患者85人を殺害 元看護師に終身刑(ドイツ)

日本でも高齢者介護施設や、高齢者を受け入れている病院で職員や看護師が殺意をもって入所者に手をかける事件が相次いでいます
ドイツでは看護師として勤務していた男性が患者に薬物を注射し、85人を殺害した事件で終身刑を言い渡された、と報じられています
実際の被害者は100人以上とされ、犯行を見抜けなかった病院の対応も問題視されています
容体急変で死亡する患者が病院内で相次いだのに、十分な検視や死因の究明が行われなかったのは不可解です


ドイツ北部オルデンブルクの地裁は6日、患者85人を殺害した殺人の罪で、同国の元看護師ニールス・ヘーゲル被告(42)に終身刑を言い渡した。被告は患者に薬剤を注射して危険な状況を意図的につくり出し、蘇生の腕前を同僚に見せようとしたが失敗した。戦後ドイツ最大の殺人事件となった。地元メディアが報じた。
ドイツでは終身刑が最高刑。実際の犠牲者は100人以上に達するとみられる。ヘーゲル被告は別の患者2人を殺害したなどとして、2015年にも終身刑の判決を受けて服役中。
同被告は00~05年、集中治療室に勤務していた北部デルメンホルストの病院など2カ所の病院で犯行に及んだ。危険な状態の患者に積極的に対応し、有能とみられていた。
被害者は30~90代で、行き当たりばったりに選んでいたという。
05年、患者に薬物を注射するヘーゲル被告を同僚が目撃したことを機に、捜査が始まった。当局は15年の判決後、国内外に埋葬されていた130人以上の元患者の遺体を掘り起こし、捜査を続けていた。
ヘーゲル被告の勤務期間中、病院では患者の死亡率が急増。死亡事案は被告の勤務時に相次いでいたが、適切な対応は取られていなかった。
(共同通信の記事から引用)


別の報道も併せてこの事件を考えてみましょう
ヘーゲル受刑者が勤務した病院では、411人が死亡しており、そのうちヘーゲル受刑者が直接かかわった患者は300人以上とされます。つまり85人殺害というのは事件の一部であり、今後の捜査でさらに殺害された患者の数が増えるのかもしれません
ただし、遺体が十分な検視もないまますでに埋葬されており、死因の究明は困難になっていますので、どこまで起訴し有罪に問えるのかは不明です
ヘーゲル受刑者は捜査段階で犯行の一部は認めたものの、「患者の命を奪ったのはデルメンホルストの病院だけだった。その前のオルデンブルク病院や、のちに勤務した老人介護施設では、罪を犯していない」と主張しています
ちなみのドイツの最高刑は終身刑で死刑はありません。終身刑でも15年服役すれば仮釈放の対象になるのだとか
ヘーゲル受刑者の場合、2度の終身刑判決を受けていますので最低でも30年以上の服役期間を経ないと仮釈放の対象にはなりません
それにしても、犯行に使用された薬剤をヘーゲル受刑者が勝手に発注して、それが問題視されなかったり、上記のように容体が急変して死亡した患者の死因究明がされなかったりと、病院側の杜撰な運営が目につきます
イメージとしてはドイツの病院なので、その辺りはきっちり行われているように思ったのですが、違いました
ドイツメディアによれば、ヘーゲル受刑者の犯行を心理学者は、「緊急シーン(救命)を意図的に作り上げていた。同僚から患者を救った英雄と呼ばれ、ヘーゲルは自己陶酔していき、病み付きになっていったのだろう。故意に患者を殺したかったのではなく、蘇生が成功することを前提に薬を注射したのではないか」と説明しています
それでも蘇生に失敗して多数の患者を死亡させていますので、この説明では不十分に感じます
同僚の看護師の中にはヘーゲル受刑者の不審な行動に気づいた者もいたようですが、それでも病院側が内部調査をするなどの取り組みはなく、集中治療室勤務から麻酔科勤務へと配置展開しただけ、という稚拙な対応のみだったと報じられています

(関連記事)
横浜病院点滴殺人 内部犯行の可能性
大口病院不審死 3人殺害で久保木容疑者起訴へ
大口病院不審死 元看護師が48人殺害か
老人ホーム3人転落死 今井被告に死刑判決
老人ホーム3人転落死 今井被告の発達障害は?
老人ホーム3人転落死 今井被告の自供動画公開
老人ホーム3人転落死 今井被告の初公判
老人ホーム3人転落死 殺人容疑否認で来春公判へ
老人ホーム3人転落死 管理会社の見苦しい釈明
老人ホーム3人転落死 元職員が犯行自供
老人ホーム3人転落死事件の闇
筋弛緩剤事件 仙台高裁が再審請求棄却
岐阜の老人施設で5人死傷 連続殺人の可能性も
岐阜の老人施設で5人死傷 元職員を逮捕


無差別殺人と妄想性パーソナリティ障害 現代日本の病理に迫る [ 矢幡洋 ]
楽天ブックス
現代日本の病理に迫る 矢幡洋 彩流社ムサベツ サツジン ト モウソウセイ パーソナリティ ショウガイ


楽天市場