京都連続不審死事件 アルツハイマー型認知症

再婚話を持ちかけて男性に取り入り、次々と青酸化合物を使って殺害しては財産を奪おうとした筧千佐子被告の裁判について、またもや言及します
この裁判は検察側の立証に対し、弁護人は殺害への関与を全面否定して無罪を主張しており、争点だらけです。しかも筧被告の訴訟能力(裁判の場で自分を守るための判断力が著しく低下している、と弁護人は主張)も問われています
そのため公判は48回も予定され、判決は11月と設定されています
裁判員裁判では事前に争点整理を行い、裁判員の負担を減らすため公判の回数をできるだけ少なくするのですが、この裁判はまったく異例です
さて、裁判の争点の1つ、筧被告の認知症に関し以下のように報じられています


青酸化合物を使った近畿の連続殺人事件で高齢者4人への殺人罪などに問われた筧千佐子被告(70)の裁判員裁判が13日、京都地裁(中川綾子裁判長)であり、被告を精神鑑定した医師が「現在、軽度のアルツハイマー型認知症」としたが「犯行に精神疾患の影響はない」と証言した。
被告について、事件の当時は特に精神疾患がなかったが、逮捕後の平成27年ごろに記憶障害を発症したと説明。認知機能の低下がゆっくり進行する懸念があるものの、利害の判別は付き、公判で自己を守る能力はあるとした。
京都地裁は公判前整理手続きで、弁護側の請求で精神鑑定し、責任能力や訴訟能力に問題はないと判断された。
弁護側は「被告が認知症で事件当時に善悪を判断できず、公判で自己を守る能力もない」と無罪を主張。検察側は、取り調べ段階で認知症を発症したとして「軽度で能力の低下は著しくない」としている。
これまでの被告人質問では、25年に亡くなった夫の勇夫さん=当時(75)=の殺害を認めた一方、記憶があいまいだったり、質問と答えがかみ合わなかったりした場面も目立った。
(産経新聞の記事から引用)


7月10日、12日の公判では勇夫さん殺害を認めた筧被告ですが、それ以降の公判では「(殺害を認める供述をしたことを)覚えていない」と言い出すなど、証言は一貫していません
ですが、犯行時においてすでに善悪の判断がつかないほど認知症が進んでいたかのような弁護人の主張は信ぴょう性に欠け、納得できません
いくつもの結婚相談所に会員登録し、カモにする男性を物色して当時、筧被告が認知症で善悪の判断がつかなかったのでしょうか?
金に対する執着が著しかった筧被告が、損得の勘定ができなかったとは思えないのであり、認知に対する障害が顕在化したのは逮捕・勾留後だろうと推測します
本件は別にしても、高齢者の運転する車がコンビニエンスストアに突っ込んで人を死傷させたり、高速道路を逆走して対向車と衝突する事故が発生している現状ですから、認知症の高齢者の刑事・民事上の責任に関して、もっと注目されてよいのでないか、と思います
筧被告の認知障害はこのまま進行するわけであり、犯行時の記憶を辿るのも困難になる日がくるのでしょう
それを踏まえ、裁判所がどう判断するか注目されます
しかし、3人を殺害し、1人を殺害しようとした犯行は非道なものであり、認知症だから刑罰は猶予すべきではないと考えます(3人を殺害したと認定されたなら死刑は免れません)

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