宗教法人「紀元会」リンチ殺人事件で3700万円の賠償命令

先日、インチキ祈祷師による悪魔祓いと称した暴行死亡事件の裁判を取り上げたところですが、似たような事件は珍しくなく、宗教行為に名を借りた陰湿な暴行事件が現代の日本でも繰り返されているのが現実です
宗教を否定する気はないものの、宗教行為だと言えば何をしても許されるわけではないのであり、人命を損なう行為は宗教の名を、価値を損なうものでしかありません
今回は2007年に長野県の宗教法人「紀元会」で起きた、女性信者に対する集団リンチ殺害事件を取り上げます。事件は2007年9月に起きたのですが、殺害された女性信者の遺族が損害賠償請求の訴えを起こしており、東京地裁が今年3月に「紀元会」とリンチに加担した信者に対して3700万円の支払いを命じました


長野県小諸市の宗教法人「紀元会」で2007年、女性(当時63歳)が集団で暴行され死亡した事件を巡り、女性の次女(36)が慰謝料などの損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は2日、紀元会と会員らに計約3700万円の支払いを命じた。
判決によると、女性と次女は07年9月、紀元会内部のもめごとを理由に、施設内で会員らから集団暴行を受けた。次女はけがをした。
判決で東亜由美裁判長は「凄惨で危険な暴行が執拗に続いた」と指摘。紀元会側が事実と異なる証拠を提出するなど不適切な訴訟対応があったことも認定した。紀元会は「控訴して争う方針」としている。
次女の弁護士によると、事件を巡っては、暴行を主導したとして傷害致死や犯人隠避教唆などの罪で元幹部の有罪が確定している。
(毎日新聞の記事から引用)


上記の記事だけでは事件の詳細が理解できないため、事件内容を伝える報道の一部を引用します
「紀元会」の創設者の娘である窪田康子が、教団の元京都支部長で教団内に影響力を持っていた奥野元子さんを追い落とすため、口実を設けて信者をけしかけ、暴行させたと検察が立件し、窪田康子に懲役12年の刑が確定しています


長野県小諸市の宗教法人「紀元会」会員のすし店経営、奥野元子さん=当時(63)が死亡した集団暴行事件。加害者の大半が女性会員だったことや暴行が始まった経緯など犯行状況に謎が多かったが、県警小諸署捜査本部などの調べで「密室」の様子が明らかになってきた。陰湿で執拗(しつよう)なリンチは「避妊具」が発端になっていた。一般社会から乖離(かいり)した異常性ものぞいている。
■ゴミ袋の服着させ、「男は下がっていろ!」
「大神様の孫に失礼だ」。9月24日午後8時、70数人の会員が、普段は講義や集会に使われる教団施設の大会議室に集められた。
怒りの矛先は奥野さんの二女(26)だった。
主犯格とみられる窪田康子被告(49)の娘で、教団創設者・松井健介氏(故人)の孫にあたる少女に、「財布に入れておくと、お金がたまるお守り」と避妊具を見せていたことを窪田被告によって暴露された。
避妊具を神聖なお守りに例えたことに会員が激怒したというのだ。二女を囲んで殴るけるの暴行が始まった。
窪田被告はごみ袋に30個ほどの避妊具を張りつけた特製のベストをほかの会員に事前に準備させ、二女に着させた。
会議室には男性も十数人いたが、女性が異性の目を気にしたためか、「男性は下がっていろ」と声を出し、結果的に女性ばかりが暴行の当事者になったとみられている。
会員らは二女の夫(30)、奥野さんの夫(35)、長女(37)にも暴行した。さらに「娘が悪いのは母親のせいだ」と声があり、外にいた奥野さんが呼び出された。
■逆十字固め、飛び蹴り…
午後11時半ごろ。
座布団に座った奥野さんが「(二女の言動の)どこがいけないのか」と開き直るような態度を見せたため、窪田被告が背中をけり、ほかの会員も次々に暴行。「家族がやるべきだ」とリンチをうながす声が上がり、夫と長女も奥野さんの暴行に加わった。
窪田被告は会員に「痛いからここに乗って」と内ももを踏ませた。
暴行を渋る少女らには「神子(幹部の世話係)になれなかったらどうする」とあおり、少女らはひじ関節をきめる「腕ひしぎ逆十字固め」や、飛びげりをした。
暴行は断続的に約1時間続いた。
モデルガンの銃口を口に入れる、馬乗りで髪の毛をごっそり抜く-などの陰湿な行為もあったという。
奥野さんがぐったりすると、「万病に効く」として会員に分け与えられている「紀元水」が口に流し込まれたが、外傷性ショックで死亡した。
遺体は「全身打撲状態で、首から下にまんべんなくあざがあった」(捜査本部関係者)
(産経新聞の記事から引用)


殺害する意図はなかったとして窪田順子被告には懲役12年の刑が言い渡されているのですが(窪田被告は奥野さん一家内のトラブルだとして自身は無罪を主張し、最高裁まで争っています)、人を死に追いやったことに変わりはないのであり、判決を重く受け止めるべきでしょう
新興宗教では教祖が亡くなった後、二代目や三代目になって内部抗争、分裂騒ぎが起こるのは珍しくありません

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