に暮らす代償として通り魔事件のようなリスクを引き受けなければならない、との論旨は的を外していると感じます

通り魔を生み出した「背景」を考えているか
言うまでもないが、通り魔やテロなどの行為自体はけっして許されるわけではない。だがそうした行為に及んだ人びとの「差別性」「加害者性」にのみ注目してしまうのはナイーブな議論である。「私たちとはまったく相容れず無関係な狂人が、お門違いな憎悪や差別心を募らせた結果だ」とすれば、自分たちや自分たちの暮らす社会の無謬性や正当性を守りながらたやすく「切断処理」してしまえるが、しかしそれでは「通り魔」という結果を生み出した原因のより深層にあるものを知ることができなくなる。

もっともな言い分ですが、しかし、對馬容疑者が何を考え犯行に至ったかを皆が皆、理解する必要があるとは思いません。自分は事件マニアなので知りたいと欲しますが、他の方は知りたくもないのでは?
秋葉原事件の加藤智大死刑囚が何を考え、実現しようとして犯行に至ったのか、多くの人には興味も関心もない話です。同情もしないでしょう
犯罪予防という観点から、これら通り魔事件を研究し、原因を解明し、社会防衛のための施策を講じる必要があるとしても、皆がそれに参画する必要があるわけでもなく
数ヶ月後には對馬容疑者も拘置所の中で「告白本」を書くのかもしれませんが、そこにあるのは自己宣伝や欺瞞であり、自分が何者かであるよう嘘を連ねるだけでしょう。「疎外された者」であっても、真実を語って世の人々に理解を求めるとは限りません。最後まで嘘をつき続ける犯罪者もいるのです

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神戸弘陵高生徒殺し 事件を小説に書いていた

神戸で男子高校生が殺害され、それから10年の歳月を経て容疑者が逮捕されました。当時少年だった容疑者も現在では28歳なのですが、警察もメディアも容疑者の氏名は伏せたままです
犯行時、未成年だったとの理由ですが、その必要があるのかは疑問です。容疑者は今現在の年齢で逮捕され、起訴されるのですから、氏名を伏せる意味がどこにあるのか、と思ってしまいます(別段、容疑者の氏名を知りたい、というわけではありません。氏名はインターネット上で検索すると出てくるわけで)
さて、朝日新聞は容疑者元少年Aが、高校生を殺害する小説を書いていた事実を捜査関係者が確認した、と報じています
ただ、それが何を意味するのか、反映しているのか、指し示しているのか、現時点では不明です


神戸市北区で2010年、高校2年の堤将太さん(当時16)が刺殺された事件で、神戸地検は20日、殺人容疑で送検されていた愛知県の男(28)の刑事責任能力を見極める鑑定留置を始めた。一方、捜査関係者らへの取材で、この男が、少年が高校生を殺害するという内容の小説を書いていたことが新たにわかった。
地検によると、神戸簡裁への鑑定留置の請求と許可は19日付。留置期間は12月13日までで、専門家による精神鑑定などをして、起訴できるか判断する。
事件当時17歳だった男は今月4日、兵庫県警に殺人容疑で逮捕された。10年10月4日夜、神戸市北区の路上で、堤さんをナイフで複数回刺すなどして殺害した疑いがもたれている。
捜査関係者によると、男は県警の調べに容疑を認め、「(堤さんが)女の子と一緒に話しているのを見て腹が立った」といった趣旨の供述をしているという。当時は現場近くの親類宅で暮らしていたとみられる。
一方、捜査関係者らへの取材で、県警が、男が書いた小説の存在を把握していることがわかった。事件後から17年ごろに書かれたとみられる。
小説では、東北地方の高校をトラブルで退学した少年が孤独感と他人への恨みを募らせた末、自宅近くの公園で見ず知らずの高校生の男女4人をナイフで襲うという。3人が死亡し、少女1人が生き延びる。高校生たちの楽しそうな笑い声に嫉妬したことなどがつづられているという。
朝日新聞の取材では、男は東北地方の高校を自主退学したことがわかっている。捜査関係者の一人は「小説という形式だが、捜査で得た情報とリンクしている部分がある」との見方を示す。
こうした状況もあり、神戸地検も事件当時の男の精神状態について鑑定留置で詳しく調べる必要があると判断したとみられる。
(朝日新聞の記事から引用)


上記の記事の通り、逮捕された元少年Aは鑑定留置となり、12月まで精神鑑定を受けるようです。通常、起訴前の鑑定留置は3ヶ月ほどですから、今回のように約4ヶ月の期間を設定したのはひっかかります。もちろん、夏休み期間になりますので、鑑定する医師の都合もあるのでしょう
逮捕されるまで就労していた元少年Aですから、何やら精神異常を思わせる特異な言動があったはずもなく、犯行当時に心神喪失を疑うようなエピソードがあったとも考えられないわけで
強いて憶測すれば元少年Aが書いたという小説の内容が、血しぶき舞い手足がちぎれるようなスプラッターホラー風の、残酷描写満載の内容で捜査員が「なんじゃこりゃ」と驚愕した…のかもしれません
いまどきは中学生や高校生でもライトノベル風の小説を書くのは珍しくないのであり、元少年Aが事件後に小説を書いていたとしても驚くほどではないのです
朝日新聞的には、何か驚愕すべき新事実の発見のつもりなのでしょう

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ストーカーは警察副署長 富山県警が送検

富山県警氷見署の副署長がストーカー行為をしていたと発覚し、減給の懲戒処分を受けた上で富山地検に書類送検されていたと報じられています
副署長にして元警視の相山泰容疑者(57)は、依願退職したのだとか
警察官の犯罪の多くは、「依願退職しているから」との理由で不起訴処分になるのが常です(殺人など重罪は別として)
かつては教員のわいせつ事件も懲戒免職処分を受けた場合、社会的制裁が済んでいるとの理由で不起訴処分になっていたケースが目についたのですが、最近は実刑が科される場合がほとんどです。そうでもしないと教員の性犯罪に歯止めがかからないと踏んだのか、あるいは被害者の殆どが未成年者という事情が考慮されたのか
警察官についても、「依願退職しているから不起訴」という扱いは止めてもらいたいものです。警察と検察のズブズブの関係があるとしても


女性につきまとったとして富山県警は20日、氷見署副署長の50代男性警視をストーカー規制法違反の疑いで富山地検に書類送検した。県警は同日、警視を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分とし、警視は依願退職した。県警は認否を明らかにしていないが、警視は「女性や組織に迷惑をかけて申し訳なく思っている」と話したという。
送検容疑は今年5~7月、好意を抱いた女性に商業施設内で話しかけ、ネット交流サービス(SNS)アカウントの交換を求めるなどつきまとった疑い。この女性とは面識があったという。
県警監察官室によると、7月上旬に女性が県警に被害を相談して発覚した。この他にも内部調査の過程で▽私的な理由で県警の情報照会システムを利用し、知人男女9人の情報を照会▽不適切な異性関係――も判明した。島田久幸・首席監察官は「幹部職員がこのような事案を起こしたことは遺憾で、被害者と県民に深くおわびする」とコメントした。
(毎日新聞の記事から引用)


ちなみに富山県警監察室は、書類送検されたのが氷見署副署長の相山泰容疑者であるのを伏せて発表しています。これもまた身内をかばう警察独特の感覚でしょう
多くの場合、「警察官の非行による懲戒事案があっても氏名を公表した前例がないから」とか、「氏名を公表する事案には当たらない」などと理由付けます。が、身内をかばっているのは明らかです
さて、話を戻して相山容疑者が依願退職したからといってストーカー行為を止めるのか、大いに疑問です。現職警察官という制約がなくなったのですから、今後ますますストーカー行為に励むのでは?
依願退職ですから、退職金は支給されます(定年退職前の自己都合退職ですから金額は多少減りますが)。朝から晩まで、心置きなくストーカー行為に浸れて、そのうち女性宅に刃物を持って押し入るなど、エスカレートする危険もあります
警察が接近禁止の「警告」を出したところで、ストーカー行為をしなくなるものではないと、警察官なら理解しているのでは?
上記の記事を読む限り、他の女性とも不倫関係があったように受け取れますし、タガが外れてしまっています。では誰がタガを締め直すのでしょう
富山地検は依願退職済であるとの理由で相山容疑者を不起訴処分にするはずで、何の歯止めにもなりません
つきまとわれる女性にすれば、恐怖でしかないはずです。せいぜい、「何かあったら警察に連絡してください」と言われるだけで

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マスク拒否男奥野被告 研究者として

このところ殺人事件やいじめ自殺事件など、重い話ばかり取り上げてきましたので、息抜き(?)のため別の話題を取り上げます
マスク拒否男こと奥野淳也被告をメディアは「変なおじさん」扱いで面白おかしく報じるのですが、記事を読むにつけ後味の悪さをいつも感じます。「東大出た人間が何をバカな真似をしてる」とあざ笑う雰囲気が常につきまといます
奥野被告の主張、行動がどうであるのかは別にして、彼の奇矯とも受け取れる言動には発達障害の影響が見て取れるのであり、一連の報道は障害者を揶揄し、あざ笑うのと一緒です
もちろん、記事を書いている人間は「そんなつもりはない」と否定するのでしょうが
さて、インターネットで得た情報では、逮捕・起訴後も勾留されていた奥野被告も保釈されたようで、今後は在宅のまま裁判の日に出廷する暮らしになるようです
奥野被告は東大大学院の博士課程に進んだものの、学位請求論文が審査を通らず博士号を受けられませんでした。が、その部分をメディアは取材せず、「ダメなやつ」扱いでお茶を濁しています
メディア批判をここで展開しても始まらないのは承知していますが、奥野被告の挫折としてとても重要な転換点であるのに、なぜ取材しないのか不思議です
事件報道に例えるなら、枝葉の情報ばかりを記事にして本筋部分をないがしろにしているもの同然でしょう
自分は在野の物好きな人間にすぎず、取材のため動き回る組織的なバックアップもなくツテもないわけですが、メディアが伝える内容だけに依存せず、調べられるものはできるだけ自分で調べようと心がけているつもりです
そこで奥野被告の挫折に至る経緯の一端なりとも知りたいと思い(奥野被告本人にとっては迷惑な話でしょう)、調べてみました

奥野被告と修士論文
奥野淳也の名前で検索し見つかったのが修士論文「都市のメタファーを用いたサイバー空間におけるユーザ行動の構造化」です
2014年の日付です。同姓同名の別人なのでしょうか?
奥野被告は2009年に東大法学部を卒業したと言われます。修士課程や博士課程にどれくらい在学していたのかははっきりしません。法学部出身の奥野被告が、「社会文化環境学専攻」という所属になっているのが意外です。どちらかといえば社会学の系統でしょう。関心のある方はダウンロードして目を通してください

都市のメタファーを用いたサイバー空間におけるユーザ行動の構造化

論文の中身については、まだ読み込んでいないので論評はしません。ただ、末文に謝辞が掲げられており、指導教授はもちろん研究仲間、そして両親に対する言葉(現在に至るまで私を常に支え続けてくれた両親への感謝)が記されています

奥野被告と学術振興会特別研究員制度
平成23年度の日本学術振興会特別研究員の選抜リストに奥野被告の名前が載っています
これは学術振興会が若手研究者に対して、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与え、研究者の養成・確保を図る制度が特別研究員です。大学院博士課程在学者及び大学院博士課程修了者等で、優れた研究能力を有し、大学その他の研究機関で研究に専念することを希望する者に、研究奨励金を支給しています
ざっくり言うと研究のための経費300万円までを上限として、その50%を補助するものです。文系の場合は理系より研究経費は少ないので、実際に受け取れる金額も少なくなります。海外に実地調査に出向く、となれば別ですが
奥野被告の場合、研究課題は「スウェーデンにおける参加・分権・市民社会-比較政治史的視座から」とされ、馬場康夫東大教授が指導教官だったようです。ヨーロッパの政治を専門とする馬場教授と奥野被告の相性が良かったのか、悪かったのかは不明です。が、馬場教授は奥野被告が特別研究員に選ばれた翌年には定年退官しています
奥野被告が提出した研究報告の概要は以下のようになっています

平成25年度の中心的課題は、北欧諸国の中央地方改革を、福祉国家形成・再編の政治過程との関係性に着目しながら、分析する作業である。昨年度は、スウェーデンのレギオン設置改革の考察を主たる論題としたが、本年度はそれに引き続き、分析対象をデンマークにも広げ、北欧近接比較の観点から検討することを試みた。北欧諸国を一つの「北欧モデル」論で語る論調がある一方で、その類似性の中の差異に着目した秀逸な比較研究がこれまで多く出されてきた。その厚い基盤を吸収しつつ、福祉国家再編期の北欧二国の政治現象を比較の枠組みの中で捉えるべく、その準備の考察を進めた。成果は、2014年6月の日本比較政治学会において報告されることが予定されており、目下その用意を進めている段階である。また、両国の福祉国家形成のプロセスについて、その収敏一分岐(類似性と差異性)のダイナミズムを、歴史的な時間軸の中に置き直し、その位置づけを考究する作業にも取り組んでいるが、これに関しては、学位請求論文執筆時までの続行課題としたい。北欧における市民社会論・国家社会関係をめぐるトピックスを検討する作業も、関連文献の収集. 読解を、引き続き、行っていく。

学位請求論文までの続行課題としたい、と書いていますのでこのテーマをより深く探求しようという意欲があったのでしょう

奥野被告と比較政治学会
また、日本比較政治学会第17回(2014年度)研究大会 が東大の本郷キャンパスで開かれたのですが、研究発表者の中に奥野淳也の名前があります。演題は「近接比較の中の北欧『レギオン改革』―福祉国家再編期の政治プロセスを通して」です。レギオン改革とは日本に当てはめると、都道府県制を廃止して道州制のような広域行政制度を実施する改革を指すのでしょう。上記の特別研究員の課題とも併せて、北欧型福祉国家における政治参加の在り方を研究し、活発に発表も行っていた姿が垣間見えます

奥野被告の学位請求論文がどのようなものであったのか、不明です
一般論として博士課程に進んだ院生に対し、指導教授は学位請求論文が通るよう論文の書き方、論旨、結論など細かく指導するわけであり、それは奥野被告に対しても同じだったと思います
ただ、現在の奥野被告の姿から想像すると、とにかく干渉されるのが大嫌いで我慢できない風に映ります。なので学位請求論文についても、指導する教授を疎ましく感じ、反発し、対立したのではないのか、と
結果として指導教授もさじを投げ、奥野被告が好きなように学位請求論文を書くのにまかせ、結果として論文審査で落とされた…とも考えられるのです。本当のところはわかりません
その頑なさ、融通のなさが、「大学の教員には不向き」と判断された可能性もあるのではないでしょうか?
自分の意見の固執し、突っ張るのは20代から30代前半まででしょう。世の中を渡っていくためには、人付き合いの仕方や妥協することも学ばなければなりません

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旭川いじめ凍死事件6 遺族の手記から見えるもの

旭川市でいじめを受けた女子中学生が、真冬の公園で凍死状態で発見された事件について6度目の言及になります
死亡した爽彩さんの母が手記を発表していますので、取り上げます
すでに各メディアで報じられているのと、手記自体長文なので引用は一部にとどめます
それにしてもいじめを隠蔽した中学校の校長や教頭の言動、旭川市教育委員会には怒りが湧きます
特に教頭の、「加害者にも未来があるんです。10人の加害者の未来と、1人の被害者の未来、どっちが大切ですか。10人ですよ。1人のために10人の未来をつぶしていいんですか。どっちが将来の日本のためになりますか。もう一度、冷静に考えてみてください」は、横断幕にして教頭の名前を添え旭川の中学校の校舎正面に100年くらい掲げておいてほしいくらいの暴言・戯言です。この横断幕を見て教育者にふさわしくない言動であると、教員一同、日々反省してもらわないとダメでしょう


旭川女子中学生死亡 公開された母親の手記を全文掲載 いじめを否定し続けた教頭の驚くべき発言
(前略)
5月の連休中、午前3時~4時頃、爽彩はいきなり自宅の玄関をガチャガチャと開け、バタンという大きな音を立てて飛び出していきました。爽彩は「いかなきゃいけない。先輩に呼ばれているから」と泣きじゃくりながら答えていました。関係する生徒2人の名前をきいていたので、対応を求めましたが、学校の担任は「真夜中に呼んだだけなので気にしないでください」と言いました。「娘はガタガタふるえていたし、いじめとかないんでしょうか」と尋ねると「いじめるような子たちではありません」と担任は話していました。
同じ頃、爽彩は「お母さん、死にたい」と言い出すようになりました。「死にたい」という言葉を、少なくとも2回は聞いたと思います。元気なく話す姿は、それまでの爽彩とは全く別人のようでした。そこで、私は、担任に相談しました。しかし、担任は「思春期ですからよくあることですよ」と素っ気ない答えでした。
6月下旬、爽彩は、先輩に呼び出されたまま自宅に帰らず、深夜になってコンビニエンスストアで保護されました。これはおかしいと感じた私は、学校で担任に事情を聞きました。「本当にいじめはないんですか」。担任に尋ねると、「いじめていたら、じゃあなんでリュックなんて届けてくれるんですか」と、「いじめ」をあっさり否定されました。
子どもたちに囲まれ、ウッペツ川に飛び込んだ事件の後、爽彩の携帯電話に、いじめを受けていることを示す履歴があることを学校に知らせました。教頭は「いじめが本当なら指導しないといけないので」と返答がありました。しかし、その後も、何の対応もしてもらえませんでした。それどころか、爽彩の入院中、学校に呼び出された際、教頭から「いたずらが行き過ぎただけで、悪意はなかった」「加害者にも未来があるんです」と頭ごなしに、いじめを否定されました。
「10人の加害者の未来と、1人の被害者の未来、どっちが大切ですか。10人ですよ。1人のために10人の未来をつぶしていいんですか。どっちが将来の日本のためになりますか。もう一度、冷静に考えてみてください」。これは、教頭に言われた言葉です。同席した知人も、あきれ果てるような対応でした。
(以下、略)


萩生田光一文部科学大臣はこのいじめ事件を報じた週刊文春の記事を読み、旭川市教育委員会への怒りが爆発していました。政務三役(大臣、副大臣、政務官)を旭川市に送り込んで直接調べる、とまで言い出しました
慌てて旭川市教育委員会は調査のため第三者委員会を設け、あれこれ調べているようです(もしくは、調べるフリをしている)
事件の経緯は当ブログの前の記事で取り上げていますので繰り返しませんが、いじめ事件を見て見ぬフリをしていた担任や教頭、校長、教育委員会担当者の責任はきっちり追及しなければなりません
校長、教頭はいじめについて嘘の報告書(公文書)を旭川市教育委員会に提出していますので、虚偽記載の疑い(虚偽公文書作成罪)に該当します。有印・署名ありの公文書であれば1年以上10年以下の懲役刑ですし、印なし署名なしの公文書であっても3年以下の懲役または20万円以下の罰金に該当します。罪状によっては執行猶予が付く可能性があるにしても、懲役刑が適用されるだけの犯罪というところが重要です
つまり、校長や教頭の嘘の報告書は懲役刑に該当するだけの重い犯罪であり、懲役刑に問われる犯罪をなした公務員は懲戒免職の対象となり得るわけです(都道府県の条例や懲戒基準によって扱いには幅がありますが)
いじめを隠蔽した元校長は定年退職して、別の自治体で嘱託勤務をしているようですが、本来であれば嘘の報告書を提出したので懲戒免職になっていてもおかしくないのです。もちろん、嘘の報告書だと承知の上でこれを受け取り、北海道教育委員会に提出した旭川市教育委員会の担当者も同罪です
行政法上の問題としては以上のようになるわけですが、告発されて刑罰に問われるかはまた別の話です
保身に走った教育関係者を放置してはいけません。いじめた側の少年少女も、相応の保護処分を受ける(少年院送致が妥当でしょう)必要があると考えます

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大津の中学生自殺 教育委員会の隠蔽工作
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大津いじめ訴訟 逃げ得を許さない
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大津いじめ訴訟 元同級生に賠償命令
https://05448081.at.webry.info/201902/article_16.html
大津いじめ訴訟 高裁は保護者側の過失と相殺し減額する判決
https://05448081.at.webry.info/202002/article_30.html
大津いじめ訴訟 加害生徒への賠償命令確定
https://05448081.at.webry.info/202101/article_36.html
福井中学生自殺 生徒を死に追いやった教師
http://05448081.at.webry.info/201710/article_16.html
福井中学生自殺 校長のトンチンカンな釈明
http://05448081.at.webry.info/201711/article_4.html
ウソの万引き容疑で宝塚音楽学校を退学処分
http://05448081.at.webry.info/201007/article_27.html
宝塚音楽学校のいじめ 呆れた実態
http://05448081.at.webry.info/201007/article_39.html
熊本高3いじめ自殺 当時の同級生を提訴へ
https://05448081.at.webry.info/202104/article_46.html

神戸5人殺傷事件を考える 初公判は10月13日

2017年7月、神戸市北区で祖父母ら3人を殺害し、実母ら2人に重傷を負わせたとして逮捕されていた竹島叶実被告の初公判が、今年の10月13日に始まると報じられました。公判の予定を見ると、11月4日が判決言い渡しとなっています
事件から足かけ4年でようやく公判開始です。竹島被告については2度精神鑑定が実施され、その上で刑事責任能力ありと判断し起訴に至ったものの、公判が開けないのではないかと思うくらい間が空いてしまいました。何があったのかは不明です
事件直後、ほとんど現行犯逮捕のような形で身柄を抑えたのであり、犯行そのものを否認していたわけでもなく、容疑を固めるのが難しかったとは思えません
さて、この神戸5人殺傷事件も、その後2020年に起きたボーガンによる宝塚の家族3人殺害事件も、報道がほとんどないため取り上げにくいケースです
今回は刑事事件への言及も多い、新潟青陵大学の碓井真史教授の書いた記事を取り上げます(記事の日付は2017年7月です)


神戸5人殺傷事件から考える親殺し、無差別大量殺人の心理学
(前略)
■無差別大量殺人
今回は親や祖父母への恨みではなく、「誰でも良かった」と供述していると報道されています。
一般に、「誰でもいいから殺したかった」と語る大量殺人者は、孤独と絶望感に押しつぶされた犯罪者であることが多いでしょう。彼らは、逮捕されることや死刑にされることも、犯行時には恐れていないこともあります。自分の人生も終わりにしたいが、こんな世界も終わりにしたいと思ったりもします。あるいは、自分をバカにしてきた世の中への最後の復讐であり、自分の力を見せつけたいと考える者もいます。
誰でも良いからことしたかったと感じて、一番身近にいて殺しやすかった母親を殺害した少年もいました。ただし、この少年は母親一人を殺害しています。
犯人の中には、一人を殺害し大量の血を見たことで興奮し、さらに無差別な殺人へと向かう者もいます。これを、血の酩酊と言います。
無差別大量殺人は、無差別とは言え、女性や高齢者がターゲットにされやすくなります。素早く逃げられたり、反撃の可能性が高い人を避ける気持ちは、あるようです。
■優等生いきなり型(挫折型)犯罪
昔から小さな犯罪を重ねてきて、とうとう大きな犯罪を犯す人がいます。一方、優等生で非行歴もないような人がいきなり大きな犯罪を起こすこともあります。大きく報道される猟奇事件などは、むしろこちらの方が多いでしょう。
優等生の中には、不平不満を我慢し続け、どこかで爆発する人もいます。
また、人生のあるところまでは優等生だったのに、大きく挫折して立ち直れない人もいます。彼らは、「こんなはずではなかった」という思いを持ち、社会を強く恨むことがあります。
■無職青年、引きこもり犯罪
無職青年が起こす様々な犯罪は、社会問題の一つです。さらに、引きこもり状態の人が大きな犯罪を起こしてきたことも、これまで報道されてきました。
決して、引きこもり状態の人がみんな危険なわけではありません。ただ引きこもり状態が続く中で、精神のバランスを崩し、現実感覚を失っていくケースはあるでしょう。
■犯罪防止のために
このような犯罪者は、自分の利益を考える一般の犯罪者とは動機が異なります。自暴自棄になってしまえば、厳しい刑罰の存在も犯行のブレーキにはなりにくいでしょう。彼らが抱えている孤独と絶望感の癒しが、犯行防止には必要です。
学校にも職場にも所属せず、社会とのつながりがない状態は、苦しいことでしょう。親も、小さな子どもの不登校などは周囲に言えても、大人の引きこもりになるとなかなか相談などできません。いつかは立ち直ると期待しつつ、時間ばかりが過ぎて行きます。
孤独と絶望を癒し、本人に絆と希望を取り戻すためには、その家族の支援が欠かせません。防犯のためにも、困っている家族を社会が支援して行かなければなりません。
行政も、民間団体も、大人になった子ども孫の問題で悩んでいる家族の相談にのっています。まず、家族が誰かとつながる必要があるのではないでしょうか。


先述のように事件からまもない時期に書かれた記事であり、竹島叶実被告に関する情報がメディアに出回っていたわけでもなく、一般論という形で言及しているものです
なので、事件固有の事情や状況を十分に斟酌し、検討しているわけではありません
ただ、事件の類型のように「■優等生いきなり型(挫折型)犯罪」としているのがひっかかります。以前に書いたように、教育評論家尾木直樹がこの「いきなり型非行」と言い出し、「ある日、突然それまで問題のなかったこどもが非行に走る。これがいきなり型非行、あるいは突然型非行だと私は考える」とテレビ番組の中で説明していました
「成績がよくて素行に問題のないこどもが…」と言いたいのでしょうが、そもそも成績が良いこども=よいこ=問題のないこども、という考え方自体がおかしいのです。当ブログでも繰り返し書いてきたように、成績が良いという部分ばかり注目し、それ以外の部分を見ていない(特徴や人格傾向をつかめていない)から、こんなおかしな類型に当てはめようとするのでしょう
成績が良くても発達障害を抱えているこどもはいるわけですし、学校では素行に問題がなくても自宅で犬や猫を殺しているこどももいます。こどもの全体像を把握できていないがゆえに、「見た目は問題のないこども」と決めつけてしまっているだけなのです
詳細に調べれば、学校内外、家庭でさまざまな問題行動が目撃されていた、というケースが少なくないのです
神戸の連続児童殺傷事件のように、小学生の頃から猫を殺すなど問題行動がありながらも、表面上は「普通のこども」とされ、「ある日突然、凶悪な事件を起こした」かのように語られるわけで、自分はこの「■優等生いきなり型(挫折型)犯罪」という類型には賛成できません
さらい言うと、神戸連続児童殺傷事件では何かの挫折が犯行のトリガーになっていたわけではないのであり、挫折型犯罪という括りにも該当しないのです
本件の話に戻って、竹島叶実被告の情報が乏しいため、彼が挫折をしたのか、あるいは別種のトラブルがあったのか、病気だったのか、把握できないのであり、検察の起訴状朗読の中で明かされるのを期待します

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8人を強姦殺害 大久保清事件から50年(3)

8人の女性を殺害した大久保清死刑囚の事件から50年になるのを機に、事件を振り返るシリーズの第3弾です
大久保の事件に触れたウェッブサイトの記事では、大久保の祖母はロシア人で安中で芸者をしており、大久保の母親は日本人の祖母と日本人の間に生まれたハーフ、と書いているものがあります。が、大久保家は祖母と疎遠であり(大久保の母シンと祖母の間に確執があり、老いた祖母の面倒を見ようとしなかった。祖母はその後、東京のドヤ街に流れ着き餓死したという話があります)、明確な証拠が残っているわけではありません。あるいは祖母は日本人でロシア人男性との間にこどもをもうけた、という説もあります
大久保清はこどもの頃、「ロシア人とのあいの子」と揶揄されいじめられたとの話も度々引用されます。地元で取材をした記者がそうした話を耳にしたのでしょう
ただ、大久保の精神鑑定を担当した中田修教授は大久保にロシア人の血が入っている説を否定しています
片田珠美著「攻撃と殺人の精神分析」(トランスビュー刊)の中で取り上げていますので、引用させていただきます


大久保清の事例
連続殺人犯として、日本でまず想起されるのは、連続女性強姦殺害事件の大久保清、連続幼女殺人犯の宮崎勤被告あるいは神戸の連続児童殺傷事件の酒鬼薔薇少年などであろう。欧米の連続殺人と比べると、事件数、犠牲者数ともまだ少ないが、1980年代以降、わが国においても、異常性愛にもとづく犯罪が増加しつつあるのは事実である。したがって、今後日本でも、自己愛的な性的殺人を繰り返す連続殺人犯が増加する可能性はかなり高いのではないかと考えられる。そこで第一章では、自己愛的な性的殺人を繰り返した大久保清と宮崎勤の二人の連続殺人犯、第二章では、フランスで「パリ東部の殺人鬼」として恐れられたギュイ・ジョルジュの事例をとりあげて、性倒錯、幻想、幼児期に受けた印象などの視点から分析していくことにしたい。
八人の女性を次々に殺害し、その死体を土中に埋めた大久保清は、逮捕後、強姦致傷、強姦、殺人、死体遺棄の罪名で起訴されて死刑判決を受け、1976年1月26日、東京拘置所で死刑を執行された。
連続女性強姦殺人犯として日本中に衝撃を与え、恐れられた彼は、1935年に生まれ、幼いころは、まれに見るかわいい子として近所の人からも愛されていた。大久保は色白で目鼻立ちがはっきりしており、いくぶん赤みを帯びた髪とわずかに青みがかった瞳を持っていたために、「まるで外国人の子供みたい」とかわいがられたのである。
これは母キヌの、大柄、色白で、鼻筋が通っており、頭髪が赤みを帯びていた血を受け継いだものと考えられる。キヌは、その風貌、私生児としての出生から、ロシア人との混血ではないかとの風説が流布していたが、この点について、大久保清の精神鑑定を行なった中田修は、次のように述べている。
「鑑定人が調べたかぎりでは、このことは一応否定できるようである。もっとも、全く異論がないわけではない。祖母が外人との間に母を生んだ後に大久保[清の祖父](母は出生後、私生児として届けられており、その後九歳のとき養女としてひきとられた先が、大久保という男性であった。彼は小学校の用務員をしており、賭博の常習犯であったようだが、母自身は「自分の(実の)父は大久保に間違いない」と語っている)と知り合ったという可能性もないわけではない」。
いずれにせよ、真相は藪の中である。母の出生にまつわるこのようなあいまいさが、清の母子関係、性欲動の発達などにまったく影響を及ぼさなかったとは考えにくく、それはたとえば、連続女性強姦殺害の犯行当時、彼がルパシカ(ロシアの男性が着る上衣の一種)を愛用していたという事実に、端的に表われているのではないだろうか。もちろんこれは、画家を気取る自己顕示性、虚栄心の表われであろうが、彼がロシア語を習っていたことも考え合わせると、ロシア人であったかもしれない母方の祖父への同一化の機制も働いていたように思われる。
清の両親は、父善次郎が大久保家に婿養子として入るかたちで結婚し、三男五女をもうけた。父は、長年国鉄に勤めた後、1945年、終戦直後に国鉄を退職、その後は農業に従事したり、息子に電気商、牛乳販売店を経営させたりなどした。小心、ひょうきんな性格で子煩悩な父親であったらしいが、性的に放縦な傾向があったのはたしかなようである。清の兄貞吉は次のように証言している。
「父は性的にはげしいというか、だらしないというか、その点でもわたしは好きではありません。外で子供を造ったこともその一つの例ですが、父はわたしが小学一、二年のころまで、子供の前で平気でスモウをとりました。スモウというのは関係することであります。また女郎屋で淋病でももらってきたのか、ちょいちょい便所の中で自分のものを洗うのを見ております」(参考人調書)。


話が少しそれてしまうのですが、1917年から始まったロシア革命により、ロシアの貴族階級や裕福な商人、軍人等が相次いで亡命し、ヨーロッパへ逃れたり、日本を経由してアメリカへ逃れたりしています。そのうち、日本に留まったロシア人もいたわけです。国を逃れてきた人たちですから収入はないのであり、生活に困窮した挙げ句に身売りをするロシア人女性もいました
野球選手として活躍したスタルヒン投手の生い立ちを調べても、戦前は彼もなかなか日本国籍を取得できず苦労した、という話が出てきます。ロシアから亡命してきた人たちがすべてそうだとは決めつけられませんが、日本は彼ら彼女らに進んで国籍を与えようとしなかったのは事実でしょう
自分が中学生のとき、ロシア人の血を引く同級生がいました。いかにもスラブ系だと思わせる色白の美少女でした。が、その後彼女は陰惨な殺人事件に巻き込まれてしまいます。その件はいずれ書くかもしれません
なので、大久保清の祖母、あるいは祖父がロシア人と聞いても、ああそうかと思うだけで、意外な感は特にありません
話を戻して、片田珠美が血統を問題視したのは画期的だと自分は思います。これまで定説のように大久保の祖母、あるいは祖父がロシア人と語られてきたわけです。それを疑い、精神鑑定をした中田教授の「否定的な見解」を持ち出すことで、ロシア人の血が混じっているという説が親族や地元民の思い込みであり、大久保自身もそう思い込まされていた可能性が浮かび上がってくるからです(メラミンの欠乏によって髪の毛が赤くなる遺伝的な障害、もあります)
もちろん、大久保はこどもの頃に「ロシア人とのあいの子」と揶揄され、いじめられた経験があったと推測されますので、心の奥底にまで出自についてのわだかまり、恨み、不満、怒りが刻みつけられていたと考えられます
ゆえに、逮捕後面会に来た父母に対しても怒りをぶつけ、拒絶する態度を大久保が示し続けたのも、己の体の中に流れる血に対する根源的な憎悪が原因ではなかったか、とも考えられるのです
大久保が家族を憎み、世を憎み、できるだけ多くの女を犯して殺し、不幸を振り撒こうと思い立った理由の1つに、血統の問題があったのかもしれない、というのが自分の仮説です

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