女子大生を刺した神戸ストーカー事件を考える

産経新聞の特集「衝撃事件の核心」で、今年5月に起きた神戸のストーカー事件を取り上げています
神戸学院大学の女子学生が同校の卒業生であるかつての交際相手につきまとわれた末、大学内で包丁により刺された事件です

復縁断られ、愛情は殺意に…変装して被害者に近づいた被告 神戸ストーカー事件

事件当日の警察の対応は素早かったとは言えますが、警察官が現場へ急行しながら目の前で女子大生が包丁で刺され1ヶ月の重傷を負い、警察官も負傷している事実を考慮すれば十分な対処ができていたとは言い難いと感じます
そもそも逮捕された伊崎義晃被告(25)は、本件の1ヶ月前にも女子大生をホテルに監禁しネクタイで首を絞める暴行を加えています
話の流れを見ると、被害者である女子大生はこのとき被害届は出さず、刑事事件にしなかったようです
もしこの時に被害届を出し、拉致監禁及び殺人未遂で伊崎被告を逮捕させていたなら事態は違ったものになっていたかもしれません
このときは警察に被害届は出さずストーカー被害の相談という形をとったようですが、対処の方法としては甘いと感じます
「ストーカーの心理は○○だ」と一括りにするのは乱暴なやり方ですが、一定の傾向が認められるのは確かなようです
つまり自分の行動をストーキングであるとの自覚、相手に迷惑をかけているとの認識が極めて希薄な点です
伊崎被告もおそらくは「別れ話を持ち出した女子大生が悪い」と決めつけ、自分が彼女につきまとい復縁を求めるのは当然の権利だと考えたいたはずです。そのためなら刃物を持ち出すのも拉致監禁するのも何でもありで、目的のためにあらゆる実力行使が正当化されると考えていたに違いまりません
つまり説得や説諭など、全く効果がないのです
警察が指導し、「二度とつきまとったりしない」と誓約書を書かせたところで、それが抑止力として機能する可能性などないと考えるべきでしょう
警察官の指導など、心に響かないのですから(表面上は警察官にペコペコし、物分りの良さそうな態度を示すかもしれませんが、単なる演技です)
もちろん最初の監禁事件で伊崎被告を逮捕しても、裁判の結果執行猶予付き判決になり、裁判官が説諭して身柄を放す事態が推測されます。当然、伊崎被告は反省などせず、ストーカー行為を繰り返すはずです
ならば警察が伊崎容疑者をマークし、職務質問をして牽制するか、刃物の所持を現認して銃刀法違反で逮捕するしかないでしょう。2度目の逮捕で実刑になり、しばしの期間刑務所で暮らす結果になります
その間に頭を冷やしストーキングを諦めればよいのですが、諦められないのであれば刑務所を出た後、再び刃物を持って女子大生につきまとうのでしょう
こうなると根競べになります
ストーキングを繰り返して人生を棒に振る道を選ぶか、あるいは行動療法や精神分析療法を受けて問題行動の解消を図るか、本人に選ばせる必要があります。親族が本人を説得し、問題行動を解消させて人生のやり直しに取り組ませるのがベターだと思うのですが、なかなか難しい話です
行動療法でも精神分析療法でも、本人に問題行動を解消したいという意志が必要であり、本人の意志に反して強制しても効果は期待できないためです

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