富山交番襲撃犯 初公判で島津被告は黙秘

3年前、交番を襲って警察官の拳銃を奪おうとする事件が立て続けに起きました。そのうちの1件、富山での事件は島津慧大被告が警察官を殺害し、奪った拳銃で小学校の警備員を射殺するという凶悪な犯行でした
島津被告はコミュニケーションに障害があるとされますが、2度の精神鑑定を経て刑事責任を問えるとの判断により起訴されています
初公判の模様を伝える報道がありましたので、言及します


3年前、富山市の交番が襲撃されて拳銃が奪われ、警察官と近くにいた警備員の男性が殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われている元自衛官の裁判員裁判が14日から始まり、被告は何も答えず、弁護士は強盗殺人の罪は成立せず、殺人と窃盗の罪にあたると主張しました。
元自衛官の島津慧大被告(24)は3年前の6月、富山市の奥田交番で当時警部補だった稲泉健一さん(当時46)をナイフで襲って殺害し、さらに近くの小学校の校門前にいた警備員の中村信一さんを(当時68)奪った拳銃で撃って殺害したとして強盗殺人などの罪に問われています。
富山地方裁判所で14日から始まった裁判員裁判で、被告は車いすに乗ったまま法廷に入り、裁判長から起訴された内容や名前や職業などを聞かれましたが何も答えませんでした。
また、被告の弁護士は「拳銃を奪おうとしたのは警察官を殺害したあとのため、強盗殺人罪は成立せず、殺人と窃盗の罪にあたる」と主張しました。
これに対し検察は冒頭陳述で、「被告はかねてからみずからは社会の不適合者と思い込み社会に対し不平不満を抱いていた」と指摘しました。
そのうえで「警察官は社会を守る存在であり、その警察に勝利し、社会に自分の力を誇示しようと思うようになり警察との戦闘を計画した」と述べました。
一方、弁護側は「2人の尊い命を奪ったことに被告は責任を負わなければならないが、被告はコミュニケーションをうまく取れず、共感することが苦手だった。被告に責任をすべて負わせる訳にはいかない」と主張しました。
裁判は午後は証人尋問が行われ、判決は、ことし3月5日に予定されています。
(NHKも記事から引用)


弁護人は、警察官を襲った後に拳銃を奪おうと被告は思い至ったのであるから強盗殺人ではなく、殺人と窃盗と判断すべきと主張しています
しかし、島津被告が凶器を持参して交番に出向いたのは最初から拳銃を強奪するだめ、と考えられるのであり、弁護人の主張は後付の理屈に聞こえます
そもそも弁護人は島津被告と十分に意思疎通ができているのかも怪しいのでは?
弁護人が被告の主張を代弁するのは制度上当然であるとしても、一般国民は弁護人の演説を聞きたいわけではなく、被告が何を思っているかを知りたいのです
島津被告が黙秘するのは対人コミュニケーションに難があるからなのか、衆人環視の法廷ではじゃべれないからなのか、あるいは自身の気持ちをうまく言語化できないからなのか?
黙秘するのは被告人の権利ですが、黙秘することによる結果も被告人は受け入れなければなりません。黙秘したら不利な扱いを受けた、などと言ってはならないわけです。この先の公判でも黙秘し 続けるのか気になるところです
弁護人がどう主張しようと、2人の命が奪われた事実に変わりはないのであり、その責任は島津被告が負う必要があります

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村上春樹「アイロンのある風景」と「焚き火」

村上春樹の短編小説集「神の子どもたちはみな踊る」の中から、「アイロンのある風景」を取り上げました
登場人物である関西弁をしゃべるおっちゃん三宅が描いている絵は「アイロンのある風景」と題されており、それがアイロンを使う妻の不在を描いたもの、という私見を述べたところです
今回は「アイロンのある風景」でもとりわけ印象深い「焚き火」について言及します
この場合、「焚き火」に言及するとは、「アイロンのある風景」の中でなされる鹿島灘の浜での流木を集めた焚き火を取り上げるという意味であるとともに、作中で取り上げているジャック・ロンドンの小説「焚火」にも触れるということを意味します
いつものように題材として、田辺章東洋大学講師による論文から引用します
ただし、いつものように何らかの結論に辿り着こうという意図はないのであり、焚き火を囲んでああでもない、こうでもないと語るのが目的です

地震のあとで、焚火をおこす― 村上春樹「アイロンのある風景」が映し出すジャック・ロンドン「焚火」

(論文まえがき)
村上春樹の連作短編集『神の子どもたちはみな踊る』の六編は、すべて1995年2月 ―阪神・淡路大震災の翌月― を舞台としている。その第二話「アイロンのある風景」において、主人公たちが見つめる焚火の炎は、彼らにジャック・ロンドンの短編「焚火」を想起させる。主人公が「圧倒的なるもの」と闘うことを諦め、死を選ぶ「焚火」の結末は、村上の短編の結末と響き合う。
「焚火」と呼ばれる短編は二つある。少年向けに書かれた1902年版と、それが大きく改変された1908年版。村上が「どうしてこの話の最後はこんなにも静かで美しいのだろう?」と主人公に語らせた、「この話」が指すのは後者だろう。この物語が書き換えられたのは、1906年4月、作者ロンドンが地震の炎に焼かれるサンフランシスコを目撃した後なのだ。本論では、圧倒的なカタストロフィの後に書かれたテクストとして、「アイロンのある風景」と「焚火」を考察する。

順子は自分をからっぽなのだと言うのですが、何がからっぽなのか作中に説明はありません
彼女が説明ベタだから何も説明がないのか、あるいはあえて説明する必要はないと村上春樹が判断したのかは不明です
が、彼女は家出した後、海辺の街で働き、恋人と同棲しています。その部分だけを見れば充足しており、不足はないようにも映ります
ただ、順子がジャック・ロンドンの「焚火」を読んで本能的に死をを予感したように、彼女は死を胸にいだいて生きてきたのでしょう。見方を変えれば、死に場所を求めて海辺の街にたどり着いた、と表現できるのかもしれません

(論文4ページ)
ロンドンの自殺と「焚火」における死の主題に導かれるかのように、三宅さんと順子は、二人で死を選ぶか否かという選択を行うこととなる。この短編で語られる死、そして死についての会話の間ずっと燃えている炎に、三宅さんの家族が住む神戸の映像を重ねることも可能だろう。また、三宅さんの夢の中に幾度も現れ、彼を闇に閉じ込め、窒息させ、殺してしまう冷蔵庫、その恐るべき四角い箱に、地震で倒壊した家屋や、神経ガスが撒布された地下鉄の車輌のイメージを重ねることも可能だろう。ここで重要なのは、物語における死のモチーフが、現実に起こった、あるいは起こされたカタストロフィを想起させるものであり、その装置としてロンドンの「焚火」が物語中に埋め込まれていることだ。当初、火は「柔らかくてやさしい」、「人の心を温めるためにそこにある」(49)家族のような存在として語られていたにもかかわらず、ロンドンの生涯と彼の短編小説が言及されるにしたがい、それは死を招く業火のように燃え始める。

三宅さんが海辺の街にやってきた理由は明かされませんし、なぜ浜辺で流木を集め火を起こすのかも説明はありません
もちろん、暖を取るためでもありません。読者として想像すれば、「死者の魂を送る火」でしょう
以下、論文ではジャック・ロンドンによって書かれた2つの「焚火」(1902年版と1908年版)の比較を展開します
その2つの「焚火」のうち、どちらを順子が読んだのかは保留したとしても、順子が「基本的にはその男が死を求めている」と直観したという反応が強烈な印象を与えます。高校の教室で教師は順子の意見を笑い飛ばし、読み上げられた順子の感想文を聞いたクラスメイトも笑います
彼ら、彼女らには死を感じ取れなかったのでしょう

(論文5ページから6ページ)
1908年版「焚火」を参照しているはずの「アイロンのある風景」における火は、ロンドンが描いた極限の炎ではなく、「あらゆるものを黙々と受け入れ、呑みこみ、赦していく」優しさを持つものでありながら、ロンドンの「焚火」と同じく、それが消えることによって人の命が消えるかもしれないという結末を読者に提示している。少女が深い眠りにつく結末は、旅人が心地よい眠りにつく「焚火」の結末を参照したものだろう。順子は、「ほんとうは死を求めている」にもかかわらず、「圧倒的なるものを相手に闘わなくてはならない」旅人の姿を、自身に投影しているのだ。彼女がそれを相手に闘うべき、そして闘うのを止めたかのように見える「圧倒的なるもの」とは、遠く離れた場所で起きた地震の後で静かに震動する「からっぽ」で「ほんとに何もない」自らの存在である。

順子が海辺の街で「焚火」に遭遇したのと同じく、火を起こす三宅は「死を求めている男」なのでしょう
そして順子もまた、「死を求めている女」です
2人が出会ったからには、結果がどうなるかは書くまでもありません。ただ、2人の死が確実というわけではないのであり、そこは読者の想像に委ねられています

(論文7ページ)
村上が「アイロンのある風景」というテクストに、このロンドンの短編を編み込んだことには、巧妙な意図(あるいは、奇妙な偶然)が感じられる。これらはいずれも圧倒的なカタストロフィの後に書かれた物語なのだ。順子と三宅さんが見つめる焚火は、村上が言うところの「井戸」であり、ロンドンの短編「焚火」へ、そして、炎に焼かれる都市と人々のイメージへ読者を導く。さらに、「アイロンのある風景」を含む『神の子どもたちはみな踊る』は2002年に英訳され(題はAfter the Quakeとされた。地震の後、との理解はいうまでもなく、人の心の震え、おののきの後、という意味にも理解できよう)、前年9月の同時多発テロの後の合衆国において ―「圧倒的なるもの」に襲われた後の世界において― 新たな読者を獲得している。「『井戸』を掘って掘って掘っていくと、そこでまったくつながるはずのない壁を越えてつながる」ような、物語のつながりをそこに見ることができる。

ジャック・ロンドンの短編「焚火」を村上春樹は、和歌でいうところの本歌取の技法で巧みに「アイロンのある風景」に取り込んでみせた、と
いえるのでしょう
であるとしても、技巧が目立つこともなく、それこそ浜辺で燃える焚き火のごとく静謐な印象を与える作品に仕上がっています
しかし、この短編で村上春樹が死を賛美しているとは思えませんし、心中を推奨しているとも考えられません
自分としては焚き火が燃え尽きた朝に、順子と三宅が再生に向けて動き始めることを期待します

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娘への性的暴行で懲役6年判決 福島

統計をとっているわけではありませんので個人的な感想にすぎないのですが、家庭内での性犯罪が刑事事件として裁かれるケースが増えているように感じます
ただ、増えているといっても表沙汰になるのはほんの一部であり、被害の実態は想像以上ではないかと思います
「世間体が悪い」だの、「親の顔を潰すつもりか」などと言われ、被害を届け出ないケースがまだまだ多いのでは?
今日は福島県での事件を取り上げます
実の娘(高校生)に性的暴行を加えた父親に対し、福島地裁郡山支部は懲役6年の実刑判決を下したものの、控訴審である仙台高裁で犯行時刻に矛盾があると指摘され、差し戻しになった事件です
家庭内の事件で目撃証言もなく、被害を受けてから訴え出るまで時間が経過していれば証拠も十分ではないと、被害者には不利な条件ばかりです
それでもなお、訴え出た被害者の勇気には頭が下がります


当時高校生だった実の娘に性的暴行をしたとして監護者性交などの罪に問われた福島県郡山市の40代男の差し戻し審で、福島地裁(柴田雅司裁判長)は15日、求刑通り懲役6年の実刑判決を言い渡した。
差し戻し前の1審・地裁郡山支部は2019年3月、懲役6年の実刑を言い渡し、被告が控訴。仙台高裁は同12月、娘の証言を巡って審理が尽くされていないとして、地裁に審理を差し戻した。
差し戻し審で、娘は性的暴行を受けた当日、複数の友人に無料通信アプリ「LINE(ライン)」などで相談したことや、その日までに複数回、説教として胸を触られたなどと供述。性的暴行を受けた時刻の記憶は曖昧だが「お父さんがなかったと言い張れば、なかったことになるのはおかしい」と訴えた。
弁護側は、性的暴行をしたとされる時間帯に、男がスマートフォンでゲームをしていたことなどから、犯行は不可能だとして無罪を主張していた。
判決で柴田裁判長は、娘が複数の友人に事実無根の相談を持ちかけるには無理があるなどとして、娘の供述は信ぴょう性が高いとしたうえで「生活面で被告人に頼らざるを得ない立場にある被害者に対し、説教を口実に及んだ極めて卑劣な犯行」と判断した。
(毎日新聞の記事から引用)


上記の記事を補足すると、1審で娘が主張した犯行時刻には父親がスマートフォンでゲームをしていたという記録があり、矛盾すると弁護側が主張していました
差し戻し審では、当初娘が主張した犯行時刻「午前8時半頃~同10時50分頃」を、40分後ろにずらして犯行時刻と認定しており、矛盾を解消させています
通常、性的暴行を受けて気持ちが動転している被害者が正確な犯行時刻を記憶しているとは考えにくいのであり、被害者はおおよその時間を供述するしかありません。この父親はそこにつけ込んでまでも、無罪判を受けたかったのでしょう
自分が娘の人格を、人生を踏みにじっているとの自覚もなしに、ただひたすら無罪判決を受けたいと執着する様は醜悪です
娘は父親の性欲処理の道具ではありません

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「セーラームーン」の時代変化 美少女と恋愛

世界に影響を与えた日本のアニメーション作品として、「AKIRA」や「攻殻機動隊(GHOST IN THE SHELL)」の名前が挙げられるのですが、そこに「美少女戦士セーラームーン」も加える必要があるのでしょう
多岐にわたる影響を与え、社会現象を引き起こしたわけですが、あまり話の間口を広げると収拾がつかなくなるので、今回は原作漫画とテレビアニメーション化された作品の差異に注目し、そこにどのような考えの違いがあったのかを読み解いていきます
宮崎大学教育学部紀要に収録された山田利博教授の論文から引用します

新旧「セーラームーン」アニメの比較によるジェンダー理解の変容について

マンガ月刊誌『なかよし』1992年月号から1997年月号に連載された、武内直子『美少女戦士セーラームーン』(以下、マンガ原作を指す時は、「原作」と略称)は、疑いもなく日本マンガ・アニメ史上における画期的な作品の一つである。何故それが画期的になり得たのかという問いに対する答えはいろいろと考えられるが、今回はジェンダー意識の問題、特に「原作」とアニメではどのように異なるか、あるいは同じアニメでも、時代によってどのように異なるかについて見ることとする。なぜならこのマンガは、後述するように、ジェンダー意識を中心に近いテーマとして扱った作品であり、かつ、20年の時を隔てて2度アニメ化され、時代によるジェンダー理解の変遷が窺いやすいと判断したためである。ただその分析に入る前に、確認としてジェンダーの定義について簡単におさらいしておこう。
言うまでもなくジェンダーとはもともとは文法用語である。フランス語などのように、有性名詞が存在する言語の性の分類を示すものとして用いられていたが、今ではそれが、「社会的・文化的に形成された性別」の意味にまで広げられている。なぜなら、人間は高度で複雑な社会・文化を創り上げてしまったため、「生まれた時の性」(セックス)と「社会的・文化的に形成された性別」を区別する必要が出て来てしまったためである。

論文では原作漫画、第1期のテレビアニメの比較が行われ、その中でアニメにおける幾つもの改変が指摘されています
その前にアニメ化のための企画書が引用されいますので、抜粋して紹介しておきます。なぜこの原作漫画を選んだのかコンセプトが明らかにされており、ここは注目すべきところです

今、日本は女の子を中心に動いています!軟弱で頼りなく、既成の古い概念をいまだに捨てきれない男の子たちを尻目に、彼女たちの活発さは勢いを増すばかり(中略)。女の子たちは、心の中でいつも「もっともっとキレイになりたい」「もっともっと賢くなりたい」「もっともっとかわいくなりたい」と願っています(中略)。「賢く、お洒落にカッコよく」それがアイドル低迷期の今、女の子の目指しているニュー・アイドル像なのです!最初はとまどい気味の男の子たちも、やがて彼女たちの真の魅力に気づくことでしょう。

論文ではこの企画書自体、男目線で書かれていると指摘されているわけですが、どうなのでしょうか?
チーフディレクターは男性で、脚本の7割は男性脚本家の手になると論文では取り上げているのですが、女性脚本家の手によるシナリオであるべきだ、と指弾する理由は特にないと自分には思えます
もちろん、男性脚本家が手掛ける以上、男性がイメージする「女の子」の話になるのは避けられないのですが、それがただちに悪い、とは断言できないのでは?
女性脚本家が担当すれば、自ずと女性目線での話になるとしても、それが正しいとは言い切れないのではないでしょうか?
原作漫画からの主要な改変部分は、論文とWikipediaからの引用を元に、以下まとめます
①タキシード仮面は原作ではセーラームーンを応援する立場ではあるが、ほとんど戦闘には加わらない。テレビアニメでは積極的にセーラームーンを助けています。ここに原作者なりの主張があるように思います
②原作漫画ではセーラームーンはタキシード仮面に好意を寄せてはいるが、ベタぼれしている描写はない。テレビアニメでは眼がハートになるほどベタぼれしている設定になっている。テレビアニメではセーラームーンとタキシード仮面の恋愛関係をより色濃く描くことによって、従来の少女アニメ的な展開を内包させたといえるのでしょう。その改変の是非はともかく、第1期のテレビアニメが人気を得たのは2人の恋愛劇による部分が少なくなかった、と考えられます
③原作漫画はこども向けではありながらダークすぎる描写、展開になっていることから、テレビアニメはセーラー戦士たちの日常描写を増やし、より親しみやすい内容へ改変した
その他、細かな改変は幾つもありますが、重要なものとしては以上の3点でしょう
②について論文では、テレビアニメのような恋愛描写が「男性に愛される女性」であると設定される結果、女性が男性より下位にくるのを問題視しています。①のタキシード仮面の立場と相まって、テレビアニメでセーラー戦士よりタキシード仮面の方が上位に位置するかのような描写になっていますので、原作とは顕著な違いが見て取れます
論文ではこれを男性中心のテレビアニメ制作スタッフが、原作漫画の女性優位の設定を認めたくなかったのではないか、と指摘しているのですが、何とも判断がつきません。もし制作スタッフが「当時はそこまで考えてはいなかった」と答えたなら、性差について何も考えなかった=無頓着なまま男性優位の設定でテレビアニメを作っていた、との解釈に結びつきかねません
以降、論文では「セーラームーン」が20年後、より原作漫画に忠実な形で再度アニメーション化されていることに触れ、それがジェンダーへの理解が多少なりとも深まった結果と言えるのでしょう(同時に、まだ理解が十分ではないと、論文では指摘しています)
シリーズ担当のチーフディレクターも女性が起用された、とわざわざ明記しています
ただ、少女アニメなら脚本からキャラクターデザイン、演出、作画監督まですべて女性でなければならないのか、という疑問が湧きます
そうでないとジェンダーへの正しい理解、配慮ができないので駄目なのでしょうか?
まとめとして、以下のように論文は結んでいます

以上、「原作」からしてジェンダー意識色濃い『美少女戦士セーラームーン』を、20年の時を経てアニメ化した二つの作品を対比して見えてきたことは、その20年の間に男性のジェンダー理解はだいぶ進んだが、まだまだ本質的なところからはほど遠いということであった。このことは、20年の時を隔てた他のアニメ作品の比較からも大雑把には言い得るかもしれない。例えば、原作がそうなっていると言えばそれまでだが、2014年に放映された『ウイッチクラフトワークス』のように、男性が女性に「お姫様だっこ」され、庇護されるというようなアニメは、20年前にはまず考えられなかった。しかし、せいぜい言えるのはその程度で、さらなる深い考察は難しいだろう。何故なら接点のない二者の比較は、「比較」の原義から言っても不可能だからである。そういう意味では詳細な比較が可能でかつ制作者の意識まで読み取れる、『美少女戦士セーラームーン』は希有な作品と言えるのである。

原作漫画については少女向け漫画雑誌連載ではあるものの、作者の意図が反映したダークな展開になっており、これをこども向けテレビアニメにするためさまざまな改変が加わったという事情があります。もちろん、そこにはジェンダーへの配慮というものはありません
当時としては、それが問題視されることはなかったのでしょう
現在では原作漫画なりライトノベルを改変してアニメ化すれば、たちまち原作厨の批判が押し寄せます
なので、新たなアニメ化によってより原作に忠実な形に近づいたのは、良しとすべきなのでしょう
ただ、旧作のようなセーラームーンとタキシード仮面の夫婦漫才も捨てがたい気がします。恋する少女を描く、ボーイ・ミーツ・ガールはやはり必要でしょう。ジェンダーに配慮しつつ新しい恋愛のかたちをどう描いていくのか、アニメ業界にとっての課題です

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札幌作業療法士殺人 不倫の清算

2016年、札幌市西区で作業療法士の女性(23歳)が殺害され、同じ病院に勤務する作業療法士の熊倉昭洋被告が犯人として逮捕され、懲役19年の判決を受けた事件がありました
熊倉被告は事件当日、女性の部屋にいたのは認めましたが、殺害されたのは自分が帰った後であり、第三者によって殺害されたと主張し、控訴していました
札幌高裁は12日、1審の札幌地裁判決を支持し、控訴を退けています
1審の札幌地裁判決から以下、抜粋します


(罪となるべき事実)
被告人は平成28年11月4日午後9時頃から同日午後10時頃までの間、札幌市所在の集合住宅の一室であるA方において、A(当時23歳)に対し殺意をもって、表面が平滑で長さ約31.5センチメートル以上のもので頸部を絞め付けた上、絞頸により仮死状態になったAを浴槽内の水中に溺没させ、同所においてAを絞頸及び溺水による窒息により死亡させて殺害した。
(争点に対する判断)
第1 本件の争点等
1 証拠上容易に認められる事実
被告人は、遅くとも平成28年10月半ば頃(以下の日時は,全て平成28年のものである。)には自身及び妻と職場が同じAと不倫関係となった。11月4日午後6時過ぎ頃にもAと落ち合ってA方近隣のそば店へ行き、2人でかしわそば大盛りと豚そば大盛りを食べた後、午後7時頃にA方へ行った。その後、早くとも午後9時50分頃にA方を立ち去って、午後10時8分頃、A方近隣の駐車場から車を出庫させて帰宅した。被告人がA方にいる間に他にA方を訪れた者はいなかった。
他方、Aは何者かにより、A方において判示の方法により殺害されたが、その遺体は同月6日午後2時20分頃、被告人とともにA方を訪れた被告人の妻によって発見された。これらの事実は、当事者間に争いがなく、関係証拠により容易に認められる。
2 争点
本件の争点は被告人が犯人であると認められるかであり、その前提として、Aの死亡時刻が争われている。検察官は①Aの死亡時刻が11月4日午後9時頃から午後10時頃までの間であり、②被告人には動機となり得る事情や犯人であることに沿う行動が認められる一方、③第三者が犯人の可能性はないことから、犯人は上記死亡時刻頃Aと一緒にいた被告人以外に考えられないと主張する。
これに対し弁護人は、Aの死亡時刻が同月5日未明である上、上記②及び③の事実はなく、被告人がA方を去った後に他の何者かがAを殺害したのであって、被告人は犯人ではないと主張している。
(中略)
第4 第三者による犯行の可能性
関係証拠によれば、何者かがA方に無理やり侵入したり金品を物色したりした形跡はなく、下着や財布・通帳等も無造作に残されており、Aに致命傷以外の目立った外傷や性的行為が加えられた痕跡も存在しないことが認められる。また、A方は、集合住宅3階の一室であり、偶然立ち寄るような場所でもない。そうすると本件犯行は、金品等の窃取目的やわいせつ目的の末に、Aとの面識が全くない第三者が犯したものとは考え難い。
そして生前のAと接点のあった合計8名の男性についてみると、まず、インターネット掲示板を通じて連絡を取ったことのある6名については、Aを殺害する動機を有する者は見当たらず、11月4日夜から翌朝にかけてのアリバイが存在するなどの理由により犯人である具体的な疑いはない。
(以下、略)


刑事裁判の判決文を読んだ経験のない方には、異質な感があるのかもしれません。どの裁判の判決文も概ねフォーマットに沿って書かれるのであり、争点と事実の認定、結論(量刑)という流れになっています
熊倉被告が女性の遺体を浴槽に沈めたのは刑事ドラマなどの影響で犯行時刻を誤魔化すためだったのでしょうが、無駄な小細工です
被害者と熊倉被告が不倫関係にあったこと、別れ話で揉めていたことなど、周囲の人たちは知っていたのであり、隠しようもありません
なお、熊倉被告には下着泥棒の前科があったことも露見しています。
熊倉被告は大学卒業後、芦別市役所に勤務していましたが、市役所が保管していた市営住宅のカギを勝手に複製し、市営住宅に住む独身女性の部屋から大量の下着と現金20万円を盗んだ罪で逮捕され、懲戒免職処分を受けています。その後、札幌で理学療法士の資格を取得して病院に勤務するようになったのだとか。当時の姓は水足で、前科を隠すため熊倉姓に変えたと考えられます
ですからこの事件は、善良な市民がある日突然、身に覚えのない殺人の容疑をかけられ逮捕された…というテレビドラマみたいな話ではありません

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中学生徒にわいせつ 大阪明星学園教師逮捕

教え子に手を出せば逮捕され、職も失うという事態は世の一般常識であると言って間違いないでしょう
それでも教師による児童・生徒への性犯罪は繰り返されているのであり、何とも言い難いものがあります。教師として良識を欠いているというのではなく、「性犯罪者の業」であると表現した方が適切なのかもしれません
つまり、児童・生徒を狙う性犯罪者が教員として学校に潜り込み、犯行を重ねるのだと
逮捕された中村洋一郎容疑者は、まさに性犯罪を行うため男子中学の教師になったのではないか、と勘ぐりたくなります


大阪の中学校の教諭だった男が修学旅行中に男子生徒に薬を飲ませて意識障害を起こさせたうえ、わいせつな行為をしたとして逮捕されました。
逮捕されたのは、大阪・東成区の無職、中村洋一郎容疑者(36)です。
警察によりますと、中村容疑者は大阪の私立中学校の教諭だったおととし10月、修学旅行で訪れた長崎県内のホテルの部屋で教え子の男子生徒に薬を飲ませて意識障害を起こさせたうえ、下半身を触ったとして強制わいせつと傷害の疑いが持たれています。
部屋に呼び出したあと男子生徒に薬の入った飲み物を飲ませていたということです。
警察は認否を明らかにしていません。
被害は男子生徒の保護者から警察に相談があって発覚し、その後、中村容疑者は退職したということです。
(NHKの記事から引用)


中村洋一郎容疑者については、本件以前にも生徒にわいせつ行為をしていた疑いがあったのですが、学校側は明確な対応をしなかったとの情報が出回っています
大阪明星学園中学・高校はカトリック系の学校で、規律が厳しいことで有名なのだとか。しかし、いかに厳しい校則で生徒を縛っても、教師による性犯罪を見逃しているようでは、教育機関としてのガバナンスが問題視されます
すでに中村容疑者は退職しており、学校側とすれば「退職した人間なので関知しない」と逃げ切るつもりなのでしょうか?
わいせつ行為の噂が立った時点で、学校側は先んじて中村容疑者を停職扱いにし、潔白を証明できない限り職場に復帰させないとの方針で対処していたら、と思います
中村容疑者の犯行はたまたまとか、偶然とかごまかせるものではなく、性犯罪者による計画的な犯行でしょう
私立校を自己都合で退職したのですから、中村容疑者の教員免許は現在も有効であり、取り消されてはいません。すでに事件の報道が出回っていますので、彼を教員として採用する学校はないと思いますが、ここは教員免許を取り消しておく必要があります
規律の厳しい私立の男子校といえども、教員の中に性犯罪者が潜り込んでいるケースがある、と保護者は認識しておくべきでしょう

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「セーラームーン」と美少女アニメを考える

「カワイイは正義」と言われるように、少女アニメの主人公はもれなく美少女です。いくつか例外はあるとしても
そして世の中の男は皆、美女や美少女が好きです
では女性はどうなのでしょうか?
「魔法少女」というジャンルから新たな形態を生み出した「美少女戦士セーラームーン」のシリーズについて考えようという企画です
当時、「戦隊ヒーロー物」は存在しましたが、紅一点で女性メンバーが加わる構成が常であり、全員が女性という戦隊ヒロインは画期的なアイディアでした。以降、漫画だけでなくアニメーションや実写ドラマ、ミュージカルなど多くの派生コンテンツを生み、社会現象とまで言われるに至ったわけです
ただ、そこにジェンダー目線の批評(あるいは批判)が加わるようになって、単純に美少女の活躍を愛でる作品ではなくなり、論争の場へと変化しています
今回は海外での「セーラームーン」の反応を軸に考えることにします

セーラームーンが世界の女性に示すも
(前略)
少女漫画の多くは思春期や10代の少女たちを描きだしている。 そのテーマは多岐にわたり、ビジュアルの描き方、ロマンチックな題材や感情を描いているという点では、対になる少年漫画や青年漫画とは一線を画しているといえる。
『セーラームーン』シリーズは、少女漫画のジャンルの中でさらに魔法少女ものに分類される。卑劣な敵から世界を救うため、魔法で「かわいい」姿に変身する能力を持つ8~14歳の少女が登場するファンタジーアニメの一種だ。
かわいさと強さを同時に見られる上、主人公は精神的に成長し、大人になっていく。つまり、魔法によって成長の仕方を学ぶのだ。
『セーラームーン』などの少女漫画の人気は日本だけにとどまらない。特に『セーラームーン』のような魔法少女ものが、西洋でアニメや漫画が紹介されるきっかけになった。
日本国外のファンが、『セーラームーン』で個性を感じ、時には変わったと言っている。
人気オンラインパーソナリティのPrincess Mentality Cosplayは、「あなたにとって『セーラームーン』とは?」と尋ねられた際、このように述べている。
(以下、さまざまなファンの発言)
肌の色が違うせいでこのファンダムに私の居場所はないと言われたときでさえ、『セーラームーン』はどんな試練にも立ち向かう強さをくれました。セーラームーンが、平等と受容、そしてとことん楽天的でいることの大切さを教えてくれたのです。

セーラームーンは宇宙人だけでなく、少女たちの中にある美しいものすべてを壊そうとする大人の世界とも戦っている。愛する人々を守るために戦い、傷つき、倒れ、時にはすっかりへこたれることさえある。そしていざ切り抜けることができたときには、魔物にされた人間も救おうとするのだ。

このシリーズはセーラー戦士たちの性格や興味、ジェンダー的表現の幅広さにも焦点を当てている。読書好きの亜美(マーキュリー)から体育会系のまこと(ジュピター)、芸術家肌のみちるまで、それぞれの少女たちに対応する戦士の形がある。さらに、たくましい少女たちがどのような苦労をしてジェンダーの役割を模すのかという点に言及することもある。たとえば、おてんばゆえに失敗していたまことがどのように料理を学んだかなどだ。


思いの外、好意的な声が寄せられています
もちろん、これとは真逆の容赦ない批判もあります
「ミニスカートで敵と闘うなんて馬鹿げている」、「男に媚を売っているところが嫌い」、「なぜ美少女だけがセーラー戦士なのか」などなど、女性の側からの指摘を集めたウェッブサイトもあります
ただ、上記の記事にあるように、セーラー戦士たちの豊かな個性、ノビノビとした立ち振舞に、苦難に立ち向かう勇気に救われたと感じる女性が存在するのであり、これは素直に褒め言葉と受け取って良いのではないでしょうか?
洋の東西を問わず、クラスに馴染めなくて孤独を感じている女の子はいるのであり、彼女たちが「セーラームーン」からささやかな勇気を得られたと言うのであれば、漫画の作者武内直子にしてもアニメーションの制作スタッフにしても、自身の仕事に誇りを感じられるでしょう


日本において魔法少女ものの持つ文化的意味は、伝統的な女性らしさの特徴を抑える一方、女性の地位向上と自立をテーマとするところにある。
日本の少女たちにとって、セーラームーンは少女や少女らしさに対して日本人が抱く概念の典型である。彼女には興味を惹かれるものを追う自由や、進みゆく道に立ちはだかる困難に打ち勝っていく精神力があるのだ。


以前、イギリスの漫画ファンの女性の討論というものを紹介した記事の中で、ブログ「日本晴れ!」のヤオイ系漫画に対する海外の反応、というものを引用させてもらいました。ジェンダーという視点からすれば、「日本は遅れている、それに比べて欧米は」という語り口があるわけですが、意外とそうは言い切れない現実が浮かび上がってきます
ヤオイ系漫画(現在ならBL)について語る彼女たちは、BL好きを親にはひた隠しにしています。親にバレたら説教どろこでは済まない、と分かっているからです。彼女たちからすればBLの漫画雑誌や同人誌が堂々と売られている日本こそ、自由の国と映るのでしょう
あるいは、日本では土日にロリータファッションで渋谷や原宿を歩き回っても別段とやかく言われないのですが、ロンドンやパリの街角をロリータファッションで歩こうものなら、たちまち顰蹙を買い、見知らぬおばさんから説教を食らうでしょう。そもそも親たちは、ロリータファッションの娘を家から出そうとはしないと考えられます。場をわきまえない服装は恥ずかしいのであり、そんな格好で出歩くべきではない、とする価値観が根強く残っているからです
自由の国とされるアメリカでさえ地方によっては娘らしさが過度に求められ、それに反する服装はタブー視されるという保守的な面が健在だったります
なので、日本人が思っている以上に日本の漫画やアニメーションに描かれている日常生活は、「自由」を享受しているように欧米の視聴者には映るようです
日本社会に対する誤解と片付けるのは簡単でしょうが、案外そうとばかりは言い切れないキリスト教社会の閉塞された状況が欧米には存在すると思います
イギリスの公共放送BBCは日本の漫画やアニメはポルノであり、取り締まるべきとの番組を放映していましたので、そこらの問題はまた機会をあらためて取り上げます

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「セーラームーン」の時代変化 美少女と恋愛
https://05448081.at.webry.info/202101/article_22.html
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福井大学「赤とんぼ」准教授不倫殺人 8500万円の賠償判決

元福井大大学院特命准教授の前園泰徳受刑者が教え子である大学院生との不倫関係を精算するため、首を絞めて殺害した事件は、死亡した菅原みわさんが「殺してくれ」と依頼したことにより嘱託殺人である、とする判決が確定しています
刑事事件としてそれで決着したわけですが、菅原さんの遺族はこの判決に不服があったのでしょう。民事訴訟を起こして前園受刑者に1億2000万円の支払いを求めていました
嘱託殺人(菅原さんが殺してくれと依頼した)との証拠は何もないのであり、ただ前園受刑者がそのように裁判で主張しただけです
前園受刑者の言い分だけが採用された判決には、強い違和感を覚えます。嘱託殺人であると認定するには、それ相応の証拠に基づく判断をする必要があるのでは?
民事訴訟の方は、「菅原さんは死を望んではいなかった」と認定し、前園受刑者に約8500万円の支払いを命じる判決を言い渡しています


福井県で2015年、東邦大大学院生の菅原みわさん=当時(25)=が殺害された事件で、嘱託殺人罪で有罪が確定した元福井大大学院特命准教授の男性(48)に遺族が約1億2000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、千葉地裁(高取真理子裁判長)は13日、殺害依頼は真意ではなかったとして計約8500万円の支払いを命じた。
高取裁判長は当時の菅原さんについて「精神的に非常に不安定な状態にあった」と指摘。殺害直前の「首を絞めてください」などの発言は「真に死を望んだものと認めることはできない」と述べた。 
(時事通信社)


今回の事件によって前園受刑者の研究者としてのキャリアは終わっていますので、8500万円の賠償金を支払う能力はないと思われます
既婚者であった前園受刑者は、妻からも離婚を突きつけられたのでは?
そもそもこの事件は、既婚者である前園受刑者が学生に手を出し、不倫関係に至ったのが原因です。「妻とは分かれるつもりだ」などと口にし、菅原さんの気持ちを弄んだのではないか、と思われます
しかし、刑事事件の方は前園被告の言い分のみを採用し、嘱託殺人であるとの判断から懲役3年6月という極めて軽い刑となりました
不倫関係精算のため殺害したと認定され、殺人罪が適用されれば最低でも懲役15年の刑だったでしょう。あるいは、不倫の清算という身勝手な理由による殺人として、もっと長期の刑が言い渡された可能性もあります
刑事罰は軽くて済んだものの、民事での賠償がどんとのしかかってきたわけです。時期的に前園受刑者は刑期を終えて出所しているかもしれませんが、民事での賠償責任という償いをどうするのでしょうか?
不倫の代償が高く付くのは芸能人だけではない、と書いておきます

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就活生を強姦 リクルート子会社社員逮捕

就職活動中の大学生が大学のOBやらを訪問し、助言を受けるというシステムがいつから始まったのかは分かりませんが、コロナ感染の蔓延する現状でも続いているようです
一部の企業では、OB訪問を何件こなしたかで、就職への熱意を計るというバカげた真似をしているのだとか
リクルートの子会社リクルートコミュニケーションズの元社員丸田憲司朗被告は、同じ手口で就職活動中の女子大生を騙し、強姦していたとして起訴されています
少しでもよい就職先の内定を得ようと日々活動している学生を毒牙にかけるという、とんでもない男です
丸田被告は自身の学歴・経歴を偽り、神戸大学法学部卒業で一流コンサルタント企業を経てリクルートに入社、と称して女子大生に接近する手口だったようです。実際には甲南大学出身で、リクルートの子会社勤務だったわけですが


就職活動中の女子大生に睡眠薬を混ぜた飲み物を飲ませて乱暴したとして、警視庁は13日、東京都新宿区左門町、リクルート子会社の元社員で無職、丸田憲司朗被告(30)(別の準強制性交罪で起訴)を準強制性交容疑で再逮捕した。逮捕は3回目。
発表によると、丸田被告は昨年10月下旬、スマートフォンのOB訪問アプリで知り合った就職活動中の女子大生を自宅に連れ込み、睡眠薬を混ぜた飲み物を飲ませて抵抗できない状態にして、乱暴した疑い。調べに黙秘している。
丸田被告は同6月にこの学生と知り合い、「自己分析の相談に乗る」と持ちかけて呼び出したという。
丸田被告は昨年12月、別の就職活動中の女子大生に対する準強制性交容疑で再逮捕され、同罪で起訴されていた。
(読売新聞の記事から引用)

女子大生を誘い出した手口は卑劣きわまるものだった。丸田は就職活動中の学生とOBをマッチングさせる「就活アプリ」を駆使し、日常的に女子大生を物色。そのアプリ「OBトーク」では経歴をこう記している。
〈神戸大法学部を卒業して、経営コンサル会社で3年ほど修行し、リクルートに転職。内定先は大手外資系コンサル「PwC」、有名ベンチャーキャピタル「グロービス」、日本一給料が高い企業「キーエンス」――〉
広告業界への就職を希望していた女子大生にとって、丸田の経歴は眩しく見えたに違いない。今年6月下旬、二人は都内のカフェで初めて対面。7月上旬にも二人きりで会い、就職活動の話で盛り上がった。当時、女子大生は丸田について、こんな印象を持ったという。
「紳士的な人」
ホテルに連れ込みアルコールの中に薬物を…
そして三度目に会った際、「就活用PR動画の作成を手伝うから打ち合わせをしよう」と誘った丸田。
自分を信頼する女子大生をホテルに連れ込むと、アルコールの中に睡眠作用がある薬物を混ぜて飲ませ、心神喪失状態にした。そこで性的暴行を加え、写真や動画まで撮影したのだ。
だが、丸田の話は嘘で塗り固められていた。出身大学は関西の私立・甲南大で、勤務先はリクルートのグループ会社。自宅も青山付近と記していたが、実際は四ツ谷駅にほど近い家賃約16万円のワンルームのデザイナーズマンションだった。
(週刊文春の記事から引用)

逮捕後、丸田被告は会社を解雇されています。リクルートコミュニケーションズは就職活動のサポートをする会社ですから、丸田被告逮捕によって会社の評判が墜ちるのは痛手です
押収された丸田被告のスマートフォンからは女性の動画が多数見つかっており、被害者は相当の数になるものと思われます。被害者が名乗り出て立件されるかどうかは別ですが、卑劣な犯行を重ねていたのは間違いありません
警察の取り調べについては「今は話せない」と黙秘しているのだとか。今話せないのなら、いつ話すのでしょうか?
丸田被告に十分な資産があるとは思えませんでの、現在立件されている3件について被害者に慰謝料を支払い示談を成立させるのは困難であり、実刑は免れません(親が資産家なら示談金を出してくれるでしょうが)
被害者がさらに名乗り出たなら、10年以上の懲役刑もありえるでしょう

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「SLAM DUNK」の劇場版アニメ化

バスケットボールを題材にした漫画では「黒子のバスケ」が記憶に新しいところです。テレビアニメ化もされ、話題になりました
それでもスポーツ漫画の人気ランキングで上位に位置するのは「黒子のバスケ」ではなく、「SLAM DUNK」の方です
作者である井上雄彦がツイッターで、「SLAM DUNK」が劇場版アニメーションになると告知し、注目を集めています


■連載終了から四半世紀近く経っている作品
2021年1月7日、漫画家の井上雄彦が、ツイッターに「【スラムダンク】映画になります!」と投稿し、同作のアニメ映画化が発表された(いま本稿を書いている時点では、東映アニメーションの製作であるということのほかは、詳細不明)。
井上雄彦の『SLAM DUNK』は、1990年から1996年まで『週刊少年ジャンプ』にて連載された、バスケットボール漫画の金字塔である。主人公は、髪の毛を赤く染めた不良少年の桜木花道(高校1年生)。物語は、ひょんなことからバスケット部に入部することになった彼が、やがてその才能を開花させ、全国大会で活躍するほどの選手になるまでを描いた、ある種のビルドゥングスロマン(成長物語)の傑作だ。
ちなみに、先日(1月3日0時40分~)、テレビ朝日にて放送された『国民15万人がガチで投票! 漫画総選挙』という番組を観ていてあらためてすごいと感心したのは、この『SLAM DUNK』が、1位の『ONE PIECE』(尾田栄一郎)、2位の『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴)に続く3位に選ばれていたことだ。いうまでもなく1位・2位は、片や現在連載中、片や昨年5月まで連載されていた旬の作品であり、そんななか、連載終了から四半世紀近く経っている作品が3位にランクインするというのは、快挙以外の何ものでもないだろう。
このことは、それだけ『SLAM DUNK』という作品が、いまなお数多くの人々に愛され続けていることを証明しているといっていい。つまり、今回のアニメ映画化に対して、「なぜ今?」と首をかしげた向きもおられるかもしれないが、同作は、そういう同時代性などはほとんど関係がない、いつ読んでも(観ても)感動できる普遍的な魅力(あるいは古びないテーマ)を持った名作だということだ。
さて、個人的に気になるのは、今回の映画で、原作の最終章である湘北高校と山王工業の試合が映像化されるのかどうか、ということだ(念のため書いておくが、主人公の桜木が所属しているのは湘北高校バスケット部)。
というのは、以前、製作された同作のテレビアニメ版および劇場版では、そこまでの物語は描かれておらず、現在の高度に進化したアニメーション技術によって映像化された、あの「伝説の試合」をぜひ観てみたいと思うからだ。
原作を既読の方は当然ご存じだろうが、単行本の31巻(ジャンプ・コミックス版)、湘北高校と山王工業の試合ラスト1分の描写は圧巻である(なんと単行本ほぼ1冊ぶんのページ数が、この「最後の1分間」の描写に費やされている)。特に、残り12秒を切った段階からは、セリフ、モノローグ、ナレーションは一切排除され、選手たちの動きと観客の表情の描写だけで物語は進んでいく。これは、言葉に頼らない究極のスポーツ漫画の表現だともいえるし、逆に、最後の最後で桜木がぽつりとつぶやく「左手はそえるだけ…」というセリフを最大限に活かすための演出だともいえよう。
いずれにせよ、新しい映画(劇場版としては5作目となる)が公開された暁には、ふたたび『SLAM DUNK』の(いま以上の)ブームが訪れるのは間違いないだろう。
できることなら、(前述の「左手はそえるだけ…」の名場面もさることながら)単行本の30巻――味方のボールを生かすために危険を顧みず、プレス席に飛び込んでいく赤い髪の元不良少年の勇姿を見て、妹・晴子の「初心者だけど… いつかバスケ部の…… 救世主になれる人かも知れないよ」という言葉をキャプテンの赤木が思い出す、あの泣ける場面を映画館のでかいスクリーンで観てみたいものである。
(Real Soundの記事から引用)


バスケットボールを題材とした漫画でも、「黒子のバスケ」と「SLAM DUNK」では登場するキャラクターに大きな違いがあります
「黒子のバスケ」には「奇跡の世代」と呼ばれる図抜けた才能の持ち主たちが登場するのですが、あまり面白みがありません。その最たるものが赤司征十郎であり、なぜこんな「漫画みたいな」化け物じみたキャラを登場させたのか、と思うばかりです
役割・立ち位置からすれば「SLAM DUNK」に登場する翔陽高校のプレイングマネージャー藤間健司と被るため、より極端な色付けをする必要があったのかな、と推測します
加えて、「黒子のバスケ」では度々プレイヤーがゾーンに入り、超人的なプレーをするところが駄目であり、面白みを削がれてしまいます
高校野球の漫画に「魔球」を登場させるのと同じで、せっかくの物語をつまらないものにしており、もったいない限りです
さて、今回の劇場版「SLAM DUNK」はどうなるのでしょうか?
記事にもあるような、湘北高校と山王工業の試合を描く内容であればオールドファンも映画館へ足を運ぶでしょう。自分も是非、観たいものです
原作漫画で描かれた山王工業戦の魅力については記事の中で触れているため、繰り返すのは止めておきます
期待通りになるかどうか、続報を待ちましょう

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「風の谷のナウシカ」 アニメーションを読む方法

当ブログでは宮崎駿作品をしばしば取り上げて語っています。その中でも特に自分が惹かれているのは劇場版アニメーションではない方の「風の谷のナウシカ」です
劇場版「ナウシカ」を批判する気はないものの、称賛する気にもなれません。ただ、公開当時の興行結果はいまいちだったものの、作品としてのクオリティは高く、アニメーション作家としての宮崎駿の地位と評価を固める役割を果たしたのは間違いないでしょう
さて、今回は日本文学研究者がアニメーション作品を批評する際の方法論、を取り上げた論文に着目します
東洋大学の水谷真紀講師の論文から引用させてもらいます

「風の谷のナウシカ」の〈宛て先〉--宮崎駿を「読む」ための試論

従来の日本文学研究の方法、テクスト分析がアニメーションや漫画の批評に応用できるのか、を至極まじめに論じています

(論文4ページ)
しかしアニメーションという表現形態は、制作の技術や方法、映像、音楽、声優、公開前のメディア戦略等々、分析の視点が多く存在し、先に触れた『ブルータス』の特集のように多くの人々がそれぞれの拠る立場から語ることを可能としている。本稿で注目する「風の谷のナウシカ」に関しても、先行研究を調べていくと一つの研究分野には留まらない。物語内容や物語の構造を分析する考察の他に、アニメーション制作に携わる者による解説や発現、音楽との関連性、声優の意義、マンガ版との差異、ポップカルチャーにおける位置づけを試みる考察など多数あり、いわゆる文学・文化研究の視野だけでは収まりきらない拡がりがある。そしてこれらの言説を見ていくと、たとえ物語分析を目的とする考察であっても、文学・文化研究における「読む」方法を何らかの検証なしにアニメーションへ応用することは、果たして可能だろうかという疑問も生じてくるのだ。また、同時に、様々な立場から発言する言説の中には、文学研究の擁護を用いれば「作家論」的な解釈に容易に落ち着いてしまう論述も見受けられる。

以下、論文中では文学作品を批評する際に用いられるロラン・バルトのテクスト分析の方法について説明しているのですが、そこら既知の話なので割愛します
アニメーションを読み解く先行研究として、漫画版「ナウシカ」と劇場版「ナウシカ」を比較・検討した中村三春の研究や、ナウシカの「飛翔」に着目した村瀬学の研究を引き合いに出し、論じてもいますので関心のある方は論文本文を一読願います

(論文5ページ)
たしかにアニメーションにしろマンガにしろ、「物語」としてテクストを捉え直せば言語テクストの分析と同じように「読む」ことが可能だ。しかし留意すべき点として、両者は画像の連続によって構成されていることが挙げられる。特にアニメーションは「絵を動かす」表現形態であり、技術や道具の革新によって表現できる物事が大きく変化していくことを考慮すれば、制作当時の技術が可能とした、あるいは不可能であった表象とはどんなものなのか、確認しておく必要はないだろうか。もちろん、制作当時の技術上の限界や作り手の工夫がどのようなものであったにせよ、現在私達の手元に届けられている作品が切り拓いた文化的な領野に対する評価は公正になされるだろう。

構造主義と括られる思想も中身は細かくいくつもの枝葉に分かれます。ロラン・バルトのテクスト分析はその中でも太い枝の1つです
そこでは書かれたもの=テクストを読み解き、物語世界に分け入りその作品に描かれた向こう側へ到達する行為を目指すわけですが、アニメーションのような映像作品であっても同じであるというのが筆者の結論です
ただし、アニメーションは多くの人の手によって成る作品ですから、作者宮崎駿の意図がどこまで表現されているかは慎重に検討する必要があると指摘します。これは宮崎駿が1人でコツコツ描きあげた漫画版「ナウシカ」との違いを意識した上での注意点です
さて、上記の論文では雑誌「ブルータス」の「ジブリ特集」に触れ、アニメーターから現代思想や建築の研究者らによるエッセイの存在を挙げてこれらを文化現象として扱っています。テクスト分析の方法論からすれば、これらのエッセイや論考もジブリのアニメーションというテクストを読み解くための素材であり、研究対象に含まれます
ただ、そこで宮崎駿や高畑勲が語る内容をどこまで重視するか、は論議のあるところでしょう
宮崎駿はさまざまなメディアの取材を受け、自作について語りまくっています。営業・宣伝のためでもあり、彼がサービス精神旺盛なためでもあります
自分が専門とする(などと言うのは大変恐縮なのですが)ラカン派の精神分析も、広い意味で構造主義とされる思想に含まれます。ラカンは非分析者の語りにだけ注目するのではなく、語らなかったこと、語ろうとしなかったことこそが重要であると説きます
つまり、宮崎駿が取材に応じて語る内容がすべてではなく、そこで語らなかったこと、語ろうとしなかった重要な何かがある、と想定します
「ナウシカ」の劇場版は漫画版がまだ完結していない状態で制作されたものであり、劇場版の尺に収めるためストーリーの改変が必要でした。結果として、宮崎駿自身、劇場版には多くに不満があっただろうと推測されます。が、宮崎はそれを口には出しません。劇場版制作には多くの人が関わっていたのですから、劇場版への不満を迂闊に口外すべきでないとの思いがあるのでしょう。不満を口にすれば、関わった人たちへの批判にも発展しかねません
ジブリの鈴木敏夫は漫画版「ナウシカ」を元にした完全劇場版「ナウシカ」を作りたいのですが、宮崎は承諾しないままです。劇場版「ナウシカ」には不満はあれど、あれはあれで1つの完成した作品だと宮崎駿は考えているのかもしれません
関係者が直接口に出さないため、こうした憶測を重ねることになるのですが、これも作品を読む行為の延長であり、可能性を考える行為です
作品の中に描かれたこと、作者が語ったことだけが「読み」の対象ではなく、作品の中に描かれなかったこと、描けなかったことをも含めた考察を試み、物語世界の向こう側へ至るべく足掻いてこそ批評であると考えます

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「風の谷のナウシカ」と自然・環境問題 その2
「風の谷のナウシカ」と自然・環境問題 その1
「風の谷のナウシカ」 その世界観を問う
「風の谷のナウシカ」 死と再生を考える
ナウシカの正義とサンデル教授「白熱教室」
「風の谷のナウシカ」に見る宮崎駿の矛盾
「風の谷のナウシカ」は愚行と矜持を描いた叙事詩か
ナウシカとマルクス主義
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ナウシカの辿り着いた場所 漫画版エンディング
「風の谷のナウシカ」の神話学を考える
構造主義の立場で「風に谷のナウシカ」を語る その1
構造主義の立場で「風に谷のナウシカ」を語る その2

小沢一郎「全国民PCR検査をやれ」という愚論

コロナウィルスの感染者が増加し、緊急事態宣言が再度発令される事態に至っています
感染拡大を阻止する手立てがないわけですから、感染者の急増(感染爆発)は予想されていた事態です
ワクチン接種が実現するまで、感染者の増加傾向は続くのでしょう
コロナウィルスの感染にどう対処するかという報道は昨年来、繰り返されてきたところです
しかし、政治家の中にはそうした必要情報や医学上の知識をまったく頭に入れず、理解できず、愚論を吐く者がいます。その代表が小沢一郎でしょう。呆れたことにこの時期に、「国民一斉検査をやるべきだ」と主張しているのですから、頭は化石並みです
PCR検査を全国民に実施すれば問題は解決するかのような、頭の悪い主張を堂々と開陳しています


コロナ「国民一斉検査」論がナンセンスな理由 「なぜできないのか」と言う前に
感染拡大が止まらず、政府による緊急事態宣言の再発令が現実味を帯びていた5日、「小沢一郎(事務所)」ツイッターは「社会的検査を忌避して、ついに年を越してしまった」と投稿。次のとおり主張した。
「国民一斉検査で、陽性患者、陽性無症状者、陰性者を明確にし、陽性者は必要に応じた隔離を行い、残る陰性者で経済を回す。
膨大な予算を確保しておいて、なぜそれができないのか。こんなことでは、緊急事態宣言は今後も繰り返され、全てがだめになる」
ツイッターでは「国民一斉検査」が一時トレンドワードに入り、さまざまな声があがっている。
「確かにその通りだと自分もずっと思っていました、国民全員に検査を行い陰性者だけ動けば拡大は抑えられるハズです、ただ無症状陽性者が仕事がとか収入減で生活が出来なくなったりとかでコソッと動き回る可能性もあるのかと思います」
「例えその瞬間の結果だったとしても、検知率が7割だったとしても、その人流を抑制することの効果は大きい」
(以下、略)


PCR検査の実施数を増やしたところで何も問題は解決せず、リソースを無駄にするだけという説明は昨年来、繰り返されてきました。それでもPCR検査を全国民対象に実施すべきだとか、韓国を見習うべきだとの主張が途切れることなく提起されるのであり、PCR検査が問題を解決するかの如く信じ込んでいる人がいることを伺わせます
PCR検査を受け、自分は感染していない知って安心したい人たちも世の中には一定数存在するのでしょう
ただ、PCR検査を受けてもその翌日、あるいは翌々日には感染するかもしれないのであり、全国民に実施するなど馬鹿げた提案です
上記のJ-CASTニュースの省略した部分に説明が書かれているのですが、小沢一郎は絶対に読まないのでしょう。自分の提案こそが唯一の解決策だと信じ、異論は受け付けようとしないのですから。感染症の専門家が噛んで含めるよう説明しても、耳を貸さないでしょう
こんな老害政治家こそ、迷惑な存在です。小沢一郎が日本の首相にならなくて、本当によかったと思います

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児童相談所非常勤職員21歳 わいせつ行為で逮捕

取り上げるタイミングを逃してしまった昨年12月1日の報道で、群馬県の児童相談所に勤務する非常勤職員の大学生が、保護した少女と淫行を重ねた容疑で逮捕されています(県青少年健全育成条例違反)
一時保護した少年・少女を見守るための当直勤務を補助する職務(夜勤)に就いており、当直の際に少女と知り合ったのだとか
そもそも21歳の大学生を採用した理由が理解できません。こうなると予想していなかったとすれば、人事担当者はよほどのボンクラでしょう
性犯罪者を招き入れてしまったのですから
逮捕された佐藤匡容疑者は東京福祉大学の学生だった、という情報があります(未確認)
東京福祉大学といえばアジアから留学生を大量に受け入れ、その後は所在不明になっているという、不法就労の窓口になっていた大学です
群馬県伊勢崎市にキャンパスがありますので、佐藤容疑者が学生として所属していた可能性は十分に考えられます


一時保護先の児童相談所で知り合った少女にみだらな行為をしたとして、群馬県警子供・女性安全対策課と桐生署は30日、県青少年健全育成条例違反の疑いで、伊勢崎市山王町、東部児童相談所の県会計年度任用職員(非常勤)(21)を逮捕した。
逮捕容疑は8月11日午前2時ごろ、同市の自宅で、東毛地域在住の少女=当時(16)=が18歳未満と知りながら、みだらな行為をした疑い。
県警によると、「性的欲求を満たすため」と供述し、容疑を認めている。県警は8月下旬、児相から「少女の家出に佐藤容疑者が関与している」という情報を受け、捜査を進めていた。
(上毛新聞の記事から引用)


相手方となった少女にすれば「大学生の彼氏」だったのかもしれませんが、佐藤容疑者の方は「性欲を満たすための相手」でしかなかったわけであり、男性と女性とでは思惑の違いが顕著です
少女の方は金目あてでセックスをしていたのではないのでしょうから、多少なりとも佐藤容疑者に好意を抱いていたと考えられます。他方で佐藤容疑者の方は、児童相談所に送られてくる女の子なら簡単に口説き落とせて、セックスできると考えこの職に就いたのでは?
採用面接時、佐藤容疑者の志望動機など聞き取りはしたのでしょうが、性犯罪者が下心を抱いて求人に応募してくると予想しなかったのなら、人事担当者は責任は重大です
人事担当者のみならず、採用の決定には児童相談所の役職者が関わっていたはずですから、群馬県の児童相談所は危機管理もできない人間の集まりだったと解釈できます
当ブログで何度も触れているように、児童相談所や児童自立支援施設、養護施設といった場所に勤務する職員が、児童に性犯罪を繰り返している実態は昔からあるわけで、より厳正な職員の管理・指導が必要とされます

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「ミスター慶応」渡辺陽太 6度目逮捕も不起訴

インターネットカフェで女性に暴行を加えた容疑で逮捕された、「ミスター慶応」こと渡辺陽太容疑者ですが、今回も不起訴処分でした
親が多額の示談金を支払って被害届を取下げさせているのでしょう
バカな息子ほどかわいいと言われますが、素行が改善されるわけでもなく、被害者を増やすだけです。本人に素行を改める気がない以上、どうしようもないのでは?


ミスター慶応、レイプに窃盗“6度目”の逮捕も実弟が語る「豪華待遇」な地方生活
「兄とは(初めに逮捕された)2年前から会っていません」
昨年11月に6度目の逮捕をされたAの弟は、疲れた様子で話し始めた─。
慶応大学在学中の2016年に『ミスター慶応』へ出場した過去もあるAだが、たび重なるレイプ・窃盗などの容疑で逮捕され続けていた。
「'18年には酒に酔わせた女性にわいせつ行為をしたうえ財布を盗んだ容疑で、慶応大学の悪友であるB(当時22)とともに逮捕されていました」(全国紙社会部記者)
事件は不起訴となったが、その後も懲りていなかった。
「2人は'19年3月にも、さいたま市で出会った女性を凌辱した容疑で、'20年11月20日に逮捕されました。しかし、12月11日に、さいたま地検から不起訴処分が言い渡されています。理由は明らかにされていません」(同)
これによりAは少なくとも6回、Bは2回目の逮捕となったが、1度も起訴されることなく釈放されている。
なぜ、これだけ悪行を重ねても不起訴となるのか?
「Aの実家は千葉県で土木業などのグループ会社を経営しており、総資産100億円とも。莫大な示談金を被害者に支払っているのではないかと考えられています」(同・記者)
2人の近況は週刊女性でも報じていた。
「Aは無職で、事件前まで父親の経営する会社の社員寮で暮らしていました。Bは都内で住み込みの販売業をしていたみたいです。Bの母親は取材に対し“息子はレイプはしていないと言っている。示談金狙いで近づいてくる女性がいる”と話していました」(取材した週刊女性記者)
一部報道では、Aが11月の逮捕前まで夜な夜なクラブで遊び歩いていたとも。
12月中旬、釈放後の様子を知るために千葉県にある実家を訪ねると、冒頭の弟が対応してくれた。
「ほかの家族はたまに会っているかもしれません。しかし、マスコミの取材が押しかけるのを恐れて、自宅や会社周辺には近寄れないようです」
週刊女性による専門家への取材では、レイプを繰り返さないためには「カウンセリングなどの治療が必要」と指摘されていたが、近況はというと、
「最近(釈放後)は、富山県にいる臨床心理士の知り合いのもとで、2泊3日ほど滞在していたようですね。全国あちこち回っているみたいです」
と、療養生活をしていることを教えてくれた。3食つきの“豪華”待遇だという。
(週刊女性の記事か引用)


本人に行動や価値観を改めようという強い動機がなければ、カウンセリングなど受けても無駄です
療養生活とは名ばかりで、遊び歩いているのが実態ではないか、という気がします
カウンセリングといっても1日に1時間程度拘束されるだけなので、後は自由時間でしょう
被害者に被害届を取下げさせた上に、事件については口外しないよう求めているのですから、300万円かそれ以上の示談金を支払っているのかもしれません
何を思って生きているのか、と思うばかりです。親の顔に泥を塗り、多額の示談金を負担させ、何やらしているつもりになっているのか?
週刊誌の記者にはぜひとも本人をつかまえて、直撃インタビューでもしてもらいたいものです
こんな生き方をしていたら、そのうち繁華街で誰かに刺されるのではないでしょうか?

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映画「えんとつ町のプペル」 高評価と批判

キングコング西野亮廣が絵本作家としても活躍し、「えんとつ町のプペル」を劇場版アニメーション化するとの報道に接したのはいつだったか?
はっきり言って自分の関心外であるため、特段注意も払っていませんでした
「現代ビジネス」のサイトに、「話題の映画『えんとつ町のプペル』に抱いた『強烈な違和感』」と題する記事がありましたので、取り上げることにしました
昨年末に全国308スクリーンで公開された「プペル」は公開2週目には興行収入成績第3位につけており、好調です。コロナ禍の影響でライバルが不在とも言えますが、予想外の健闘でしょう
その健闘ぶりとは裏腹に、「現代ビジネス」掲載の批評は随分と辛口です


話題の映画『えんとつ町のプペル』に抱いた「強烈な違和感」
(前略)
絵本から映画になるにあたって加筆修正が加えられているが、これが問題含みなのだ。
絵本から何が変わっていて、どこがまずいのか?
絵本のストーリーは、町中に無数に立つえんとつの煙でいつも薄暗くて星も見えない孤島の町にハロウィンの日にゴミ捨て場に落下してきた塊が周りのゴミを吸い付けてゴミ人間のプペルをつくる。ゴミの化け物で悪臭を放つプペルを町の人びとは嫌悪するが、町の外の世界や父が話していた星空の存在を信じている変わり者の少年ルビッチだけは理解を示し、ふたりは飛空船を使って分厚い雲の上まで飛んで星の輝きを目の当たりにする――というものだ。
映画ではプペルとルビッチだけが星空を見るのではなく、彼らが空に登ったあとで大量の火薬を爆発させることで雲を消し飛ばして町の人びと皆に星空を目撃させ、「星なんてない」という迷信の誤りを知らしめる、というのが最大の変更点になっている。
これの何がまずいのか?
映画版では、えんとつ町がなぜ煙の町になったのかという背景が明かされる。
えんとつ町は特殊な経済原理を導入したコミュニティであり、外界から発見され、交流を持ってしまうと、外側から迫害されたり、制度を変えさせられてしまうかもしれないがゆえに、あえて閉じていたのだ、と。
ルビッチはこの話を聞いてなお、町の外側の存在を住民に知らしめることを一切ためらわない。
また、星空を見たえんとつ町の為政者たちは「煙を止めろ」とあっさりルビッチの行動を認める。
これには驚いた。
よそから見つからないように、また、住民が外に出て町の存在を吹聴しないように煙幕を張り、迷信が流布されていたはずなのに、町全体を危険にさらす行為をすることに主人公はなんの躊躇もなく、体制を護持してきた側はなんのお咎めもしないのである。
だったらはじめからオープンにすればいいではないか。
設定が破綻している上に、絵本版が持っていたメッセージを、より尖った、危険な方向に拡張している。
西野はこの作品を自分をモデルにしたものだとくりかえし語り、「夢を持つと笑われる社会を変えたい」「やってみないとわからないことを否定するな」とことあるごとに語っている。
(以下、略)


「夢を持つことは大切」とか、「夢を諦めてはいけない」などという、アレなメッセージを発信する作品なのでしょうが、その脚本の弱さ、破綻を上記の記事は指摘しています
ただし、これまで幾度も指摘したように大御所である宮崎駿の劇場版アニメーションでも脚本が破綻しているのは珍しくはないのであり、西野亮廣をことさら責める気にはなれません
シネマカフェでは「プペル」を激賞する記事を掲載しています


絵本の世界がさらに進化! 未来へと踏み出す勇気とパワー溢れる物語に「前向きな気持ちになった」
鑑賞した約8割が「号泣した」「何回も泣いた」「ウルっときた」と答えたことに加えて、夢を諦めないキャラクターの姿に「前向きな気持ちになった」「何かに挑戦したくなった」といったポジティブな声も多数。泣けると同時に、観客の背中をそっと押してくれるメッセージ性に、世代を超えた共感が寄せられた。
「原作も感動しますが、こちらの映画もとても見がいあります。家族にもおすすめしたい作品です」と原作ファンからも高評価。「内容は知らず見ましたが、今だからこそもらえる勇気のメッセージがこの映画から伝わってきました」「マスクがぐちゃぐちゃになるくらい泣きました。信じることの大切さ、諦めない心を教えてくれる素敵な作品だと思います」といった感動のコメントをはじめ、「窪田正孝さんの声優がめちゃくちゃ良かったです。もっと声優業やって欲しいなと思いました」という声優陣を高く評価する声もあった。


感動された観客の皆さんに、作品を観てもいない自分が冷水をぶっかけるような真似をするのは恐縮ですが、思考停止せずにきちんと話の筋を追い、どこまで理解可能か吟味する必要があります
そうしないと、毒にも薬にもならないディズニー作品に無条件で感動する、などという飼い慣らされた状況に陥ってしまいます
宮崎駿の作品でも駄目なものは駄目であり、それを駄目だと指摘できるだけの鑑賞眼を持つべきだろう、と自分は思います
絵本のアニメ化だから、メルヘンだから、「多少の矛盾や破綻に目くじらを立てるべきではない」との意見もあるのでしょうが、賛同できません
こども向けであるならなおさらことの良し悪しには敏感であるべきで、一方的な価値観の押し付けは避ける必要があるのでは?
しかし、「現代ビジネス」の記事は「映画『えんとつ町のプペル』には対話もなければ葛藤もない」と指摘しており、「ルビッチたちは自らの内面の弱さや危うさと真剣に向き合うこともなければ、敵側の主張や行動とわたりあうことで何かを学ぶこともない」のであり、学ばない以上ルビッチには成長もありません。こうしたこども向けアニメーションの多くは、主人公たちが葛藤や対立を乗り越え成長する姿を描くことで感動を呼び起こすのです
作者西野亮廣には根強いアンチが存在しているわけですが、結局のところアンチによる数々の批判はスルーして、自身を支持するファンとの交流に依存しているその姿勢が、独善的な物語を作ってしまう結果に結びついているのではないか、という気もします。だからといって、アンチと対話しろとか、交流しろとか主張する気はないのですが
やはり身近なところに作品を辛辣に批評してくれる人物がいないと、脚本の破綻にも気づかず、気づいても「これはこれでよいのだ」と誤魔化してしまう危険があるのかもしれません。宮崎駿の場合も、ジブリの中に宮崎駿に諫言できる人物がほとんどいなかったという状況が災いしたのではないか、と推測します

『映画 えんとつ町のプペル』冒頭180秒大公開


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岡山少女殺害事件を考える 自供の真偽でモメる

当ブログでは事件の顛末まで(判決まで)をできるだけ取り上げたいと思い、年末には取り上げそこねた裁判の判決はないかとチェックしていますが、完璧にとはいきません
あるいは日頃から気にかけているものの、裁判の情報が報道されない事件というのもあります
2004年に岡山県津山市で当時、小学3年生の女子児童が殺害された事件もその1つです
別の少女への暴行事件で服役していた勝田州彦受刑者が犯行を打ち明ける供述をして警察の取り調べを受け、精神鑑定も行われて2018年には起訴されています。が公判前の争点整理が続いている状態で、いまだに公判が開かれる目処はつかないまま年を越してしまいました
2020年1月には、以下のような報道がありました


2004年9月3日に津山市で発生した小学校3年生の女児が殺害された事件で、別の事件で服役中だった勝田州彦被告(41)が2018年に犯行を自供していた件で供述について心理学の専門家に鑑定を依頼する事になりました。
この件では勝田州彦被告が犯行を供述した為に14年ぶりに事件が解決かというところで、供述は嘘だったと覆してしまいました。
勝田州彦被告はこの事件に関して弁護士から(有罪となった場合)死刑の可能性を伝えられた為、自分から認めてしまえば情状酌量で死刑は回避できると考えてした自供だと主張しました。
証拠が多くない状況なので、検察は供述した際の映像を証拠として提出しました。
対する弁護側は心理学の専門家に映像の鑑定をしてもらい、その供述の真贋を見極めようと依頼を決めました。
(NHKの記事から引用)


最近では自白を強要しているのではないか、との疑いに応じるため。取り調べの様子を録画するようになっています。この事件でも勝田被告の供述は強要されたのではなく任意である、と証明するため、録画された映像を証拠に使うのでしょう
ただし、録画は取り調べの雰囲気、威圧や強要がなかったという証明にはなっても、その供述内容が嘘か真かまでは分かりません。そこで専門家の鑑定の出番というわけです
淑徳大学の大橋靖史教授(「被尋問者による応答が法廷証言において果たす役割 : 借用された言葉が及ぼす効果」とか「供述の信用性評価における言語分析的アプローチの展開」等の論文あり)が鑑定を担当するのかもしれません
記憶にあるところでは今市女児殺害事件で勝又被告の自供が任意か強要されたものか、が問題になった際、取り調べの録画が証拠になったはずです。今回はどうなるのか、公判の場で明かされるのでしょう
さて、犯行について一つ、思うところを述べておきます
被害者には着衣の乱れはなく、わいせつ行為が目的であったとは考えにくい犯行でした。勝田被告は女児が苦しむ様を眺めて性的な興奮を味わうという変質者ですから、被害者の体をもてあそぶ必要はなかったと考えられます。女児がいきなり刃物で刺され、驚き、苦しみ、のたうつ姿を目にできれば、それで犯行の目的は達成されるのですから
よって、本件は勝田被告の性的嗜好が如実に反映された犯行だったと言えるのではないでしょうか?

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福井介護殺人 懲役18年の判決

高齢者が高齢者を介護せざるを得ないという、老老介護がもたらした殺人事件を裁く福井地方裁判所の判断は、懲役18年の実刑(求刑は懲役20年)でした
この判決が最終的な結論ではありません。控訴して争うなら、高等裁判所が心神耗弱を認めて減刑もありえます。それでも懲役13年くらいの実刑でしょうが


介護の末に義父母と夫の3人を殺害したとして、殺人罪に問われた福井県敦賀市道口、会社員岸本政子被告(72)の裁判員裁判の判決が5日、福井地裁であった。河村宜信裁判長は「介護疲れを契機とし、多分に同情の余地がある」としつつ、結果の重大性を踏まえ懲役18年(求刑懲役20年)を言い渡した。
判決によると、岸本被告は2019年11月17日午前0~2時半ごろ、自宅で義母の志のぶさん(当時95)、義父の芳雄さん(同93)、夫の太喜雄さん(同70)の首をいずれもタオルで絞め、窒息死させた。
裁判では、完全責任能力を主張する検察に対し、弁護側は「心神耗弱状態」と主張。被告の責任能力の程度がおもな争点だった。
判決は、被告が16年から義父母の介護と、脳梗塞(こうそく)の診断を受けた夫の世話を1人で担う負担から適応障害を発症したと認定したが、犯行前後の行動の合理性などから「適応障害の影響は限定的」として弁護側の主張を退けた。
そのうえで「献身的な介護を続け、対処能力を超え、追い込まれた」「これまでの被害者3人の殺人の事案と比較し、明らかに軽い量刑が相当」と言及しつつも「結果の重さなどから刑事責任は非常に重い」などと理由を述べた。
(朝日新聞の記事から引用)


前回も述べたようにケアマネジャーがどの程度介入し、関与していたのかが気になります
岸本政子被告が反対したとしても、義父母を施設に預けるよう説得できなかったのか?
殺害してからああでもない、こうでもないと論じたところで仕方のないところではありますが
地元紙である福井新聞の記事を読むと、親族が義父母のショートステイ利用を提案しても岸本被告が反対した、という経緯があったようです
なぜ、そうまで反対したのかは不明です。最後まで自分1人で介護することに固執したがゆえこの結果を招いたのですから、そこは明らかにしてもらいたかったのですが、裁判上は争点にならず法廷で問われる機会はなかったのでしょう
過去にも介護殺人の例はいくつかあるのですが、介護の状況や家族構成などまちまちですので、そこを無視して一概に論じるのは益のあるやり方ではないと思い止めておきます

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大友克洋「AKIRA」が名作であり続ける理由

劇場版アニメーション作品「AKIRA」が世界のアニメファンや映画ファンに大きな衝撃を与えた、というのは常套句のように用いられるわけですが、ではいったい何が衝撃だったのでしょうか?
いまさら、という話題ですが、そこに着目してみましょう
クーリエ・ジャポンの記事に、ワシントン・ポスト紙から転載された「大友克洋『AKIRA』が30年間世界に影響力を持ち続ける理由」というのがあります。前段だけ無料で、肝心な部分は有料扱いになっています。折角ですので会員登録をして有料扱いの分も読んでみました
引用は前段部分だけにとどめておきます

大友克洋『AKIRA』が30年間世界に影響力を持ち続ける理由
日本アニメ世界への「入り口」
通りで抗議の声を上げ、来るべき暴力的な攻撃に備え、政府の行き過ぎに対して市民がどう立ち向かうべきかを議論する光景。ここに、30年前の日本のアニメ映画が、今日の米国が抱える問題に今も共鳴し続ける理由がある──。
『アイアンマン』や『スパイダーマン』で知られるスーパーヒーロー映画群、「マーベル・シネマティック・ユニバース」は、日陰にあったポップ・カルチャーの価値をメインストリームへと引きあげた。しかしそのずっと前から、大友克洋の『AKIRA』は、西洋人を日本のアニメーションの世界へ引き込む、導入剤の役割を果たしていた。
1988年7月15日に日本で公開されたこの衝撃的なサイバーパンクアニメは、漫画が文化の垣根を超え、広く社会問題を扱い得るということを、世の中に知らしめた。
その複雑で未来的な都市景観の描写と、テレパシー能力を扱った刺激的な物語は、次世代のアートに影響を与え、カニエ・ウエストのミュージックビデオや、ネットフリックスのSFホラードラマ『ストレンジャー・シングス』といった作品を生み出していった。
(中略:「AKIRA」の粗筋紹介)
30年経っても衰えない影響力
『ストレンジャー・シングス 未知の世界』では、イレブンという少女が鉄雄と同様に、政府の施設から逃げ出し、超能力を持っていることを悟る。製作者のザ・ダファー・ブラザーズは2016年、『AKIRA』の影響が「とてつもなく大きなものであった」ことを、ネットフリックスのインタビューで語っている。
『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』の監督、ライアン・ジョンソンは、自身のSF映画『ルーパー』の着想源として『AKIRA』を参考にしたという。この映画では、ある少年が、自分を暗殺しようとする相手を念力だけで殺害できる能力を持つ。
ラッパーのカニエ・ウエストは、『AKIRA』を好きな映画の1つであると公言し、ヒット曲『ストロンガー』のミュージックビデオで、映画の鍵となる場面を組み合わせリメイク映像を制作している。さらに、人気のストリートウェアブランド、シュプリームは2017年秋、『AKIRA』の他、大友の作品とコラボしたコレクションを発表した。
(以下、略)


「AKIRA」が音楽、アニメーション、実写映画などに影響を与えたと紹介されています
では、それはなぜなのでしょうか?
有料扱いの部分でも、残念ながら明確な指摘はありません
書かれているのは、そのスケール感、色彩や細密な描画を駆使した独特のリアリズム、そして音楽といった羅列です
注目すべきは、従来の日本アニメーションにありがちな瞳の極端に大きな少年少女、という描写を用いておらず、日本のアニメーションの伝統的な表現方法とは別物、と指摘しているところです
が、これだけでは、「AKIRA」のどこが衝撃的だったのか、十分に解明されているとは言い難いのであり、「AKIRAは飛び切りクールだったぜ。初めて観たときはぶっとんだよ、HAHAHA」と書くのと同じでしょう
唯一、日本のアニメーションを研究しているウィリアムズ大学教授のクリストファー・ボルトンが「さまざまな音楽、クラシックから民族音楽にプログレッシブロックまで混在させた世界観」と語っていますので、和洋折衷の混沌とした作品世界に度肝を抜かれたとも解釈できます
映画「ブレードランナー」(1982年)には歌舞伎町をモデルにした猥雑な街が登場しており、大友克洋もそれを真似てネオ東京を描いているのですから、「AKIRA」が初というわけではないものの、観客を刺激したのは確かなのでしょう
さて、上記のワシントン・ポスト紙の記事は後段、日本のアニメーションをアメリカで実写化する問題について言及していますので、要約します
先に「GHOST IN THE SHELL」の実写化で、スカーレット・ヨハンソンが主人公草薙素子を演じ、轟々たる批判を浴びました。ハリウッドの人間は「原作アニメーションを知らないアメリカの観客に作品を観てもらうためには必要な措置(著名なハリウッド女優を主役に配置する)だった」と釈明しているのですが、こうしたハリウッド流のやり方こそ批判されていると理解できないようです
「AKIRA」の実写映画が近く公開されるとの噂があります。おそらく、ハリウッド流に改変された珍妙な映画になるのでしょう。期待はしません
ぐだぐだになってしまいましたが、「大友克洋『AKIRA』が30年間世界に影響力を持ち続ける理由」がこれで明らかになったとは思えませんので、後日また取り上げようと思います

アキラ AKIRA(1988) 劇場予告編


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高校生がパチンコ店強盗 300万円奪う

大分県中津市で高校生ら未成年者のグループ6人組が、営業を終えたパチンコ店へ押し入り金庫から売上金を奪って逃走する事件がありました
犯人グループは緊急手配による別府市内で逮捕されています
それにしても6人で刃物を持ち、押し込み強盗をやるという大胆さ、無鉄砲さには驚かされます


中津市東浜のパチンコ店に目出し帽をかぶったグループが押し入り、金庫の現金を奪って逃げた事件で、県警は3日深夜、強盗などの疑いで、高校生2人を含む市内の少年6人を逮捕した。捜査関係者によると、従業員を刃物で脅して縛り、売上金約300万円を持ってレンタカーで逃走。数時間後に別府市内で職務質問を受けた。いずれも容疑を認め、「遊ぶ金が欲しかった」などと供述しているという。
逮捕されたのは▼土木作業員(18)▼無職(18)▼高校生2人=いずれも(18)▼会社員2人=(17)と(18)。友人グループとみられている。
逮捕容疑は共謀し、同日午前0時50分ごろ、「マルハン中津店」で従業員に刃物のような物を突き付けて事務室に侵入し、金庫の現金や従業員2人の財布などを奪った疑い。
捜査関係者によると、店は2日の営業を終えた後だった。少年グループは帰宅するため駐車場にいた男性従業員を脅し、事務室に案内させたという。
中にいた男性従業員(30)と女性従業員(35)にも凶器を示し、それぞれの財布を奪った。さらに「金を出せ」などと言い、金庫を開けさせたとみている。
6人は見張り、現金の運搬、運転手などの役割を分担していたらしい。従業員は手などを縛られ、1人が拘束を解いて3日午前1時すぎに中津署へ通報した。
防犯カメラ映像などから現場周辺で不審な動きをしていた車が浮上し、県警は行方を追った。3日未明、別府市内の温泉施設の駐車場で、少年らの乗った車を別府署員が見つけた。車内には多額の現金があり、任意で事情を聴いていた。計画的に事件に及んだとみて詳しい経緯を調べている。
(大分合同新聞の記事から引用)


年末には郵便局やコンビニエンスストアを狙った強盗事件があちらこちらで発生するのですが、昨年末は目立つほどの発生件数はなかったように思います
パチンコ店でも防犯対策は講じているのでしょうし、強盗に入られた際の対応も訓練しているはずです。強盗の侵入を許さないのが第一ですが、押し入られたなら抵抗せず、金を渡すという対応もありです
昨今では外国人の強盗のように人を殺傷することをためらわない連中もいるわけで、従業員が自らの命を大切にするのは当然です(一部、インターネット上の書き込みには、高校生の強盗くらい撃退しろと主張している人もいますが)
さて、事件の方へ話を戻します
6人は中学生以来の遊び仲間だったと思われますが、誰も犯行を思いとどまるよう主張する人間はいなかったのでしょうか?
正月の営業で店の金庫に金が集まっていると推測した上の犯行ですし、レンタカーを事前に借りて足に使っており、十分に計画的な犯行です
強盗の罪は重いのですが、この6人は知らずに犯行へ走ったのでしょう。今後の裁判で自分たちの罪がどれだけ重いかを知ることになるでしょう
6人は警察から検察庁に送検され、そこから家庭裁判所へ身柄付きで送られます。検察庁での調べが終わったから家へ帰れる、などということにはなりません
家庭裁判所は6人の観護措置を決定し、少年鑑別所に収容されます。観護措置は更新期間も含めて最長4週間で、その間に家庭裁判所で少年審判があります。通常なら少年院送致決定となるところですが、強盗事件なので家庭裁判所は検察庁に逆送し、刑事処分が相当と判断するでしょう。検察庁はあらためて大分地裁に起訴し、刑事裁判で刑罰を決めることになります。強盗事件なので執行猶予付きの判決ではなく、実刑で懲役3年以上5年以下の不定期刑が科されるのではないか、と予想します
つまりそれだけ強盗犯は重く罰せられるのです
中学や高校の授業でも、強盗や強姦など重罪を犯せば少年といえども刑務所行きになるのだとしっかり教える必要があります

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児童養護施設職員が男児に強制性交で懲役8年

昨年12月の、群馬県の児童相談所に勤務していた非常勤職員(21歳)がわいせつ事件で逮捕された報道を取り上げる予定でしたが、類似した事件で2019年7月、北九州の児童養護施設に勤務する秋田将嗣が、施設の男子小学生や中学生に強制性交を繰り返していたとして逮捕された件の顛末を取り上げていませんでしたので、そちらを先に書きます
逮捕時43歳の秋田将嗣ですが、途中採用組で児童養護施設には約7年ほど勤務していたのだとか。それ以前の職歴は不明です
養護施設では過去に、児童への過剰な接触が問題であるとされ訓戒などの処分を科していましたが、改善はされないままだったようです
再逮捕を報じる記事と、2019年12月の判決を報じる記事をはっておきます


北九州市の児童養護施設の元職員が、入所する児童や生徒にわいせつな行為をしたとして逮捕された事件で、元職員の自宅からビデオカメラが押収され、別の中学生にもわいせつな行為をした上、撮影していたことが分かりました。
警察は元職員を再逮捕して実態を捜査しています。
再逮捕されたのは、北九州市にある児童養護施設の元児童指導員、秋田将嗣容疑者(43)です。
警察によりますと、秋田容疑者は、去年9月、当時、施設に入所していた男子中学生に対し、施設内の部屋でわいせつな行為をした上、ビデオカメラで撮影したとして、児童福祉法違反などの疑いが持たれています。
警察はこれまでに、同じ施設に入所する男子児童や男子生徒に性的暴行やわいせつな行為をしたとして、秋田容疑者を2度、逮捕し、ほかにも被害を受けた子どもがいないか捜査していました。
その結果、自宅を捜索した際にビデオカメラが見つかり、わいせつな行為を撮影していたことが分かったということです。
調べに対し、秋田容疑者は容疑を認めているということで、警察は、入所する児童や生徒にわいせつな行為などを繰り返していたとみて実態を捜査しています。
(NHKの記事から引用)


北九州市の児童養護施設に入所する子どもにわいせつな行為をしたとして児童福祉法違反(児童に淫行させる行為)や強制性交等などの罪に問われた施設の元職員秋田将嗣被告(44)に対し、福岡地裁小倉支部は3日、懲役8年(求刑懲役9年)の実刑判決を言い渡した。
鈴嶋晋一裁判長は、被告が児童を指導・監督する立場にあり、被害児童らに慕われていた面があったにもかかわらず、それらを悪用したと指摘。「社会に与えた不安も無視できない」とした。
判決によると、秋田被告は2016年1月ごろから今年3月にかけて、施設の宿直室や自宅などで、施設に入所する男子小中学生4人にわいせつな行為をし、うち1人についてはその様子をビデオカメラで撮影した。判決は、被告が以前から同様の行為を繰り返しており、常習性は明らかとも指摘した。
(朝日新聞の記事から引用)


秋田将嗣受刑者は未成熟な少年に対して異常な性欲を抱く、いわゆるショタホモだったわけで、そのような人物を養護施設が職員として採用したのが痛恨の極みでしょう。性犯罪者を施設の中に招き入れてしまったのですから
あれこれ検索してはみたものの、情報が乏しく秋田受刑者に前科があったのかどうかも分かりません。この年令に至っていきなり性犯罪というのは考え辛いのであり、少年に対するわいせつ事件の前科があったのではないか(あるいは逮捕されていないだけで)と推測します
逮捕時は「(男子中学生を)ホテルには連れて行ったが、わいせつ行為はしていない」と容疑を否認していた秋田受刑者ですが、自宅をガサ入れしたらわいせつ行為を撮影した動画が発見されています。自分が捕まるという危機意識もなく、動画はいわば戦利品であり、廃棄するという考えもなかったのでしょう
性犯罪を繰り返しながらも、罪の意識や良心の呵責といったものはなかったのでは?

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