老人ホーム睡眠薬殺人 最高裁の判斷は?

印西市の老人ホームに勤務していた准看護師が、同僚に睡眠導入剤入りのお茶を飲ませ、交通事故を起こさせた事件では、一審千葉地裁は懲役24年の判決を下しました。が、二審の東京高裁は「交通事故に巻き込まれた相手方2人に対しても殺人未遂を認めた判斷は誤り」だと指摘し差し戻す判決を下しています。検察、弁護側ともに上告したため、最高裁での判斷が注目されています


千葉県印西市の老人ホームで睡眠導入剤入りの飲み物を同僚に飲ませて交通事故を引き起こし、6人を殺傷したとして殺人や殺人未遂などの罪に問われた元職員、波田野愛子被告(74)の上告審弁論が11日、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)で開かれ、結審した。判決期日は後日指定される。
争点は被告の殺意の有無で、1審千葉地裁の裁判員裁判判決は殺意を認め、懲役24年とした。これに対し、昨年12月の2審東京高裁判決は「事故に巻き込まれた相手方2人にまで未必の殺意を認め、殺人未遂罪が成立するとしたのは誤りだ」として1審を破棄、審理を地裁に差し戻した。検察、弁護側双方が上告しており、最高裁は2審の結論を見直す可能性がある。
この日の弁論で検察側は「事故に巻き込まれた相手への殺意は認められる」と主張。弁護側は「薬を飲ませても事故が起きるとは限らず、殺害行為といえない」とした。
(産経新聞の記事から引用)


上記の記事にある、弁護側の「薬を飲ませても事故が起きるとは限らず、殺害行為とはいえない」との主張は不適切でしょう。現に事故は起きており、無関係な人まで巻き込まれ負傷しているのですから。いかに被告人の利益のためとは言えども、よくよく吟味した上で弁護人は発言するべきです
睡眠導入剤をお茶に混入して飲ませるだけで、波多野被告はいわば手を汚すことなく複数人を殺害できたのであり、交通事故ともなれば無関係の人間を何人も巻き込む可能性があったわけです。現にそうなっています
波多野被告の動機に関しては前々回の記事で取り上げましたので繰り返しませんが、千葉地裁での公判で波多野被告は質問されても「忘れた」と言うのみで語ろうとはしませんでした
この波多野被告の態度に被害者側は怒りを禁じ得ず、批判しています。


印西市の老人ホーム職員ら男女6人が昨年、交通事故などで死傷した睡眠導入剤混入事件で、殺人などの罪に問われた元職員の准看護師、波田野愛子被告(72)は19日、千葉地裁(坂田威一郎裁判長)であった裁判員裁判の第5回公判の被告人質問で、睡眠剤を使った理由や望んだ影響を「覚えていない」「忘れた」とこれまでの公判と同様に繰り返した。
前回公判では、波田野被告は混入の動機を「嫌がらせのためだった」と説明し、殺意を否定。改めて裁判官が混入により望んだ影響を問うと「忘れてしまいました」と答えた。嫌がらせ目的に睡眠剤を選択した理由は「ちょっと…覚えていない」と首をかしげた。
この日の公判では、検察側の証人として乱用薬物の有害作用に詳しい国立精神・神経医療研究センターの依存性薬物研究室長が出廷。交通事故死した同僚の山岡恵子さん=当時(60)=らは、服薬を知らずに車を運転したとして「操作を誤った時、適切な回避ができず非常に危険」と事故のリスクを指摘。医療従事者であれば、運転の危険性は「最も注意すべき点」と述べた。
また、被害者参加人として出廷している山岡さんの次男が意見陳述し、混入した理由などを「忘れた」とする被告に時折顔を向けながら「(事件から)まだ1年ですよ。反省しているなら覚えている」と怒りをあらわに。「極刑を望むが、本人が楽になる」と話し、山岡さんが本来生きられた年数を数え「30年間ぐらいは刑務所の中にいてほしい」と訴えた。
(千葉日報の記事から引用)


最高裁は一審判決を支持するのか、二審を支持して差し戻し(裁判のやり直し)を求めるのか、どちらになるのでしょうか?
実益のない法律論議にかまけて、裁判のやり直しなどという無駄はごめんです
裁判員裁判である一審で示された懲役24年の判決を支持してもらい、決着をつけるのが被害者とその家族にとって最も望ましいわけで

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