スポーツおやじ

「息子がスポーツをやりたがらないからどうにかしてほしい」

相談の趣旨はそうした内容でした

小学生高学年になる息子に少年野球団に入るよう勧めたが、息子は「やりたくない」

の一点張りで拒絶したそうです

また別の機会に「剣道教室に通ってみないか」と見学に連れて行ったそうですが、そ

こでも同じように拒絶されたのだとか

見るからにスポーツマンらしいこのお父さんには、小学生に息子がなぜスポーツを毛

嫌いするのか分からず困惑しているようでした。しかし、あきらめずに「何とか息子を

説得する方法はないだろうか」と言われます

おそらくはこのお父さんは各種のスポーツに取り組み、こどものころからスポーツの

面白さや他者よりもそのスポーツに長けていることの優越感など、味わってこられた

のだろうと思います

成長期にあるこどもに水泳でも剣道でも野球でもやらせ、心身ともにたくましく育って

ほしいという親の願いはまっとうなものです

しかし、嫌がるこどもに無理強いしても成果は得られません

「馬を水飲み場には連れて行けるが、水を飲ませることはできない」と言います

アン・ウィルソン・シェフは「嗜癖する社会」(誠信書房)の中で「白人男性システムの

中で生きるよう強要されている社会」の問題を告発しています

つまり父親はタフで家庭を守る存在であり、母親は貞淑で家事をそつなくこなし、娘

は父親を尊敬してハイスクールのチアリーダーとして活躍、息子は父親に似てバス

ケットボールかフットボールが巧くて成績もよく・・・・、といった白人中流家庭の理想

像に自ら縛られ、そうでない事実が露見するのを恐れながら生活しているのだ、と

言いたいようです

およそ日本人からは想像もつきませんが、アメリカ南部の原理主義的なキリスト教

(ブッシュ前大統領もその一人でした)の社会で育つと、上記のような価値観がすり

込まれてしまい、それ以外の家族像は思い描けなくかるようです

日本の場合はどうなのでしょうか

最近ではスポーツ以外にもさまざまな習い事をこどもに勧めるのが当たり前になっ

ており、女の子はピアノやクラシックバレエ、英会話など掛け持ちするのも珍しくあ

りません

これは母親がこどもに「何かの才能があるはずで、それを開花させてやりたい」と

の思いを寄せているためでもあるようです

ですが、大事なのは「親がこどもに何をさせたいか」ではなく、「こどもが何をやりた

いと思っているか」だろうと考えます

上記のお父さんにそう指摘しましたが、理解はしてもらえませんでした


嗜癖する社会
誠信書房
アン・ウィルソン シェフ

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