世田谷一家殺害事件 未解決のまま20年

年末になると新聞や雑誌が一年を振り返り、衝撃的な事件や未解決事件を取り上げます。未解決事件として毎年のように取り上げられるのが、2000年12月に起きた世田谷一家殺害事件で、今年はあれから20年目となります
例年、警察の担当者による事件解決への決意が記事として配信されるのですが、どうにも虚しく感じられていまいます
もちろん、現場の捜査員は熱意をもって取り組んでおられるのでしょうが


東京都世田谷区で宮沢みきおさん=当時(44)=一家4人が殺害された事件は30日で、未解決のまま発生から20年。犯人につながる多くの証拠が得られながら捜査は難航している。指紋にとらわれた初動、絞りきれない動機、拡大する犯人像…。捜査は一体どこで滑ったのか。捜査員は風化とも闘いながら今も捜査を続けている。
「ホシ(犯人)の指紋と血がある。それが一致すれば、必ず挙がる(解決する)」。ある捜査員は、こんな会話が脳裏に刻まれている。事件直後、捜査幹部は遠からず犯人を検挙できると確信していた。指紋に加えDNA型が検出できる血液。現場からは直接犯人につながる決定的証拠が採取されていた。
だが事件は未解決のまま時間だけが過ぎた。「指紋にとらわれすぎて、初動で重要な基礎捜査がおろそかになった」。当時の捜査幹部は振り返る。現場周辺の聞き込みを行う「地取り」、被害者の顔見知りを調べる「鑑取り」。物証の多さが油断を招き、基本的な捜査が不十分だった可能性があるという。
犯人が現場に残した足跡から靴は韓国製ブランド「スラセンジャー」で、サイズは日本で販売していないものと判明。遺留品からは外国製洗剤とみられる成分や、外国の砂と酷似した砂も検出された。
捜査本部は昨年、凶器の包丁の柄を包んだとみられるハンカチをめぐり、フィリピン北部で同様の包み方をするとの情報を得たと発表。国内のフィリピン人に聞き込みを続け、フィリピン警察にも協力要請した。
なぜ一家が狙われたのか動機も判然としない。犯人は犯行後も長時間現場に居座った可能性があり、冷蔵庫にあったカップアイスをスプーンを使わずにかじり、みきおさんのパソコンを操作したことが判明。行動の異様さが際立つが、意図は不明だ。外国人やスケートボーダーなど数々の犯人像も浮かび、一点集約されるはずだった捜査はむしろ、無限に広がっていくようだった。
「現在なら3日もあれば絶対に捕まえられる」。捜査幹部は無念そうに語る。多くの捜査関係者が同じ意見だ。科学捜査が飛躍的に進歩し、防犯カメラも普及した。警視庁では過去8年間、特別捜査本部が設置された重要事件で未解決事件はない。捜査本部は、最新の科学技術を駆使した鑑定に期待を寄せている。
一方で、周辺の聞き込みや証拠品の徹底した洗い直しも続けられている。元捜査幹部は悔しさをあらわにこう訴える。「警視庁は、日本最強の捜査能力があると自負してきた。警視庁が解決できなければ日本警察の敗北。必ず検挙しなければならない」
事件を担当する捜査1課の鶴我能史(つるが・よしふみ)管理官(51)は「犯人を逮捕し、被害者の無念を晴らすのがわれわれの使命。あらゆる可能性を視野に入れて捜査し、犯人を絶対に逃さない」と力を込める。刑事警察の威信をかけた執念の捜査が続けられている。
(産経新聞の記事から引用)


毎日新聞にも、当時の捜査が指紋照合に頼りすぎたと元捜査員が自省する記事が掲載されています
そして上記の記事の文末にはお約束の、「犯人を逮捕する」という管理官の決意が記されているわけですが…
警察のメンツなどどうでもよいのであり、容疑者を特定できるか否か、が重要です
被害者との接点が見当たらないのであれば、通り魔的犯行と解釈してもよいのではないでしょうか?
強盗目的でもなく、個人的な怨恨でもなく、一戸建ての家に住む面識のない家族を狙い惨殺することこそが目的だったと
強いて憶測するなら、父親が日本人か韓国人でフィリピン人の母親との間に生まれた私生児(認知はされていない)で、幸せそうに暮らしている家族を報復のため殺し、国外へ逃亡した…といったストーリーが思い浮かびます。ですが、その線で捜査を進めるなど困難でしょうし、憶測でしかないストーリーに拘泥するのも誤りです
遺体の状況からして残虐な手口であり、となれば殺人は今回が初めてだったとは考えにくいところです。また、精神異常者であるとも考えられません。現場の住宅はかなり入り組んだ道の奥にあり、精神異常者が行って帰れる場所とは思えません。殺しの経験があり、しかも人を殺しても平気でいられるメンタリティの持ち主、でしょう(家の中は血まみれ状態でしたが、犯人はそこにとどまり返り血を浴びた衣類を着替え、朝の10時近くになって退去したと考えられています)
犯人がどこから来て、どこへ去ったのか、足取りをしっかりと掴む必要があったわけですが、上記のように指紋や数々の遺留品に目を奪われそこが疎かになっていたのかもしれません

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