佐世保高1女子殺害事件を考える4 サインを見逃す

青少年の事件、いじめ、自殺に関しては、その前兆となる行動について「サインを見逃すな」としばしば指摘されます
しかし、受け手の側にそれらの問題を行動をサインとして認識できる能力が欠けていれば、いくら「サインを見逃すな」と叫んでも通じません
今回の佐世保の高校1年生女子が同級生によって殺害された事件でも、関係者が犯人である少女の問題行動を見逃していたり、理解していなかったと報道されています

(引用元記事が削除されました)

事件の直前に、少女の通院していた精神科の医師が、「小動物の解剖をしている。このまま行けば人を殺しかねない」と、長崎県の児童相談所へ通報したのは妥当な判断でした。しかし、それをなぜ県の児童相談所は放置してのでしょう?
別の報道によれば、「匿名だったので対応できなかった」と県側は釈明しているのだとか
相手が精神科医ならば患者の秘密は守ると約束した上で、児童相談所の担当者が直接医師を訪問し、詳細な説明を求めるべきでした(電話で話をするのが不適切だと思ったならば)
小学生時に給食に異物を混入させるという特異な事件を起こした少女を、児童相談所の側が把握していなかったとは考えられないのですが、上記の記事では教育委員会から児童相談所への通告があったかどうかは触れていません。警察にも通報しなかったと書かれていますので、児童相談所の側にこの少女の存在がまったく伝わっていなかったように映ります
教育委員会の側も、「あそこは家庭がしっかりしているから問題はない」と軽く見ていた可能性が考えられます
あるいは「成績が優秀だから問題はない」と考えていたのかもしれません
小中学生の問題行動の多くは成績の悪い児童・生徒が起こすものであり、学校の成績が良ければ本人の抱える問題まで「大したことではない」と見過ごされる傾向があります
学校・教育委員会は児童・生徒に問題行動があればそれを児童相談所に通告する義務を負っています。これを怠っていたとすれば、重大な懈怠であり、判断ミスでしょう
「児童・生徒の問題は学校が解決するもの」との思い込みが、こうした独善的な行動を導き出したと言えます
こうした事件が起こるたびに、「関係機関との連携を強化する」とお題目のような改善案が提起されるのですが、問題が共有化されないのでは話になりません
10年前の事件の教訓を生かしていなかったのは学校関係者・教育委員会の人たちです
またも、「関係機関の連携を強化するべきだ」などという改善案を提起するのでしょうか?

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