大阪幼児餓死事件を考える4 遊び歩く母親

大阪のマンションに幼児2人が放置され死亡した事件について、4回目の言及です
幼いこどもをマンションに置き去りにしたまま、外出し遊びまくっていた下村早苗容疑者の行動について、「信じられない」とか「理解に苦しむ」という反応がブログや掲示板で見られます
離婚後、2人のこどもを引き取り自活を目指したのもつかの間、養育を放棄して遊び歩くようになった下村容疑者ですが、「育児が面倒になった」というだけの理由だったのでしょうか?


何かもっと他の理由、原因が彼女の行動に影響していた可能性があるのかもしれません。現時点でそうだと断定する根拠はないのですが
たとえば下村早苗容疑者自身、両親の離婚を経験しており、父親はまったく家庭を顧みない人間だったようです
こどもの頃の親に見捨てられた生活が、下村容疑者の人格形成や思考に影響を与えた可能性は無視できません
2人のこどもを見殺しにした心情はまだ解明されていませんが、「親に見捨てられた自分=生きる価値のないこども」といった刹那的な見方が彼女の内にあったとも考えられます
一見奇妙で理解に苦しむような行動にも、その人なりに十分な理由があり、意味があると精神分析では考えます
例としてはあまり適切ではありませんが、東電OL事件で殺害された女性の日常も随分と奇妙で理解不能なのもとされました
東京電力に勤務するエリートOLの女性が、アフターファイブには木造のボロアパートで売春婦まがいの行動をしたり、ビール瓶を拾い集めて酒屋に持ち込み換金するといった行動を繰り返していた、というものです
この事件については以前にも当ブログで取り上げましたが、精神分析の側から見ればその奇妙な行動の持つ意味は十分に理解可能なものです

東電OL殺人事件

近親相姦的な願望を抱くがゆえに自分は悪い女の子として罰せられなければならず、その罰として数千円の金と引き換えに売春をし、父親に差し出さなければならないという屈折した幻想に自らを縛り付け、演じていたのだろうというのが自分の解釈です
この女性の摂食障害は愛情飢渇が影響しており、食べ物を拒絶するのは父親との近親相姦的な愛を拒絶しなければならないという理性と、それを求めてやまない欲望とが激しくせめぎあった結果なのでしょう
食べ物は愛情と同じ意味を持つと精神分析では考えます
下村容疑者がこどもたちに食べ物を与えなかったのは偶然の結果ではなく、親から十分な愛情を与えられなかった不満、恨みが、こどもたちに食べ物を与えないという行動へと駆り立てたと解釈できます。おそらく下村容疑者の心の奥に、そんな食べ物と親の愛情に関する飢渇と拒絶の物語が存在したのでしょう
親の愛情を求めつつもその思いが満たされない結果、親に対する憎悪や攻撃的な衝動が下村容疑者の中に育まれていたと思います。親の愛情を求めながらも激しく親に反発するという行動は矛盾していますが、人間はそうした矛盾だらけの行動を平然としてのけるものです

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