劇場版「文学少女」を見て

メディアはAKBの総選挙の話題に多大な時間を割いて報道していましたが、まったく興味がない自分は劇場版「文学少女」を視聴していました
原作であるライトノベル「文学少女」の名前は知っていましたが、未読です
原作も読まずにいきなり劇場版アニメーションを視聴するのもどうかと思いましたが、まずは見てから考ることにしました
劇場版の製作はプロダクションI.Gで、監督は多田俊介、脚本が山田由香です
原作のライトノベル5巻の「文学少女と慟哭の巡礼者」を軸に、他の巻のエピソードを繋ぎあわせて脚本が作られています

劇場版文学少女 予告


多田俊介監督が語る「『劇場版“文学少女”』の見せ場は“夜”です!」

予備知識もなく劇場版を見たため、若干の戸惑いはありましたが、十分にストーリーは堪能できました
作品のイメージを挙げるなら、スタジオ・ジブリの「耳をすませば」の世界に近いものがありると言えます
ボーイ・ミーツ・ガールを基本としながら、登場人物たちの情念や苦悩、葛藤が物語に彩りと深みを与え、視聴者の心を揺さぶってきます。原作の秀逸さがなせる技でしょう
特筆すべきは朝倉美羽役を担当する声優平野綾の演技です。苦悩し、愛と復讐に引き裂かれた朝倉美羽を巧みに表現しています。何かと世間を騒がせている平野綾ですが、ここではとても質の高い演技を見せてくれます
言うまでもないのですが、「文学少女」に見られるボーイ・ミース・ガールの胸をかき乱す物語は、中国や韓国には決して作れないと断言できます
さてこの劇場版「文学少女」ですが、評価は大きく分かれています
amazonのレビューは5段階評価なのですが、星3つの中間の評価はなく、上下にはっきりと分かれています。否定派は「原作の良さが生かされておらず、話を端折りすぎており、重要なエピソードが欠落している」と指摘しています
肯定派は「原作とは違うものの、これはこれで『文学少女』の形になっている。劇場版を見てから原作を読めば、より楽しめる」と指摘しています
原作を愛好する方からは不評を買っているようですが、自分は視聴後はしばし呆然とし、何とも言い難い感慨に浸っていました。この劇場版を映画館のスクリーンで見ていないのが残念でならないという気がします
もちろん作品の欠点は指摘されるとおり多々あるのですが、それで作品の価値を否定してしまうのはあまりに惜しいと思います
前にも書きましたが、「きまぐれオレンジロード」の劇場版「あの日に帰りたい」は原作者からも異論が提起される展開で、ファンからも批判がありました。しかし、あの物語は作者のストーリー・コンセプトとは異なる結果であろうとも、劇場版「あの日に帰りたい」によって完結を迎えたと自分は考えます
それが物語の可能性ではないでしょうか?
「文学少女」の小説はこれから読むつもりですが、劇場版作品の方もこれはこれで1つの物語世界を形にできたと言えます
あまり知名度の高い作品ではないのですが、「耳をすませば」を見て心を動かされた方には是非とも見てもらいたい1本です

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