三春町ひき逃げ殺人 死刑判決

福島県三春町で昨年5月、刑務所に入ろうと考え、道路で清掃活動中のボランティア男女2人をトラックではねて殺害し、殺人や道交法違反(ひき逃げ)などの罪に問われた住所不定、無職盛藤吉高被告(51)の判決公判があり、福島地裁郡山支部は「人命軽視が甚だしい。動機は身勝手で厳しい非難を免れない」として求刑通り死刑判決を言い渡しています
盛藤被告は刑務所を出所して2日目であり、刑務所に戻るためトラックで人をはねようと企図した結果です。被害者にとってはまったく理不尽な話であり、無念としか言いようがありません
地元紙である福島民報は号外を出して盛藤被告の死刑判決を報じています
せっかくなので、地元紙の報道から幾つか引用しましょう


(犯行動機)
弁護側の主張:刑務所に戻りたいという動機は身勝手だが、金銭目的の犯行などと比べると非難の程度はやや弱まる
検察側の主張:刑務所を衣食住の心配ない安住の地と捉え、戻ろうとした。3度の服役で更生せず遵法意識や更生意欲は乏しい
(殺意の程度)
弁護側の主張:人をはねることは意欲していたが、明確な殺意はない。殺意は「死ぬかどうか分からないが、死んでも構わない」という程度にとどまる
検察側の主張:殺害意欲に基づく犯行。トラックをUターン後に加速させ、正面から衝突させる行為は生命を奪う危険性が高く、殺意は明らか
(殺害手口)
弁護側の主張:自動車による一度の犯行、刃物で何度も刺すような事件と比べ執拗さは低い。極刑に値する残虐性はない
検察側の主張:トラックを「走る凶器」として用いた無差別殺人。圧倒的な攻撃を人体に加えており、危険性や悪質性、残虐性は高い
{被告の供述の信用性)
弁護側の主張:法廷での証言と捜査段階の供述が矛盾しているのは「警察官に誘導された感じ」
検察側の主張:殺害するための犯行と認めた捜査段階の供述は自然。法廷での発言は信用できない


弁護人の主張がいちいちひっかり、これで被告を弁護したつもりなのかと思ってしまいます
例えば(殺意の程度)で、「死ぬかどうか分からないが、死んでも構わない」という程度にとどまると弁護人は述べたようですが、亡くなった2人の方がこれを聞いたら激怒するでしょう。裁判員も、「この弁護士は何を言ってるんだ」と反感を覚えたはずです
さらに、(殺害手口)で弁護人は、「刃物で何度も刺すような事件と比べ執拗さは低い。残虐性はない」と述べているのですが、トラックで轢き殺す行為は銃で殺害するのに匹敵するわけで、残虐そのものでしょう。この弁護士は感覚がおかしいのでは?
裁判員も弁護士の発言に、神経を逆なでされる感じがしたのではないでしょうか
51歳になる盛藤被告は刑務所を出たり入ったりの生活だったとはいえ、更生する機会はあったはずです。それを活かそうとせず、刑務所に戻るためトラックで人をはねようなどと考え、実行するのですから言語道断でしょう
さらに盛藤被告は被害者遺族に償う財産もないのであり、被害者は殺され損です。被害者自身、あるいは遺族の無念さを考えれば死刑は当然の判決と思います

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