佐世保高1女子殺害事件を考える8 再逮捕の狙い

連日、殺人事件ばかり話題にしています。気になっている事件のその後、を報じる記事が相次いでいるためでもありますし、自分の関心の根幹を今一度掘り起こし、再確認しようと思い立ったからでもあります。お付き合いいただければ幸いです
さて昨年7月、長崎県佐世保市で女子高生が同級生の女生徒を殺害した事件があり、その異常な犯行で世間を震撼させたのは記憶に新しいところです
この事件もまだ裁判には至らないままです。長崎県警は父親殺害未遂の容疑で犯人である少女を再逮捕する、と報じられており、裁判はさらに先送りとなります


佐世保女子高生殺害:少女再逮捕に弁護側が長期拘束化批判
長崎県佐世保市の高1同級生殺害事件で、殺人容疑で逮捕された少女(16)が事件の約5カ月前に父親=昨年10月に自殺=をバットで殺害しようとしたとして、県警は20日、少女を殺人未遂容疑で再逮捕した。再逮捕を巡っては、県警などが「同級生殺害に至る経緯を調べるため必要」と主張する一方、識者からは少女の拘束長期化に批判も出ている。
再逮捕容疑は、昨年3月2日午前3時過ぎ、佐世保市の実家で就寝中の父親の頭などを金属バットで数回殴り、殺害しようとしたとしている。父親は頭部などに2週間のけがをした。容疑を認めているという。
少女は昨年7月26日、同級生の女子生徒(当時15歳)を自宅マンションで殺害したとして逮捕された。翌8月から鑑定留置され、期間は2度の延長で約5カ月間に及んだ。今月16日に県外の医療機関から県警佐世保署に移送された。捜査関係者によると、精神鑑定の結果、少女は刑事責任能力があるとみられており、長崎地検は「刑事処分相当」の意見をつけて家裁送致することを検討している。
捜査関係者によると、少女は母親が一昨年亡くなって死に強い関心を持つようになり「誰でもいいから殺したくなった。身近な父を殺そうとしたが殺しきれなかった」などと供述。県警などは、同級生殺害事件の経緯を調べるうえで、父親殴打事件の捜査が欠かせないと判断した。また、県警幹部は「被害者遺族のため、社会正義のため、すべてを審判してもらわなくてはいけない」と話す。
一方、少女の弁護人は20日、「長期の拘束は少年法の趣旨から看過できない」などとして、長崎地検の勾留請求を却下するよう裁判所に申し入れた。
(毎日新聞の記事より引用)


鑑定留置の期間が2度も延長されたのは、その間に少女の父親が自殺するいう特殊な事情もあって、十分な精神鑑定結果が得られなかったからなのでしょう
いまのところ精神鑑定では、「犯行当時、心神耗弱状態ではなく十分な責任能力があったと認める内容だと伝えられていますが、犯行動機まで踏み込めたのかどうかは明らかにされていません
警察の再逮捕の狙いも不明確ですが、父親を金属バットで殴打し殺害しようとした事件が、本件である同級生殺害にどう結びつくのか、その筋道がきちんと立証できないところに不安を覚えたからでは、と憶測します
弁護側は長期間の勾留、取り調べはけしからんと抗議しているわけですが、どのみち彼女の居場所は拘禁施設しかないのであり、野放しにはできない理由があります(自殺の懸念があります)
また、捜査関係者によると、遺体の一部を解体したとされる少女は鑑定前の調べ対して、「中途半端に終わった。 全部解剖してみたかった」と供述していると報じられています
この発言だけを過大に解釈するのは危険を伴うものの、「誰でもいいから人を殺してみたかった」という彼女の発言は、事件の本筋から離れたもののように思えてきます。金属バットで父親を殴り殺そうとしたのも、決して誰でも良かったからではなく、父親を狙うだけの理由があったと考えるべきでしょう
同級生を殺害したのもたまたまとか偶然ではなく、自分の身代わりとなる少女を解剖してみたかったから、と推測できます。つまり彼女は自分自身を解剖し、肉体の中から何かを探しだそうしていた可能性が浮かんできます
彼女自身のアイデンティティなのか、出自の秘密なのか、何か根源的なものを見つけようとしていたのかもしれませんし、それを見つけなければならないという強迫観念にとらわれていたのかもしれません
もちろん、これは仮説の1つにすぎず、そうと断定できるものではないと申し上げておきます

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