柴山昌彦文科相の不可解な「教育勅語」礼賛

安倍内閣が大幅に閣僚御入れ換え、新たに発足しました。就任会見ではメディアが失言・方言を引き出そうと待ち構えているのですが、大臣就任ですっかり舞い上がってしまい、うっかり本音を口にする方にも問題があります
さっそくやらかしたのが柴山昌彦文部科学大臣です
就任会見の席で、「現代風に解釈され、あるいはアレンジした形で、道徳などに使うことができる」と発言し、物議をかもしました
その後、発言を修正し、「過去に日本人を戦争に駆り立てた部分もあるかもしれない」としたうえで、「世界中から日本の規律正しさや、お互いを尊重する気持ちが尊敬を集めていると見て取られる部分もある」と発言。「そういう趣旨から、教育勅語そのものを離れ、友人を大切にするという考えは、現在の教育において通用すると申し上げた」と述べています。その上で、「わが国の先人たちが世界から尊敬され驚嘆されるような道徳を育んできたというのは事実なので、一部の個人、団体がそういうことを踏まえて教育勅語をアレンジした形で教材として使ったり検討したりは十分理解できる」と、なおも教育勅語の精神を継承すべきとする考えを擁護しています
安倍昭恵夫人が「教育勅語を暗唱する幼稚園」を絶賛したのが森友事件の発端であった
わけですが、なぜそうまで教育勅語に執着する人たちがいるのか、不可解です


「杉田水脈さんは国家の財産ですよ」ほか、“全員野球”安倍内閣の“あの珍言”をもう一度 教育勅語を“推す”発言も続々
(前略)
教育勅語とは明治天皇の名前で1890年に発布されたもので、戦前から戦中にかけて思想面で国家総動員体制を支えた。「君主」である天皇が「臣民」の国民を諭す形をとっており、国民主権、個人の尊重を掲げた現在の日本国憲法とは根本から相容れない。
1948年に衆参両院で排除と失効が決議された。衆議院の決議では教育勅語が基本的人権を損ない、憲法に反するものだと明確に位置づけている。
教育勅語には親孝行や友愛などの徳目も含まれるが、ならば親孝行や友愛について教えればいいことであり、教育勅語にこだわる理由は1ミリもない。近現代史研究者の辻田真佐憲氏は、教育勅語が成立した歴史と内容について論じつつ、「部分的に評価できるところがあるからといって、『教育勅語』全体をそのまま公的に復活させようなどという主張はまったくのナンセンス」と結論づけている(現代ビジネス 2017年1月23日)
(後略)


上記の記事では、いわゆる安倍首相のお友達による教育勅語擁護を引き合いに出していますので、関心のある方は文春オンラインにアクセス願います
自分は保守的な政治スタンスですが、いまさら教育勅語を礼賛して戦前への回帰を理想とするような老人たちの妄執に付き合おうとは思いません
現代には現代に即した保守政治があるのは当然で、戦前社会を過度に理想化するのは時代錯誤でしょう
ですから、文部科学省として教育勅語を政策に取り入れることはないと言いつつ、その精神を尊重し、さまざまな教育活動に用いることを推奨する柴山大臣の魂胆には賛同できません
当然、国会で論争の種になるのでしょう。しかし、野党が大臣の首を獲って手柄にすることばかりを目指す今の風潮で、有効な論争ができるとも思えないわけで…

(関連記事)
迷走する教育勅語論争
「新潮45」休刊へ 杉田水脈擁護で批判浴び
杉田水脈論文事件を考える 性をどう語るか
石原都知事「同性愛は遺伝のせい」発言
石原東京都知事「変態を描くなとは言ってない」発言
「同性愛の男がCM出演」と批判する石原都知事
埼玉県で児童生徒の性同一性障害相談が急増
性同一性障害の学生に男性名で卒業証書授与 山梨県立大
性同一性障害の男子小学生 女子として中学へ
タレント星井七瀬が同性愛宣言
女教師が女生徒とレズ関係になり逮捕 英国
イギリスで「日本漫画大討論会」
日本のロリータ・ファッション文化が世界を侵食
日本の少女マンガに女性像の未来を見ようとするアメリカ
少年愛と性犯罪の境界


日本人の原点がわかる「国体」の授業 (PHP文庫)
PHP研究所
2016-02-03
竹田 恒泰

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト