テーマ:宮崎駿

「風立ちぬ」の飛行機の美学が危険?

久しぶりに宮崎駿監督の作品「風立ちぬ」を取り上げます文春オンラインにあるアニメ評論家藤津亮太の批評を取り上げようと思ったのですが、何度読み返しても論旨が理解できず、腑に落ちませんので後日に回します なぜ二郎は“苦悩”しないのか 『風立ちぬ』が描いたものの行方https://bunshun.jp/articles/-/48159 代わ…
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「千と千尋の神隠し」はなぜ女の子を夢中にさせたのか

先日来、「新世紀エヴァンゲリオン」について言及を重ねてきて、必ずしも「成長モデル」に依存し、論じるだけでは十分ではないと思うに至りました「成長モデル」は便利なもので、「エヴァンゲリオン」でも「ガンダム」でも、「千と千尋の神隠し」でも、思春期を迎えた少年少女がいかなる成長の過程を経るものか、というモデルで説明できてしまうのです。ですが、そ…
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「千と千尋の神隠し」 何を描きたかったのか?

当ブログでは宮崎駿や村上春樹について断続的に取り上げています。個人的な関心ゆえですが、彼らの作品を対象とした研究論文を読んで気がつくのは、作者が自作について語っている発言内容をあまりに過大視したり、絶対視する態度です。自身の説を裏付け補強するために作者の発言を切り取って貼り付ける、というやり方がしばしば見られるのです(もちろん、自分もそ…
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「千と千尋の神隠し」考察 千尋という存在(Ⅱ)

気になっていた刑事事件の判決や控訴審の結果など相次いだため、間が空いてしまいました。宮崎駿監督作品「千と千尋の神隠し」を考える2回目です前回と同様に、有田和臣仏教大学教授の論文を参考にさせていただきます「この作品は千尋の成長譚ではない」と言う、宮崎駿の思惑はいったい何であるのか、その答えを探します 「千と千尋の神隠し」論ー「千の顔を持…
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「千と千尋の神隠し」考察 千尋という存在(Ⅰ)

宮崎駿の劇場版アニメーション「千と千尋の神隠し」は、つい先日まで日本の映画興行成績で第一位の座を占めていました。それだけ評判もよく多くの観客を映画館へと足を運ばせた作品ですしかし、自分としてはどうにもストーリーの破綻が気になり、素直に誉められない作品ですだからといって取り上げないわけにはいかないのであり、真正面から考察を試みます。長くな…
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宮崎駿「紅の豚」 彼はいかにして豚になったか?

宮崎駿作品についてあれこれ述べてきたシリーズの1つとして、今回は「紅の豚」を取り上げます自分は主人公が豚であることに違和感を覚えることもなく視聴していたわけですが、多くの視聴者は「なぜ主人公が豚なのか?」と感じていたそうです(いまさらなのですが、初めて知りました)その理由を含めて書いていきましょう青木研二茨城大学人文学部教授の論文「宮崎…
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「風立ちぬ」批判と宮崎駿の反論

宮崎駿の「風立ちぬ」についてはかなりの回数、当ブログで取り上げてきました公開時、さまざまな批判があったわけですが、中でも隣国である韓国はメディアから一般人までかなり声高に批判を繰り返していました宮崎駿はわざわざ韓国メディアの記者を招いて会見を行い、自身の考えを述べるいます。それでも批判は止まず、新たな批判を招く結果に終わりました当ブログ…
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「風の谷のナウシカ」 アニメーションを読む方法

当ブログでは宮崎駿作品をしばしば取り上げて語っています。その中でも特に自分が惹かれているのは劇場版アニメーションではない方の「風の谷のナウシカ」です劇場版「ナウシカ」を批判する気はないものの、称賛する気にもなれません。ただ、公開当時の興行結果はいまいちだったものの、作品としてのクオリティは高く、アニメーション作家としての宮崎駿の地位と評…
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「シネアスト宮崎駿 奇異なもののポエジー」は気まずい?

朝日新聞の文化欄がフランスの映画・アニメーション研究家ステファヌ・ルルー著「シネアスト宮崎駿 奇異なもののポエジー」(みすず書房刊)を取り上げていますので、言及しますみすず書房のウェッブサイトにある著者のプロフィールによれば、フランス・レンヌ市のリセ・ブレキニー「映画オーディオヴィジュアル」クラス教授。レンヌ第2大学講師。アニメーション…
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「ナウシカ解読」における4つの問いを考える

稲葉振一郎の著作「ナウシカ解読ーユートピアの臨界」(窓社刊)の中で、稲葉は『ナウシカ』を読解するにあたって 四つの問題提起を行っています(52ページから始まる第三節 問題設定において)第一問:なぜ、絶望の淵に沈み、「王蟲」とともに「森になろう」としたナウシカは、セルムの導きによって「青き清浄の地」を見出すことによって生きる力を取り戻すの…
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「風の谷のナウシカ」 深淵と虚無を超えて

また、「ナウシカ」か、と思われる方もいるでしょう。が、また「ナウシカ」です今回は「ナウシカ」とニヒリズムの対決について取り上げるつもりで、ハワイ大学哲学科教授スティーブ・オーディンの論考を引用します。上智大学での講演の内容を原稿化したものです論考の前段部分では宮崎駿の環境に関する考え方に触れているのですが、そちらは割愛します。宮崎駿と環…
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「宮崎駿にキメハラ」という記事

村上春樹の「海辺のカフカ」に関する論文を幾編か読み込んでいたのですが、取り上げようと思い至る内容に出会えませんでした。そんな折りにふと目に止まったのが、日刊サイゾーの「宮崎駿監督へ“キメハラ”した『FLASH』のおかしさ…『ナウシカ2』実現なら『鬼滅』の記録を抜き返せる?」と題した記事です最近やたらと目にするようになった「キメハラ」なる…
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「風立ちぬ」とジェンダー 恋愛観

渡辺真由子は2019年3月、「博士論文に先行研究の成果に関する適切な表示を欠く流用が含まれていた」との理由で慶応大学が博士号の取り消し処分を行っています。不服申立てをしたものの、却下されました博士号論文を元に出版された「『創作子どもポルノ』と子どもの人権: マンガ・アニメ・ゲームの性表現規制を考える」(勁草書房)は全7章のうち1つの章が…
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「風立ちぬ」を批判する評論家宇野常寛

宇野常寛は過去に深夜放送「オールナイトニッポン0(ZERO)」のパーソナリティを務めたり、朝の情報番組「スッキリ!! 」でコメンテーターを務めていた気鋭の評論家です宮崎駿の「風立ちぬ」公開にあたっては雑誌「ダビンチ」に批評を寄せ、手厳しくこき下ろしたので有名です。生憎、「ダビンチ」の記事を自分は読んでいません。ほぼ同じ内容と思われる批評…
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宮崎駿「風立ちぬ」批判を振り返る3

宮崎駿の「風立ちぬ」に対する批判はさまざまですが、中にはとんでもない誤解、理解不足による批判にもなっていない批判という類のものがあります今回取り上げるのは「アンナの韓国生活」と題するブログで、ブログ主は韓国に留学中の女性のようです彼女が韓国の研究として、「『永遠の0』と『風立ちぬ』を通じた日本の戦争記憶」という論文を紹介してくれています…
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宮崎駿「風立ちぬ」は戦争賛美アニメか?

宮崎駿の「風立ちぬ」については幾度も言及したところですが、公開から数年を経過しどう評価が定まったのか、気になるところです作品の内容云々よりも、太平洋戦争に突入してゆく時代の、戦闘機の設計者を主人公にしたがゆえに戦争賛美する作品であると決めつけられ、批判を浴びました。特に中国や韓国で、さらにはこれまでジブリ作品を愛好してきたと称する日本人…
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「風の谷のナウシカ」 王道と倫理

角一典北海道教育大学教授の論文「ジブリ映画のメタファー : 科学技術と倫理をめぐって」を引用します村上春樹の小説「海辺のカフカ」で、大島さんがカフカ少年に向けて言うところの「ゲーテが言っているように、世界の万物はメタファーだ」との表現が好きで、この角論文に惹かれた、という単純な理由です宮崎作品における機械文明やテクノロジーに関する角教授…
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宮崎駿「風たちぬ」研究 夢見る権利

宮崎駿の作品「風立ちぬ」について書かれた論文を引用し、考えようという企画です映画や小説の感想をブログやSNSに書く人は多いのですが、作品を対象とした学術論文を俎上に載せて語ろうという人はほとんどいないところに目をつけ、やっていますさて、今回は立教大学などで教鞭をとる今村純子講師の「夢見る権利 宮崎駿監督映画『風立ちぬ』をめぐって」を取り…
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赤坂憲男「ナウシカ考」を読む その2

赤坂憲雄による「ナウシカ考ー風の谷の黙示録」(岩波書店刊)について、2度目の言及になります前回はAmazonのレビューをとっかかりに書きました。今回は赤坂憲雄と作家川上弘美の対談記事を取り上げようと思います他人の書いたもの、語ったものばかりを引用し、ああでもない、こうでもないと書き加えるのはちょっと気がとがめる部分もあるのですが、今回は…
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宮崎駿インタビュー 教祖にしたがるメディア

赤坂憲雄著「ナウシカ考ー風の谷の黙示録」(岩波書店)のAmazonでのレビューに、「多分に著者の憶測と主張(こじつけ)が混ざった私的な論考だと感じた。作品を理解したければ、宮崎駿のインタビュー本を読んだ方が遥かに良いと思う」との書き込みがありました確かに書き手である赤坂憲雄独特の思索の展開に違和感を覚える読者もいるのでしょう。が、宮崎駿…
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グレタ・トゥーンベリとナウシカ

昨年、国連の気候行動サミットに登場して世界各国の首脳を容赦なく罵倒したグレタ・トゥーンベリについて触れます日本のメディアの多くは彼女に好意的であり、16歳の少女が温暖化問題を真摯に考え、政治家達に変化を要求しているとの扱い方をしていますそれ自体、批判すべきではないのでしょうが、彼女の喧嘩腰のスピーチに自分は嫌悪感を覚えるだけです。これだ…
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赤坂憲男「ナウシカ考」を読む その1

9月になってようやく岩波書店から刊行されている赤坂憲雄著「ナウシカ考 風の谷の黙示録」を読み終えましたので、取り上げます8月中にと思っていたものの、夏休みの宿題はギリギリまでやらない派の自分には荷が重く、9月にずれ込んでしまいました「ナウシカ考」は自分とは読みが共通している部分もあれば、大きく異なっているところもあり、どのように語るのか…
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「風の谷のナウシカ」と自然・環境問題 その2

前回に引き続き、国士舘大学地理学報告に掲載された同大文学部の内田順文教授の論文から一部を引用しつつ、「風の谷のナウシカ」における自然・環境問題について考えます内田教授はエコロジスト、あるいは環境保護原理主義者に対し随分と毒を吐いているのですが、劇場版「ナウシカ」に寄せられた薄っぺらい環境保護賛美、自然大好きの自分語りなどなどを読めば、毒…
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「風の谷のナウシカ」と自然・環境問題 その1

これまで当ブログでは宮崎駿の漫画版「風の谷のナウシカ」を繰り返し取り上げてきましたただし、いままでは自然保護や環境問題との絡みについては言及を避けてきました。巷には劇場版「風の谷のナウシカ」しか観ていない人たちによる「自然環境の大切さを教えてくれる作品」とか、「科学文明の発達に疑問を投げかけ、環境保全のあり方を考えさせられる作品」等のレ…
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「風の谷のナウシカ」 その世界観を問う

前回と同じ批評から引用し、ナウシカの世界観を考えますこの場合、世界観とはナウシカの辿り着いた「思想」と言い換えてもよいのでしょう。ただし、「思想」と呼べるほど洗練されたものではありませんし、論理立った思考に基づくものでもありません。ゆえに筆者は世界観との呼称で表現しているものと解釈します同時にその世界観は宮崎駿がナウシカの物語との苦闘の…
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「風の谷のナウシカ」 死と再生を考える

宮崎駿の手による漫画版「風の谷のナウシカ」を巡る旅を続けています取り立てて結論めいたものに辿り着こうという気はなく、多くの人の感想や批評を読みながら考えよう、との目的で続けています興味のある方はおつきあいください今回もインターネットで出会った批評を叩き台にさせてもらいます筆者がどのような方なのか存じ上げないのですが、サブカル評論を書いて…
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ナウシカの正義とサンデル教授「白熱教室」

マイケル・サンデル教授はあまり関係ないのですが、アピールする意味も含め記事のタイトルに名前を載せました今回取り上げる批評の書き手が、マイケル・サンデル教授の「これからの『正義』の話をしよう」(早川書房刊)を読んでおり、その影響を受けたと記しているので、少しばかり考えた上で、マイケル・サンデル教授の名前を借りようと思いついたわけですもし、…
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「千と千尋の神隠し」を考える こどもの居場所

このところ宮崎駿の漫画版「風の谷のナウシカ」について、断続的に取り上げてきました。実はスタジオジブリの作品で、あれこれ論じたくなるような作品は多くありません。既に述べたように「ハウルの動く城」も「もののけ姫」も、物語としては破綻しており、失敗作に近い印象があるからですだからと「ハウルの動く城」を批判する気にもなれないのであり、言及せずに…
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「風の谷のナウシカ」に見る宮崎駿の矛盾

赤坂憲雄著「ナウシカ考ー風の谷の黙示録」(岩波書店)を目下、読んでいます。読み終えたなら書評なりの形で書くつもりです。言わば夏休みの宿題みたいなもので、おそらく期限ギリギリにならないと書けない気がします今回は先に、「ナウシカ考」とスーザン・ネイピア著「ミヤザキ・ワールド」を取り上げた杉本穂高による小論を取り上げます長文の記事なので一部の…
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「風の谷のナウシカ」は愚行と矜持を描いた叙事詩か

インターネットメディアに高井浩章という経済系ライターによる「宮崎駿『風の谷のナウシカ』。愚行と矜持を描き切った叙事詩」と題する記事がありましたので言及しますこれは評論ではなく、漫画版「ナウシカ」の作品レビューあるいは「この漫画を是非とも読め」という推薦文のカテゴリーです著者高井浩章曰く、「あえて文句無しの傑作をしつこく推薦し、読者が未読…
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