第145回芥川賞・直木賞候補作発表

夏の芥川賞、直木賞の候補作品が発表されました
新旧混じえた顔ぶれになっています

芥川賞候補 石田千(せん)「あめりかむら」(新潮2月号)、戌井(いぬい)昭人「ぴんぞろ」(群像6月号)、円城(えんじょう)塔「これはペンです」(新潮1月号)、本谷有希子「ぬるい毒」(新潮3月号)、山崎ナオコーラ「ニキの屈辱」(文芸夏号)、水原涼「甘露」(文学界6月号)

直木賞候補 池井戸潤「下町ロケット」(小学館)、高野和明「ジェノサイド」(角川書店)辻村深月(みづき)「オーダーメイド殺人クラブ」(集英社)、葉室麟(りん)「恋しぐれ」(文芸春秋)、島本理生「アンダスタンド・メイビー」(中央公論新社)

芥川・直木賞候補決定、21歳の北大生も

芥川賞では北海道大学の学生である水原涼が21歳という若さで注目されています
若いというだけで注目されるべきかどうかは議論があるのですが、この場合は若さ=可能性という解釈で期待視されるのでしょう
直木賞候補に挙がっている島本理生も18歳で「シルエット」が第44回群像新人文学賞優秀作に選ばれ注目された作家です。母子家庭に育った自身の経験を反映した「リトル・バイ・リトル」が芥川賞候補となり、「生まれる森」、「大きな熊が来る前に、おやすみ。」の2作品も芥川賞候補に挙げられましたが受賞に至りませんでした
今回は直木賞候補にノミネートされたわけですが、どうなるのでしょうか?
複数回の候補といえば、芥川賞候補の山崎ナオコーラも今回で4度目のノミネートになります
芥川賞は新人を対象とした賞ですから、これが最後の機会でしょう
直木賞候補には池井戸潤や高野和明といった、エンターティメントの分野で定評のある中堅作家もノミネートされています
しかし、芥川賞・直木賞とも14日に決定されますので、それまでに選考委員が候補作品に目を通し考慮する時間があるのかは疑問です
宮本輝は候補作品をまったく読まず、文芸春秋社(賞を運営する日本文学振興会は文芸春秋社の社屋内にある)の社員に候補作の内容を教えてもらい、どれを推すか決めているのだそうです
候補となった作家に対してあまりに非礼でしょう
林真理子のブログには数年前、「候補作品の本が届いた。これから読まなければならないので大変だ」といった記述がありました
複数の文学賞の選考委員を兼ねている作家は、読まなければならない候補作品が多いので大変です。本当に読んでいるのかは分かりませんが
芥川賞も直木賞も作家にとっては最終的な目的ではなく、通過点に過ぎません
むしろ、賞を獲った後に何を書くかが重要なのでしょう
その意味では、芥川賞を獲った作家の中から大物が台頭してこない現状は寂しい限りです

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