レアアース回収技術を極める日本の科学力

中国メディアは相変わらず、日本がレアアースの加工技術を独占しているのは許せないとか、日本が大量のレアアースを備蓄しているのはけしからん、などというトンチンカンな記事を発信しています
技術を開発するための研究努力、投資といったものを理解せず、技術を盗むことしか考えていない中国らしい考えです
さて、廃棄されたパソコンや携帯電話からレアアースを回収するための技術について、今回は取り上げます。主役は「温泉に生息する藻」です


筑波大の蓑田歩(あゆみ)助教(植物分子生理学)らが研究しているのは「ガルディエリア・スルフラリア」という藻類。名湯として知られる草津や登別(北海道)など酸性の温泉で生きている。
細胞に核を持つ生物の中で最も酸性に強く、水素イオン指数(pH)0・1の強酸性にも耐える。硬い細胞壁を持つため乾燥にも強い。草津温泉で露天風呂などの岩肌が緑色になっているのは、この藻類が繁殖しているためだ。
直径100分の1ミリ程度の単細胞生物。37~56度のお湯に生息し、金属を高濃度に含む溶液中でも死なない。「非常にストレスに強い生き物」(蓑田助教)として以前から知られていたが、あまり注目されていなかったようだ。
強酸性で高効率
研究チームは、この藻類が極限的な環境で生き抜く点に着目。廃棄された電子機器から金属を回収するのに利用できる可能性があるとみて、2011年に研究を始めた。
携帯電話やパソコン、ハイブリッド車などのハイテク製品は、希少金属やレアアース(希土類)が材料に欠かせない。日本はこれらの資源を輸入に頼っており、「都市鉱山」とも呼ばれる製品の廃棄物から効率的に回収し再利用する技術が求められている。
廃棄物から希少金属を取り出すには、まず金属を強い酸で溶かして廃液にする。従来はこれを活性炭や化学物質で処理して回収してきたがコストが高い上、廃液中の濃度が低い微量の金属は回収できない。低コストで環境に優しい微生物を使う方法も研究されているが、強酸性の廃液では回収率が大幅に低下してしまう課題があった。
そこでこの藻類を調べたところ、0・5ppmの低濃度の金とパラジウムをそれぞれ90%以上の高い効率で回収できることを発見。濃度は従来法の10分の1と低く、微生物の弱点だった強酸性も克服した。
回収は藻類の細胞表面をプラスの電気を帯びた状態にして行う。金とパラジウムは廃液中で塩素などと反応し、マイナスの電気を帯びるため細胞表面に吸着する仕組みだ。
レアアースの回収能力もある。10種類の金属を低濃度で含む廃液で実験したところ、ネオジムとジスプロシウムを70%の効率で回収できた。メカニズムは細胞表面への吸着ではなく、細胞内部に吸収する別の仕組みだった。
(以下、略。産経新聞の記事から引用)


記事の中にあるネオジムは、鉄やホウ素を主成分とする希土類磁石の原料の一つとして知られ、ネオジム磁石は永久磁石の中最も強力とされます。さまざまな産業分野に用いられる製品でもあります
こうした藻類の研究も、地道な取り組みの結果、その用途が注目されるに至ったものですが、中国人の感覚からすれば「何の役に立たない温泉場の藻の研究」など愚か者も所業にしか見えないのでしょう
さて、中国にはなんと1900校以上もの大学が存在し、年間に入学する学生は650万人に達するのだそうです。教育機関としては何かしらの役割を果たしているのかもしれませんが、研究機関としてはどうなのでしょうか?
先述したように、中国ではレアアースを精製し、ハイテク部品の材料に加工する技術が必要とされているのですが、そうした技術の研究に取り組んでいるのか、成果を挙げているのかは不明です。中国関係のニュースを見ても、中国の企業や大学が新たなネオジム磁石の開発に成功した、なんんて記事は見た記憶がありません
例えば東芝は、2012年に「中国に偏在するレアアース(希土類)であるジスプロシウムを使わないモーター用磁石を開発したと発表した。豪州や米国に豊富にあるサマリウムを主体としており、一般的に利用されている強力なネオジム磁石と同等の磁力を実現した」と発表していたりします
こうした研究開発についても中国メディアの手にかかると、「日本は技術を盗むのがうまい」といった低レベルの話になってしまいそうです

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