渋谷ライブハウス放火未遂事件を考える1 殺人の衝動

8月31日の夜、渋谷のライブハウス「チェルシーホテル」で催涙スプレーを撒いて逮

捕された島野悟志容疑者(23)は、ガソリンで放火も企てていたと報道されています



放火したなら出入口が一箇所しかない地下のライブハウスなので大惨事になってい

たはずであり、犯罪史上稀な無差別大量殺人になったに違いありません

もとより島野容疑者にライブハウスやその観客に対する怨恨はなく、人の集まる場で

多くの人を殺害しようという殺人の衝動に駆られた行動です

島野容疑者は17歳のとき、公園で遊んでいた4歳の男児の頭をハンマーで殴打し、

重傷を負わせる事件を起こして少年院に送致されています

当時から殺人の衝動を心の中に宿していたのは明らかですが、少年院の矯正教育が

こうした衝動の解消・緩和に役立ったのか疑問です

一般にはこうした少年の殺人(殺人未遂を含む)は、「命の大切さが分かっていないか

らだ」と言われますが、命の大切さを理解出来ないから殺人衝動に駆られるとは限り

ません

「命の大切さ」という情報を吹き込む教育を施せば、殺人衝動が解消ないし緩和される

と少年院が考えているのでしょうか?

この辺りは是非とも問い質してみたいところです

非行少年の行動について、教育学では誤った学習の結果であると考えます

つまり正しい学習によって正しい情報、行動を習得させれば問題は是正される、と考え

るのが基本的な立場であり、こうした前提の上に少年院の矯正教育は成立しているの

です

が、そうした働きかけが心の内奥にある殺人衝動を解消させられるのか、自分は疑問

に思うのです

たとえば大阪教育大附属池田小学校で小学生を襲った宅間死刑囚のような人物に、い

くら「命の大切さ」を説いても行動が改善されるとは考えられません

宅間死刑囚は精神異常ではなく、善悪の判断もできたとのですが、それでもなお幼い

こどもたちを1人でも多く殺してやろうとする衝動を内に宿していました

むしろ「命を大切さ」を理解していたからこそ、踏みにじってやろうと考えていたとも言え

ます

島野容疑者が少年院でどのような教育を受けたのか、どの程度の矯正効果があったの

か、裁判が始まれば法務省が明らかにするのかもしれません

その上で何か必要なのか、何が足りないのか、大いに議論されるべきでしょう

(関連記事)
渋谷ライブハウス放火未遂事件を考える2 殺人衝動の起因
http://05448081.at.webry.info/201109/article_4.html
渋谷ライブハウス放火未遂事件を考える3 動機という物語を読む
http://05448081.at.webry.info/201109/article_23.html
京都の中学生 30人が決闘騒ぎ
http://05448081.at.webry.info/201108/article_52.html
木曽川長良川連続リンチ殺人の少年被告3人に死刑判決
http://05448081.at.webry.info/201103/article_20.html
木曽川長良川連続リンチ殺人を考える 暴走する少年
http://05448081.at.webry.info/201103/article_23.html
木曽川長良川リンチ殺人を考える3 再審請求
http://05448081.at.webry.info/201104/article_29.html

無差別殺人の精神分析 (新潮選書)
新潮社
片田 珠美

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 無差別殺人の精神分析 (新潮選書) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル