日仏合作の珍アニメ「ルパン8世」

海外との共同製作アニメーションを紹介しています
日仏合作のアニメーション「ルパン8世」については、2007年に「トリビアの泉」で紹介されており、ご存じの方も多いと思います
1982年頃、東京ムービー新社とフランスの企業との合作で製作が進められたものの、数話を作っただけでお蔵入りになったしまった作品です
監督をりんたろうが務めていますので、かなり本腰を入れた企画だったのでしょう
ルパン三世の子孫であるルパン8世が宇宙を舞台に活躍するストーリーで、ルパン8世は泥棒稼業から足を洗って私立探偵をやっている設定になっています
が、それも表向きで実際には泥棒稼業を続けており、銭形警部の子孫から追われる身の上です
1982年から83年にかけて、「アニメージュ」などの雑誌で、作品の概要が紹介する記事が数回掲載されましたので、公開に向けて動いていたのは確かなようです
非公開となった理由は版権の問題とされていますが、詳細は不明です
「アルセーヌ・ルパン」の原作者であるモーリス・ルブランの子孫が、「ルパン」の名を使うのに反対したためと言われていますが、実際はどうだったのでしょうか?
著作権の問題はおそらくフランス側企業が解決する役割を担っていたと思われるのですが
さて、この「ルパン8世」を企画したのはフランスにおけるアニメーションの仕掛人、ハイム・サバンなのだそうです
ハイム・サバンはフランスで大ヒットした日本製アニメーション「UFOロボ・グレンダイザー」にも関わった人物です。フランスでは「ゴルドラック」のタイトルで放映され、こどもを夢中にさせました
平均視聴率75%(最高視聴率100%)という記録が残っており、「ゴルドラック」の主題歌は100万枚を越えるヒットになりました
この主題歌を作曲したハイム・サバンは大儲けし、メディア事業に進出することになります
そこで彼が手をつけた企画が「ルパン8世」です
さらには日本の「戦隊ヒーロー」物の放映権を買い、「パワーレンジャー」としてアメリカに紹介し、大ヒットさせたのもハイム・サバンです。実にやり手のプロデューサーだったのでしょう
話が逸れてしまいました
ルパン三世は1971年にTV放映されましたが、あまり人気がありませんでした。しかし、全国の放送局が夕方からこども向けに再放送するようになって人気が確立し、1977年から第2期シリーズが製作・放送されています
「ルパン8世」の企画が1982年ですから、第2期シリーズの成功を受けて海外展開を考えたとしても不思議ではありません
しかし、フランス側の放送コードによる縛りがあり、こども向けアニメでタバコを吹かすシーンはダメとか、ルパンが大口を開けて笑い転げるような下品な仕種はダメとか、制約があったようです。そのためルパン8世の相棒である次元はタバコを吸わず、キャンデーを口にくわえています
そうやって製作を進めたものの、結局はお蔵入りになってしまったわけで、共同制作の難しさを示しています
テレビ局の放送コード、相手国社会の慣習や価値観、宗教上のタブー、著作権やスポンサーを巡る交渉などなど、解決しなければならない問題が山ほどあります

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