海老蔵主演「利休にたずねよ」 モントリオール映画祭で受賞

山本兼一の小説を映画化した「利休にたずねよ」が、第37回モントリオール世界映画祭で最優秀芸術貢献賞を獲得した、報道されています。日本映画としては23年ぶり3作目の受賞なのだとか


歌舞伎俳優・市川海老蔵が主演を務めた映画『利休にたずねよ』(田中光敏監督)が現地時間2日、カナダで行われていた第37回モントリオール世界映画祭で最優秀芸術貢献賞を受賞した。千利休を演じた海老蔵は舞台出演のため同映画祭への参加はかなわなかったが、配給の東映を通じて「本映画で、400年前、日本人の美の原点を創り上げた千利休という偉大な人物を勤め、大きなプレッシャーを感じておりましたが、日本の美意識や文化が海外でも理解していただき、そして評価され大変うれしいです」と喜びのコメントを寄せた。
また、現地入りしている千利休の妻・宗恩役の中谷美紀は受賞に際して、「本当に最後に至るまで、美に対して、芸術に対して追い求めていらっしゃいました」と田中監督と海老蔵の撮影中の様子を明かすと、「この作品はセリフが極端に少ないので、行間に込めた思いをどのようにくみ取っていただけるかと思っていましたが、沈黙の中に心のひだが幾重にも折り重なっているのを感じていただけたのではないでしょうか」とそうした努力が報われたことを喜んだ。
それだけに中谷は、海老蔵の不在が残念でならないようで、「本当ならばここに海老蔵さんにもいていただきたかったので、いらっしゃらないのが本当に残念です」と心残りな様子だった。
同作は、第140回直木賞を受賞した山本兼一の同名小説を映画化した歴史ドラマ。千利休の若い頃の恋を通じて、彼の美への情熱と執着を描き出す。出演は海老蔵、中谷のほか、大森南朋、伊勢谷友介など。同映画祭ではワールドコンペティション部門に出品されていた。
(シネマトゥディの記事から引用)


ちなみに過去にモントリオール世界映画祭で最優秀芸術貢献賞を受賞した映画は勅使河原宏監督の「利休」です
「利休」絡みで受賞という背景を考えると、茶道=芸術という理解(刷り込みとも言えます)が審査する側にあると言えます

勅使河原宏監督「利休」


なかなか豪華なキャストが演じていました
三國連太郎演じる利休を見てしまうと、これに対抗するのはなかなか大変だな、と思ってしまいます
秀吉という暴虐な権力者に対峙した芸術家、という位置づけです
この重厚な三國連太郎の演技に、市川海老蔵がどのような演技で立ち向かうかもみどころの1つでしょう

市川海老蔵・主演最新作『利休にたずねよ』 予告編



原作者山本兼一の説明では、「利休を描いた先行作品ではわび、さびが強調されているもののそれだけでは利休の本質をとらえているとは思えない。井上靖の『本覚坊遺文』では、余計なものを削ぎ落した結果、そこには死が残ると考え、それを利休の茶道の本質だと示した。が、自分はそれとは違い、余計なものを削ぎ落した結果、そこには命が残ると考えた。命は恋から生まれる。だから利休の恋を描こうとした」と述べています
この場合の恋とはエロスであり、利休の茶の本質はエロスであると解釈したわけです。これはなかなかの見識です
市川海老蔵がエロスをどう表現するのか、興味が湧いてきます
利休以前の茶道が、中国や朝鮮から渡来した珍しい器、高価な道具を並べた大名やら公家の自慢大会だったとの見解も斬新です
井上靖の「本覚坊遺文」も映画化されており、そちらは第46回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞しています
「利休を映画化すると海外でウケる」と決めつけるのは早計ですが、「そこに何やら深遠な日本の美が表現されているらしい」と思わせる部分はあるのでしょう

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