大阪幼児餓死事件を考える2 下村容疑者の生い立ち

大阪のマンションで幼児2人が放置され、餓死した事件について再び取り上げます
前回は日刊ゲンダイの報道、「厳しい家庭で育ったはずなのに」を題材に書きましたが、その後の報道でも下村早苗容疑者の家庭はかなり問題があったとする内容が伝えられています
日刊テラフォーの記事では、「父親には二度の離婚歴があり、シングルファーザーの間は家事をする様子はなく、子供の面倒もあまりみていなかったという。そういったフクザツな家庭環境下で育った」と書いています


名門ラグビー部の監督という肩書きだけからその人となりを評価するべきではない、と言えます
ラグビー一筋と表現すれば世間では立派な生き方だと評価されるのでしょうが、実際は家庭を犠牲にし、家族を放置して自分のやりたい事だけをやってきたという身勝手な生き方でもあります
下村早苗容疑者がもし男の子でラグビー選手になりたいのなら、父親は過剰なまでに関わり、干渉し、世話をしたのでしょう
しかし、女の子である早苗容疑者にほとんど関心を示さなかったのかもしれません
あるいはこどもの言い分に耳を貸さず、ぶん殴って黙らせるタイプの父親だったのかもしれません
もちろんいまさら早苗容疑者の父親を糾弾しても問題は解決しませんし、何ら得るものがないのですが
産経新聞の記事では、もう少し詳しく早苗容疑者の生い立ちに触れています


本来なら荒れていた中学生時、何らかの手当が必要だったのでしょう
しかし、その心の中にある葛藤や鬱屈を解決するよりも、専修学校へ進んで高校卒業の資格を得るという形式ばかりを優先した結果、早苗容疑者が内に抱え込んだ問題は未解決のまま持ち越されたと考えられます
ただ、中学時代の早苗容疑者にどのような働きかけをするべきだったか、何をすれば有効であったかは難しい判断です
早苗容疑者の中学時代の問題行動は明らかに家庭に原因があるわけですから、父親を含めた家族療法によるアプローチが考えられます
しかし父親は自分の生き方やラグビー優先の価値観を改めるような人間ではないので、家族療法を受け入れ自分の養育態度を改めようとはしなかったでしょう
さらにこの父親はこどもの抱える問題に無理解ですから、心理療法の必要性すら認めなかったかもしれません
「あれをするな。これはダメだ」と行動を厳しく律し、規制すれば早苗容疑者の問題行動は改善するはず、という程度の認識しかも持ち得なかった可能性もあります
教育者、指導者と呼ばれる人間が、自分のやり方や考え方に自信を持っているがゆえに独善的になり、極めて狭い物の見方や受け止め方しかできなくなるパターンです
さて、この事件については若くて未熟な母親を批判する意見が圧倒的に多いのですが、それだけでこの事件の意味を語れるものではなく、家族や親子の在り方を含めて幅広い議論が必要だと思います

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