ハリケーンに直撃されたニューオリンズの今

東北地震に関連して、2005年にハリケーン・カトリーナの被害を受けたアメリカ南部の都市ニューオリンズの復興が遅々として進んでいない話を前に書きました

東北地震 「道路を6日で修復する日本」に驚く海外の声

そのニューオリンズの今を取り上げた記事がありましたので、再度言及します

ハリケーンに直撃されたニューオリンズの今

ニューオリンズとその周辺に住む150万人の人が被災し、多くの住宅が破壊され、水没した結果、住む場所を失った人たちはニューオリンズを離れて他所へ移るか、政府機関の提供する仮設住宅での暮らしを選ぶかの選択を迫られたわけです
記事ではもっぱら住居の話です。ハリケーンによって多くの人が職を失った事実には触れていません。その点では突っ込み不足の記事です
人々の生活の再建には住居の提供だけではなく職の提供が必要であり、それが地域の活性化には欠かせません
アメリカで報道されているニュースから部分的に引用したのみで、現地での取材はしていないのでしょう
それでもハリケーン襲来から5年経っても復興が思うように進んでいない状況は伝わってきます
日本なら被災者が居住する集合住宅を幾棟も建設するところでしょうが、アメリカではそれが難しいのかもしれません
アメリカにも低所得者向けの公営住宅があるのですが、そこはたちまち治安が悪化してしまい、犯罪の巣窟と化すのがパターンです
ですからニューオリンズでも、被災者用の公営住宅建設は巨大なスラムを用意するだけで、犯罪の温床を生み出す結果になるとの危惧があるのでしょう
さらにまた、別の事情も存在します
記事の中にあるトレーラーハウスですが、アメリカでは頻繁に目にする建物です
大型のピックアップトラックなどで牽引し移動できるようになっていますが、これが低所得者の住居として道路際に並んでおり、勝手に住み着いて人々が生活をしている光景がアメリカでは当たり前になっています。警察から退去を求められれば別の場へ移動するだけです
そしてアメリカ南部の街、ニューオリンズ周辺にはハリケーン襲来前からトレーラーハウスで暮らす低所得者が大勢いたという事情があります
アメリカの北部や内陸部は冬の気候が厳しいので、低所得者たちは冬でも温暖な南部を目指してトレーラーハウスで移動してくるのです
記事の中で、「ハリケーンの被害が大きかった地域は、経済的に貧しい人たちが多く住む地域だった。特にニューオーリンズは、全住民の35%が貧困層という、全米で最も貧しい町だった」とあるのは、こうした背景があるためです
トレーラーハウスの生活者の多くは被災しても帰る場所を持ちません
結局、政府機関が提供するテントかトレーラーハウスで仮住まいするしかないのです
したがって、ニューオリンズの状況がただちに日本の参考になるわけではありません
記事の末文のは環境にに配慮した住宅でニューオリンズが復興を目指していると書かれていますが、39戸の住宅展示場のような家で、果たして問題解決への展望がひらけるのは疑問です
日本の社会科の授業ではアメリカ南部を「サンベルトと呼ばれる工業地帯」と教えており、石油化学や航空宇宙関連などハイテク産業の盛んな地域だと説明していました
しかし、ニューオリンズの近況を見ていると、その授業内容が正しかったのかなと思ってしまいます

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