富山交番襲撃犯 調書に見る犯行動機

交番を襲い警察官から拳銃を奪って、小学校の警備員(島津被告は警備員を警察官と誤認)を射殺した事件の公判が続いていいます
従来は島津慧大被告が拳銃を奪い計画を立てた上で実行した犯行であると考えられていたわけですが、被告弁護人は警察官を襲った後に拳銃を奪おうと思い立った事件であり、傷害と窃盗罪に当たると主張し、強盗殺人事件ではないと述べています
強盗事件ではなく傷害と窃盗の二つに分けてとらえるべき、との主張は法廷戦術としてよくある言い分なのですが、通用する例は滅多にありません
公判で黙秘を続ける島津被告ですが、第10回公判では取り調べ段階で供述する様子を採取した録音音声と調書が証拠として提出されています


富山市で2018年、警察官ら2人が殺害された富山県警富山中央署奥田交番襲撃事件で、強盗殺人罪などに問われた元自衛官島津慧大(けいた)被告(24)の裁判員裁判の第10回公判が4日、富山地裁であった。被告は捜査段階の取り調べで、「人を殺すことで社会とのつながりを断とうとした」などと供述していたことが、供述調書や録音した音声で明らかになった。
検察側は、被告が法廷で何も話さないことから、捜査時の供述調書などを証拠として提出。取り調べ時の音声は法廷で流され、時折沈黙する様子をうかがわせながらも雑談を交えて聴取に応じる様子がわかった。
逮捕後の警察官による取り調べでは、被告は犯行の動機について「(警察官の)拳銃を奪い取ろうとした」と供述。一方で、「一番の目的は警察官で、戦って生き残ったら(拳銃のつりひもを)切ろうと思っていた」と説明したり、何度も訂正を求めたりする一幕もあった。公判で弁護側は、被告の拳銃を奪う意思は警察官殺害後に生じたとして、強盗殺人ではなく殺人と窃盗罪の適用を求めている。
対人関係が築けないことによる生きづらさを吐露する場面もあった。被告はアルバイト先でのトラブル後の心境を「いつも同じ失敗を繰り返し、人生と自分を受け入れてくれない社会に失望した」と表現した。事件を起こせば「最後に射殺されるのはわかっていた」という。
また、稲泉健一警部補(当時46歳)と交番裏口でもみ合いになり発砲があったことに関しては、「発砲したのは自分じゃない。警察官本人が発砲して自分の手のひらに当たった感じだった」と供述。稲泉警部補が背中を向けた際に、持っていたおので後頭部を何度もたたいたという。警察官と戦うことは「1、2年前から何となく空想や妄想していた」などと述べていた。
次回公判は8日。論告求刑などが行われ結審する。
(読売新聞の記事から引用)


島津被告の供述をまとめると、自衛官や警察官という職種に強い憧れを抱いていたのが分かります。警察官と格闘して勝利し、戦利品として拳銃を奪うという犯行動機は明らかでしょう。その結果として、警察官と銃撃戦になり最後は射殺して死ぬところまで、彼は思い描いていたのです
なので弁護人の主張するところの、「警察官を襲った後に拳銃を盗むことを思いついた説」は成立しません
発達障害を抱え、生き辛さに島津被告が悩んでいたとしても、その動機は身勝手なものであり容認されるものではないのです
ただ、そうした歪んだ考えを持つに至った経緯として、生来の障害という同情すべき事由があるのは事実です
後は裁判員や裁判官がどこまで情状を汲むかにかかっているのでしょう

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