結婚詐欺「練炭術師」の心の闇

女結婚詐欺師(体重100キロ)の話を続けます
聖学院大学の作田明客員教授(犯罪心理学)は「全体的に共感性のなさ、他人に対する思いやりにかける面がうかがえる」とした上で、「(不審死が)殺人かどうかは分からないが、(結婚詐欺で)迷惑を掛ける、人を傷つけたり踏みにじってもかまわないという自己中心的な性格が読み取れる」とコメントしています


判断材料が乏しい状況下でコメントを求められる有識者というのは、「大変だなあ」と思います
浮かび上がってくるさまざまなエピソードから人格の概要を描き、言動との相関性を検討するのですが、表立ったエピソードばかりに眼を奪われると本質を見失う危険もあります
気になるのは前にも触れましたが、大学を除籍になった後、どのような暮らしをしていたのか、という点です。それから結婚詐欺が殺人にまで飛躍した事情です
言い換えると、結婚詐欺で釣った男性を殺害する行為に彼女がどのような意味を込めていたか、ということです
殺害の動機としては「犯行の発覚を恐れ、殺してしまうしかないと思った」と法廷で語られるように、本人の行動の意味と同じというわけではありません
繰り返し述べているように精神分析は人の行為の意味を問う技法であり、動機や原因の究明とは趣を異にします
人の行為に無意味なものは存在しませんので、多くの男を誑かして金をせしめるには彼女なりの意味があったはずです。また、その男たちを自殺に見せかけて殺害したのにも彼女なりの意味があったと考えられます
さらにはセレブを気取った生活を演じたのにも、彼女なりの意味があったと考えます
この場合、他人から愛されたいとか、尊敬されたいとかいう気持ちは皆無で、自分はこれほど高級な人間なのだと他人に見せ付ける意図しか感じられません
東京に出てきて以来、彼女には友人と呼べるような存在はいなかったでしょうし、心を許す相手を求めたりもしなかったのではないでしょうか。すべては自分中心で、他者との関わりなど面倒でしかなかったと思います
つまりは自分のセレブ振りを見せ付ける対象として他者が存在しただけに過ぎず、彼女は常に鏡に映った自分しか見ていなかったのだと考えられます。もちろん鏡に映っているのは実像ではなく、彼女が思い描いた虚像でしょう
ですから、彼女に恋愛などするのは無理な話です。彼女が愛されたいのは体重100キロにまで太った現実の自分ではなく、鏡の中の虚像としての「セレブな私」なのですから。そんな要求をされても応じられる男性はいません

(過去の記事です)
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