元農水事務次官 息子殺害で懲役6年の実刑判決

息子を殺害した容疑で起訴されていた元農林水産省事務次官、熊沢英昭被告に判決の言い渡しがあり、懲役6年の実刑判決が下されました
弁護人は情状酌量を訴え執行猶予を求めていたものの、殺害の事実は重く、裁判官は実刑を選択しました
社会に対する問題提起として重大な意味を持つ裁判でしたが、それはそれとして刑事司法としては熊沢被告に刑罰を科すべしと判断したわけです


44歳の長男を刺殺したとして殺人罪に問われた元農林水産事務次官、熊沢英昭被告(76)の裁判員裁判。公判の争点は、量刑だった。弁護側は執行猶予付きの判決を求めたが、裁判員らは熊沢被告と長男の英一郎さんとの生活状況を丁寧に検討。事件の背景に理解を示しつつも、実刑が相当と判断し、懲役6年(求刑懲役8年)を言い渡した。
大学進学と同時に一人暮らしを始めた英一郎さんについて、熊沢被告は月に1回程度、主治医に英一郎さんの状況を伝えていたほか、英一郎さんの部屋に処方薬を届け、英一郎さんが苦手なごみの片付けの世話もしていた。判決もこうした熊沢被告の行動については「適度な距離感を保ちつつ、安定した関係を築く努力をした」と評価した。
さらに、同居することになった英一郎さんから暴力を受けたことで「被害者への対応に不安を感じる状況が意思決定の背景にあることは否定できない」とし、こうした点は「相応に斟酌(しんしゃく)すべきだ」とした。
しかし、判決は、遺体の傷の多さや深さから殺意の強さを認定。主治医や警察に相談するなど現実的な対処方法があったのに、外部に相談せず、同居から約1週間で殺害を決意したことも「短絡的な面がある」と非難。実刑判決に導いた。
閉廷後、裁判員を務めた30代の女性会社員は「発達障害や認知症を抱える家族は多くいる。家庭内だけにとどめずオープンにできる社会になっていくべきだと思った」。50代の男性会社役員は「お金があれば幸せということでもない。自分の家族にとっての幸せとは何か、もう一度考え直す機会になった」と話した。
中高年引きこもり61万人、まず相談を
熊沢被告のように、中高年の子供による引きこもりや暴力といった家庭内の問題で悩みを抱え込む親は少なくない。80代の親が50代の引きこもりの子供を養えなくなって共に生活に困窮する「8050問題」が深刻さを増す中、事件は注目を集めた。
内閣府は、40~64歳の中高年で、家族以外とほぼ交流せずに半年以上、自宅に引きこもる人は全国で61万3千人に上るとの推計を3月に公表。きっかけは「退職」が最も多く、次いで「人間関係」「病気」となった。
熊沢被告の長男は発達障害の診断があり、職場の人間関係などを理由に退職。平成20年ごろから自宅に引きこもり、ゲームなどをして過ごしていたとされる。
引きこもりに詳しい専門職らでつくる一般社団法人「OSDよりそいネットワーク」(東京)の馬場佳子代表理事によると、今回の事件や、川崎市で引きこもり状態だった男が児童ら20人を殺傷した事件の発生後、同法人への相談が急増。問題を抱える親や兄弟姉妹からで、これまで相談したことのなかった人も多いという。
(産経新聞の記事から引用)


この事件についてはさまざまな反応、意見が発せられているのですが、相変わらず「上級国民は人を殺しても懲役6年程度で済むのか」とか、「娘の自殺は自業自得。同情を引くため明かしたのか」などなど言いがかりめいた声もあります
これもツイッターなどSNSの影響なのでしょうか、よく事実関係を確かめもせず理解もせず、思ったことを反射的に書き込み、なおかつ自説の正しさに執着して他の意見に耳を貸さない風潮が感じられます
「オレはこう思ったんだ。だからこれでいい」と…
事件を眺めると怨恨による殺人とも映るのであり、親族間の殺人であっても15年前後の懲役刑が科せられても不思議ではありません
しかし、検察の求刑はわずか懲役8年であり、判決は懲役6年でした
これは介護に疲れた親族が思い余って老親を殺害した事件と同様です。あるいは心中を図った親がこどもは殺害したものの、自分だけ死にきれずに生き残ってしまった事件と同様です
検察と裁判所の間に阿吽の呼吸があったのかどうかはともかく、今回の事件処理としては一定の共通理解があったのでしょう
ただ、上記のように「上級国民だから短期の懲役刑で済んだ」と決めつける人たちには、いくら説明したところで理解する気はないと思われます。陰謀論めいた話にハマり込みながらも、「オレは社会の裏の仕組みまで見通しているんだぜ」と自惚れているのであり、視野狭窄もはなはだしい限りです

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立民党初鹿議員 強制わいせつで書類送検

2016年暮れ、初鹿明博衆議院議員が知人女性をラブホテルへ強引に引き込もうとした、と週刊誌に報じられました
その後、どうなったのか続報がないままでしたので、取り上げる機会もなく経過しています(報道護、民進党の青年局長を辞任)
今になって警視庁が初鹿議員を強制わいせつの疑いで書類送検していた、と報じられています
臨時国会が閉会するのを待って、送検に踏み切ったのでしょう。当然、東京地検とも打ち合わせた上で、です


タクシーで女性にわいせつな行為をしたとして、警視庁葛西署が立憲民主党の初鹿明博衆院議員(50)=比例東京=を強制わいせつ容疑で書類送検していたことが16日、同署への取材で分かった。容疑を否認しているという。送検は10日付。
送検容疑は2015年5月、女性とタクシーに乗車中、キスを迫ったり、下半身に相手の顔を押しつけたりするなどわいせつな行為をした疑い。
週刊文春が17年に疑惑を報じ発覚。当時、立憲民主党は初鹿氏を6カ月間の役職停止処分にした。今年に入って被害女性が告訴状を提出し、同署が受理していた。
初鹿氏は国会議員秘書、東京都議を経て、09年衆院選に東京16区から旧民主党候補として出馬し初当選。15年5月当時は旧維新の党に所属していた。現在3期目。
立憲民主党の福山哲郎幹事長の話 嫌疑を持たれたことは遺憾で、おわび申し上げたい。本人は捜査当局に全面的に協力する意向を示しており、党として当局の判断を見守りたい。 
(時事通信の記事から引用)


経緯を整理すると、民進党に所属していた初鹿議員は2016年12月に舞台女優をしていた女性とホテルに入ったことを週刊新潮に報じられ、党青年局長を辞任しています。立憲民主党から出馬して比例復活当選した直後の2017年11月には、支援者の女性にキスを迫るなどのわいせつ行為を行った疑惑を週刊文春に報じられ、立憲民主党は6か月の役職停止処分を決めています
週刊新潮の報道は初鹿議員にしつこくつきまとわれ迷惑している女性が、縁を切るため自らタレ込んだように伺えるのですが…
報道からそこそこ時間も経過しており、その間に初鹿議員が女性に謝罪をし、慰謝料を支払っていれば被害届の取り下げもあり得たはずです
今回、書類送検に至ったからには、初鹿議員は和解のための努力は何もしてこなかったのでしょうか?
むしろ、「変な女につきまとわれて迷惑してるんだよ」などど、被害者面をしていたのかもしれません
日刊ゲンダイとかなら、「安倍首相に忖度するため、警察が野党議員を狙い撃ちして送検に踏み切った」と、陰謀論を書きまくるところでしょう
初鹿議員は説明責任を果たすのか、注目しましょう
あれだけ政府の説明責任を追及してきた立憲民主党ですから、このまま放置するのは矛盾した対応です
初鹿事務所は週刊文春の取材に対し、
「タクシーに同乗した際にご指摘のような行為を行った記憶はございません。不快に思わせる言動があったとすれば申し訳ないと思っております。新潮記事を含め、私自身の振る舞いによって、不快に思わせたことがあったのであれば申し訳ない、と申し上げたことはございます。いずれにせよ、意に反したわいせつ行為をした記憶はございません」と回答しています
書類送検された時点で、初鹿議員は容疑を否認していると解されます

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川崎トンネル殺人事件 懲役28年の判決

2006年9月、川崎市で起きた通り魔殺人事件で起訴されていた鈴木洋一被告の判決公判があり、横浜地裁は懲役28年(求刑は無期懲役)の判決を言い渡しています
鈴木被告はこの事件の後、別の女性を刃物で刺し、懲役10年の判決を受け、服役していました
本来なら黒沼さん殺害と上記の殺人未遂で裁かれ、無期懲役になるのが相当です。別々に立件されたため、別個に刑罰が科せられる結果になりました


13年前、川崎市のトンネルで27歳の女性が刃物で刺されて殺害された通り魔事件の裁判で、殺人の罪に問われた39歳の被告に対し、横浜地方裁判所は「人を人とも思わない人命を軽視した残虐な犯行だ」などとして懲役28年の判決を言い渡しました。
横浜市の無職鈴木洋一被告(39)は、13年前の平成18年9月、川崎市宮前区のJRの高架下にあるトンネル内の歩道で、面識がなかった黒沼由理さん(当時27歳)を刃物で刺して殺害したとして殺人の罪に問われました。
これまでの裁判員裁判で検察は「自分の快楽を優先した計画的で身勝手極まりない犯行だ」として無期懲役を求刑したのに対し、被告の弁護士は「計画性はなく反省している」などと主張していました。
13日の判決で横浜地方裁判所の景山太郎裁判長は「無関係の女性をストレスのはけ口にしたもので理不尽で身勝手だ。人を人とも思わない人命を軽視した残虐な犯行だ」などと指摘しました。
一方、被告が別の殺人未遂事件で実刑判決が確定して服役中に、今回の事件への関与について警察に打ち明けたことに触れ「告白は更生の一歩と評価できる」として懲役28年の判決を言い渡しました。
裁判長は判決の言い渡しのあと、被告に向けて「犯した罪の重大さに真摯(しんし)に向き合い、命が大切だと心から理解できる人になってほしい」などと10分近く語りかけ、被告はじっと正面を向いて聞いていました。
判決を受けて死亡した黒沼由理さん(当時27歳)の父親の俊昭さんと母親の信子さんがコメントを出しました。
この中で「判決は望むものではありませんでしたが、判決を由理に報告できることは一歩前進だと受け止めています」としています。
また「どんな判決が下されようと由理の命が戻ってくることはありません。裁判での被告の発言は、由理の命をあまりにも軽視した真の反省とは程遠いもので、私たち遺族を苦しめるものでした」としています。
(NHKの記事から引用)


さて、鈴木被告のように別々の事件として起訴され、判決がそれぞれ下されて刑罰が併科されるケースでは、先に確定した懲役刑が執行されます。鈴木被告は殺人未遂での懲役10年が先に執行され、刑期の満了をもって次の刑(本判決の懲役28年)が執行されます
逮捕・起訴されて判決が確定するまで未決囚として拘禁されている期間を、服役したものとして換算する制度(未決算入)があるのですが、どれだけの日数を既に服役したものと見なすかは裁判官の裁量によります

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日本人だけ処罰する川崎市ヘイト条例

12月12日、ヘイトスピーチなど差別的な言動を禁止するため、全国で初めて刑事罰を盛り込んだ条例案が川崎市議会で可決され、成立しています。特定の民族、人種に対し差別的な言動を3度繰り返した場合、最大50万円の過料を科す内容です
しかし、この条例では日本人に対するヘイトスピーチは処罰の対象外となっており、在日韓国、朝鮮人による日本人蔑視の発言は野放しというでたらめな規定です。当然ながら川崎市に対するパブリックコメントでは、「なぜ日本人に対するヘイトスピーチは含まれないのか」との指摘が数多く寄せられたのですが、川崎市議会は無視しています
公平を欠いた条例で過料を科すという川崎市の条例は、明らかに日本国憲法に違反です
ところが朝日新聞などは、この条例を大絶賛しているのですから呆れます(いまさら、ですが)
以下、朝日新聞の社説を引用します。なお、朝日新聞の社説では「罰金を科す」との表現が使われていますが、法律論上刑事罰として罰金を科す根拠は国会の審議を経て成立する法律に拠る必要があり、地方自治体の定める条例で罰金を科すことはできず、過料と表現します


差別や排除をあおるヘイトスピーチに刑事罰を科す全国初の条例が、川崎市議会で全会一致で可決・成立した。
16年にヘイト対策法が施行され、極端に過激な言葉を使うデモの件数は減った。一方で、手口が巧妙・陰湿化した、一部で揺り戻しがあるといった声も強く、罰則規定のない法の限界が指摘されていた。
そんななか、在日コリアンが多く住み、そこでの反ヘイトの取り組みが3年前の対策法制定の原動力にもなった川崎市で、根絶に向けた新たな一歩が踏み出された意義は大きい。
条例によると、公共の場所で拡声機やプラカードなどを使った差別的言動が刑事罰の対象となる。市長は有識者でつくる審査会の意見を聞いたうえで、勧告、命令を順に出し、それでも繰り返した者を刑事告発する。さらに検察と裁判所が相当と判断して初めて、最高で50万円の罰金が科される仕組みだ。
ヘイト対策は必要だが、ゆき過ぎれば表現の自由を侵す。このため市は、6月に素案を公表し、市民や専門家の意見を踏まえて修正を施し、最後は議会の審議にゆだねた。内容、手続きとも均衡のとれたものになったと、まずは評価できる。
ヘイトに対する制裁として最近注目されたものに、先月の京都地裁判決がある。朝鮮学校への差別的言動は刑法の名誉毀損(きそん)罪にあたるとして、男に罰金50万円を言い渡した。発言の一部に「公益性」を認めた点に、被害者側から強い批判もある。とはいえ懲役刑もあり得る罪が適用されたことは、社会に一定の抑止効果をもたらすだろう。
な規制措置を講じている国もあるが、日本国内では議論が十分に熟しているとは言い難い。そんな事情もあってヘイト対策法は、それぞれ厳格の地域の事情に応じた施策を講じるよう、自治体に求めている。
これを受けて大阪市や東京都は、ヘイト行為をした者の氏名を公表できる条例を制定した。しかし問題の行為をした人物を特定するのは難しいなどの事情で、実施した例はまだない。
川崎市の条例についても、実際に運用してみて、実効性はあるか、過度な制約が生じていないかなどを検証することが求められる。その営みが、他の自治体の条例づくりや法改正の論議に反映されるのを期待したい。今回まさに表現の自由とのかねあいから、ネット上の言動は刑事罰の対象から外されたが、この匿名性の高い空間への対処は、今後の重要な課題だ。
ヘイトは、同じ社会で現に暮らす人々を日々深く傷つける。それを胸に、撲滅への歩みを着実に重ねていかねばならない。


川崎市の条例は川崎市内におけるヘイトスピーチを対象としてもので、インターネット上のSNSへの書き込みを罰することはできません
朝日新聞はインターネット上の言動まで取り締まり、罰せよとと煽っています。これは言論の自由も表現の自由も規制しようとするものであり、日本国憲法に反する意図ありありです
遅かれ早かれ、川崎市の条例が憲法違反であると法廷で争われる事態になるのでしょう
日本人に対する差別発言を処罰の対象としない、明らかに欠陥のある条例ですからこれを無効とする判決が下されるものと期待します。川崎市議会に請願しても、条例を見直すつもりはないで無駄だと思われます

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元農水事務次官 息子殺害で懲役8年求刑

息子を殺害して罪で起訴されている元農水省事務次官熊沢英昭被告の公判で、検察側は懲役8年を求刑しています
もう少し長い刑期を求刑すると予想していたのですが、随分と大幅に割り引かれています
「上級国民だから特別扱いされている」との批判が沸き出しそうです。さすがにこの事件で求刑を上回る判決を言い渡す可能性はなく、裁判員の同情が集まれば判決は懲役6年くらいになるのでしょうか?
求刑が8年という判断は、一般的な殺人事件ではなく、無理心中で親がこどもを殺害し親だけが死にきれなかったケースを検察が考慮したのかもしれません
弁護人は執行猶予を求めています。しかし、殺害の事実を踏まえると、裁判官が実刑を回避して執行猶予の判断を下すことはないでしょう


東京都練馬区の自宅で長男の熊沢英一郎さん(当時44)を刺殺したとして、殺人罪に問われた元農林水産事務次官熊沢英昭被告(76)の裁判員裁判が13日、東京地裁で開かれ、検察側は懲役8年を求刑した。
被告には強い殺意があり、長男の不意を突いて一方的に攻撃したなどと主張。一方、被告が長男の将来を心配し面倒を見るなど考慮するべき点もあると指摘した。判決は16日に言い渡される。
検察側は論告で「被害者の傷は首や胸に集中し、傷は36カ所以上もあった。被告は強い殺意を持って、不意を突き、一方的な攻撃を加えたことは明らかだ」と犯行の悪質性を主張した。
被告は事件の約1週間前、長男から激しい暴行を受けており、「刺さなければ殺されたと思う」と主張している。検察側は「警察などの行政機関に相談しなかった。資産もあり、専門家にも相談できたはずだ。取り得る手段を取らなかった。酌量の余地は乏しい」と指摘した。
一方で「被害者の将来を心配して面倒をみていた。自首が成立するなど考慮すべき点がある」とした。「大きく考慮すべき点がなければ、懲役10年を下回らないのが通例」と説明した上で、懲役8年を求刑した。
弁護側は執行猶予付き判決を求めた。事件について「長男から激しい暴行を受けて死の恐怖を感じ、暴行時と同じすさまじい形相で『殺すぞ』と言われ、本当に殺されると思い、やむを得なかった」とした。被告については「妻がうつ病を患ったり、愛娘が自殺する中でも、発達障がいだった長男を支えた。時に厳しい言葉を投げかけながらも、献身的なサポートを続けてきた」と指摘。「経緯や動機から酌量の余地は大きい。これまでの人生、事件への真摯(しんし)な反省を勘案して、執行猶予付き判決が妥当」と主張した。被告の知人らから減刑を求める1609通の嘆願書が寄せられたことも挙げた。
初公判時と同じ黒色のスーツに青色のネクタイを締めた被告は時々、ギュッと目をつぶりながら、論告を聞き入った。最終意見陳述で「私は反省と後悔の日々を過ごしています。犯した罪の重大さを十分、自覚しております。この罪を償うことが大きな務めと考えている」とした上で「亡き息子のために毎日、祈っております。息子があの世で穏やかに暮らせるよう、これからも祈りをささげることが私の務めと思っております」と淡々と話した。公判終了後、弁護側、裁判長、検察側にそれぞれ一礼し、うつむきながら退廷した。
(日刊スポーツの記事から引用)


事件の悪質性という検察側の表現の稚拙さはともかく、熊沢被告が36か所を刺したのは事実です。そこには確実に殺す決意があったのでしょうし、殺しそこなえば反撃され、自分や妻が息子に殺されるだろうという確信があったと推測されます
つまりあの日、息子を何が何でも殺さなければならないと覚悟を決め、絶命するまで執拗に刺したとのです
それを悪質性と表現するのが適切であるとは、自分は思いません
犯行前、熊沢被告はインターネットで、「殺人 執行猶予」と検索したと報じられています
殺人の計画性を示す証拠との扱いですが、熊沢被告にすれば「殺人を犯しても執行猶予になった判例」を捜したのは藁にも縋る気持ちであったかもしれません。だから罪を一等軽減すべき、とは言いません
隣の小学校の運動会の音にいらだち、「殺すぞ」といきりまくる息子を止める手段として「殺すしかない」と発作的に包丁を手にしたと解釈するか、事前に殺害を計画し決行したと解釈するかは裁判官次第です
ただし、どう理屈をこねくり回しても執行猶予付きの判決は下せないでしょう

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福岡母子3人殺害事件を考える 死刑判決

12月に入り、幾つもの重要事件の判決が相次いでいます
福岡県小郡市の住宅で2017年6月、妻子3人が殺害された事件の裁判員裁判で、殺人罪に問われた元県警警察官中田充被告(41)に福岡地裁は求刑通り死刑判決を言い渡しています
中田被告と弁護人は冤罪を主張してきましたが、判決は中田被告側の主張をことごとく否定し厳しく断罪するものになっています


おととし、福岡県小郡市で妻と子ども合わせて3人を殺害した罪に問われ、死刑を求刑された元警察官の裁判で、福岡地方裁判所は、無罪の主張を退け、求刑どおり死刑を言い渡しました。
福岡県警察本部の通信指令課の巡査部長だった中田充被告(41)は、おととし6月、小郡市の自宅で妻の由紀子さん(38)と長男で小学4年生の涼介くん(9)長女で小学1年生の実優さん(6)を殺害したとして殺人の罪に問われました。
直接的な証拠がない中、裁判では、元巡査部長が3人を殺害したかどうかが争われました。
検察は、第三者が侵入した形跡がないことや妻の首や爪から出たDNAに元巡査部長のものが含まれているとしても矛盾しないという鑑定結果が出ていることなどを挙げ、死刑を求刑しました。
一方、弁護側は、第三者が侵入した可能性を否定できず、日常生活の中で元巡査部長のDNAが首などに付着することがあり、証明力には限界があるとして、無罪を主張していました。
判決の言い渡しは、午後2時半すぎから福岡地方裁判所で始まり、柴田寿宏裁判長は死刑を言い渡しました。
直接的な証拠はなし 裁判の争点は
今回の事件は、直接的な証拠がなく、被告が3人を殺害したかどうかが真っ向から争われました。
検察は、スマートフォンの記録などから被告は犯行の時間帯に自宅にいたと考えられ、防犯カメラなどの映像から第三者が侵入した形跡はないと主張しました。
また、被告の腕には妻に抵抗された際にできたと考えられる傷があることや、妻の首や爪から出たDNAに被告のものが含まれているとしても矛盾しないという鑑定結果が出ていることを挙げました。
検察はこうした間接的な証拠をもとに「これだけの事実が偶然に重なることはありえない」として、犯人だと主張しました。
一方、弁護側は、遺体の状況を確認した消防隊員の証言や医師の証言などをもとに、被告が自宅にいた午前6時半までに3人とも死亡していたという検察の主張には疑問が残ると主張しました。
また、第三者が侵入した可能性も否定できず、妻の首や爪から出たDNAについては、日常生活の中で被告のものが首などに付着することがあり、証明力には限界があるとして、無罪を主張しました。
被告本人も、「一切身に覚えがなく、事実無根です。間違いなくえん罪です」、「どうか家族のために、もう一度捜査を見直して、犯人を捕まえてほしい」と法廷で述べるなど、一貫して無罪を主張しました。
(NHKの記事から引用)


公判廷で中田被告はこどもの死を悲しむ素振りは示したものの、心境はどうだったのでしょうか?
パチスロにのめり込み、家族を省みなくなった挙句の犯行です。家族よりパチスロの方が大切だったのか、と訊いてみたいものです
いったい何のために冤罪を主張しているのか、理解できません。拘置所から出てパチスロをしたいがためかもしれません
さて、中田被告は判決に不服でしょうから控訴すると思われます。が、死刑判決をひっくり返すだけの新たな証拠、証言を控訴審で示せる可能性は皆無です。単に死刑判決の確定を先送りするため、と言わざるを得ません
刑を受け、あの世で妻子に詫びることこそ最優先なのではないでしょうか?

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元農水事務次官 ひきこもりの息子殺害裁判

東京都練馬区の自宅で長男を刺殺したとして、殺人罪に問われた元農林水産事務次官の熊沢英昭被告(76)の裁判員裁判が始まっています。犯行内容については争点がなく、情状を問う裁判になるのでしょう


自宅で長男=当時(44)=を殺害したとして、殺人罪に問われた元農林水産事務次官の熊沢英昭被告(76)の裁判員裁判の被告人質問が12日、東京地裁(中山大行裁判長)であった。熊沢被告は「息子に殺されるという恐怖心に支配され、刺し続けた」と述べた。
熊沢被告は黒スーツに紺のネクタイ姿。証言台に背中を丸めて座り、とつとつと質問に答えた。
被告によると、長男は発達障害と診断され、大学卒業後も就職が決まらなかった。1人暮らしの家でゲーム中心の生活を送っていたという。
5月25日、長男は自宅が「ごみ屋敷」となり、実家に戻ってきた。翌26日、被告が「ごみ片付けなきゃな」とつぶやくと、長男は「お前らエリートは俺をばかにしてる」と逆上し、被告の頭を壁にたたき付けるなどしたという。
長男の主治医や警察に相談はしなかったといい、「ショックで余裕がなかった。息子を元の家の生活に戻すのが最優先と考えた」と述べた。
事件当日の6月1日、長男から「殺すぞ」と言われた。「26日(の暴行)を思い出させる形相だった。反射的に包丁を取りに行き、胸を刺した」と説明した。
弁護人に「事件前に息子を殺そうと思ったことは」と問われると、「絶対思いませんでした」と語気を荒らげた。「先天的な病気を持った息子に寄り添って生きてきたつもりだったが、つらい人生を送らせてしまった。取り返しのつかない状態になり、冥福を祈るしかない」と涙で声を詰まらせた。 
(時事通信の記事から引用)


熊澤被告とその妻は長男から度々暴行を受けていた、とされます。その時点で警察に被害届を出し、息子を逮捕させ家から切り離する選択肢もあったわけですが、熊澤被告にその気はなかったのでしょう
保健所に相談するとか、民間のひきこもり対応サービス(強制的に家から連れ出し、施設に監禁状態にして更生を図る)を利用する気もなかったようで、追い詰められた状態のまま足掻いていたわけです
自首した際、警察官が熊澤被告の体が痣だらけであるのを見て、絶句した(息子の暴力の凄まじさに)とも伝えられています
熊澤被告の娘(被害者の妹)は縁談が破断となり、自殺しているとも明かされています
頭のおかしい兄のいる女性と婚姻したいと思う男性はいませんし、将来的にその厄介者の面倒を見る羽目になるのですから縁談を断るのは当然でしょう
裁判員も熊澤被告の犯行に同情するとしても、検察は殺人罪で懲役20年くらいの求刑はすると思われます。検察の立場からすれば情状の余地はあるといえ、甘い求刑はできません
あとは裁判官が過去の判例とどう折り合いをつけるか、です
ただ、一部には熊澤被告に辛辣な意見をぶつける人もいます。池袋で2人を死亡する事故を起こしながら逮捕もされない上級国民、飯塚幸三容疑者への憎悪が波及しているのでしょう
いくつか、引用します

「引き籠りの息子を『40か所以上も滅多刺し』で殺した上級国民『熊沢英昭』の擁護報道だらけで不快。『滅多刺し』を隠蔽し、さも仕方がなかったかのような法廷の雰囲気。安倍晋三の圧力で執行猶予をつけようとしている。重罪でなかったら世の引き籠りの子供は親に殺されまくる」

「農水事務次官としてBSE問題で日本の食の安全を脅かした挙句、天下り三昧で私腹を肥やしてきた元悪徳官僚と、その傲慢な息子の事件か。自己の凶行を正当化しているけど、金と権力に溺れ、息子・英一郎をモンスターに育てたのは父親・熊沢英昭(76)お前自身やん」

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西成准看護師殺人事件を考える 控訴審でも無期懲役判決

大阪市西成区で2014年、准看護師の女性を殺害して現金などを奪ったとして、強盗殺人などの罪に問われた日系ブラジル人、オーイシ・ケティ・ユリ被告(35)の控訴審判決で、大阪高裁(三浦透裁判長)は12日、無期懲役とした1審判決を支持し、弁護側の控訴を棄却しています
この事件は繰り返し取り上げていますので、1審の無期懲役判決の経緯は過去の記事を読んでいただくようお願いします
さて、弁護人の控訴理由は精神鑑定で「解離性同一性障害と認められたにも関わらず、責任能力を一等減じることなく検察の求刑通り無期懲役判決として量刑判断の誤り」です。責任能力の減退(心神耗弱)を認めるべき、と言いたいのでしょう
加えて、再度の精神鑑定を要求してもいました。が、大阪高裁は再度の精神鑑定を実施すべき理由がない、とこれを認めませんでした


5年前、大阪の准看護師の女性が東京都内のトランクルームで遺体で見つかった事件で、強盗殺人などの罪に問われた日系ブラジル人の女に対し、2審の大阪高等裁判所は、1審に続いて無期懲役を言い渡しました。
平成26年、東京・八王子市のトランクルームから大阪・西成区の准看護師、岡田里香さん(29)が遺体で見つかった事件では、小中学校で同級生だった日系ブラジル人、オーイシ・ケティ・ユリ被告(35)が強盗殺人などの罪に問われました。
1審がことし3月、検察の求刑どおり無期懲役を言い渡したのに対し、弁護側は「責任能力や刑の重さについて判断に誤りがある」と主張して控訴していました。
12日の2審の判決で、大阪高等裁判所の三浦透裁判長は、「善悪の判断をして行動をコントロールする能力が低下していなかったとして完全責任能力を認めた1審の判決に誤りはなく量刑も不当とは言えない」と述べ、1審に続いて無期懲役を言い渡しました。
オーイシ被告は判決の言い渡しの途中、突然、無言で立ち上がり、裁判長や弁護士の制止を数分間、聞き入れずに「なんの判決や」などと発言し法廷は一時、騒然としました。
(NHKの記事から引用)


大阪地裁の1審判決は、解離性同一性障害といえども減刑の理由にはならない、とする画期的な判断であり、大阪高裁がそれを追認したのは正直驚きました。今後の裁判の流れが変わる可能性があります
被告側の全面敗訴と言うべき判決であり、オーイシ被告が「何の判決や」と怒声を発したのも分かります
ところで解離性障害を主張するオーイシ被告は、人定質問で年齢を尋ねられ「9歳」と答えているのですが、判決言い渡しの場面だけは素に戻っていたのでしょうか?
解離性同一性障害で複数の人格に切り替わると言いつつ、その場その場で便利に人格を使い分けているようにも映ります。つまり、詐病ではないのか、と
オーイシ被告にすれば解離性同一性障害を演じ続ければ減刑されると計算していたのに、裁判官が無期懲役を言い渡したので、思わず「本音」が出たのかもしれません
法廷で「9歳」と答えたのなら、最後まで9歳児のふりを貫かないとダメでしょう
また、ニュースサイトの控訴棄却を伝える報道に対し、「性同一性障害が強盗殺人と何の因果が有るの?」とコメントを書き込み弁護士の主張を批判する人がいます。報道内容をよく読まず、吟味もせず、解離性同一性障害と性同一性障害を混同し、アホなコメントを書き込むのはみっともない限りです
トンチンカンなコメントを書き込み、「言ってやったぞ」と何かを指摘した気になっているのにはほどほど呆れます

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渋谷短大生バラバラ殺人(平成18年) 発達障害をどう裁くか

韓国は村上春樹をどのように読んだのか2

以前にも取り上げたテーマで、その第2弾のつもりです
村上春樹の「ノルウェイの森」が韓国で翻訳、出版され一大ブームを巻き起こしたのですが、読者層はいわゆる「386世代」(1990年代に30歳代で、1980年代の民主化運動に関わった11960年代生まれの者)であり、この世代は上の世代と価値観もライフスタイルにも大きな違いがあるとされます
当時、文壇の重鎮である評論家の柳宗鎬は、「ノルウェイの森」を「高級文学の死をもたらすがらくた大衆文学」とこき下ろしました
386世代より年長の評論家柳宗鎬の手になる批判が2006年5月25日付け東亜日報に掲載されているので、それを本日は紹介しようと思い立ったのです
しかし、GoogleやBingで検索しても、東亜日報日本語版の記事検索機能を使っても見つかりませんでした
インターネットの掲示板「2ちゃんねる」の過去ログで、自分が保存している分も調べましたが見つかりません(半日かかってしまいました)
そこで今回は、早稲田大学総合人文科学研究センター研究誌に掲載された尹相仁の論文「村上春樹と東アジアの間を往還するもの」を取り上げます。評論家柳宗鎬による村上作品批判も、短いながら登場します
長文なので、一部のみを引用します。全文を読みたい方は以下のアドレスにアクセス願います

「村上春樹と東アジアの間を往還するもの」
http://www.waseda.jp/flas/rilas/assets/uploads/2014/10/47ab903d35afd2b1ce2f7332f50e7d8f.pdf
(前略)
「ハルキの魅力はどこから由来するのだろうか。この作家の何が若者たちを熱狂させるのか。軽妙でウィットに富んだ会話、美しい文章、節制した感情、そして途轍もなく透明な喪失感…しかし彼の本を読み進みながら私はそれ以上の何かが存在することを発見した。それは表の軽快さの裏面に隠されている深さの追求であった。ただ、表立ったそぶりを見せないだけであって、彼の作品はすべて存在の意味を真摯に問うている」
詩人であり、仏文学者でもある金貞蘭によるハルキ論の一部である。筆者みずからハルキ贔屓であることを隠そうとしないこの文章をあえて引用した理由は、この中に1990 年代韓国の読者たちのハルキ熱狂の理由が満遍なく示されていると思うからである。
要するに、ハルキ小説のもつ、決して重くなく、静かで洗練された話法こそが「ハルキの魅力」であるという金の指摘は、十分頷ける。しかし、金のハルキ論のなかでしばしば登場する言葉は、「無関心」と「距離をおくこと」であり、これらはとりもなおさず村上春樹のデタッチメントの態度が韓国の読者たちにいたって受けがよかったことを示している。
平たくいえば、村上春樹現象の土台をつくったのは、解放後40 余年間韓国の現代文学が歩んできた道とは丸っきり違う方向から進んできて、かつて誰も踏み入れたことのない領域を提示したことに尽きる。
もちろん、韓国で村上春樹の小説が歓迎されるばかりであったわけではない。ハルキ批判論者には、一般読者よりは評論家や作家の割合が多い。とくに社会参加志向のリアリズム派の文学者たちは概ね村上春樹について批判的な反応であったが、批判の言説の骨組をなしていたのは「ハルキ=軽い」ということであった。
ハルキ小説の特徴として膾炙されたポストモダンやサブカルチャーといった言葉は、賛成派には村上春樹の新しさを担保する根拠になった
が、逆に反対派には薄っぺらでファッションのような代物という否定的な認識を増長した。
『ノルウェイの森』を「感傷的なニヒリズムを下敷きにして読みやすく書かれた、性的逸脱者と変わり者たちの付き合いを描いた」「ポルノ小説」と批判したのは、評壇の大御所柳宗鎬だった。が、こうした辛辣な批評につづく、『ノルウェイの森』とは「もはや作家が社会のエリートであるという自負をなくした、あるいはもう芸術的な抱負を抱き得ない時代の言語商品」という言説から読み取れるのは、作品自体に対する違和感よりは、ハルキ・キッズを大量に生んだ時代への危機意識のほうが大きいといえよう。
これはたとえば1980 年代の半ばに、大江健三郎が村上春樹の小説を例にあげ、サブカルチャー世代の登場に伴う文学の危機を訴えたこととも似通っている。
(以下、略)

柳宗鎬が何をどう批判するのも勝手ですが、「作家が社会のエリートであるという自負をなくした云々」には笑ってしまいます。柳はいまだに作家が社会のエリートであると信じて疑わない価値観を持ち主なのでしょう
なぜ、「がらくた大衆文学」が日本で、韓国で、中国で支持されたのか、柳には説明ができないと思われます
柳は解放後、営々と積み上げられてきた韓国現代文学を手放したくないのであり、異国から突然やってきた文学を拒絶し、他の韓国人にも拒絶するよう仕向けたいのだと解釈されます
省略した部分の中で、「アメリカでは村上春樹が日本人作家としてではなく、作家として読まれている」と言及されています
ここが重要で、韓国や中国の若い世代も「日本人作家村上春樹」という受け止め方ではなく、作家村上春樹として読んでいるのでしょう
そして個人的な経験の語り、という様式に違和感なく入り込め、物語を体験できるからこそ、好まれるのだと考えます
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「ノルウェイの森」をセカイ系だと批評する東浩紀
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中国は村上春樹をどう読んだのか
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中国は村上春樹をどう読んだのか2
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中国は村上春樹をどう読んだのか3
村上春樹を読み誤る中国人文学者 その1
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村上春樹を読み誤る中国人文学者 その2
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「なぜ韓国に村上春樹はいないのか」と書く韓国メディア
http://05448081.at.webry.info/201402/article_19.html
村上春樹論
http://05448081.at.webry.info/200903/article_5.html
村上春樹「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」
http://05448081.at.webry.info/200906/article_62.html
「1973年のピンボール」
http://05448081.at.webry.info/200906/article_149.html
記事「村上春樹ブームを読む」を読む
http://05448081.at.webry.info/200907/article_44.html
村上春樹と東アジア 毎日新聞より
http://05448081.at.webry.info/200908/article_21.html
村上春樹「神の子どもたちはみな踊る」
http://05448081.at.webry.info/200910/article_2.html
村上春樹ごっこをして遊んでみる
http://05448081.at.webry.info/201004/article_48.html
映画「ノルウェイの森」 予告編
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村上春樹原作「神の子どもたちはみな踊る」映画化
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映画「ドリーミング村上春樹」
東出昌大 村上春樹作品映画を降板

俳優新井浩文控訴の行方 高畑裕太は芸能界復帰

一審で懲役5年の有罪判決を受けた新井浩文は控訴し、なおも争う構えです。懲役刑で5年も服役したら、俳優としての復帰は難しいと判断したのかもしれませんし、そもそも有罪という判断に納得できないのでしょう
以前にも書きましたが、相手の女性を「違法風俗すれすれの派遣マッサージ嬢であり、強姦しても金で解決できて当たり前」と見下している風にも感じます
なので、2千万円の示談金を打診しても和解に応じない被害者に不満たらたらではないか、と
以下、「まいじつ」掲載の記事から引用します


新井浩文と高畑裕太“芸能人の性犯罪”明暗クッキリ...何がどう違うのか?
(前略)
「判決後、新井被告は保釈保証金750万円を払い、保釈されました。今後は半年ほどで控訴審の判決が言い渡される見通しです。このまま新たな証拠等が出ない限り、判決が覆る可能性は低いですが、一発逆転で示談が成立すれば、執行猶予が付く可能性もあります。示談交渉は継続していくでしょうね」(全国紙記者)
一部夕刊紙によれば、新井被告が勾留満期の3日前に示談金の倍増を申し出たことが、かえって被害女性の心証を悪くしたとの報道もある。一方で、一部関係者からは「示談の可能性は高い」との声も漏れ聞こえてくる。なぜなのか。
「今回、示談を拒否し、泣き寝入りしなかった女性の姿勢を称える声がありますが、さらなる示談金の上乗せを引き出す〝常套手段〟だという声も上がっています。実際に今回のような事件では、100~200万円程度が示談金の相場とされていますが、新井被告は破格の1000万円を提示しました。しかし、これを拒否されたため、すぐさま2000万円に倍額提示しています。裁判で5年の実刑判決が出た以上、新井被告もなりふり構っていられません。今後はさらに上乗せしてくるでしょうね。相手に深く反省させて、さらに示談金を上乗せさせるやり方は、割とよくあるパターンとも言えます」(芸能関係者)
示談成立が決め手へ…
芸能人の性犯罪で思い出されるのが、2016年に強姦致傷容疑で逮捕された俳優の高畑裕太だ。高畑は「女性を見て性欲を抑えきれなかった」と容疑を全面的に認めたが、被害女性が示談に応じたため、不起訴処分になっている。新井被告との違いは何なのか。
「一時は示談金300万円の他に、慰謝料8000万円が支払われたのではないかという報道もありましたが、実際は1500万円ほどだったようです。しかし、母親の高畑淳子が迷惑料を別に払ったのではないかというウワサも根強く残っています。金で解決することに対しては批判的な声もありますが、示談が成立しているかいないかで裁判官の心証も大きく変わります。新井被告の場合、すでに社会的に大きなダメージを受けています。落としどころを探る場面もあると思いますよ」(同・関係者)


示談に応じるか応じないかは被害者の決めることなので、部外者がとやかく憶測するのは下衆すぎるのでは?
芸能記者とすれば、何か裏の事情があると勘繰り憶測記事を掲載するのも仕事なのでしょうが
上記の記事にある高畑裕太は、今年8月に下北沢の劇場で舞台「さよなら西湖クン」に出演し、芸能界復帰を果たしています。オーディションを受け、役を獲得したとされます。この復帰には高畑裕太の前所属事務所「石井光三オフィス」や芸能人仲間などが尽力した、と報じられていますので、芸能界の人脈がモノを言ったのでしょう
母親高畑淳子も舞台初日に駆け付け、息子を見守っていたとのだとか
当面は舞台を中心に活躍し、やがてはテレビや映画への出演を目指すのでしょう
事件から3年を経過しており、芸能界復帰が早いか遅いか議論があるにせよ、刑事事件としては不起訴扱いですから復帰を禁じる理由はありません
ただ、高畑裕太程度の若い俳優はいくらでもいるのであり、彼が演技力に秀でた逸材というわけでもなく、白々しい感がするだけです
ともあれ、新井浩文が二審までに示談に漕ぎつけたなら執行猶予付き判決が下される可能性があり、執行猶予期間明けに芸能界復帰の線も出てくると思われます

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俳優小出恵介 未成年者と淫行の波紋
小出恵介示談成立もくすぶる噂
小出恵介問題 示談後も収拾つかず

東名あおり運転裁判 高裁は差し戻し判決

2017年に萩山嘉久さんと妻が死亡した東名高速道路のあおり運転事故の控訴審の判決があり、東京高等裁判所は1審の横浜地裁判決を破棄し、差し戻す決定を言い渡しています
1審の裁判員裁判の判決が高等裁判所でひっくり返されるケースが相次いでいるため、またか、という気になります
ただ、差し戻しの理由は訴訟手続きに瑕疵があったというものであり、危険運転致死傷罪は成立するとの判断を示す内容です


神奈川県大井町の東名高速道路で平成29年6月、あおり運転により停車させられた夫婦が後続の大型トラックに追突され死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた無職、石橋和歩(かずほ)被告(27)の控訴審判決公判が6日、東京高裁で開かれた。朝山芳史裁判長は、懲役18年とした1審横浜地裁の裁判員裁判判決を破棄し、審理を地裁に差し戻した。危険運転致死傷罪の成立を認めた1審の判断に誤りはないとしたが、訴訟手続きに違法があったとした。
朝山裁判長は公判前整理手続きで裁判官が「同罪の成立は認めない」と検察官や弁護人に表明しながら、成立を認めて有罪判決を出したと指摘。弁護側に対する「不意打ち」に当たり、同罪が成立する見通しで反論していれば「因果関係や量刑に影響した可能性がある」として、改めて裁判員裁判で審理を尽くすことが相当だとした。
弁護側は控訴審で、妨害運転と死亡事故の因果関係はないとして改めて無罪を主張。訴訟手続きについても「公正な審理を受ける権利を侵害された」として違法性を訴えていた。検察側は控訴棄却を求めていた。
判決によると、石橋被告は29年6月5日夜、走行中だった静岡市の萩山嘉久さん=当時(45)=一家のワゴン車にあおり運転を繰り返し、追い越し車線上で停車させ、大型トラックによる追突で、萩山さんと妻の友香さん=同(39)=を死亡させ、同乗の娘2人にけがをさせた。
(産経新聞の記事から引用)


横浜地裁での争点整理手続きにおいて、裁判長は危険運転致死傷罪は成立しないと事前に表明していたにも関わらず、判決でそれを認めたのは裁判員の意見や世論を考慮せざるを得なかったためでしょう
さて、高裁は石橋被告の妨害運転が萩山夫妻の車を停車させ、事故を誘発したとして因果関係を認め、危険運転致死傷罪が成立するとの判断を示し、横浜地裁の判断を肯定しています
なので、差し戻し審でもこの判断は重きをなすのであり、石橋被告の有罪を否定する結果にはならないものと推測します
他方で、法律の専門家の中は高裁の判断に疑問を呈し声もあります
別の報道では、「甲南大法科大学院の園田寿教授(刑法)は高速道路上で被害者家族の車の前に割り込んで停車させた被告の危険な行為について『危険運転致死傷罪の想定外だった』と指摘。その上で同罪の成立を認めた1、2審判決は『犯罪行為と刑罰の対象をあらかじめ定める罪刑法定主義に照らせば法の拡大解釈と言わざるを得ない』と疑問視」しています
ただ、法律は条文に定めた内容がすべてではなく、判例の積み重ねによって罰条適用の匙加減が決まったり、どこまでを有罪とするか判断基準が定まるものです。なので、条文に足りない部分を裁判官が判断し、埋めることが必ずしも間違いではありません
ましてや危険運転致死傷罪は後から設けられた刑罰であり、検察も裁判所もその適用に極めて消極的だった事実があります。悲惨な事故が起こるたび、なぜ危険運転致死傷罪を適用しないのか、と批判する声が挙がりました
本件の石橋被告のように自動車運転を暴力手段に用いるような輩にこそ、危険運転致死傷罪が適用されるべきと世間一般は考え、期待しているのです。その期待を受け止めた1審の裁判員裁判の判断、東京高裁の判断は極めて妥当だと自分は思います

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民間人を「ファシスト、レイシスト」攻撃 立憲民主党石垣のり子議員

元財務相官僚で現在嘉悦大教授の高橋洋一はインターネットメディアにも度々投稿し、経済問題について論じている人物です
かつては政府の経済政策のブレーンを務め、「霞が関の埋蔵金を掘り起こせば、国の財源として補填できる」等の議論をリードしていました
最近では痛烈な韓国批判をメディアに寄せており、いわゆる左寄りの政治家からは好ましからざる人物と見なされています
その高橋教授に噛みつき、ツイッターで「ファシスト」だの「レイシスト」だの誹謗中傷を浴びせたのが立憲民主党の参議院議員石垣のり子です


立憲「元女子アナ議員」が元官僚をレイシスト、ファシスト呼ばわり 山本太郎は大人の対応で株アップ
(前略)
11月28日、れいわ新選組の山本太郎代表と野党統一会派に参加する馬淵澄夫元国交相が主催する「消費税減税研究会」の2回目の会合が国会内で開かれた。この研究会に参加予定だった立憲民主党の石垣のり子参院議員(45)は、嘉悦大の高橋洋一教授を講師として招いたことに反発。「レイシズムとファシズムに加担するような人物を講師に呼ぶ研究会には参加できません」とTwitterで発信したのだ。
 ***
宮城県仙台市出身の石垣議員は、宮城教育大学を卒業後、エフエム仙台に入社。21年間アナウンサーを務めた後、今年7月の参院選で宮城県選挙区から出馬した。TwitterやFacebookで支援者を募り、自民党の現職を約9000票差で破って初当選を果たした。彼女は消費税について、低所得者ほど負担が重くなり、社会保障の財源にするのは本末転倒であるとし、将来的に廃止すべきと主張している。消費税ゼロを訴える山本太郎氏に同調し、「消費税減税研究会」に参加するはずだったが……。
11月28日付のTwitterで、石垣議員はこう主張した。
〈馬淵澄夫さん山本太郎さん主催の消費税減税研究会。初回の講師は、高橋洋一氏とのこと。これから始まるという時に大変残念ですが、当初言明したように私は、レイシズムとファシズムには一切加担しません。よって、レイシズムとファシズムに加担するような人物を講師に呼ぶ研究会には参加できません。〉
(中略)
(高橋教授は)「私が、レイシズムとファシズムに加担しているなんて、今まで言われたことがありません。石垣議員とは会ったことも喋ったこともないのに、Twitterで何故あんな発信をしたのか全く理解できません。狐につままれたようなものです。これは立派な名誉棄損になりますよ」
高橋氏によれば、元々自身は理系だから、変なイデオロギーは持ち合わせていないという。
「大学では、理学部数学科も出ています。今もイデオロギーはなく、データと数字だけで喋ったり書いたりしています。28日の研究会では、私のデータと理論に基づき、消費増税の必要性はないと説きました。消費税増税がなくとも、日本の財政が5年以内に破綻するのはわずか1%の確率でしかありません。消費税は今も5%でも大丈夫です、と説明しました。レイシズムもファシズムも関係ありません。なんで石垣氏はこんなことを言うのか、彼女に聞いてみてくださいよ」
と、怒り心頭なのだ。
(以下、略)


要するに韓国をべったり擁護したい派の石垣議員は、韓国を批判する高橋教授と同席したくないのでしょう
そして韓国を批判する人間はレイシストでありファシストだと決めてかかっているわけです
日本は言論の自由と表現の自由を憲法で認めているのであり、韓国を批判すること自体が禁じられていたりはしません。それをレイシズムだと勘違いしているところが問題です
石垣議員はツイッターで、「公職者ですから憲法秩序と相入れない人物や組織に発言や正当化の機会を直接的に与えるわけにはいきませんよねぇ」と書き込んでおり、相手に発言の機会を与えることなく抹殺すべきだと受け取れる意見を表明しています
国民の多様な意見に耳を傾ける気はなく、特定の意見、考えのみ受け入れるとの表明です
憲法改正に反対し、憲法を守るべきと主張する立憲民主党の議員が、言論の自由を否定するのですから呆れるばかりです
なぜ、このような愚かな主張をし、意地を張るのか?
国会の1年生議員(当選、1期目)は党内の政策議論でも軽視されたり、委員会で質疑に立つ機会も与えられなかったりするのがしばしばで、それゆえストレスが溜まるのでしょう。だからこそ、ツイッターの場で過激な発言をし、思うところを存分に表明したくなるのかもしれません
ただし、国会内での質疑応答は議員の免責特権があって名誉棄損に問われないものの、国会外での発言は名誉棄損に問われます
民間人をさしたる根拠もなしにレイシストと呼べば名誉棄損で訴えられるでしょうし、裁判では負けるでしょう
石垣議員は発言を撤回する気も謝罪する気もないようです。立憲民主党が彼女を説得し、発言の撤回を促すとは思いますが、どうなのでしょうか?

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中国は村上春樹をどう読んだのか2

「中国は村上春樹をどう読んだのか」の第2弾です
前回は村上春樹作品の翻訳を数多く手掛けている林小華の「総序 村上春樹の小説の世界と芸術の魅力」を含め、紹介しました
中国における村上春樹研究の第一人者として名前の挙げられる林小華ですが、彼の翻訳にはさまざまな問題があると指摘するブログがありましたので、取り上げます
『ノルウェイの森』の中国語訳とオリジナルの違い
http://yanghu.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-0795.html
ブログ主は中国の漢方医学を勉強している方のようです
「ノルウェイの森」台湾版、香港版、大陸版との違いを指摘されており、なかなか興味深い内容です
特に、上記の林小華訳本(大陸版)は翻訳者が勝手に付け足した部分が多い、あるいは改変めいた訳が多いというのは重要な見解でしょう
しかし、日本人の読者が違和感を感じるところの林小華訳が中国では支持を受けているのですから、中国での村上春樹は林小華というフィルターを通した世界観で理解されていると解釈されます
ならば林小華の創造する村上春樹の世界観はいかなるものでしょうか?
2001年の「人民中国」に掲載された林小華のエッセイがありますので、引用します。元記事が長いので一部のみ取り上げます。全文を読みたい方は以下のアドレスにアクセス願います

村上春樹は中国でなぜ読まれるのか
http://www.peoplechina.com.cn/maindoc/html/fangtan/200110.htm
村上春樹の『ノルウェイの森』が出版されたばかりのころ、私は日本にいた。当時の私は、中国と日本の古詩の比較をテーマとしていたから、翻訳には興味がなかった。帰国してから、私の文章の調子が『ノルウェイの森』の翻訳にきわめて適している、と漓江出版社に推薦してくれる人があり、私はそこで初めて真剣に、村上春樹の原著を読んだ。読んでみると、彼の作品は本当に私の気持ちにぴったり来た。そこでついに翻訳を始めた。
(中略)
中国の読者はなぜ村上春樹ばかりを寵愛するのだろうか。十数年来、村上作品を翻訳してきて私が、自分で体験したことや考えたことを基にして、それに読者からの手紙に書かれた感想や見方を加え、簡単にその原因を紹介したい。あるいは、中国人がどのように村上作品を見ているか、を紹介すると言ってもよい。これを二点に分けて論じてみよう。
風が水面を渡るような文章
まず、村上作品独特の言葉遣いや筆の運び、それに文体が、中国人の読みたいという気持ちを引き起こしたことだ。
中国は昔から「詩文大国」を任じ、とくに文章の彩りや技巧を重視してきた。「二句をつくるのに三年かかり、ひとたび吟ずれば両眼から涙があふれる」といった唐の賈島のような文人墨客は、どの時代も枚挙にいとまがない。おそらくこうした文化的遺伝子のせいで今日までずっと、中国人は文章や作品の水準や風格に対して、ことのほか敏感であり、重箱の隅をつつくようなことをしてきたのだ。
もっとも称賛される文章は簡潔、明瞭な筆致である。(これは中国語の最大の優れた特徴でもある)。これに比して「粘着語」に属する日本語には、こうした優れた点はない。だから、中国語に翻訳された日本の文学作品を中国人が読み始めるときまって、どろどろとした、すっきりしない感じを受けるのだ。(もちろん、翻訳の拙さが原因である場合も排除できないが)。たとえ川端康成のような大文学者の作品でも、文章の風格から言えば、普通の中国人が読み続けていくのは大変苦しい。これはたいてい、川端文学をはじめすべての日本文学が、中国ではかなり少数の人にしか興味を持たれない原因の一つとなっている。多くの読者からの手紙では、作者の名前を見なくとも、ほんの数行読めば、それが日本文学だとわかってしまう、と書いてきている。日本文学の、あのねばねば、べたべたした感じは、読者には実に耐えられないのだ。
村上春樹の賢いところは、彼が最初から、伝統的な日本語の持つこうした先天的な弱点を意識していて、洗練された、簡潔な言葉の使い方に格別の注意を払っている点だ。彼はかつて取材を受けた時、こう語っている。
「僕はいろんな言葉のまわりについていた付属物を洗い流しちゃって、それを洗い流したままで抛りだしたような気がするんです」
(中略)
しかし村上春樹は違う。彼はその筆の中に、感情をころしたユーモアと独特で飛躍的な想像力を持っている。これは比喩を使った手法の中に、十分表れている。思いつくままに、二つの例を挙げて見よう。
「どれくらい私のこと好き? と緑が訊いた。『世界中のジャングルの虎がみんなバターになってしまうくらい好きだ』と僕は言った」
「緑は長いあいだ電話の向こうで黙っていた。まるで世界中の細かい雨が世界中の芝生に降っているような沈黙がつづいた」
このような比喩は、どの作品にもみな使われていて、絶えず独創的である。おそらく村上春樹はこうした点を、日本の伝統文学よりも欧米の現代文学作品から学んだのではないか。そしてこのような比喩は確実に、中国の読者の耳目を一新させ、ときには驚喜させるのだ。日本にこんな奇抜で優れた文学作品があったのか! と。とくに若い女の子は、胸をときめかせ、村上春樹の小説は「チョー・クール(すごくかっこいい)」と思うのだ。一部の人は文章や著作の中で大なり小なり「村上文体」を模倣しはじめた。
(以下、略)

中国の読者が、「世界中のジャングルの虎がみんなバターになってしまうくらい好きだ」との表現に感動したのは分かる気がします
前回紹介した、馮英華の論文「中国における村上春樹文学の受容」が共産党の政策綱領みたいな紋切型の表現であるのに比べ、林小華のそれは日本と中国の文学表現の違いに目を配りつつ、造詣の深さと視野の広さ、柔軟な思考を感じます
省略した末文で林小華は、「しかし村上作品を読むと、自分のことを読んでいると感じ、自分の精神世界と心の天地の中を遊び回って、ついに自分自身を見つけたと感じるのだ。一言で言えば、村上文学は、中国の都市に住む青年男女の心の共鳴を引き起こした。これがまさに、村上春樹の小説が中国で長くブームを続け、衰えを見せないもっとも根本的な原因である」と指摘しており、これはこれでツボを押さえていると感じました
翻訳文・表現に関して独自の解釈を混ぜると指摘される林小華ですが、中国の若者の心情を理解した取り組みを重ねているからこそ、その翻訳が支持を得ているのでしょう
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映画「ドリーミング村上春樹」
東出昌大 村上春樹作品映画を降板

「文在寅政権を助けてやれ」と言う田原総一朗

かつて田原総一朗はテレビや出版メディアで活躍し、こと政治に関しては御意見番とも目されるジャーナリストでした。しかし、ここ10年くらいは老害と呼べるほど識見が衰え、傾聴に値する意見を耳にする機会はめっきり減りました
状況判断能力が衰え、政治の風向きが読めなくなっているのでしょう
さて、田原総一朗が週刊朝日に、「日本が文政権追い詰めてしまったのだから、日本は文政権が来春の総選挙で勝てるよう手助けすべき」との意見を寄せています
ただ、これも読み違いが顕著です。文政権が支持率を落としているのは日本のせいではなく、最低賃金を強引に引き上げた結果若者の就職が困難になったり、疑惑の塊である人物を周囲の反対を押し切って法務長官に就任させたり、なりふり構わず北朝鮮に媚を売ったにも関わらず北朝鮮から無視されたりと、失策を重ねたからでしょう
加えて、日本製品不買運動といった反日政策の旗振りをしている文在寅政権を助ける必要があるとは思えません。むしろ、来年の選挙で文在寅と与党が大敗し、早期退陣に追い込まれた方が、日本にとって益があるのでは?


(前略)
文在寅大統領は、来年4月の総選挙のことしか考えていないはずだ。もしも総選挙で与党が負けることになると、文大統領が逮捕されるという危険性もある。韓国というのは怖い国で、大統領の任期が終わると、逮捕されたり、自殺に追い込まれたりする例が少なくない。だから、何としても総選挙に勝たねばならない、と全力を投入している。
そして、総選挙に勝つために、文大統領としては、GSOMIAを延長する代わりに、日本側に、半導体の輸出規制強化を外す、あるいは緩和することを求めたいのだろう。
もっとも、問題はほかにもある。韓国の大法院が徴用工問題で日本企業は賠償金を支払うべきだとする判決を出し、文政権はこれを全面的に支持して日本側に実行を迫っている。対して日本政府は、こうした問題は1965年の日韓請求権協定で決着していて、韓国側の主張には正当性がないと強調。徴用工問題を見直さない限り、輸出規制強化措置を変更するつもりはない、と表明している。
現在の日韓関係は戦後最悪で、日韓が対立することに両国ともメリットはなく、ダメージが大きい。たとえば、韓国からの訪日客は減り続け、10月を例にとれば、前年同月から65.5%減と激減していて、ビールなどの食料品輸出額も58.1%減とすさまじい落ち方をしている。
そもそも文政権が徴用工問題を持ち出したのは、韓国の経済が悪化して、文政権の支持率が落ちるのを止めるためであった。
どの国でも、政権の支持率が下落すると、それを止めるために前政権の政策を強く否定する。たとえば、米国のトランプ大統領は、民主党のオバマ前大統領の政策を全面的に否定している。TPPやイラン核合意の否定など、数多くある。
文大統領も、朴槿恵前大統領が日本政府との間で結んだ慰安婦合意を全否定した。しかし、それでも支持率低下が止まらなかったので、徴用工問題を持ち出したのである。
原因は、韓国の経済が悪化したことなのだ。日本政府が、半導体の輸出規制強化や輸出優遇国からの除外などを行えば、韓国の経済はどんどん厳しくなる。いわば追い詰められた文政権がやってしまったのがGSOMIA破棄宣言だったのである。
文政権を追い詰めたのは日本政府なのである。そこで、最悪の日韓関係を本気で修復しようとするならば、文政権が来春の総選挙で勝てる手立てを提言すべきではないか。
実は、数週間前に自民党の二階俊博幹事長に「こんなときこそ、党は主体的に、積極的に韓国と交渉すべきだ」と話した。すると、「その通りだと思う。やろうと思っています」と答えた。今後の展開を注視したい。
(週刊朝日の記事から引用)


文在寅が大統領である限り反日政策を継続するのでしょうから、日本としてはさらに支持率が低下するよう、現状のまま韓国と距離を置くのがベストでしょう。もちろん、文在寅退陣後の新たな政権も反日政策を継続する可能性はあります(反日を叫ぶのが韓国人にとって痛快事であり、うっぷん晴らしになっているのですから)
ただ、このまま通商政策で締め上げれば韓国のダメージは大きいので、反日政策を継続するのは損だと理解するはずです
しきりに「フッ化水素の国産化に成功したニダ」と韓国メディアは報じていますが、実用化に難があるのは明らかです。あるいは代替品をオランダやロシアで確保したとの報道もありますが、保存が難しい特殊な化学材料をはるばる欧州から輸入するコストはばかになりません
韓国からの観光客が減少している点を朝日新聞や田原総一朗はやたら強調し、危機感を煽っているものの、来日する観光客の総数に大きな変化はなく、日本にとってダメージは軽微です
一連の報道と併せて考えると、朝日新聞や田原総一朗は日本が韓国と交渉しろと主張しているのではなく、日本が韓国に大きく譲歩すべきだと言いたいのでしょう
しかし、ここで譲歩などしたら何も解決しません。ソウルの日本大使館や釜山の日本領事館前の慰安婦像はそのままですし、慰安婦問題では相変わらず謝罪が足りない、賠償が足りないと騒いでいます。
こうした状況で、日本政府が文在寅政権を助けたとして、来年の選挙の勝利をアシストしたとして、文在寅が日本に感謝し、反日政策を転換するはずはありません。田原総一朗の見識がいかにズレているか、分かります

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熊谷6人殺害事件を考える6 死刑判決を破棄して無期懲役に

これまでにも取り上げているように、一審の裁判員裁判で死刑判決が下されても二審の高等裁判所で死刑判決が破棄される事案が目につきます
司法制度改革の目玉として裁判員制度を導入しておきながら、裁判官がその制度を否定するような判断を繰り返しているわけです。これでは裁判員制度などただのお飾り扱いでしょう
熊谷市でペルー国籍のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(34)が民家に押し入り、6人を殺害した事件では、さいたま地裁で死刑判決が下されたものの、東京高裁はこれを破棄し、無期懲役の判決を言い渡しています


埼玉県熊谷市で平成27年、小学生2人を含む6人を殺害したとして強盗殺人などの罪に問われたペルー国籍、ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(34)の控訴審判決公判が5日、東京高裁で開かれた。大熊一之裁判長は、死刑とした1審さいたま地裁の裁判員裁判判決を破棄、無期懲役を言い渡した。
大熊裁判長は、訴訟能力を保持していたとする一方、事件当時は統合失調症の影響で妄想があったと述べた。
ナカダ被告は開廷前、何らかの言葉を発し続けていたが、開廷するとうつむいて判決を聞いていた。
争点は責任能力の有無や程度。1審判決は妄想の影響は限定的とし、完全責任能力を認定。弁護側が控訴していた。
控訴審で弁護側は「心神喪失状態だった」として改めて無罪を主張。弁護側の依頼で精神鑑定をした医師が出廷し「被告は事件当時(妄想によって)何かからの脅威を感じていた」と証言していた。
1審判決によると、27年9月14~16日、熊谷市の住宅3軒に侵入し、男女計6人を刃物で襲って殺害した。
★★★★★★★★★★★★
東京工業大の影山任佐(じんすけ)名誉教授(犯罪精神病理学)は「市民感情からすれば1審は当然の判断かもしれないが、精神科医や法律の専門家から見れば、完全責任能力があったというのはあり得ない判断」とみる。罪に見合う刑を求める「責任主義」と過去判例との刑の公平性を考えれば、心神耗弱を理由にした減軽はやむを得ないとの立場だ。
これに対し、常磐大の諸沢英道元学長(刑事法)は「確かに裁判員は素人だが、法廷で精神科医の解説を聞き、目の前の被告と向き合い、被告は善悪を見極めることができたと判断した。その判断は尊重するべきだ」と指摘する。
最高裁は平成24年、2審では明らかに不合理でない限り、1審の裁判員の判断を尊重すべきだとの初判断を示した。裁判官が築いてきた量刑相場も崩れつつあるが、死刑の判断だけは例外だ。背景には、懲役刑と死刑は「質的に異なる刑」との考えがある。
ある検察幹部は「死刑の判断基準だけは、市民の声を聞かないと言っているに等しい。何のための裁判員制度か」と批判。一方、ナカダ被告の弁護人は「1審判決を不合理として破棄した点は評価できるが、心神喪失の判断をすべきだった」としている。
(産経新聞の記事から引用)


高裁の裁判官にすれば、犯行当時ナカダ被告は統合失調症の影響で犯行に至っており(被害者とは面識なし)、そもそも起訴自体が無理と感じたのかもしれません。昔なら心神喪失で罪に問えないと判断するところを、被害者感情も考慮して無期懲役の判決にしたのだ、と弁解したいところでしょう
それだけギリギリの判断をしたのだ、と
しかし、報道や報道に対するコメントでは「なぜ死刑にしないのか?」との声が目立ちます
ただ、長年刑事裁判を観察してきた側からすれば、昔は精神分裂病(現在は統合失調症と呼称しますが)の影響で不起訴となったり、起訴しても無罪になる事件が珍しくありませんでした
もちろん、当時の精神鑑定の精度にも問題があったわけですし、司法判断の風潮・流れといったものも影響していたのでしょう
そうした風潮が変化し、現在では精神障害の影響を認めながらも「責任能力があった」と判断し、有罪判決を下す例が確実に増えていると感じます
本件も、昔なら心神喪失を理由に不起訴になっていたかもしれないケースでしょう
以上、思うところをつらつらと書きましたが、高裁の判断を支持するかと問われれば否です。判例とか死刑基準といったテクニカルな問題の議論など、被害者遺族にとっては何の価値もありません
ナカダ被告が統合失調症の影響にあろうとも、6人の命を奪った事実は重いのであり、死刑に処すのが相当でしょう。諸外国から批判されたのなら、被害者の心情に寄り添うのが日本の文化である、と裁判官が言い返すくらいの気概を持ってほしいものです
東京高等検察庁は最高裁に上告し、判断を求める展開になると予想しますが、残念ながら最高裁がひっくり返す可能性は低いと思われます

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新潟女児殺害事件14 無期懲役判決

新潟地方裁判所で小林遼被告に無期懲役の判決が言い渡されています。判決では犯行の計画性は認めず、偶発的な犯行と判断し、線路に遺体を遺棄した件についても、死体損壊の法律で定められた刑の範疇におさまり、より重く罰するのは不適当との見解を示しています
結果として、被害者が1人の場合は死刑を回避するという、従来の判例に則った判決です


新潟市西区で昨年5月、下校中の小2女児=当時(7)=が殺害された事件で、殺人や強制わいせつ致死など七つの罪に問われた元会社員、小林遼(はるか)被告(25)の裁判員裁判の判決公判が4日、新潟地裁であり、山崎威裁判長は無期懲役を言い渡した。争点の一つとなった殺意については認定したが、殺害行為には計画性がなかったなどとして検察側の死刑求刑を退けた。
判決によると、小林被告は昨年5月7日に新潟市西区の路上で、わいせつ目的で女児を車でひいて車内に連れ込み、わいせつ行為をした上で首を絞めて殺害。遺体をJR越後線の線路上に遺棄し、電車にひかせて損壊した。
公判では、殺人と強制わいせつ致死、電汽車往来危険罪の成立の可否が争われたが、新潟地裁はいずれも認定した。
殺意については、首を絞める行為が人を死亡させる危険が高く「子どもでも分かること」と指摘し、被告も認識していたとした。遺体の状況から生前にわいせつ行為があったのは明らかだとし、強制わいせつ致死罪を認定。線路上に女児を遺棄したことによる電汽車往来危険罪についても、運転士の証言から罪が成立するとした。
検察側の死刑求刑で注目された量刑の説明では、「まれに見る凄惨(せいさん)な事件」「無差別な犯行で悪質」と非難した。一方で、生命軽視の甚だしさを計る重要な指標とした殺害の計画性は認めなかった。「(死刑適用の)慎重さと公平性を放棄して遺族の思いにこたえることは、残念ながらできない」と無期懲役の選択理由を語った。
殺意は認定したものの、首を絞めた動機は「気絶させようとした」とする被告の主張に沿い、当初から殺害する計画性は認められないとした。「首を5分以上絞め続けた」とする検察側の主張は採用せず、女児が脱力した時点で首を絞める行為をやめたとして「殺害の執拗(しつよう)さもない」とした。線路に遺棄した点は悪質としながらも、「死体損壊の法律で定められた刑の範囲内で考えるべきだ」と説明した。
無期懲役の判決に対し、遺族は「加害者に寛大な司法で憤りを感じている。これでは娘が浮かばれない」とする文書を公表した。
死刑を求刑した新潟地検の秋元豊次席検事は「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対処したい」とのコメントを出した。弁護側は、控訴の有無など今後の方針について「一切コメントしません」とした。
(新潟日報の記事から引用)


弁護人は有罪を認めながらも、「傷害致死罪で10年以下の懲役刑が相当」と主張していました。なので、殺人罪と強制わいせつ致死罪を認めた判断は小林被告も弁護人も判決には不満でしょう
もちろん、検察側も被害者遺族も死刑を回避した判断には不満があります。結果として、控訴審で争われる展開になるのでしょう
裁判に参加した裁判員は、「永山基準を見直すべきだ」と会見の場で発言し、注目されています
裁判員制度が形骸化しているとの批判もある中で、判例踏襲を善しとする裁判官たちに届くかはともかく、裁判員として参加した国民の意見として傾聴に値ます


「『永山基準』を見直すべきだ」。新潟市西区で小学2年の女児=当時(7)=が殺害された事件の裁判員裁判で、裁判員を務めた40代男性は4日に新潟地裁(山崎威裁判長)で開かれた判決公判後、記者会見で見解を述べた。
最高裁が死刑選択の判断基準として示した「永山基準」。犯行の動機や態様などのほか、「特に殺害された被害者数」と言及しており、これに基づき、被害者が3人以上で死刑判決となるのが“相場”とされていることを踏まえた発言だ。記者から「量刑で迷いはあったか」との質問に答えた。
男性は「当然迷いはあった。個人的な感情としては、(女児の)ご家族と同じ気持ちだったが、裁判の公平性を考え、永山基準に沿って判決を出した」と話した。
その上で、昨年6月に東海道新幹線の車内で乗客の男女3人が殺傷された事件で、殺人などの罪に問われた無職、小島一朗被告(23)が「3人殺せば死刑になるので、2人までにしておこうと思った」と法廷で供述しているという報道に触れ、「今後、犯罪も多様化してくるし、考えられないような犯罪もある。基準を見直していかなければいけないのではないかと個人的には思った」と思いを語った。
さらに、「せっかく裁判員制度で一般の意見を受け入れていこうということになった。家族の心情とか、割合は大きく入れた方がいいのではないか」と指摘した。
(産経新聞の記事から引用)


当ブログで過去に述べたように、永山基準が現在でも絶対視されるのは異常であり、異様です。永山基準は世間の同情を集めていた永山則夫に死刑を言い渡すための方便として作られたものと考えます。いくつもの判断基準を並べ、その1つ1つに照らした上で、死刑はやむを得ないのだと世間を説得するためのものです
よって永山基準の1つ、「被害者が複数であること」が本件でも壁になっており、死刑を回避する理由になっているわけです
今回のように、殺害後に死姦にまで至るような異常な犯罪は、別の基準があって然るべきではないでしょうか?

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新幹線3人殺傷事件を考える 殺人の理由は?

走行中の新幹線車内で男性1人を殺害し、女性2人に怪我を負わせた小島一朗被告の公判が続いています
弁護人による被告人質問の様子を、毎日新聞は以下のように伝えています


走行中の東海道新幹線の車内で隣席の女性ら3人を切りつけて死傷させたとして、殺人などの罪に問われた小島一朗被告(23)の裁判員裁判は3日、横浜地裁小田原支部(佐脇有紀裁判長)で弁護側の被告人質問があった。小島被告は2人掛け通路側の座席を選択した理由を問われ、「窓際にいる人を確実に1人は殺せるだろうと思い、席を選んだ」と述べた。
小島被告は2018年6月9日夜、新横浜―小田原間を走る「のぞみ」車内で隣席の女性2人をなたで切りつけて負傷させ、助けに入った兵庫県尼崎市の梅田耕太郎さん(当時38歳)の首などを切って殺害したとされる。
小島被告は事件に至る経緯を問われ、刑務所に入るために事件を起こしたとした上で、死刑を避けることを目的に「殺害するのは2人までにしておこうと決めた」と述べた。新横浜駅を出発した後、事件を起こしたことについては「新横浜と名古屋の走行距離が一番長いので、この間でやろうと考えた」と語った。
公判では、男性車掌の証人尋問もあった。車掌の証言によると、乗務中に車両後方からパニック状態で逃げてくる乗客がいたため後方に向かうと、小島被告が梅田さんに馬乗りになって襲撃するのが見えた。車掌は「やめて。その人を助けさせて」と呼びかけたが被告は応じなかったという。
(毎日新聞の記事から引用)


十分に計画的な犯行であり、「人を殺して刑務所に入る」との目的に立って明確な殺意があったと認められます
「刑務所に入る」との考えは、小島被告が随分と前から語っていた人生設計で、「働かずに生きていける。それが刑務所だ。事件を起こして刑務所へ行く」と養父に語っていたと報じられています
前回も述べたのですが、この小島被告の認識は誤っており、日本の刑務所は独房で何もせず過ごす場所ではありませんし、人と関わらず孤独に暮らせる場所でもありません。何をもってそう思い込むようになったのかは不明です。が、他人の意見に耳を傾けたり、それを受け入れて理解する能力に欠ける小島被告にはどう説明しても無駄でしょう
収監された後、集団生活ができず大声を上げて暴れ出したり、職業訓練を拒否して懲罰を科せられたり、受刑者からも刑務官からも「めんどくさい奴」扱いされるのが目に見えます。つまり、刑務所で誰からも干渉されずのんびり暮らすなど不可能で、日々周囲と軋轢を起こし、処遇困難者として「生きにくさ」を味わうはずです。無期懲役なら最低でも35年は服役せなばならず、小島被告は仮釈放まで「刑務所の面倒な日常」から解放される機会がないと知り絶望するでしょう。刑務所内で自殺を図るかもしれません
さて、今回この事件を取り上げたのは小島被告について云々するためではなく、考えさせられる記事を発見したためです
当ブログでも過去に取り上げた豊川の老夫婦殺傷事件や、佐世保での女子小学生による殺人事件なとに触れる内容があるので、興味深く読みました。長文の記事なので、中身の引用はせず、タイトルとアドレスだけ貼っておきます

新幹線殺傷に見る誤診と誤解だらけの「発達障害と犯罪」 アスペルガー症候群を世に知らしめた少年殺人も誤診だった?

記事の中で引用されている昭和大学医学部精神医学講座主任教授・岩波明医師の著書『発達障害』(文春新書)はまだ読んでいませんので、早速読むことにします。ただ、岩波教授の指摘する「明らかな誤診や過剰診断も多い」との見解を鵜呑みにはできません
診断基準を厳密に適用し、他者とのコミュニケーション能力の程度を斟酌すれば、また別の診断を下せる可能性はあったのかもしれません
ただし、岩波教授は取り上げられている一連の事件で容疑者となった男女を直接は診断しておらず、報じられた情報や裁判資料のみを参照して私見を述べているのであり、直接精神鑑定を実施した医師にすれば誤診呼ばわりされて迷惑でしょう
記事を執筆した鳥集徹は文末で以下のように述べています

動機の分かりにくい凄惨な事件が起こると、私たちはどうしても理由を求めたくなり、精神疾患や発達障害があれば、それが問題だったのではないかと考えたくなります。けれども、精神鑑定や司法の判断でさえ、専門家から「間違いだ」と指摘されることがある。それくらい、犯罪者の心理や犯行の動機を解明するのは簡単ではないことなのです。
したがって軽々に理由を求めることよりも、まずは刑事司法での詳しい事実解明を待つべきではないかと思います。そして、このような境遇の人物の暴発を社会としてどう防げばいいのか──発達障害と犯罪を安易に結びつけるような予断を持たず、あくまで解明された深い事実に基づいて、議論を深めていくことが大切なのではないでしょうか。

発達障害だ、精神障害だと安易に決めつける傾向を警戒するべきであるのは確かにその通りです
ただ、「刑事司法での詳しい解明を待つべき」との見解には賛成できません。検察官も弁護士も裁判官も犯罪心理学や精神医学の専門家ではないのであり、踏み込んだ議論は期待できません。なおかつ裁判は検察官の立証に弁護人が反論し、どちらの主張に分がるか裁判官が判定する場であって、それが必ずしも真実の解明であるとは限らないのです。さらに裁判は事件処理という性質上、迅速に行われるべきであり、時間を湯水のごとく使って延々と議論する場ではありません
犯罪者の暴発を社会としてどう受け止め、防ぐかは刑事政策の問題であり、国会で議論すべき課題です(今の野党にそんな能力がないのは明らかですが)
筆者は刑事司法の場として個別の裁判ではなく、弁護士会と検察、裁判所が協議機関を設け、話し合えと言いたいのかもしれませんが、実りのある討論や検討ができるとは思えません。それぞれ立場の違いは大きいのであり、指向するところも違うのですから

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舞台「熱海殺人事件」で女優開眼と書く記事 今泉佑唯

つかこうへいの演劇「熱海殺人事件」や「幕末純情伝」は繰り返し上演され、新人女優の登竜門とされてきました。つかこうへいの舞台を経験すれば女優として一人前、という評価がいつの頃からか確立していたのです
ただし、本当にそうであるのか、自分は常々疑問に思っていました
現代演劇にありがちな、機関銃のごとく台詞をまくしたてる芝居のどこをどう評価したら、女優として一人前と言えるのか
ただの早口言葉大会ではないか、と
つかこうへいは、「間だの芸だのいらない。芝居はF1レース。0.01秒間違えると死ぬという真剣勝負を観に、客は来る。金を払って車庫入れを観に来る客はいない」と主張し、ファンはそのアクロバティックが台詞の乱打こそ芝居のだいご味と感じていたのかもしれません
さて、欅坂46を卒業した今泉佑唯が「熱海殺人事件」の舞台に立ち、その経験を「日経エンタテインメント!」の中で語っています
彼女なりに真摯に取り組み、達成感と自信を得たと伝わってくる内容です


元欅坂46の今泉佑唯 女優の覚悟「反骨心で快感知る」
(前略)
壁は高いほど乗り越えたときの達成感が大きい
「稽古期間は追い詰められすぎて誰とも話せず、毎日泣いていました。まず舞台のイロハを知らないから、自分は何ができていないのかすら分からなくて、頭の中がパニックになって…。欅坂46時代はプレッシャーを感じることがなかったんですよ。自分ができなくてもメンバーがいるからという安心感があったので。
でも、舞台は私がダメなら作品が成立しない。プレッシャーに押しつぶされそうになって、休憩になるたびに稽古場から逃げて、泣いてました。演出の岡村俊一さんから『絶対大丈夫だから』と励まされても、『なんの根拠があって大丈夫なんですか』って言ってまた泣いて(笑)。でも、『舞台に立てば絶対変わるから』と言われて、その言葉を信じて、自分を奮い立たせて頑張ったら、その通りでした。
同じ物語なのに毎日お客さんの反応が違うんですよ。昨日はここですごく盛り上がったのに今日は反応が薄いなとか、そういうのがはっきり伝わってくる。そうなると今度はこっちに火がついて、芝居のテンションが上がる。同じ話、同じセリフなのに芝居は毎日違うというのが楽しくて…。稽古中は二度と舞台なんかやらないと思っていたのに、終わった時にはまた舞台をやりたいって思ってました。
壁が高ければ高いほど乗り越えた時の達成感は大きいじゃないですか。反骨心が私のモチベーションなので、できないと言いつつも絶対に諦めないし、困難を克服して、やり遂げた時の快感をまた味わいたいんですよね」
(以下、略)


芝居をやる上で、最初は台詞の少ない端役からスタートし、徐々にステップアップして主役に至る、という過程はいまやないのでしょう
話題性のある人物を、芝居未経験でも主役や準主役に据え、舞台に上げるのが現代のやり方です
そして機関銃のごとくベラベラと長大な台詞をしゃべらせるという…
ただし、熱海殺人事件の動画を見ても、どこが面白いのか自分にはさっぱり分かりません

熱海殺人事件 今泉佑唯



新・幕末純情電 北原里英



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俳優新井浩文の強姦事件 懲役5年の判決

派遣型マッサージ店の女性従業員に乱暴したとして、強制性交罪に問われた俳優の新井浩文被告の判決公判があり、東京地裁の滝岡俊文裁判長は新井被告の「同意があったと思っていた」との主張を退け、求刑通り懲役5年を言い渡しています
判決というのは検察側の求刑を多少なりとも割り引くのが一般的ですが、今回のように求刑そのままの量刑を言い渡すのは珍しいケースです。それだけ新井被告側の自分勝手な主張や解釈に、裁判官が不快感を覚えたのでしょう
同時に、弁護人が法廷戦術を誤った、とも言えます
当ブログでは産経新聞の記事から引用する例が多いのですが、これは無料で読めるからです。朝日新聞や毎日新聞の場合、主要記事が有料配信になっていますので、ブログを書く側としては引用できない事情があります
加えて、法廷でのやりとりを取り上げた産経新聞のライブ感覚の記事は情報量も各段に多く、参考になります
以下、争点部分を判決がどう判断したか引用します


(事件の被害者である女性をAと記載しています)
裁判長「Aの証言と被告人の供述は、暴行および、Aの抵抗の内容の点で食い違っているので、これらの信用性について判断する」
裁判長「まずAの証言については、客観的な経緯や状況と整合し、これらによって裏付けられており、とりわけ、暴行の内容が(女性が記した被害の)メモの内容とよく符合する」
「また、Aはセラピストとして施術する目的で初対面の被告人の自宅を訪れたにすぎず、意向に反して性交を強いられる事態に対し、相応の拒絶感や抵抗を示すことが十分に想定されるのであって、Aが一連の暴行に際しても抵抗したという趣旨の証言内容は合理性を備えている。この見方は、本件直後に被告人から現金の受領を拒むなど、被告人との性交に強い拒絶感を示していた経緯からも首肯できる」
「さらに本件の直後にAから「抵抗したが、逃げ切れなかった」などと言われたという送迎の運転手の証言と整合することや、Aが覚えていないことはその旨、真摯(しんし)に証言し、ことさらに虚偽の供述をして被告人を陥れる状況も想定しがたいことなどを踏まえると、Aの証言の信用性は高いといえる」
《女性の証言の信用性を全面的に認めた裁判長は、続いて、新井被告の供述の信用性についての判断を述べていく》
裁判長「被告人供述は、(前提となる)事実関係を見ただけでも、Aの拒絶に気付かない事態がおよそ想定できないなど、こうした事実関係と整合しがたいから、信用に値しない」
(中略)
《強制性交罪の成立には、抵抗が著しく困難になるほどの「暴行または脅迫」が必要とされており、滝岡俊文裁判長は、こうした暴行があったのかについての判断を述べた。女性の証言によると、ズボンや下着を脱がされるなどの暴行があった。裁判長は新井被告がこれらの暴行を加えた上で、「ベッドに押し倒し、A(女性)と性交したと認められる」と述べた》
裁判長「こうした一連の本件暴行および性交は、そもそも被告人が深夜の時間帯に明かりも消された自宅寝室のベッド上でAからマッサージの施術を受けるという機会に乗じ、そうしたAの置かれた状況に付け込んで敢行されている」
《裁判長はさらに、女性が抵抗できたかどうかについても言及した》
裁判長「その暴行の態様に加え、被告人がAから何度も拒絶感を示され抵抗されたのに性交に及んだことや、両者の体格差も踏まえると、Aが被告人に対して物理的、心理的に抵抗することが困難な状況であったと推認される」
(産経新聞の記事から引用)


新井被告側の言い分を片っ端から否定する裁判官の言葉を耳にして、弁護人は頭を抱えたでしょう
物証が乏しく、当事者しかいない密室での犯行です。新井被告も弁護人も被害者の証言や供述調書に難癖をつけ、矛盾や祖語があると主張してきました。特に強制性交罪の構成要件である「被害者は抵抗できない状況に置かれたか」を客観的に立証するのが難しく、過去のいくつもの裁判で「抵抗できない状態だったとは認められない」とか、「明確に(性交を)拒否したとは認められない」などという判例が出ています
当ブログでもこの点を問題視し、むしろ「明確な同意がなかったのであれば、拒否したとものと推認すべき」ではないか、と書いてきました
さて、判決を受けて新井被告側は控訴しています
弁護人は「強制性交罪は立証できないから、実刑判決はない」と楽観視していたのかもしれません
法廷戦術としては有罪を認め、ひたすら平身低頭し情状酌量(慰謝料として2千万円の支払いを被害者に提示するなど、誠意を尽くしていると主張し)を狙った方がよかったのではないでしょうか?
そうした法廷戦術を採用しなかったのは新井被告の、「派遣マッサージなんて風俗営業なのだから金さえ払えば何とでもなる」という、被害者を見下した態度が原因だったのかもしれません
控訴審では、一審判決をひっくり返すのを趣味にしている変な裁判官に当たらないよう祈念します

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わいせつ教師八木航 異常な性癖

千葉市立小学校の元教諭(懲戒免職処分)八木航被告については、先に千葉地検が懲役15年を求刑している、と当ブログで取り上げました
判決は近く言い渡される予定ですが、文春オンラインにこの裁判を巡る記事が掲載されていますので、あらためて言及します
メディアは「わいせつ事件」という扱いですが、犯行内容からすれば「出来心でついやってしまった」などと誤魔化せるようなレベルではありません。被害を受けた児童は7名に及びます(立件されなかった被害もあるはずです)


「体だけは大人になりやがって」と……女子小学生7人が被害を受けた千葉ロリコン教師「鬼畜の所業」
(前略)
事件が発覚したのは2018年7月17日。夏休み直前だった。小学3年生の女子児童Aさんが、小学校から帰宅後、母親に被害を打ち明けた。この日、担任のX被告は、1時間目の授業を自習にした上で、クラスメートの中からAさんを1人、別の教室に呼び出した。そして、目隠しをさせ、腕をしばって抵抗できない状態にすると、Aさんの陰部を触ったり、Aさんの口に自分の陰茎を入れたりしたのだ。
母親の相談を受けた県警は捜査に乗りだし、8月1日、X被告を強制性交の疑いで逮捕した。県警はX被告の自宅の家宅捜索で、外付けハードディスクやデジタルカメラなどを押収。データを解析すると、犯行を録画したものが見つかった。映像に映る被害者はAさんだけではなかった。他にも被害者がいることが判明し、解析の結果、Aさん以外の6人が特定された。
被害者Bさんの母親は裁判の意見陳述でこう述べている。
「被告が逮捕されてからしばらく経って、刑事さんがうちまで来て、『事件のことを知っているか』と聞かれました。丁寧にすべての家庭に聞いて回っているのかと思ったら、『実は娘さんも被害に遭っているそうです』と言われました。娘は私に気を遣い、何も言わなかった。つらいです」
約5年半も明るみに出なかった卑劣な犯行
X被告は児童らが口外しないことをいいことに、2013年1月から逮捕される18年7月までの約5年半の間、7人の被害者にわいせつな行為を繰り返していたが、Aさんが母親に訴えるまで犯行が明るみに出ることはなかった。
X被告は起訴され、初公判は昨年10月11日、千葉地裁で開かれた。7人の被害者ごとに追起訴が行われ、すべての起訴を終えるまでに1年近くがかかった。
裁判では、X被告の手口が次々に明らかになっていった。常習的な手口はこうだ。担任するクラスの女子児童の中で、物静かで、大人に告げ口しなさそうな子供を選んでは、理由をつけて空き教室や校内の倉庫などに呼び出す。そうして2人きりになると、X被告は児童に自分の局部を咥えさせたり、押し付けたり、児童の陰部を触ったりしていたという。その一部始終をカメラで撮影し、映像に残していた。
(中略)
検尿容器の写真を撮るなどの「異常な性癖」
裁判では性犯罪者を支援するNPO法人で診察した精神科医の意見書も証拠として提出された。それによると、X被告は高校生時代から女性の下着を盗むようになり、修学旅行では同級生の下着も盗んだ。その後もたびたび他人の家の風呂の窓から女性の入浴姿を覗いていたり、盗撮行為をしたりしていた。
小学校の教師になってからも犯罪的ともいえる異常な性癖は治らず、尿検査で回収された検尿容器の写真を撮ったり、プールの授業中に児童が着替えた教室に入り、脱いだ服を撮影したりしていたという。
この意見書によると、X被告は小児性愛障害や、人の気持ちを読み取るのが苦手だということを示す前頭葉機能障害などがあると診断された。
X被告は、検察官から「異常な性癖を持っているという認識はなかったのか」と問われると「おかしいとは思っていたが、自分で(性癖を)変えられると思っていた」と答えた。被害者の1人の代理人弁護士も「小学生の幼い女の子に近づくために小学校の先生を志したのか」と問いただしたが、「違います」と語気を強めて否定した。
(以下、略)


高校生の時から下着泥棒をしていた八木被告がよくもまあ、小学校の教諭になろうとしたものです。「幼い女の子に近づくため小学校の先生を志したのか」と問われ語気を強めて否認した、と記事にはありますが、わいせつ行為をする気満々で教師を志したのは明らかでしょう
教師には不向きな性依存症を抱えていると自覚していたなら、教員になるべきではありません。社会の迷惑です
そして上記の記事にある犯行の態様から感じ取れるのは、感受性の鈍麻であり、共感性の欠如です。日頃から女子児童と接しながら、わいせつ行為を嫌がる児童の気持ちをまったく汲み取れず、共感できないという異常さが目につきます(だからこそ、7人、あるいはそれ以上の児童に対するわいせつ行為を繰り返すことができた、と言えます)
検尿容器の写真を撮るとか、フェティシズムの傾向も顕著であり、いわば生粋の変態です
ただ、そうした資質的な偏りは犯行の背景の説明にはなっても、情状として考慮すべきとは思えません。最初から教師としての倫理観が欠如していたと立証するだけです
弁護人は小児性愛障害の治療を受けさせるためとして寛大な判決を求めていますが、八木被告が刑務所を出てから治療を受ければよいのであり、服役期間を短くする理由には当たりません。求刑の15年では軽すぎるとさえ思います
被害者側の怒りの生々しさを見れば、八木被告は被害者との示談も進めていないものと推測できます

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