寝具倉庫放火で懲役4年 損害は26億円

今年も様々な事件がありました。関心のある事件を取り上げてきた当ブログですが、メディアの取材活動、報道内容にも影響され、メディアで取り上げられる機会の少ない事件は取り扱いが難しくなります
今年の3月、埼玉県にある「西川産業」の倉庫が放火され、倉庫も商品(寝具類)も焼失した事件では、同倉庫に勤務する青年が逮捕されたものの、続報がなく取り上げないままになっていました
逮捕・起訴された砂賀悟被告の判決公判が18日にあり、さいたま地方裁判所は懲役4年の実刑判決を言い渡しています。倉庫と商品併せた損害額は26億円だとか


今年3月に埼玉県加須市新利根の寝具メーカー大手「西川産業」の物流倉庫「大利根センター」に火を付けたとして、非現住建造物等放火などの罪に問われた、同市の無職砂賀悟被告(22)の判決公判が18日、さいたま地裁で開かれ、入江猛裁判長は懲役4年(求刑・懲役5年)を言い渡した。
判決理由で入江裁判長は、「全焼した建物の損害が約12億6800万円、商品の損害分を合わせた損害額は計26億円を超え、被害結果は甚大」と指摘。アルバイト先だった同倉庫の上司や同僚への不満を募らせ、家族関係のストレスなどを発散しようと考え、「身勝手かつ短絡的な動機に酌量すべき点はない」と断じた。「軽度の精神遅滞で莫大(ばくだい)な損害結果を考えないまま実行した可能性がある」とも述べた。
判決によると、砂賀被告は3月8日午後9時ごろ、加須市の物流倉庫に侵入。タオルが入った段ボール数箱に自動車用エンジンオイルやライター用オイルをかけ、ガスバーナーで火を付けて燃え移らせ、倉庫を全焼させた。
県消防防災課などによると、火災により鉄筋コンクリート2階建て同倉庫の延べ床面積約2万平方メートルのうち約1万9千平方メートルが焼失した。
(埼玉新聞の記事から引用)


「軽度の精神遅滞」と書かれているところから、起訴前に簡易精神鑑定を実施したものと推測されます(逮捕後、起訴から判決公判までの経緯を報じた記事が見つからないので推測するしかありません)
職場で砂賀被告がどのような扱いを受け、不満や鬱屈を募らせるに至ったかも報じられておらず、謎だらけです
動作がのろいとか、仕事を憶えられない、同じミスを繰り返すとなどなどの理由で叱責を受けていたのだろうと想像します。精神発達遅滞というハンディキャップを上司や同僚が理解していたとは思えませんので
放火という犯罪はしばしば軽度の知的障害者が行うものです。火をつけるだけで相手に大きな損害を与えられる、家や建物が燃えてなくなる=消すことができるという短絡的な発想なのですが、それだけではなく火に魅了されてしまったり、恍惚感が得られるといった側面もあります
砂賀被告は事件当日、仕事を無断欠勤した後、夜間になって放火のため倉庫内へ忍び込んで放火し、少し離れた場所で燃える倉庫を眺めていたと報じられています
その姿を同僚に見咎められ、無断欠勤した砂賀被告が火災現場近くにいたのはおかしい、と通報されたのが逮捕のきっかけでした
放火犯の常として、火をつけた建物がどれだけ燃えるか確かめすにはいられなかったと想像できますし、あるいは燃え盛る倉庫を眺めつつ「恨みを晴らした快感」に浸っていたのかもしれません
そうした心境を言語化して語るほどには、砂賀被告は成熟していないとも思われるのですが、どうだったのでしょう。公判で砂賀被告が何を語ったのか、その報道も見当たらないので何とも言いようがなく、もどかしいところです
この事件で会社側が知的障害や精神的な障害、あるいは発達障害を抱えた従業員をどう扱うか、学んでなどいないのでしょう。この事件の意味を考えるならば、一番重要な事項なのですが

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