節目、その先へ

4月1日はいろいろあってつかれました

家人からの報せで、面識のある女性が自殺したと聞いたのも疲労の原因の

一つだったろうと思います

亡くなったのはしばらく前の出来事だったそうですが

自分が何をどうすればよいのか考えたまま、しばらく固まっていました

死に直面して語るべき言葉をもたない自分を再発見した、と言うべきでしょう

か。何をどう語っても、彼女の死をどこかに位置付けられそうにないという気

持ちがしました

ただ、先日の書きましたが我々は人の死で歩みを止められないのです

彼女の死という事実を背負ったまま、その死がたとえ納得できなくても前へ

と歩みを進めるしかない。過去には戻れないのですから

人の死について考えるとき、自分は村上春樹の小説「ノルウェイの森」を頭に

思い浮かべます。いくつもの死が交錯する青春時代を描いた小説であり、口

の悪い人からは「おまえ、まだそんなもの読んでいるのかよ」と言われてしま

いそうですが、繰り返し手にする一冊です

自分の経験を一つ

「気分がすぐれない。生活に意欲がわかない」と相談に訪れた女性に箱庭を

試みたときです。彼女の描き出した箱庭では、砂の上に配置された動物たち

がすべて過去の方に顔を向けていました

過去に対して何か強烈な思い残しがあり、それが不全感の原因だろうと推察

しました

彼女が語ったところでは1年近く前に母親を病気で亡くしたそうです

母親の死を現実として受け入れ葬儀も済ませ1年を経過したのですが、実は

まだ彼女の中で母親の死を悼む「喪の作業」が終わっていないからだと自分

は解釈しました

母親に言いたかったこと、母親にしたかったこと、母親から言ってもらいたか

ったこと、母親にしてもらいたかったことなどなど、すべてが宙に浮いたまま

で、手に触れられないまま漂っている。そんなイメージです

「喪の作業」とはいまだ達成されない思い残しを、たとえば言葉にして語る行

為です

おそらく彼女は結婚式の前に母親から「おめでとう」と言ってほしかったので

しょうし、彼女も母親に「ありがとう」と言いたかったのです

それが母親の死によって実現不可能となり、宙に浮いてしまった

こうした思い残しを一つ一つ拾い上げ、言葉にするわけです

カウンセラーや分析家との間で語り、語られるという作業をする場合もあれば、

先にも触れたロールレタリングのように彼女から母親に手紙を書き、また母親

の立場になって返事を書く作業を繰り返す、などのやり方が考えられます

ロールレタリングは一人ででもやれるわけですが、気持ちの落ち込みや動揺

が激しい場合は第三者が見守り、ときには介入した方が安全です

喪の作業は過去を美化したり過去に耽溺するためのものではなく、思い残しを

整理して位置付け、前へ歩み出すためにするものです

村上春樹の小説「ノルウェイの森」は甘ったるい恋愛小説のように言われたり

もしますが、自分はこれを死と向き合う小説だと思って読みました

この小説についてはまた別の機会に書きます

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