木曽川長良川リンチ殺人を考える3 再審請求

1994年に木曽川や長良川の河川敷などで4人を殺害したいわゆる「木曽川長良川

リンチ殺人」で、犯行当時少年だった3人の被告に3月10日、最高裁判所は死刑の

判決を言い渡しました

その3人の被告が判決を不服として再審請求をする、と朝日新聞が報じています


死刑確定の元少年3人、再審請求へ
http://www.asahi.com/national/update/0410/NGY201104090023.html


小林正人(36)、大倉淳(あつし)=旧姓・小森=(35)、芳我匡由(はが・まさよし)=
旧姓・河渕=(35)の3死刑囚は3月10日の最高裁の判決後、名古屋拘置所で朝日
新聞記者との面会にそれぞれ応じた。
「最も中心的で重要な役割を果たした」とされた小林死刑囚は、死刑が確定した背景に
少年事件の厳罰化の流れがあると言う。
被害者側にも非があると考えてきたが、「遺族の心情を考えて、本当の気持ちを抑えた。
検察が考える事件の構図で調書が作られ、裁判所はそれに基づいて判決を下した」と
話した。
大倉死刑囚は3人の中で1人だけ遺族と面会を続けてきただけに「気持ちは遺族に通じ
ていると思っていたのに」と語った。
判決前「死刑でも受け入れる」と語った際に、顔中にあった吹き出物は、判決後、薬でお
さまった。
死刑確定の心境を問われ、「まだ実感はないです。一生懸命生きて罪を償いたい」と答
えた。
芳我死刑囚は公判で「自分は指示された」と主張したが、最高裁の判断は「追随的・従
属的とはいえない」だった。
「死刑でもいい。真実に基づいて裁かれたい」と何度も言った。現在、罪を犯した少年少
女らの更生を支援する団体の代表を務める。
「非行に走る少年少女の多くが虐待を受けている。自分もそうだった。自分の体験を彼ら
の更生に役立てたい」と語った。


どこから突っ込めばよいか、と言いたくなる記事です

3人の被告は判決に対する思いが異なるようなので、個別に言及しましょう

小林死刑囚は、「被害者にも非がある」と言いたいようです。しかし、被害者の非をあげ

つらったところで、一方的に撲殺した彼ら3人とその仲間の罪状が消えたりはしません

結局、「少年事件厳罰化」の風潮により、「自分たちばかりが悪者にされた」との不満

が心中でくすぶり続けており、自分の罪と向き合う気はさらさらないように感じられます

大倉死刑囚は被害者遺族と面会してきたとありますが、それも「(謝罪の気持ちが)遺

族に通じていると思った」とする発言から、極刑を免れるための方便だったのかと疑いた

くなります。被害者に謝罪さえすれば死刑は免れられると、計算した上でのパフォーマン

スにすぎなかったのかもしれません

芳我死刑囚は自分が従属的な立場で犯行に関わったと認められなかったのが不満のよ

うですが、それが量刑の判断を覆す材料になるとは思えません

朝日新聞は芳我死刑囚が「罪を犯した少年少女らの更生を支援する団体の代表を務め

る」という事実を評価しているようですが、死刑囚を受難者のごとく持ち上げる偏奇な考

えをもった団体に担がれ名目だけの代表をしているのであって、評価すべき事なのかは

疑問です

判決前には、「死刑でも受け入れる」と発言しておきながら、結局は不平不満を並べて自

らの責任を他へ転嫁するだけなのか、と言いたくなります

拘置所は犯罪者を説諭したり改心させる場ではありませんから、事件から20年近く拘束

されていても3人の被告の頭の中は他者への恨み、憎悪で一杯のようです

彼らにとって罪の償いとは何か、とあらためて問い詰めたくなります

死刑を回避するため、あるいは自分が納得出来る判決(そのようなものが出るはずがあり

ませんが)が得られるまで再審請求を繰り返すのが、罪の償いなのでしょうか?

この3人には支援する団体がついていますので、今回に限らず何度でも再審請求を繰り

返すのは確実です

被害者遺族にとって、心が休まる日は来そうにありません

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十四歳の死刑囚
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花柳 幻舟

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